CuBoxはイスラエルにあるSolidRun社が開発販売している超小型コンピュータで、手のひらに乗るほど小型軽量ですが、にLinuxをインストールしたマイクロSDをスロットに入れてLANとUSBDACを接続すると、ネットワークオーディオプレーヤーとしてiPadのようなタブレット端末やPCなどからNASの音楽ライブラリを簡単に再生操作することができるようになる優れものです。
下の写真は左がCuBoxProで、右がCuBox-i1です。外観は全く同じですね。
PCオーディオを使ったネットワーク再生や、LINNのDSに代表されるネットワークオーディオ再生機と違うのは、常時起動していても消費電力がたったの3W程度しかなく、もちろん完全ファンレスで無音ということと、CuBox自体の価格はエントリーモデルでたったの$54.99という点です。
CuBoxの設計思想は、かつてのVoyageMPDと同じく、音楽再生に無関係な音質に悪影響を与える恐れのあるソフトウェア動作を極力排除し、再生に関わる制御はタブレット端末に任せていることです。また、再生機能面でもWAV/FLACのハイレゾはもちろん、DSDのネイティブ再生にも対応している点も特徴のひとつです。またギャップレス再生にも完全に対応しています。
一方、(PCオーディオと同じく)CuBoxはそのままでは使うことができず、設定にはある程度のLinuxやネットワーク知識が必要となります。民生のオーディオ機器のように買ってきてすぐに使うことができるものとは違います。
前置きが長くなってしまいましたが、拙宅のリビングのメインシステムの中核にはこのCuBoxを使っているのですが、今回、リビングに加えて、寝室にもう1台のCuBoxを設置しました。
リビングのCuBoxはこんな感じです。
CuBoxは発熱量は少ないほうですが、それなりに熱を持つので、CPU用のヒートシンクを天井部につけています。筐体は電磁波防止シートを張り付けることで不要な電磁輻射を抑えています。またCuBoxの電源は付属のACアダプターではなく、Kenwoodの直流安定化電源にファインメットビーズをかませたものを使っています。
USBDACは(倒産して今は亡き)ラステーム社のUDAC32RDを愛用しています。ちなみにこのUSBDACはDSDのDoPネイティブにも対応しており、曲切替時のポップノイズも抑える回路や、PCMとDSDの6dBの出力差も補償回路で補ってくれる優れモノです。
リビングのCuBoxは、第一世代のCuBoxでメモリが2GBのCuBoxProに、みみず工房さんの梅雨入りバージョン(Arch Linuxベース)をインストールして使っています。梅雨入りバージョンの特徴はフロントの赤いランプが動作中に点滅を繰り返すことです。
一方、今回新たにセッティングした寝室のCuBoxはこんな感じです。
こちらは電源はACアダプターはそのままで、USBDACはamanero社のcombo384 DDCに美武クリエイトさんの「DSD対応の制御基板と PCM1791/DAC基板のセット」を組み合わせた自作DACです。ラステームのUDAC32RDと違い、こちらの自作DACは補償回路もポップノイズ制御もありません(苦笑)。
寝室のCuBoxは、第二世代(現行)のCuBox-i1に、Voyage MuBoxをインストールして使っています。こちらは梅雨入りバージョンと違いフロントの赤いランプは起動中は点灯のままです。
寝室には有線のLANがひかれていないため、バッファローの無線リピーターを設置してそこからCuBoxに繋いでいます。無線ルーターが3Fにあり、寝室は1Fなので、ちょっと距離が離れすぎているせいか、ごくたまに音楽が途切れることがあります。まあ寝室では音質に拘っているわけではないのでこれでも良いかと割り切って聴いています。
再生はiPad上のMPaDというソフトを使っているのですが、リビングの梅雨入りバージョンと、寝室のMuBoxとでアルバムアートを管理しているWebサーバーが異なるため、MPaDのアルバムアートの並び方が微妙に違っていて面白いです。たとえば、EaglesのHotel Californiaは、3種類のバージョンがあり、それぞれCD(44.1kHz, 16bit), DVD-Audio(192kHz, 24bit), SACD(2.8MHz, 1bit)音源なのですが、このアルバムアートの表示順が微妙に異なります。
リビングのCuboxのほうでは、
とちゃんと横に3種類並んで表示されます。
一方寝室のCuBoxのほうは、
ちなみにMPaDの設定はちょっとコツが必要なので、以下に備忘録でペーストしておきます。
で、肝心の音質の比較ですが、私の耳には。。。CuBoxProとCuBox-i1の違いは。。。聴き分けることができませんでした。。。(少なくともブラインドテストをして言い当てるだけの自信がありません)。数年前にVoyageMPDを初めて導入したときに受けた衝撃(あれは強烈でした、今まで何を聴いていたんだろうという。。。)からは、その後はVoyageMPD->CuBox->MuBoxとシステムは新しくなり、できることも拡がったわけですが、音質そのものに関してはほとんど進化していないような気もします。
次なるシステムアップグレードの期待は、マルチチャンネルですね。CuBoxがマルチチャンネルを扱うことができるようになれば最強なのですが、そもそもマルチチャンネル対応のUSBDACがほとんどありません。。。まあ音源もほとんどないのですが(笑)。
いずれにせよこれでリビングだけでなく寝室でも同じ音楽ライブラリがいつでも簡単に楽しめるようになりました。
こんにちはオーディオメモのケンです。
返信削除CuBox増殖していますね。ファイルオーディオも使いなれると便利で手放せません。
マルチチャネルのDDCはどうして無いので良しょうかね。BSのデジタルデコーダでもあれば面白いと思うのですが。
DSDのデジタルチャンデバも欲しいのですが、これはちょっと無理かな。
DSDのチャンデバはいいですね!マルチチャンネルDACより需要がある気がします。さらにはDSD信号を直接スピーカーに送ってそこでDA変換なんて夢のシステムが出てきたら面白いのですが。。。たぶんあまり売れないでしょうね。。。
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