先月のトライアスロンデビュー戦では3時間を僅かに超えてしまったため、今回は3時間切りを前提に目標タイムを2時間49分に決め、果たしてどこまでタイムを縮めることができるか、特にバイクで限界を試すことにしました(これが後で大変なことになるのですが。。。)
レーススタート時間の午前11時30分を迎えるころには、すでに雨は止み曇り空が広がっていました。ポンツーンからのフローティングスタートは前回と同じですが、違うのは、コースに沿ってコースロープが張ってあることです。左で息継ぎをすればコースロープを目視確認しながら進めます。。。これなら前回のように無駄にジグザグ泳いでしまう心配もなさそうです。
いよいよレースが始まる時間が来ました。。。水に浮かびながら選手たちがいつものように「ウォー!!」と気勢を上げます。レースが始まる直前の緊張感と高揚感の入り混じった、この何とも言えない感覚。。。気持ちは戦闘モードに切り替わります。。。
そして。。。スタートの合図とともに必死に泳ぎ始めます!
「今回は絶対に真直ぐに泳ぐ!」と念じながら、他の選手とのバトルに揉まれながらもしっかりと水を掴んでフォームに気を付けながら進みます。水中の透明度は横浜よりマシですが、いろいろな浮遊物が多く、藻のようなものが体に絡まってきます(なかにはクラゲも。。。)。息継ぎごとにコースロープを確認しながら進むため、ヘッドアップスイムは前方のブイを確認するとき以外はほとんど必要ありません。他の選手の蹴り足には気を付けつつ、視線は下に、しっかりと水をキャッチして掻く動作を意識してクロールを続けます。
途中、自分より遅い選手を何人か追い抜いたりしました。なかには背泳ぎをしている選手もいて少し驚きました。前回と違って頻繁にバトルが発生しますが、致命的なパンチやキックは受けずに済みました。
やがて、後続の白のキャップを被った選手のウェーブが背後から襲いかかってきます。。。彼らは信じられないスピードであっという間に視界から消えてしまいます(一体どうしたらあんなに速く泳げるのか。。。)。
そして最初のブイを回るあたりでは、選手同士の渋滞が発生しているのが先に見えました。コースロープ沿いに泳いでくると最短ルートになるので、必然とそのバトルのど真ん中に突入です!!乗っかったり乗っかられたり。。。
無事にブイを超えたあたりで、スタート時になんと腕時計のスタートボタンを押し忘れていることに気付きました。。。!今回のレースの最初の失敗ですが、前回の教訓でレース中の想定外なんていくらでも起きるのだからと気にしません。
それよりも、今、この瞬間に泳いでいることに全精神を集中しました。コースロープの確認、他の選手の位置、ストリームラインの意識、苦手な右手のキャッチ動作などなど。。。不思議なことに2周目に入っても息が全然上がらなかったため、途中で若干ペースアップしました。ストリームラインも下半身を伸ばして腹筋に力を入れて進むと、なんとなく水の抵抗が少なくなった感覚さえ感じました。
コースロープ沿いに泳ぐと、たびたびコースロープに左手がぶつかりますが、気にすることなくロープ沿いぎりぎりを泳いでいきます。最後のブイを曲がってからは、フィニッシュエリアめがけて更にペースアップして泳ぎました。
陸に上がると、「36分!いいペースだよ!」と応援していた妻が教えてくれました。
よし!!想定タイムより4分も早い!
心配していた腰痛もなんとか大丈夫。。。前回と違って疲労感が少ないので、力強く駆け足でトランジションエリアに向かいながら、ウェットスーツの上半身を抜ぎます。。。前回はそんな余力は全くありませんでしたが今回は力がみなぎっています!走りながら右腕がなかなか抜けないので、そのまま勢いで引っ張ったところ。。。ビリビリーッと音がして。。。ウェットスーツを。。。見事に引き裂いてしまいました。。。
バイクの次に高かったウェットスーツをダメにしてしまったのはショックだったのですが、そんだけパワーが残っていたのかと内心自分を褒めたりして(笑)。。。想定外を気にせずそのままトランジションエリアに。。。
ウェットスーツを脱ぐときに腰に軽くズキっときましたが気にしません。今回はトランジション中に応援してくれている家族と言葉を交わす余裕があるほどでした。特に時間ロスなくバイクパートに移ります。
バイクは日産工場内のテストコースを走ります。テストコースなのでストレートが続くところもあれば、カーブや勾配が続くところもあり、途中に勾配の急な狭い坂がある以外は、走るには実に爽快なコースです。。。
しかし、前回の反省に基づいて、少しでもタイムを短縮するため、爽快なバイクを封印し、徹底的に追い込むことにしていました。自分のバイクの実力を試すために限界まで力走しようと決めていたのです。
1周目の始めから終始トップスピードです。。。ポジションもDHバー(ダウンヒルバー)と呼ばれる前方に突き出したバーを握り、前傾姿勢で体を倒し、空気抵抗の少ない態勢でグングン加速して、前方の選手をガンガン追い抜きます。息が上がり、呼吸も苦しくなってきますが、コーナー以外はサイコン表示で速度をチェックしながら、これ以上は無理というスピードを維持しました。
テストコース内はコース幅が広いので集団になっているバイクは、サイドから一網打尽に追い抜きます。スピードを上げるとチェーンからはいつものギリギリという負荷のかかった金属の軋みむ音が聞こえてきます。
途中、雨上がりでスリップしたのか、落車して倒れている選手を何人か見かけました。自転車の脇で呆然と座り込んでいる選手や、ウェアが血だらけになって続けようとしている選手。。。凄い光景です。。。
一瞬たりともスピードを緩めずただひたすら全力で漕いで一人でも前の選手を追い抜く。。。それしか頭にありませんでした。周回タイムをチェックする余裕もなければ、沿道で応援している家族の姿を探す余裕もありませんでした。気が付けば太ももはパンパン、足の指は釣りそうになっていますが、それも気にせず、ひたすら加速を続けます。。。
ハッと我に返ったときには、コース脇の芝生に向かって突っ込むところで本当に危ないところでした。。。自転車を漕ぎながら意識がもうろうとする場面が何度か訪れ、我に返ることがしばしば。。。自転車がよろけて横の選手に接触しそうになったことも少なくとも2度ありました(ぶつかりそうになった選手ゴメンナサイ。。。)。それでもスピードを緩めずに前の選手を追い抜くことだけを考えて走りました。2周目から5周目くらいまでは、抜きつ抜かれつした選手やバイクの特徴以外ほとんど記憶にありません。。。
コースは6.6kmを6周回するのですが、6周目の最後のストレートは、足が限界に来たのを感じつつ「行くぞー!!」と心の中で絶叫しながら残りの力を振り絞って5台くらいを一気に追い抜きました。平穏な日常では表に出ることのない闘争心が剥き出しになった瞬間でもあります。覚えているのは猛烈な逆風を身に感じたことだけでした。
結局バイクではおそらく100人くらいは追い抜いたのではと思います。
しかし、その代償をこの先払うことに。。。
まず、バイクの停車位置で降りるときに、両足が釣りました。倒れそうになりましたがグッとこらえて、これも想定内と言い聞かせながらトランジションエリアまで必死でバイクを押します。
「まだ1時間58分!いいペースだよ!!」と妻が叫んで教えてくれました。有り難い!!!
子供たちも「パパ早く!」と応援してくれます!よーし頑張るぞ!!!
前回の横浜より10分以上速いペース。このままランを想定の52分で走り切れば、目標の2時間50分切りが射程圏内。。。!
しかし息も絶え絶えで家族と言葉を交わすことができません。。。とにかくランニングシューズに履き替えて、トランジションエリアを出発しました。。。ここも失敗ナシ、かなり効率良く行けたと思います。
走り出しの段階ですでに息がゼエゼエとこれ以上ないくらいに呼吸が苦しい状態、両足はバイクで酷使しただけあってパンパンに張って今にも釣りそうです。腰はガクガクで悲鳴を上げています。。。脇腹も痛い。。。それでも脚を前に進めます。。。
バイクとランは使う筋肉が違うから、バイクで足を酷使してもランでは影響ないという話をどこかで読んだのですが、それはあるレベル以上のアスリートの話だったようで。。。少なくとも私には当てはまりませんでした。
それでもこの先走っていればいずれ楽になる瞬間がやってくると信じてノロノロと歩を進めます。
バイクと逆で、後ろから来た選手に次々に追い抜かれました。。。ああ、彼らと同じくらいのペースで走ることができたら。。。
1キロくらい走ったころでしょうか。。。ようやく呼吸の乱れが収まってきました。しかし足の重たさは増すばかりで、いくら気張ってもペースアップができません。。。歩かないで走る続けるのがやっとというレベル。。。ランはいつでも苦しいものですが、スタートからこんな苦しいランは正直初めて。。。危うく心が折れそうになりました。。。
いずれ楽になる瞬間を信じながら、ランは全3周の2周目に入りました。腕時計はラップ計測もメチャクチャで、おまけにGPS信号も受信できていないようでした。どのみち腕時計にペースを頼るような状況ではなかったので、ほとんど見ませんでしたが。。。
途中、白いウェアを血に染めて走っている選手に追い越されました。おそらくバイクで落車したのでしょう。。。怪我してもリタイヤせずにレースを続ける根性に頭が下がりました。。。
2周目の途中くらいからでしょうか。。。いよいよ両足の太もも内側(内足広筋)の痛みが尋常ではなくなってきました。。。筋肉の破壊が体内で進んでいるような感覚。。。後半のペースアップどころか、おそらくキロ6分くらいまで落ち込んだと思います。
3周目(ラスト)に入ったときには、2時間50分を切ることは絶望的と確信しました。しかし、2時間55分は切りたいと望みは捨てず、とにかく失速を最小限に抑えようと、もがきながら進んでいきます。
ランでは追い抜いたのはたぶん3人くらい。。。200人くらいに追い抜かれた感じです。
そして結局最後まで楽になる瞬間は訪れませんでした。。。それでもゴールが見えてきたときには、渾身の力でダッシュです。もうすぐこの痛みから解放される。。。
そしてゴール。。。!!!
電光掲示板が2時間55分を過ぎていたのが見えて、ああ、55分も切れなかったか。。。とぼんやりと感じたことを覚えています。体力疲労が激しく、いつものコースに振り返っての一礼も忘れてしまいました。
ゴールで家族が暖かく迎えてくれました。ありがとう。。。次女が何か一生懸命話しかけてくれますが、頭がボーッとしていてまともな受け答えができません。前回と違って疲労感が強く、まるでフルマラソンの後のようです。
レース後も疲労感が抜けず、せっかくの追浜カレーライスも一口だけで食欲が全く湧きませんでした。。。
こうして私の2回目のトライアスロンは終わりました。
実はトライアスロンの大会に出場するのは、今シーズンはこのレースが最後になります。。。トライアスロンシーズンは始まったばかりなのですが。。。秋に向けて大事な行事が控えているからです。これまで忙しいなか私がトレーニングに時間を割くことを寛容に認めてくれ、応援まで来てくれた妻と子供たちには感謝の気持ちで一杯です。。。
今シーズン最後のレースで、タイムは満足できるものではありませんでしたが、3時間切りは達成、完全燃焼した悔いのないレースができたと思います。
リザルトは以下のとおりです。
http://www.kanagawa-triathlon.jp/2014nissancup/Results_20140622.pdf
------------------------------------------------------------------
完走者 411名中254位
スイム 36分01秒 (346位)
バイク 1時間23分31秒 (141位) - スプリット 1時間59分32秒 (221位)
ラン 55分42秒 (314位)
合計 2時間55分14秒 (254位)
------------------------------------------------------------------
横浜トライアスロンの結果と比べると、スイムで6分40秒短縮、バイクで4分25秒短縮、そしてランは逆に4分45秒遅くなりました。
バイクで125位ほど順位を上げましたが、ランで33位順位を下げた出入りの激しいレース結果となりました。残念ながら完走者の平均タイム(2時間49分48秒)には届きませんでした。。。
スイムはまだまだ遅いのですが、コースを真っ直に泳ぐことさえできれば速く泳げることがわかっただけでも大収穫でした。また、バイクでは自分の限界タイムを知ることができました。ランは。。。正直苦手意識が増してしまいました。。。
昨年10月に突然思い立ったトライアスロン挑戦から8ヶ月。。。2回のレースを無事に完走できたことは本当に幸運だったと思います。ロングのアイアンマンレースへの挑戦が最終目標ですが、その日が来るまではしばらく小休止、楽しみ(苦しみ?)は来年以降に持ち越しです。
------------------------------------------------------------------
以下Suuntoの記録(GPS動作不安定)
スイムアップ→トランジションエリア到着 00'45"
トランジションタイム1 1'55"
バイクラップ記録なし
ラン1 13'01" 2.41km (5'24"/km)
ラン2 4'54" 0.89km (5'32"/km)
ラン3 18'36" 3.22km (5'44"/km)
ラン4 19'41" 3.25km (6'03"/km)
ラン合計 56'41" 9.77km (5'48"/km)
------------------------------------------------------------------
そして。。。スタートの合図とともに必死に泳ぎ始めます!
「今回は絶対に真直ぐに泳ぐ!」と念じながら、他の選手とのバトルに揉まれながらもしっかりと水を掴んでフォームに気を付けながら進みます。水中の透明度は横浜よりマシですが、いろいろな浮遊物が多く、藻のようなものが体に絡まってきます(なかにはクラゲも。。。)。息継ぎごとにコースロープを確認しながら進むため、ヘッドアップスイムは前方のブイを確認するとき以外はほとんど必要ありません。他の選手の蹴り足には気を付けつつ、視線は下に、しっかりと水をキャッチして掻く動作を意識してクロールを続けます。
途中、自分より遅い選手を何人か追い抜いたりしました。なかには背泳ぎをしている選手もいて少し驚きました。前回と違って頻繁にバトルが発生しますが、致命的なパンチやキックは受けずに済みました。
やがて、後続の白のキャップを被った選手のウェーブが背後から襲いかかってきます。。。彼らは信じられないスピードであっという間に視界から消えてしまいます(一体どうしたらあんなに速く泳げるのか。。。)。
そして最初のブイを回るあたりでは、選手同士の渋滞が発生しているのが先に見えました。コースロープ沿いに泳いでくると最短ルートになるので、必然とそのバトルのど真ん中に突入です!!乗っかったり乗っかられたり。。。
無事にブイを超えたあたりで、スタート時になんと腕時計のスタートボタンを押し忘れていることに気付きました。。。!今回のレースの最初の失敗ですが、前回の教訓でレース中の想定外なんていくらでも起きるのだからと気にしません。
それよりも、今、この瞬間に泳いでいることに全精神を集中しました。コースロープの確認、他の選手の位置、ストリームラインの意識、苦手な右手のキャッチ動作などなど。。。不思議なことに2周目に入っても息が全然上がらなかったため、途中で若干ペースアップしました。ストリームラインも下半身を伸ばして腹筋に力を入れて進むと、なんとなく水の抵抗が少なくなった感覚さえ感じました。
コースロープ沿いに泳ぐと、たびたびコースロープに左手がぶつかりますが、気にすることなくロープ沿いぎりぎりを泳いでいきます。最後のブイを曲がってからは、フィニッシュエリアめがけて更にペースアップして泳ぎました。
陸に上がると、「36分!いいペースだよ!」と応援していた妻が教えてくれました。
よし!!想定タイムより4分も早い!
心配していた腰痛もなんとか大丈夫。。。前回と違って疲労感が少ないので、力強く駆け足でトランジションエリアに向かいながら、ウェットスーツの上半身を抜ぎます。。。前回はそんな余力は全くありませんでしたが今回は力がみなぎっています!走りながら右腕がなかなか抜けないので、そのまま勢いで引っ張ったところ。。。ビリビリーッと音がして。。。ウェットスーツを。。。見事に引き裂いてしまいました。。。
バイクの次に高かったウェットスーツをダメにしてしまったのはショックだったのですが、そんだけパワーが残っていたのかと内心自分を褒めたりして(笑)。。。想定外を気にせずそのままトランジションエリアに。。。
ウェットスーツを脱ぐときに腰に軽くズキっときましたが気にしません。今回はトランジション中に応援してくれている家族と言葉を交わす余裕があるほどでした。特に時間ロスなくバイクパートに移ります。
バイクは日産工場内のテストコースを走ります。テストコースなのでストレートが続くところもあれば、カーブや勾配が続くところもあり、途中に勾配の急な狭い坂がある以外は、走るには実に爽快なコースです。。。
しかし、前回の反省に基づいて、少しでもタイムを短縮するため、爽快なバイクを封印し、徹底的に追い込むことにしていました。自分のバイクの実力を試すために限界まで力走しようと決めていたのです。
1周目の始めから終始トップスピードです。。。ポジションもDHバー(ダウンヒルバー)と呼ばれる前方に突き出したバーを握り、前傾姿勢で体を倒し、空気抵抗の少ない態勢でグングン加速して、前方の選手をガンガン追い抜きます。息が上がり、呼吸も苦しくなってきますが、コーナー以外はサイコン表示で速度をチェックしながら、これ以上は無理というスピードを維持しました。
DHバーのポジションで飛ばします
テストコース内はコース幅が広いので集団になっているバイクは、サイドから一網打尽に追い抜きます。スピードを上げるとチェーンからはいつものギリギリという負荷のかかった金属の軋みむ音が聞こえてきます。
途中、雨上がりでスリップしたのか、落車して倒れている選手を何人か見かけました。自転車の脇で呆然と座り込んでいる選手や、ウェアが血だらけになって続けようとしている選手。。。凄い光景です。。。
一瞬たりともスピードを緩めずただひたすら全力で漕いで一人でも前の選手を追い抜く。。。それしか頭にありませんでした。周回タイムをチェックする余裕もなければ、沿道で応援している家族の姿を探す余裕もありませんでした。気が付けば太ももはパンパン、足の指は釣りそうになっていますが、それも気にせず、ひたすら加速を続けます。。。
DHバーポジションで力走
下ハンポジションで力走
ハッと我に返ったときには、コース脇の芝生に向かって突っ込むところで本当に危ないところでした。。。自転車を漕ぎながら意識がもうろうとする場面が何度か訪れ、我に返ることがしばしば。。。自転車がよろけて横の選手に接触しそうになったことも少なくとも2度ありました(ぶつかりそうになった選手ゴメンナサイ。。。)。それでもスピードを緩めずに前の選手を追い抜くことだけを考えて走りました。2周目から5周目くらいまでは、抜きつ抜かれつした選手やバイクの特徴以外ほとんど記憶にありません。。。
コースは6.6kmを6周回するのですが、6周目の最後のストレートは、足が限界に来たのを感じつつ「行くぞー!!」と心の中で絶叫しながら残りの力を振り絞って5台くらいを一気に追い抜きました。平穏な日常では表に出ることのない闘争心が剥き出しになった瞬間でもあります。覚えているのは猛烈な逆風を身に感じたことだけでした。
結局バイクではおそらく100人くらいは追い抜いたのではと思います。
しかし、その代償をこの先払うことに。。。
まず、バイクの停車位置で降りるときに、両足が釣りました。倒れそうになりましたがグッとこらえて、これも想定内と言い聞かせながらトランジションエリアまで必死でバイクを押します。
「まだ1時間58分!いいペースだよ!!」と妻が叫んで教えてくれました。有り難い!!!
子供たちも「パパ早く!」と応援してくれます!よーし頑張るぞ!!!
前回の横浜より10分以上速いペース。このままランを想定の52分で走り切れば、目標の2時間50分切りが射程圏内。。。!
しかし息も絶え絶えで家族と言葉を交わすことができません。。。とにかくランニングシューズに履き替えて、トランジションエリアを出発しました。。。ここも失敗ナシ、かなり効率良く行けたと思います。
走り出しの段階ですでに息がゼエゼエとこれ以上ないくらいに呼吸が苦しい状態、両足はバイクで酷使しただけあってパンパンに張って今にも釣りそうです。腰はガクガクで悲鳴を上げています。。。脇腹も痛い。。。それでも脚を前に進めます。。。
バイクとランは使う筋肉が違うから、バイクで足を酷使してもランでは影響ないという話をどこかで読んだのですが、それはあるレベル以上のアスリートの話だったようで。。。少なくとも私には当てはまりませんでした。
それでもこの先走っていればいずれ楽になる瞬間がやってくると信じてノロノロと歩を進めます。
バイクと逆で、後ろから来た選手に次々に追い抜かれました。。。ああ、彼らと同じくらいのペースで走ることができたら。。。
1キロくらい走ったころでしょうか。。。ようやく呼吸の乱れが収まってきました。しかし足の重たさは増すばかりで、いくら気張ってもペースアップができません。。。歩かないで走る続けるのがやっとというレベル。。。ランはいつでも苦しいものですが、スタートからこんな苦しいランは正直初めて。。。危うく心が折れそうになりました。。。
いずれ楽になる瞬間を信じながら、ランは全3周の2周目に入りました。腕時計はラップ計測もメチャクチャで、おまけにGPS信号も受信できていないようでした。どのみち腕時計にペースを頼るような状況ではなかったので、ほとんど見ませんでしたが。。。
途中、白いウェアを血に染めて走っている選手に追い越されました。おそらくバイクで落車したのでしょう。。。怪我してもリタイヤせずにレースを続ける根性に頭が下がりました。。。
2周目の途中くらいからでしょうか。。。いよいよ両足の太もも内側(内足広筋)の痛みが尋常ではなくなってきました。。。筋肉の破壊が体内で進んでいるような感覚。。。後半のペースアップどころか、おそらくキロ6分くらいまで落ち込んだと思います。
3周目(ラスト)に入ったときには、2時間50分を切ることは絶望的と確信しました。しかし、2時間55分は切りたいと望みは捨てず、とにかく失速を最小限に抑えようと、もがきながら進んでいきます。
ランでは追い抜いたのはたぶん3人くらい。。。200人くらいに追い抜かれた感じです。
そして結局最後まで楽になる瞬間は訪れませんでした。。。それでもゴールが見えてきたときには、渾身の力でダッシュです。もうすぐこの痛みから解放される。。。
そしてゴール。。。!!!
電光掲示板が2時間55分を過ぎていたのが見えて、ああ、55分も切れなかったか。。。とぼんやりと感じたことを覚えています。体力疲労が激しく、いつものコースに振り返っての一礼も忘れてしまいました。
ゴールで家族が暖かく迎えてくれました。ありがとう。。。次女が何か一生懸命話しかけてくれますが、頭がボーッとしていてまともな受け答えができません。前回と違って疲労感が強く、まるでフルマラソンの後のようです。
レース後も疲労感が抜けず、せっかくの追浜カレーライスも一口だけで食欲が全く湧きませんでした。。。
こうして私の2回目のトライアスロンは終わりました。
実はトライアスロンの大会に出場するのは、今シーズンはこのレースが最後になります。。。トライアスロンシーズンは始まったばかりなのですが。。。秋に向けて大事な行事が控えているからです。これまで忙しいなか私がトレーニングに時間を割くことを寛容に認めてくれ、応援まで来てくれた妻と子供たちには感謝の気持ちで一杯です。。。
今シーズン最後のレースで、タイムは満足できるものではありませんでしたが、3時間切りは達成、完全燃焼した悔いのないレースができたと思います。
リザルトは以下のとおりです。
http://www.kanagawa-triathlon.jp/2014nissancup/Results_20140622.pdf
------------------------------------------------------------------
完走者 411名中254位
スイム 36分01秒 (346位)
バイク 1時間23分31秒 (141位) - スプリット 1時間59分32秒 (221位)
ラン 55分42秒 (314位)
合計 2時間55分14秒 (254位)
------------------------------------------------------------------
横浜トライアスロンの結果と比べると、スイムで6分40秒短縮、バイクで4分25秒短縮、そしてランは逆に4分45秒遅くなりました。
バイクで125位ほど順位を上げましたが、ランで33位順位を下げた出入りの激しいレース結果となりました。残念ながら完走者の平均タイム(2時間49分48秒)には届きませんでした。。。
スイムはまだまだ遅いのですが、コースを真っ直に泳ぐことさえできれば速く泳げることがわかっただけでも大収穫でした。また、バイクでは自分の限界タイムを知ることができました。ランは。。。正直苦手意識が増してしまいました。。。
昨年10月に突然思い立ったトライアスロン挑戦から8ヶ月。。。2回のレースを無事に完走できたことは本当に幸運だったと思います。ロングのアイアンマンレースへの挑戦が最終目標ですが、その日が来るまではしばらく小休止、楽しみ(苦しみ?)は来年以降に持ち越しです。
------------------------------------------------------------------
以下Suuntoの記録(GPS動作不安定)
スイムアップ→トランジションエリア到着 00'45"
トランジションタイム1 1'55"
バイクラップ記録なし
ラン1 13'01" 2.41km (5'24"/km)
ラン2 4'54" 0.89km (5'32"/km)
ラン3 18'36" 3.22km (5'44"/km)
ラン4 19'41" 3.25km (6'03"/km)
ラン合計 56'41" 9.77km (5'48"/km)
------------------------------------------------------------------
凄いですね。。。
返信削除デュアスロン、ブルベ400の次に拝見させて頂きました。
出し切った感じが素晴らしいと思いました。
私は泳ぎが全然だめなのでトライアスロンなんていう
選択肢が全くなかったのですが、
先日息子の付き添いでプールに20年ぶりに行きましたら
思いのほか楽しかったので
トライアスロン??なんて思考がちょっと芽生えました(笑)
まだ15mしか泳げないので(笑)、
スイミングに通わなけれと思ってます。。。
コメントありがとうございます。
削除サーベロR3さんもぜひトライアスロン考えてみては如何でしょうか?
泳ぎなら誰にも負けないほどカナヅチだった私が太鼓判を押します ^_^
先日のデュアスロンは如何でしたか?
完走おめでとうございます!
返信削除おまけに3時間切りも達成されてすごいです!
私は大会に参加したことはないのですが、いつの日か参加を夢見ています。
競技中のアクシデントやご自身の精神状態等も丁寧にレポートしてくださっていて、「自分も参加したら、同じことを思うのかもしれないなぁ」と想像しながら拝読いたしました。
また体験談を楽しみにいたしております。腰痛お大事になさってください。
日記読んでいただきありがとうございます。少しでも参考にしていただけたなら本望です。
削除トライアスロンは水泳さえ乗り切れば意外と敷居が低い耐久系スポーツで、フルマラソンやトレイルランよりも体への負担も少ないと思います。
匿名さんもいつか是非挑戦してみてください。