DSDマルチチャンネル再生の期待を込めてオーダーを入れておいたものです(以前の関連記事はこちらです)。
で、結果は惨敗。。。 (´д`)
クワッドコアのi4でもDSDマルチのリアルタイムPCM変換(しかも192kHz, 24bit)処理は厳しいようで、音切れは解消できませんでした。。。
というわけで、このブログのタイトルは予定では、「史上最強のユニバーサル再生デバイスCuBox」とでもしたかったのですが、急遽変更。。。
2013年6月に初代CuBoxを購入して以来、気がつけば手元のCuBoxも4台になってしまいました。
4台のCuBox
上の写真は拙宅のCuBoxたちです。左からCuBox(初代), CuBox-Pro, CuBox-i1, CuBox-i4です。
過電圧投入で動かなくなったCuBox(初代)以外はみな現役バリバリです。搭載されているCPUや機能に差異がありますが、外観はまったく同じです(CuBox-Proだけ耐電磁波シートを貼っている関係で色が違いますが)。
背面の入出力端子です
裏のラベルを見ると、それぞれ違いがわかります。特にCuBox-i4だけは入力が5V3Aと、他の5V2Aと違うところが注意点です。
裏面のラベル比較です
CuBoxの前にはVoyageMPDでノートブックPCから音楽再生していましたが、それ以来、自宅で音楽を聴く場合はほとんどCuBoxを使っているので、もう2年近い付き合いとなります。
PCオーディオやハイレゾオーディオという言葉が流行り出して、音楽ライブラリをNASやUSBに保存してネットワーク経由やUSB経由で再生するというスタイルは定着したように思えます。
市場には有名メーカーのネットワークプレーヤー群や、ハイエンドだとLinnのDSのようなプレーヤー、さらにはOPPOのユニバーサルプレーヤーなどが競争しています。ユーザーの数もCuBoxに比べたら圧倒的に多いと思います。
で、これだけCuBoxには手を焼いているにも関わらず、なぜ私はCuBoxを使い続けるのでしょうか。。。?
1.常時電源オン
自宅で音楽を聴くとき、まず初めにアンプの電源を入れるケースがほとんどだと思います。そして次にプレーヤーの電源を入れるわけですが、このプレーヤーの電源を入れるという手間が結構煩わしいのです。
本当はスマホや昔のラジカセのように、電源をひとつ入れたらすぐに音楽が流れてきてほしいのです。
CuBoxは5V2Aなので、一日中電源を入れっぱなしにしていても電気代はたかだか1円にもなりません。またオーディオ機器のように電源を入れっ放しにすると暑くなるということもありません。
常時電源を入れっぱなしにしてすぐに音楽を聴けるというのは、ほかのオーディオ機器にはない利点です。
2. PCMとDSDのハイレゾフォーマットにネイティブ対応
何を今さら。。。と思うかもしれませんが、市販のオーディオ機器でDSD(すなわちDSF/DFFファイル)のステレオとマルチチャンネルのネイティブ再生ができる製品というのは、私の知る限りOPPOのBDP-103/105しかありません。
LINNのDSは企業ポリシーとしてPCM以外を認めていないため、DSDのステレオでさえ再生できません(PCM変換が必要です)。
有名メーカーのネットワークプレーヤー群は、DSD再生をサポートしているモデルが増えてきましたが、マルチチャンネルDSDを再生できるモデルは1台も(!)ないのです。そもそもHDMI端子やマルチチャンネルのアナログ出力を持っていないので、物理的に不可能なのです。
CuBoxは、DSDのマルチチャンネル再生こそPCM変換のため音飛びが激しく実用になりませんが、PCMのマルチチャンネルはネイティブ再生が可能です。DSDもひょっとしたらソフトウェアの設定次第では再生できる可能性があります。またOPPOではできないNASライブラリからのDSDのギャップレス再生ができます(ただしOPPOも将来のファームウェア更新で対応する可能性は高いと思います)。
DSDなんか必要ないというユーザー、もしくはマルチチャンネルなんか聴かないというユーザーは多いと思いますが、少なくとも個人的にはマルチチャンネルDSDの欠かすことのできない音源がたくさんあるため、どうしても再生が必要なフォーマットなのです。
3. 抜群のコストパフォーマンス
ハイエンドのオーディオ機器というと、従来は物量を惜しげもなく投入した重厚長大の工業製品の象徴のようなものでした。当然、製品の価格は目が飛び出るほど高く、逆に高価でなければ良い音ではないかのような、本末転倒な道理がまかり通っています。
しかし、PCオーディオが認知・普及してからは、決して高価でなくとも、工夫次第では高級オーディオ機器を凌駕してしまうようなシステムを構築することが可能だということにユーザーが気が付きました。いわゆる数万円のシステムが数百万円の既存のオーディオシステムを音のクオリティで上回ってしまうという現象です。
CuBoxはラインナップのハイエンドであるCuBox-i4でも$150で購入できてしまいます。現在は実質個人輸入でしか入手できないので、購入手続きやアフターサービスに敷居が高いかもしれませんが、この価格帯で従来のハイエンドオーディオと同じレベルのサポートを期待する必要もないでしょう。
ソフトウェアは自己責任で入手、インストールして設定作業もすべてユーザーに任されているという点で、市販品と比べて買ってきてすぐに音がでるものではありませんが、そもそもハイエンドのオーディオ機器であっても、設置や調整など個人の裁量に任されている部分は大きいので、大差ないと言えるでしょう。
しかも、これまでのデジタルオーディオ機器のように中身はすべてブラックボックスという特徴とは逆に、ソフトウェア次第では如何様にもカスタマイズできるという点で、無限の拡張性を備えていると言えます。実際、CuBoxも2年前にリリースされたときは、まともに動くソフトウェアはほとんどなく、有志が開発したソフトウェアを苦労してインストールしていた時期がありましたが、今では度重なるバージョンアップによって、必要な機能が問題なく使えるように進化しました。
コストパフォーマンスだけ考えると、CuBox以外にも、Raspberry Piや、VoyageMPDのALIX、BeagleBone Blackなど組み込みコンピュータでは安価なシステムがたくさん出回っています。WindowsマシンとしてもIntelのNUCや最近ではドングルタイプの超小型PCまで出てきました。コストパフォーマンスだけであればほかにもたくさん選択肢がありそうなものです。
そのなかでなぜCuBoxなのか。。。
ひとつは、CuBoxにはVolumio for Cubox-iという素晴らしいソフトウェアがあるからです。Volumio for Cubox-iは、CuBoxのHDMI出力端子の機能をフルに発揮できるソフトウェアです。
HDMI端子は、そのジッター性能の低さからオーディオマニアには敬遠されるインタフェースです。
しかし、マルチチャンネル再生を考えると、実質的に唯一の方式でもあります(マルチチャンネルのアナログ出力というのは高性能なDACを兼ね備えるという意味で、セパレート式のシステムでは実現できないから)。
また、HDMI接続がすべてダメというのは極端な話で、適切な設定と処理をしていれば音質的に全く問題のない環境を実現することができます。現に、私はCuBoxのHDMI出力の音質に不満はなく、CuBoxでマルチチャンネルを聴いて、ああ、なんて音楽は楽しいものなんだとつくづく感動してしまいました。。。
Raspberry PiもまたHDMI端子を備えており、Volumioを動かすことも可能です。しかし、現時点ではRaspberry PiのALSAドライバが、HDMIのマルチチャンネル出力に非対応なうえ、ステレオ出力でもすべてのソースが48kHz/24bit以下に変換されてしまうという欠点があります。
CuBoxにはVoyage Linuxの派生から生まれたMuBoxという別の素晴らしいディストリビューションもあります。しかし、現時点では、HDMIのマルチチャンネル出力ができません(註:HDMIのマルチチャンネル出力ができたという事例を知らないだけで、もしかしたら設定によっては可能かもしれませんが)。将来MuBoxも簡単にHDMIのマルチチャンネル出力が可能になれば、Volumioと並んで強力なソフトウェアになると思います。
マルチチャンネルの機能ばかり強調してしまいましたが、ステレオ音源だけ聴ければ良いというオーディオマニアも多いと思います。
CuBoxはこの点では、I2S接続のできるRaspberry Piに及ばないのですが、USB接続で外部のDACと繋げる限りは、DSD over PCMも可能な最強のコンピュータであるのは間違いありません。
私のCuBoxの使用環境は以下のとおりです。
必要なハードウェア
CuBox本体(CuBox-iシリーズならどれでも大差ないと思います)
microSDカード(容量2GB以上)
HDMIケーブル
AVアンプと5.1chのスピーカーシステム
NAS
LANネットワーク環境
iPadもしくはiPhone
CuBox(上段中央左の四角い箱)
必要なソフトウェア
microSDにインストールするVolumio for Cubox-i
Volumioの再生画面
iPadにインストールするMPaDクライアントソフト
MPaDクライアントソフトの画面
NASに保存する音楽ライブラリ(FLAC Lossless Uncompressed、2.8MHz DSF)
手のひらサイズの超小型コンピュータCuBoxには、従来のオーディオ製品にはない無限の拡張性と、その小さな筺体になぜか愛着が沸くのです。
もちろんCuBoxのシステムも完全無欠というわけではなく、動作の不安定性(たまに再起動が必要になります)や、デリケートな扱い(特に入力電圧に対して)、頻繁なモデルチェンジ(CPUが変わると互換性がありません)など文句も山ほどありますが、それを持っても有り余るだけの魅力のあるデバイスです。
今後はRaspiFiから派生したRuneAudioがCuBox対応を予定しています。RuneAudioの評判も良いため、こちらも楽しみです(ひょっとしたらMultichannel DSDができるかも。。。!?)
モノオさん、お早うございます。
返信削除相変わらずハードな走り、楽しまれているようですね。
私も電源で1台壊しましたが、2台目は全く問題無く使えています。たまに再起動が必要(拙宅ではプツプツノイズが出ます)な点も同じです。専ら2ch再生ですが、私もすっかり慣れてしまいました。
横浜のvafanさんこんにちは
削除ブログお立ち寄りいただきありがとうございます。運動もオーディオ同様エスカレートしてきて最近自分が何を目指しているのかわからなくなってきました。。。(笑)
CuBoxすっかり慣れてしまったのですが、やはりマルチチャンネル再生の夢が捨てきれず。。。相変わらず徒労の連続です。今後ともよろしくお願いします。
モニオさん
返信削除Blog訪問ありがとうございました。安曇野600も無事完走されたそうで、おめでとうございます。スタート地点で真っ黒いS2に乗っていたのがモニオさんだったのですね。
CuBox、なかなか面白いですね。我が家はNASとOPPOの105を直結して、タブレットPC等から操作して再生してますが、やはり汎用性がちょっと低いのが悩みです。その辺はPCであるCuBoxのほうが有利そうです。
場所が許せばマルチチャンネル環境組みたいんですけどね、なかなか悩ましいです。
bakkyさん
削除安曇野ではご挨拶もできず失礼いたしました。。。bakkyさんのようなブルべとオーディオ両方の趣味を持っていらっしゃる方とつながってとてもうれしいです。
拙宅もステレオはCoBox、マルチチャンネルと映像はOPPOと分けているのですが、夢はこれをCuBoxに統合することです(OPPOで統合できないこともないのですが、ギャップレス再生だったり、常時電源オンだったりとなるとまだムリがありますが)。
マルチチャンネルピュアオーディオの世界は昔からずっと超マイナーで寂しい限りです。。。
bakkyさんのシステムアップグレードの近況も(勝手ながら)楽しみにしております。
ブルべはしばらくお休みとなりますが、街で黒のサーベロがキコキコ進んでいましたらたぶん私ですので気軽にお声掛けくださいませ(笑)
モニオさん、こんにちは。
返信削除Oppoのギャップレス再生ですが、iPadアプリ(MediaControl)でしたら、曲目リスト(選曲リスト)画面で「長押し」をすれば、「標準再生」「ギャップレス再生」の二択ポップが出てきます。恐らく、マルチDSDも同じ操作で可能と思います(私は、ステレオ専用なので試していません)。
詳細未発表ですが、今夏、新しいBDPが発売されるようです。R/L独立DACチップ、外部クロック受入可能ということであれば、105JPから乗り換え予定です。
かもんさん、こんにちは。
削除Oppoのギャップレス再生の方法知りませんでした!ありがとうございます。
早速試したところ、長押しでニ択ポップが出てきました。
ギャップレスを選択しましたが、なぜかマルチチャンネルFLACはギャップレス再生できませんでした。残念なことにDSDはニ択ポップも出てこないので非対応のようです(Oppo Digitalのページを確認したところFLACとWAVのみと書いてありました)。
うーーんどこか違うのでしょうか。。。もう少しいろいろ試してみます。
新しBDP楽しみですね。。。!外部クロック端子がついていたら私も乗り換えを考えてみたくなってしまいます。