年末に開かれる日本バッハコンクールに出場することにしたのです。
課題曲は「6声のリチェルカーレ」。30年振りに弾く曲としてはおそらく無謀な選択。。。
出場は突然決心したのですが、実は随分前からいつかピアノをやろうとぼんやりとは考えていました。
去年のことですが、ネットで国内のコンクールを調べていて、ショパン国際ピアノコンクール in Asiaの存在を知りました。
あの有名なショパン国際コンクールとは繋がっていないのですが、地区大会には誰でもエントリーすることができます。ただし、課題曲のうち、練習曲作品10と25のうちから必ず1曲は選ばなければならないということで敷居は低くありません。
学生時代にはよくショパンを弾いていたし、練習曲では作品10の4曲目「別れの曲」は弾いたことがあるので、来年はコンクールにエントリーしてみようと思いました。。。
年が明けて、先日のことですが、このショパンコンクールのことを思い出し、調べてみると。。。申し込み期間が8月7日~9月10日(当日消印有効)ということで、残念ながら締切をちょうど過ぎたところでした。
また来年か。。。と落胆しました。
その翌日、リビングでいつものように音楽を流し聴きしているとき、たまたまアンドラーシュ・シフの「フランス組曲」が流れて来ました。
そのとき、
ショパンコンクールというのがあるんだから、バッハコンクールというのもあるんでは?
と突然思い付き、早速ネットで調べてみると。。。
あるではないですか。。。バッハコンクールというものが!
申込期間を確認すると。。。
汐留会場の12月27日日程だと、申込は9月1日~11月30日(当日消印有効)
ということで、ちょうど間に合うタイミング!!
これも何かの縁だと思い、すぐに出場を決心しました。
ショパンではなくバッハ。実はバッハはショパンよりも思い入れのある作曲家ですが、バッハのピアノ曲はこれまで真面目に取り組んだものはほとんどありませんでした。
ショパンコンクールと違い、課題曲も決まっておらず、任意の曲を選べます。
バッハのピアノ曲ですぐに思い浮かんだのは、さきほどの「フランス組曲」でした。特に第4番の明るい曲調が気に入っています。
フランス組曲以外にも、ゴルドベルグ変奏曲や、イタリア協奏曲なども弾きたいなあと、いろいろ妄想を始めました。
バッハを弾くのか。。。
しばらく考えていると、なぜか突然、唐突に「音楽の捧げもの」の6声のリチェルカーレを思い出しました。
なぜこの曲が思い浮かんだのか、実は自分でもよくわかりません。
6声のリチェルカーレを最初に聴いたのは、たぶん中学生時代だったと思います。
リチェルカーレとはフーガのことで、この曲は両手だけで6つのパート(声)が並行して構成される大規模なフーガです。
いわゆる大王の主題と呼ばれる、バッハがフリードリッヒ大王の宮廷を訪ねた際、大王より提示された以下のようなハ短調のテーマで始まる曲です。
大王の主題
当時、曲のスケールの大きさと、荘厳さのなかに展開するドラマチックなメロディ進行に感動した記憶があります。
しかし、この曲を聴いたのは随分昔のことで、ここ何十年も(少なくともソロでは)聴いたことがありませんでした。
ところが、バッハコンクールに出場しようと決心したその夜、課題曲は6声のリチェルカーレにしようと早々と決めてしまったのです、なぜか自分でもわからないのですが。。。
そして。。。
6声のリチェルカーレをネットで調べてみて。。。愕然としました。。。
こちらの知恵袋サイトでは、
「バッハのピアノ曲で、最もテクニックが難しい曲」は何ですかという質問に対して、「6声のリチェルカーレ」が挙げられています。
本来チェンバロのために書かれている(ゆえにピアノ曲ではない)こともあり、ピアノで演奏するのは極めて難しい曲ということです。
また、こちらの2ちゃんねるサイトでは、
「6声のリチェルカーレはバッハの鍵盤音楽の最高峰」
とか
「バッハ6声のリチェルカーレだけを仮に作曲しただけでも大作曲家だったろう。それほどこの曲は素晴らしい」
なんて投稿が。。。どうやら6声のリチェルカーレは一筋縄ではいかない大変な曲だということがわかってきました。
楽譜も国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)からダウンロードしてみました。
B-A-C-H ~変貌するバッハ、ピアノ・トランスクリプションズ
菊地裕介という日本の若手ピアニストの演奏です。この演奏家のことは知りませんでしたが、迫力のある演奏で大変素晴らしいです。
一聴しただけでは、この曲がどうしてバッハの曲のなかで演奏が最も難しい曲なのかわかりません。。。テンポもスローだし、曲自体もせいぜい8分くらいです。
そして、見よう見まねで楽譜を見ながらピアノを弾いてみると。。。
全く歯が立ちません。 (´д`)
どう難しいかというと、普通は右手が主旋律で左手が伴奏なので、別々に練習して組み合わせれば、なんとなくメロディは弾けるのが普通なのですが。。。
この曲は、右手にも左手にも別々のメロディが割り当てられており、しかも2声から3声、そして4声と発展してゆくので、メロディを耳で追う事ができないんです。主旋律と伴奏という関係ではないんです。
頑張って譜面どおりに記憶して、パターン暗記の要領でなんとか弾けるように悪戦苦闘します。。。が、全く歯が立たず。。。
ポリフォニー音楽を少しでも学んだことのある人であれば、私のこの徒労がいかに無駄なことかすぐにおわかりになると思います。
実は私はピアノを弾いていたと言っても、正規の音楽教育を受けていたわけではなく、中学生になるまではイヤイヤ近所のピアノ教室に通っていたのが、突然中学2年生のときにクラシック音楽に開眼し、勝手に自己流で弾いていただけなので、演奏の基礎はまったくのゼロなのです。。。
したがってポリフォニー音楽も、フーガの解釈もまるで無知なのです。
まあそんなわけで、30年振りにピアノを弾くこと、そしてバッハコンクールに出場すること、その課題曲に6声のリチェルカーレを選んだことが、どれほど無謀で非常識なことかは未だに良くわかっておりません。。。
幸運なことに、知り合いに音大ピアノ科出身の友人がいたので、アドバイスをもらうことに。
すると。。。
その友人曰く、
「6声の分析なしにいきなる無頓着に弾き始めるのはダメ。まず6声それぞれ別個に単音で歌えるようにしたほうがいい。」
とさすがプロのアドバイス!
さらに、
「6色の蛍光ペンで譜面に、キラーメロディーを蛍光ペンで塗るんだよ」
とのこと。
また、さきほどのIMSLPの楽譜は複雑すぎて、このままでは弾くことができません。ネットを探してみたところ、指使いまで親切に記述されているこんな便利な楽譜を発見しました。早速購入(298円)、ダウンロードしたPDFファイルをプリンタでカラー印刷しました。
この楽譜はIMSLPの楽譜と比較して格段に読みやすくなっています。
早速楽譜にメロディーごとに塗り分けました。
右手の旋律をイエローで塗りましたが、まだこれでは複雑過ぎるので、右手の主旋律をオレンジで上塗りしました。そして同じように左手の主旋律を青で塗り分けました。
こんな感じです。
6声別に蛍光ペンで塗り分けます
この譜面で一生懸命練習することに。
しかし。。。
譜面があまりにゴチャゴチャしていて読みにくいです。 (´д`)
そこで。。。
主旋律以外の音符をすべて修正ペンで消してしまいまいました。こんな感じに。。。
主旋律以外はすべて消去
さすがにここまで単純化すると読みやすく、なんとか練習に耐えるものになりました。ヤレヤレ。。。
メロディーラインが正しいかどうかは主観なのでわかりません。
また菊地裕介の演奏以外にもYouTubeでも探してみると、いくつかピアノ演奏を見つけることができました。
J.S.バッハ 「音楽の捧げもの」より「6声のリチェルカーレ」
Bach Ricercar 6
Asaf Kleinman plays Bach - Ricercar a 6 (from The Musical Offering, BWV 1079)
ヴァルヒャの貴重な録音もネットに見つかりました(こちらです)。
アマゾンでCDも探しましたが、ピアノで弾いたものは意外にもほとんどなく、ほぼ唯一であるニコラーエワの古い録音のCDをオーダーしました。
果たして6声のリチェルカーレがコンクールに間に合うかどうか、そもそも6声のリチェルカーレを弾けるようになるかどうか、全く確信が持てませんが、いきなりピアノを再開しようと思ったことが今後どのような展開となるか、その備忘録として書き記すことにしました。
今後の計画は。。。
主旋律
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レッスン受講 10/20-
という感じです。しかし本当に間に合うのか。。。
レッスン受講 10/20-
という感じです。しかし本当に間に合うのか。。。
次回以降は、ピアノ練習の進展を順次ブログにアップしようと思います(進展があればの話ですが)。
(おわり)
続きはこちら↓です
【30年振りのピアノ再開】J.S.バッハの「6声のリチェルカーレ」を弾く
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