シーズンエンドに相応しく(?)200kmで獲得標高3,000mの超山岳コース、走り応えのある峠を3つも越えるのはさすがにキツかったですが、山間部の秋を満喫、未整備の山道のダウンヒルは爽快そのものでした。
BRM1024東京200ヤビツ峠
以下はランドヌ東京のサイトに掲載されている今回のブルべ200の説明です。
「ランドヌ東京の坂バカスタッフが線を引いた200kmで3000m登る一級山岳コースです。ヤビツ峠、牧馬峠、甲武トンネルなど単体でも走り応えのある峠を3つ登ります。下りも厳しく、200kmながら相当な技量・脚力を必要とします。くれぐれも初ブルべなどに選ばないよう、皆様の冷静な判断を期待いたします。脚力のある人も、ブルべはレースではないので、ゆっくり余裕をもって安全にサイクリングを楽しんでください」
これは相当ヤバそうです。。。
アイアンマンジャパン北海道の世界一のバイク180kmの獲得標高が2,355mだったので、このブルべはさらにそれより厳しいということになります。
まあアイアンマンとブルべを比較してもあまり意味はないんですが。
しかもキューシートには、甲武トンネルの先に野犬の放し飼いの場所があり、要注意とかなりコワイことが書いてあります。ネットで調べてみると、野犬が吠えながら追いかけてきたなんてオソロシイ体験談が。。。(( ;゚Д゚))
犬は大好きですが、野犬に追いかけられるのは勘弁です。
まあなるようになれという感じで、いざとなればDNFしようと気楽に構えていました。
5月の安曇野600以来のブルべ。その後バイクはすっかりトライアスロン仕様に変更していたので、前日は自転車をブルべ仕様に戻す作業をしました。
今回はiPhoneのマウント台を前方に突き出す形でセットしてみました。以前の手前にセットするよりも見やすくなり、またハンドルまわりもスッキリしていい感じです。
iPhoneのマウント台をセット
天気も良さそうで、秋の山間部を堪能できるブルべになりそうだと気楽な気持ちで前日はぐっすり眠ることができました。
さて、ブルべの当日。スタートが朝6時と早いので朝5時に起床。準備をして出かけます。
また外は薄暗いです。心配していたほど寒くないので、半袖とショートパンツだけの軽装で行くことに。
スタート地点に着くとすでにブリーフィングが始まっていました。
ブリーフィング中
あれ?みなさん結構厚着です。半袖とショートパンツは私だけのような。。。?
上級者向けブルべということで、参加者のなかにはPBPのジャージを着ている方もチラホラ。私が誘った友人(PBP出場経験あり)にも会えました。
受付と車検を済ませ、その友人と一緒にほぼ最後尾からのスタート。
しばらくは市街地を走ります。
PBPのジャージを着たブルべの人に引っ張ってもらい付いて行きます。やがてその人は途中のコンビニに立ち寄りで友人と二人旅に。
鶴川駅前を通り、町田を抜け、淵野辺駅前を通ります。
スタートしてから40kmくらいの地点でしょうか、相模川を越えやがて左折したかと思うと突然急な上り坂が出現!ギアチェンジが追い付かず落車しそうになってしまいました。
ここから最初の峠である半原越(はんばらごえ)という標高482mの峠が始まります。
途中から車両通行禁止で自転車しか走れない林道になります(法論堂(おろんど)林道という名称らしいです)。
ここらへんから傾斜が厳しくなってきます。
狭い林道が続きます
と、マウント台に固定していたiPhoneが傾いてしまっています。どうやらマウント台のネジが緩んでしまったようです。
友人に先に行ってもらい、自転車を降りてアーレンキーを取り出してしっかり締め直しました。
さて、先を行った友人に追い付くためにちょっと頑張って坂道を攻めます。。。
道幅狭いです
が、程なく息切れ。少しペースを落とします。
しかし今日はブルべには最高の天気。珍しいこともあるものです。
4kmくらい頑張って上ると、やがて上り坂の頂上に辿り着きました。先を行った友人が待ってくれていました。
半原越の峠
ここは半原越という標識はないようです。まあとにかく一休み。今度は下りになります。
ここから下り
土砂流出、コケ注意という危険な下り坂。スピードを落として用心深く走ります。
幸いにもここ数日は雨も降らなかったので、浮き上がったコケは滑りやすいこともなく、また土砂や枝など障害物も特に問題なく避けて通ることができました。
やがてPC1のセブンイレブン神奈川清川店に到着。時刻は9:06。クローズが9:39なので33分の貯金です。
セブンイレブン神奈川清川店
梅おにぎりとスナックを調達。この先の峠越えに備えます。
次のPCまでは20kmと短いのですが、ヤビツ峠に向かってダラダラと緩い直線の上り坂が続きます。
程なくPC2のデイリーヤマザキ秦野藤棚店に到着。時刻は10:12。クローズが10:44なので貯金は22分に減少。
デイリーヤマザキ秦野藤棚店
ここから先はコンビニさえないような辺鄙な道をヤビツ峠に向かって上ることになります。なんでもヤビツ峠の先は携帯の電波も届かない山奥ということで救急車呼んでも2時間くらいかかるそうです。。。ヒルクライムに備えてレッドブルを1本注入。
そういえば前のPCではチラホラ見かけた反射ベストを着たブルべの人たちはもうほとんどいません。ということは僕らがビリ。。。たぶん。。。
ここからいよいよ初ヤビツ峠です。距離はおよそ10km。
今度は交替で私が先頭で引くことに。
ヤビツ峠に向かいます
車の往来も多い道路をどんどん上ります。ダラダラ上っていく九十九折りの坂は碓氷峠のようです。
何人かのブルべライダーやツーリング軍団にも追い抜かれますが気にしません。しかしみんな速い。。。
気温も上がり汗がしたたり落ちます。
やがて友人と距離が離れてしまいました。友人はどうやら昨晩の寝不足がたたって力が出ないようです。
頑張ってダンシングも交えて上ってゆくと、やがて見晴らしの良い場所に出ました。もちろん自転車を降りて記念撮影。
結構上ってきました
上り坂は得意ではないにも関わらず、なぜかこのときは心から楽しんで上り坂を進んでいました。いつもならば残りキロ数を早く減らしたいと気になるところですが、このときはなぜか、あと残り何キロで終わってしまうのは勿体ないと信じ難い気持ちになっていました。
しかも表情までニマニマと。。。 (´д`)
なぜかニヤケた表情
ひょっとしたら坂バカヘンタイ化の兆候かもしれません。。。
やがて左側に駐車場の入り口が。
駐車場の入り口
入口には丹沢大山国定公園という石碑が。ここで再び自転車を降りて記念撮影。
丹沢大山国定公園という石碑
丹沢を臨む
やがて友人が追い付いたので、記念写真を取り合って再び出発。峠に向かってまだまだ上りは続きます。
が、ここから峠までの道は斜度も緩くなり、比較的ラクに感じました(といってもユルユルスピードですが)。
ヤビツ峠までもう少し
このあたりはハイキングコースになっているようで、ハイカーもちらほらと見かけました。
自然が美しい
そして、ようやくヤビツ峠に到着。時刻は11:32です。
名物の看板の前で
自販機でドリンクを補充し、しばし休憩します。友人の計算では、計画よりやや遅れ気味とのこと、時間内完走ができるかどうか微妙になってきました。。。
まあここからは下りなんで挽回できるだろうと楽観的に考えていました。
ここからは先頭交替で、私は友人の後についてダウンヒルを。
ヤビツ峠からのダウンヒル
結構なスピードです
大河トンネル
工事現場
車の交通量も少なく、比較的ラクに走れるダウンヒルでした。
紅葉が美しい。。。天気も最高。
この下りは気持ち良かったです!!
ヤビツ峠気に入りました!
やがて宮ケ瀬湖に出ます。
宮ケ瀬湖
宮ケ瀬湖を過ぎると今度は牧馬峠(まきめとうげ)標高416mに向けて上り基調になります。
峠ばかりであまり記憶が定かではありません。。。距離は短いのですが結構な斜度の上り坂だったような気がします。
牧馬峠
牧馬峠は見晴らし場所はなく、案内板のようなものが立っているだけの地味な峠でした。
サドルを固定しているボルトが緩んでガタガタになってしまったのでアーレンキーで締め直しました。
再びここから下り基調。
ここで友人のキューシートと私のGPSナビのルートが異なるという事態が。私のGPSナビのルートは、ルートナビに登録されているランドヌ東京のものですが、オフィシャルなものではありません。地図を拡大してみると、友人のルートのほうが距離的にも短く正しいようだったので、そちらで進みました。
狭い道をしばらく下ると、相模湖方面に続く国道76号に出たので大正解でした。
相模湖
やがて通過チェックのデイリーヤマザキ上野原大堀店に到着。時刻は14:31。
デイリーヤマザキ上野原大堀店
ここは通過チェックなのでクローズはありませんが、かなり遅れていることは間違いありません。
すっかり腹が減ったので、カツサンド、すじこのおにぎり、そして塩焼きソバと大量に摂取しました。
食事を終えてコンビニを出発したのがだいたい14:44くらいでした。
さて、次のPC3のクローズの16:24に間に合うか、距離は29km、残り時間は1時間40分。時速18km/hほどで進まなければ間に合いません。
この先もうひとつ峠があることを考えるとかなり厳しい状況です。。。
そこへ、同じブルべのおじさんが到着しました。我々より更に厳しい状況ですが。。。お互いの健闘を祈って出発します。
ここから甲武トンネルまでの10kmはかなり消耗しました。。。
甲武トンネルまでの上り基調
斜度はそれほど急ではなかったのですが、それまでに越えてきた峠で脚をほぼ使い切ってしまい、力が入りません。。。
友人はさらにキツそうです。。。だんだん距離が離れていってしまいます。
甲武トンネルの入り口の場所をGPSナビに入力しておいたおかげで、あと何キロというのがわかって助かりました。
トンネルまでの上りは体力的に一番キツかったかもしれません。
やがてGPSの指定どおりの場所に甲武トンネル入口が見えて来ました。
甲武トンネル
これは頑張れば行ける!!
やがて友人が上ってくる姿が見えて来ました。
「なんとか間に合いそうですよ!」
そして一緒にトンネルに突入。トンネルの中は最初は平坦ですが、やがて下り基調になります。 そのまま下りでスピードに乗ってPC3を目指します。
ここからは余裕がなく写真を撮っているヒマもありませんでした。
心配していた野犬出没の場所は、野犬に吠えられましたが、追いかけられることはなく無事に通過できました。ヤレヤレ。。。
そして。。。ようやくPC3のセブンイレブンあきる野戸倉店に到着。時刻は16:16。クローズが16:24なので8分前に滑り込んだことになります。
いやー危なかった。
しかしここまで来れば完走はほぼ間違いなし。あとは平坦な市街をゴールまで走るだけ。
セブンイレブンあきる野戸倉店
ミルクティーを買ってガブ飲みします。
やっと一息。友人も調子が戻ってきたようで、元気一杯です。良かった。。。
そして、最終ゴールに向けて出発しようとしたその時。。。
そこに前のコンビニですれ違ったブルべのおじさんが到着。時刻は16:25。。。
「急いでください!」
果たしておじさんが最終的に間に合ったかどうか定かではありませんが、あそこまで頑張ってPC3まで辿り着いたのをたった数分の遅れで。。。となったら酷だと思いました。
トレランでお馴染みの武蔵五日市駅前を抜け、市街地を通って、長い長い50kmを最終ゴール目指して走りました。
そして。。。先頭を引いていた私は曲がり角を間違えてしまいました。今日何度目でしょうか。。。
ここまで来て道に迷ってゴールに間に合わなかったらシャレにならないので、キューシートをKindleに表示して確認している信頼度の高い友人に引いてもらうことにして交替しました。
友人に引いてもらいます(滝山自然公園)
電池が切れてライトの灯りが弱いですが、先を行く友人のライトが強力なので助かりました。
その先はずっと友人が先頭で引いてくれましたが、今度は私のほうがヘロヘロになってしまい、たびたび信号でちぎられてしまいます。
PC3をクリアした時点で今回のブルべは事実上終了しているので、ゴールまでの最後の区間が何のモチベーションも沸きません。。。
長い長い50kmでした。。。
百草園駅前の踏切を越え、矢野口駅を越え、武蔵溝ノ口駅前を越え、ようやく、武蔵小杉の総合自治会館に到着したのは、なんと19:20でした。
ゴールの制限タイムは19:30ですからかなーりギリギリです。
結局、ランドヌ東京のスタッフの方に受付をしてもらったのが19:23、制限時間7分前でした。
ブルべカード
こうして無事に山岳ブルべ200kmを完走することができました。
今回はブルべにつきものの「想定外」のトラブルが何一つ発生しませんでした。雨に降られなかったブルべも初めてです。いや雨どころか終始素晴らしい天気に恵まれました。
ひょっとしてこれは一緒に走った友人がもたらしてくれた幸運なのでは。。。?
終わってしまえば、良い思い出だけが記憶に残り、あれほど苦しかった上り坂のことはすっかり忘却の彼方に。。。いつものパターンですが。
また今回は一人旅ではなく、ブルべの友人と一緒に走ることができたのも楽しかったです。いろいろ助けてもらって感謝です。友人とはゴールの手続きを終えてラーメン屋に。。。
これでブルべは今年6回出走してすべて完走することができました。
念願のスーパーランドナー(SR)も達成することができ、何よりもブルべという非日常体験の極致のようなスポーツを楽しむことができたのは本当に幸運でした。
来年再びブルべを走れるかどうか、今はまだわかりませんが、事故や怪我もなく、またブルべを通して知り合いも増えました。
最後になりましたが、今回お世話になったランドヌ東京の関係者皆様への心からの感謝を記したいと思います。
(2018/11/03追記)
reliveというアプリを使って走行記録からルートを動画再現しました。
relive
(Garminの記録)
Garmin
(RunKeeperの記録、途中からです)
RunKeeperの記録
ルートラボ
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=689a1104a50a3399498614c2615e49a2
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=b392ef9a25523d90a3cd75fe8a7ab805
(おわり)
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