ベヒシュタインのピアノは音の立ち上がりや透明感に定評があります。
日本ではユーロピアノ株式会社が輸入代理店業務を行っていますが、そのユーロピアノが都内の赤坂、汐留、浜松町の3か所にサロン(貸しホール)を構えており、時間単位でピアノを個人で利用することができるという話を聞き、早速行ってきました。
今回利用したのは、赤坂ベヒシュタインのピアノサロンです。年会員(3,300円)を支払って会員になれば、直前割を使えば1時間2,000円でグランドピアノを弾き放題というわけです。
普段は自宅の電子ピアノで練習するのですが、ときには本物のグランドピアノを思い切り弾きたくなってしまいます。個人レッスンで先生宅のピアノを弾く時や、ピアノ発表会くらいしか機会がなかったものですが、今やこうして都内のスタジオを簡単に借りることができるようになったとは良い時代になったものです。。。
赤坂ベヒシュタインは、地下鉄東京メトロの赤坂駅から直結、徒歩0分という絶好のロケーションにあります。
まずはショールームのある部屋に行き、入会手続きを済ませます。その場でサロンカード(会員証)を発行してくれるので、これがあれば汐留や浜松町のサロンも共通で利用することができます。
入会手続きと利用料金の支払いを済ませたら、スタッフの方が駅出口の反対側にあるサロンに案内してくれます(支払いはクレジットカードは使えず現金のみ)。
ピアノサロンには客席35席のスペースにベヒシュタインのグランドピアノが設置してあります。
こんな素晴らしいスペースを独り占めして練習できるとは夢のようです。。。音響的にも申し分ありません。
ちなみに気になる料金体系は以下のとおり。平日の直前割が一番オトクです。直前割とは、事前に予約が入っていない時間帯であれば、平日ならば前日か当日の予約で適用できる割引制度です。
早速ベヒシュタインのピアノを弾いてみました。
なんと。。。素晴らしい。。。
ある程度は予想していましたが、普段弾いている電子ピアノとは次元の違う響きが。
電子ピアノとは別の楽器といったほうが良いでしょう。
軽いタッチでは羽毛のような繊細な音が、強いタッチでは低音まで響き渡るような伸びる音色が、鍵盤への指使い次第でこれほど音色が変わるとは驚きでした。
以前弾いたことのあるヤマハやカワイのグランドピアノの硬さとは対照的な、柔らかい音です。
さっそく持参してきた6声のリチェルカーレの楽譜を置いて弾いてみます。
こんな贅沢が2,000円で手頃にできるとは。。。
冒頭の「大王の主題」から、鍵盤のタッチの加減がそのまま音色に反映されます。電子ピアノではできないことです。また、鍵盤を押し下げるときの感触が非常にソフトで、これまでのグランドピアノの硬い印象とは反対に、柔らかい感触がそのままピアノの弾き易さにつながります。
iPhoneをセットして演奏を録画してみました。
演奏の質そのものはさておき。。。自宅の電子ピアノを使ってあれこれ工夫した録音とは比較にならないほど素晴らしい録音です。ベヒシュタインの音色の素晴らしさが少しでも伝われば幸いです。。。
サロンの音響が素晴らしいので、持参してきたハンディレコーダーでも44.1kHz/1bitのWAVで録音してみました。
あれこれしているうち1時間はあっという間に過ぎてしまいました。時間が経つのを忘れてしまいそうです。。。
いやー、このスタジオはオススメです。
今は6声のリチェルカーレの2ページ目までですが、3ページ目まで弾けるようになったら再び来ようと。。。このスタジオで弾くのを(なかなか進まない)自分のピアノ練習のご褒美にすることにしました。
練習を終えてショールームのスタッフの方に声をかけます。ちなみにショールームには、普段見ることのないチェンバロ(ハープシコード)が2台置いてあります。
「あの。。。これ少し弾いてみてもいいですか?」
ダメ元で尋ねてみると、意外にもOKとのことで、早速人生初のチェンバロを弾いてみることに。。。!
弾いてみたのは、受付中央前に設置してあるノイペルト社製のZentiというモデルです。弦を弾いて音を出す構造なので、小型ながらしっかりした音が出ます。
鍵盤の間隔がピアノより狭いため、慣れるには少し時間がかかりそうですが、6声のリチェルカーレを試し弾きしてみました。
ピアノと比較して鍵盤の数が少ないですが、スタッフの方の話によれば、ゴルドベルグ変奏曲の一部の曲などの例外を除いてほぼすべてのバッハの曲は問題なく弾けるとのことです。
このZentiというモデルは非常にコンパクトで設置場所も選ばず、さらに値段は1,350,000円(税込)と予想外に安いものでした。聞くと、即買いするお客さんもいるとのこと。そう簡単にはいきませんが、チェンバロは数百万するというものではなく、種類によってはこんなリーズナブルなモデルもあるのかと驚きでした。
ショールームにはほかにもフォルテピアノというモデルも置いてありました。こちらはチェンバロと違い、弦をハンマーで叩いて音を出す仕組みなので、音量はかなり小さく繊細でした。ユーロピアノが扱っている鍵盤楽器はこちらのサイトに詳しく紹介されています。
チェンバロもサロンを借りて練習できるか尋ねてみたところ、来月(11月)から特別企画で「フォルテピアノ&ピアノ弾き比べ」という企画をやるそうです。
もちろん通常のピアノだけの個人利用もできるそうです。
またサロンでは、随時コンサートも開催されているようで、11月7日にも「ドイツピアノマイスターのお仕事」という題目で、レクチャーコンサート(詳細はこちら)が開催されるようです。こちらは入場料も1,000円とお手頃。チェンバリスト菊池香織里さんのコンサートもあるのでチェンバロに興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
バッハコンクールまであと2カ月、ピアノの練習が計画より進んでおらず焦ってきましたが、こんな素晴らしいピアノサロンが都内にあるのであれば、それを励みに頑張ってみようかという気になってきました。
ちなみに12月のバッハコンクールは偶然にも汐留のベヒシュタイン・サロンで開催されます。本番と同じピアノを使って練習することができるわけです。
グランドピアノを自宅に置けるだけの恵まれた境遇の人は非常に少ないかと思いますが、こうしてサロンを気軽に借りて練習するのも大いにアリだと思います。
(おわり)
日本ではユーロピアノ株式会社が輸入代理店業務を行っていますが、そのユーロピアノが都内の赤坂、汐留、浜松町の3か所にサロン(貸しホール)を構えており、時間単位でピアノを個人で利用することができるという話を聞き、早速行ってきました。
今回利用したのは、赤坂ベヒシュタインのピアノサロンです。年会員(3,300円)を支払って会員になれば、直前割を使えば1時間2,000円でグランドピアノを弾き放題というわけです。
普段は自宅の電子ピアノで練習するのですが、ときには本物のグランドピアノを思い切り弾きたくなってしまいます。個人レッスンで先生宅のピアノを弾く時や、ピアノ発表会くらいしか機会がなかったものですが、今やこうして都内のスタジオを簡単に借りることができるようになったとは良い時代になったものです。。。
赤坂ベヒシュタインは、地下鉄東京メトロの赤坂駅から直結、徒歩0分という絶好のロケーションにあります。
まずはショールームのある部屋に行き、入会手続きを済ませます。その場でサロンカード(会員証)を発行してくれるので、これがあれば汐留や浜松町のサロンも共通で利用することができます。
ベヒシュタインのサロンカード
ショールームとサロンの位置
ピアノサロンには客席35席のスペースにベヒシュタインのグランドピアノが設置してあります。
ピアノサロン
こんな素晴らしいスペースを独り占めして練習できるとは夢のようです。。。音響的にも申し分ありません。
ちなみに気になる料金体系は以下のとおり。平日の直前割が一番オトクです。直前割とは、事前に予約が入っていない時間帯であれば、平日ならば前日か当日の予約で適用できる割引制度です。
サロンの料金体系
早速ベヒシュタインのピアノを弾いてみました。
なんと。。。素晴らしい。。。
ある程度は予想していましたが、普段弾いている電子ピアノとは次元の違う響きが。
電子ピアノとは別の楽器といったほうが良いでしょう。
軽いタッチでは羽毛のような繊細な音が、強いタッチでは低音まで響き渡るような伸びる音色が、鍵盤への指使い次第でこれほど音色が変わるとは驚きでした。
以前弾いたことのあるヤマハやカワイのグランドピアノの硬さとは対照的な、柔らかい音です。
さっそく持参してきた6声のリチェルカーレの楽譜を置いて弾いてみます。
こんな贅沢が2,000円で手頃にできるとは。。。
冒頭の「大王の主題」から、鍵盤のタッチの加減がそのまま音色に反映されます。電子ピアノではできないことです。また、鍵盤を押し下げるときの感触が非常にソフトで、これまでのグランドピアノの硬い印象とは反対に、柔らかい感触がそのままピアノの弾き易さにつながります。
iPhoneをセットして演奏を録画してみました。
(試聴上の注意:ヒドイ演奏です)
演奏の質そのものはさておき。。。自宅の電子ピアノを使ってあれこれ工夫した録音とは比較にならないほど素晴らしい録音です。ベヒシュタインの音色の素晴らしさが少しでも伝われば幸いです。。。
サロンの音響が素晴らしいので、持参してきたハンディレコーダーでも44.1kHz/1bitのWAVで録音してみました。
あれこれしているうち1時間はあっという間に過ぎてしまいました。時間が経つのを忘れてしまいそうです。。。
いやー、このスタジオはオススメです。
今は6声のリチェルカーレの2ページ目までですが、3ページ目まで弾けるようになったら再び来ようと。。。このスタジオで弾くのを(なかなか進まない)自分のピアノ練習のご褒美にすることにしました。
練習を終えてショールームのスタッフの方に声をかけます。ちなみにショールームには、普段見ることのないチェンバロ(ハープシコード)が2台置いてあります。
「あの。。。これ少し弾いてみてもいいですか?」
ダメ元で尋ねてみると、意外にもOKとのことで、早速人生初のチェンバロを弾いてみることに。。。!
弾いてみたのは、受付中央前に設置してあるノイペルト社製のZentiというモデルです。弦を弾いて音を出す構造なので、小型ながらしっかりした音が出ます。
鍵盤の間隔がピアノより狭いため、慣れるには少し時間がかかりそうですが、6声のリチェルカーレを試し弾きしてみました。
Zentiで6声のリチェルカーレを試弾き
ピアノと比較して鍵盤の数が少ないですが、スタッフの方の話によれば、ゴルドベルグ変奏曲の一部の曲などの例外を除いてほぼすべてのバッハの曲は問題なく弾けるとのことです。
このZentiというモデルは非常にコンパクトで設置場所も選ばず、さらに値段は1,350,000円(税込)と予想外に安いものでした。聞くと、即買いするお客さんもいるとのこと。そう簡単にはいきませんが、チェンバロは数百万するというものではなく、種類によってはこんなリーズナブルなモデルもあるのかと驚きでした。
ノイペルトのZenti
ショールームにはほかにもフォルテピアノというモデルも置いてありました。こちらはチェンバロと違い、弦をハンマーで叩いて音を出す仕組みなので、音量はかなり小さく繊細でした。ユーロピアノが扱っている鍵盤楽器はこちらのサイトに詳しく紹介されています。
チェンバロもサロンを借りて練習できるか尋ねてみたところ、来月(11月)から特別企画で「フォルテピアノ&ピアノ弾き比べ」という企画をやるそうです。
「フォルテピアノ&ピアノ弾き比べ」
もちろん通常のピアノだけの個人利用もできるそうです。
またサロンでは、随時コンサートも開催されているようで、11月7日にも「ドイツピアノマイスターのお仕事」という題目で、レクチャーコンサート(詳細はこちら)が開催されるようです。こちらは入場料も1,000円とお手頃。チェンバリスト菊池香織里さんのコンサートもあるのでチェンバロに興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
ちなみに12月のバッハコンクールは偶然にも汐留のベヒシュタイン・サロンで開催されます。本番と同じピアノを使って練習することができるわけです。
グランドピアノを自宅に置けるだけの恵まれた境遇の人は非常に少ないかと思いますが、こうしてサロンを気軽に借りて練習するのも大いにアリだと思います。
(おわり)
(2020年4月3日 追記)
赤坂ベヒシュタイン・センターは、入店しているビルの国際新赤坂再開発のため、6月末をもちまして移転することとなりました(移転先は都内を予定しております)。
(2024年9月23日 追記)
赤坂ベヒシュタイン・センターの移転先のベヒシュタイン・セントラム 東京に行ってきました!
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第6回日本バッハコンクールに出場、「6声のリチェルカーレ」で奨励賞をいただきました
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余計なお節介者です。
返信削除未だ暗譜されていないようですけれど、譜面台を外して弾いてみて下さい。グランドピアノの素晴らしさにヤッホー!となる筈です。
匿名さん
削除なるほど。。。暗譜はまだまだですが、譜面台は確かに音を妨げているようですね、次にサロンに行ったときに譜面台外してみます。楽しみになりました。
貴重なアドバイスありがとうございます。