電子ピアノの演奏をMIDI録音してグランドピアノの音色で再生する

バッハコンサートに向けて「音楽の捧げもの」の「6声のリチェルカーレ」のピアノ練習をしています(奮闘記録はこちらです)。


ようやく楽譜6ページのうち2ページ目までをなんとか弾けるようになりました。そこで、2ページ目までを録音して聴いてみることにしました。しかし。。。

電子ピアノのスピーカーから出力される音質はとてもショボくて、とても聴くに堪えられません。。。

それをiPhoneのボイスメモで録音すれば、手軽にwavファイルができて、知り合いとシェアしたり、YouTubeにアップしたりするのは便利なのですが。。。

ということで、電子ピアノで弾いた曲をMIDIファイルフォーマットでパソコンに録音して、DTMのシーケンサソフトや外部MIDI音源を活用することで、あたかもコンサートホールでグランドピアノを弾いているかのように音を加工できないか試してみることにしました。

自宅の電子ピアノはヤマハのクラビノーヴァ(CLP-411)という20年くらい昔の製品ですが、幸いなことにMIDI端子が付いています。

クラビノーヴァ(CLP-411)

MIDI音源なんて、楽器をやっていなければ縁のないフォーマットなので、対応のMIDIインタフェースなんて久しく使っていません。。。

Windows95が発売されたころにMIDIで遊んだときに買ったYAMAHAのMIDIインタフェースがまだどこかにあるはずだと、押し入れをゴソゴソやってみたところ。。。出て来ました!!モデルはYAMAHAのCBX-T3というものです、たぶん20年くらい前の製品ですね。

YAMAHA CBX-T3

しかし残念なことに、USBではなく、シリアル接続です。。。

当然ですが、Windows95の当時、USBはまだ規格化されてもいなかったのです。

シリアル端末は、デスクトップPCのサウンドカード(サウンドブラスターという製品がデファクトでした)に端子があって、そこに繋いでいたのですが、今のパソコンにシリアル端子なんてありません。。。

ということで、折角掘り出してきたMIDIインタフェースは使えず、新たにアマゾンで購入することに。

買ったのはこちらです。RolandのMIDIインターフェイス UM-ONEmk2。



新旧比較すると、大きさも形状もずいぶん違いますね ^_^

新旧のMIDIインタフェース

早速、新しい製品のUM-ONEをPCに繋いでセッティングします。付属のCD-ROMに入っているドライバをインストールすれば簡単に設定は完了です。

次に、ピアノの背面にあるMIDI端子に、2本のMIDIケーブル(MIDI INとMIDI OUT)を接続します。ピアノのMIDI端子接続部のHOSTセレクタはMIDIにします。

HOST SELECTをMIDIに

パソコンとはUSBケーブルで繋ぐと、インタフェース本体のインジケータが赤く点灯します。

パソコンと接続した状態

そして、パソコンにはDTMソフトとしては定番のスタインバーグ社(今はヤマハの子会社)のCuBase Essential 4をインストールします。



このCuBaseも元はPCオーディオ再生用ソフトとして昔使っていたものですが、PCオーディオの進化とともに役割を終えてお蔵入りになっていたものです。

CUBASE ESSENTIAL 4

付属のUSBドングルを挿してインストールCDからアプリケーションをインストールします。こちらは結構時間がかかります。

ようやくインストールが終了して、初期画面を立ち上げてみます。

CuBaseをパソコンにインストール

そして、新規プロジェクトでMIDIを選択すると、下の画面のように複数のMIDIトラックが出て来ました。

CuBaseの操作画面

しかし数年ぶりにCuBaseを立ち上げましたが使い方全然覚えていません。。。シーケンサソフトって多機能すぎて何が何だかサッパリ。。。

マニュアルを読みながらなんとなくMIDIの録音環境を設定しました。ピアノの鍵盤を叩くと、ライン入力のボリュームバーが反応するので、信号は間違いなく繋がっているようです。

早速、録音の赤いボタンを押して、ピアノに座り、演奏をしてみます。終わったところで□の停止ボタンを押します。

次に、「ファイル」-「書き出し」-「MIDIファイル」と選択して今の演奏をMIDIファイルとして保存します。

MIDIファイル書き出し画面

ようやくMIDIファイルが出来上がりました!

これで晴れて電子ピアノ演奏をMIDIファイルにして保存することができましたが、MIDIファイルはWAVファイルと違い、音符情報しか含まれていないため、ファイルサイズが極端に小さい(数キロバイト程度)です。

同じCuBase画面上で、トラックの出力先をUM-ONEに指定すると、演奏を再び電子ピアノで再生させることができます。再生というより、自動演奏ですね。鍵盤は動きませんが、自分が弾いたものと全く同一のものが再生されるのは、電子ピアノの録音機能を使ったものと同じです。

さて、このMIDIファイルですが、Windows7の環境でファイルをダブルクリックすると、Windows Media Playerが立ち上がって、パソコンから音が再生できます。再生音はそのパソコンに入っている音源に依存するのですが、普通の環境であればWindowsが持っているGS音源で鳴らすことになるので、エレクトーンピアノみたいな音色になってしまいます。

Windows Media PlayerでMIDIを再生

まあこれでも昔のパソコンに比べたら飛躍的な進歩なのですが、やはり本格的な楽器の音色で再生したいですよね。。。

そこで、このMIDIファイルを再生する環境の構築をすることになるのですが、実はここで頓挫してしまいました。。。

CubaseをインストールするとHALionOneという強力なMIDIである音源が同時にインストールされるのですが、この音源を利用して再生したものをCubaseでWAVフォーマットで録音することがどうしてもできないのです。

先ほどのMIDIファイルの書き出し画面で、「MIDIファイル」ではなく、その下の「オーディオミックスダウン」を選択すると、WAVをはじめとした様々な音声ファイルフォーマットで出力することができるのですが、それで書き出したWAVファイルが何度試しても「無音」のファイルにしかならないのです。。。

そもそも出力先にHALionOneを指定するというマニュアルに書かれている通りのことがこの書き出しでできません。。。

マニュアル通りにやってみるのですが。。。

仕方なく、出力されたMIDIファイルを別の方法でWAV変換することを試してみます。調べてみると、どうやらAppleのiTunesはMIDIからMP3/AACへの変換をサポートしているとのこと、早速iTunesを立ち上げてMIDIファイルを登録しようとしましたが、なぜかウントモスントモ登録できません。

困り果ててしまいました。。。

MIDIファイルが特殊なフォーマットになってしまっているのが原因かもしれません。CuBaseの書き出しオプションをいろいろ変えて試しますが結果は同じ。。。

(2019年10月19日 追記)

ようやくPCでMIDIファイルをちゃんとしたXG音源で鳴らす方法がわかりました!

「MIDIプレイヤーならKbMediaPlayerが最強!設定方法を解説します」というサイトを参考に、kbMediaPlayerというフリーソフトを音源プラグインと一緒にインストールする方法です。

kbMediaPlayerは、2017年の更新で「VSTiプラグイン」を使用したMIDI再生が可能となったそうです。これは有難い!

拙宅の環境はWindows10の64bitですが、32bitのほうで試しましたが問題ありませんでした。

インストールの詳細は上記リンクを参照していただければわかると思いますが、まず、KbMediaPlayerは、窓の杜のこちらのリンクよりダウンロードしてインストールし、さらにヤマハが提供している無料のXG音源付属ミッドラジオプレーヤをこちらのリンクよりダウンロードして、あとはプラグインを有効化させます。

KbMediaPlayer

準備ができたら早速、対象のMIDIファイルを選択して再生させます。

すると、見事にちゃんとXG音源で立派に再生してくれました!!

しかも使用ソフトはすべて無料です。

これで、電子ピアノで練習した自分の演奏は、アナログ録音しなくても、MIDIに録音しておけば、PCだろうが他の電子ピアノだろうが、MIDI再生可能デバイスであればどこでもオリジナルの演奏を完璧に再現することができるわけです。

自宅で弾いたピアノ曲のMIDI音源を、レストランやコンサートホールにある電子グランドピアノで再生するなんてこともできてしまうし、アナログ録音したWAVなんかより遥かに小さいサイズのMIDI音源なので、友人にメッセージ添付で送ったりすることも簡単にできてしまいます。

これって実はスゴイことですね。。。

MIDI音源からグランドピアノの音色を作ろうという計画は、途中で頓挫しましたが、最後は目的を果たすことができました。

(おわり)

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