【第1回FunTrails FT50トレラン】制限時間を6秒オーバー!でも完走扱いに

FT50トレラン(トレイルランニング) 14時間00分06秒で完走?しました。
晩秋の奥武蔵を飯能から秩父までの56km、前半飛ばして貯金を作る作戦は大失敗、20km地点で足腰完全にやられ、残りの10時間はゾンビでした。
最後の5kmは心頭滅却して猛ダッシュしましたが、制限時間に6秒間に合わず。。。完走証は発行していただきました。


FT50

1. FunTrails100K/50K

春のハセツネ30Kに続いて2度目のトレラン。FunTrails 100K/50Kは首都圏初にして唯一のウルトラトレイルレースということで今回が記念すべき第1回開催でした。


コースは、「グルッと一周を巡るコースで、山々の自然を堪能できます。様々な景色を楽しみながら、走れるコースとなっています」という紹介文ですが、FTR100(100K)は累積標高7,500mで距離100km、FT50(50K)は累積標高3,535mで距離56kmという本格的なトレラン大会です。

そして何より、2016年開催UTMFやUTMBの参加資格ポイントがつく貴重なレースでもあります(FTR100 が4ポイント、FT50が2ポイントの予定)。

FTR100出場資格は過去2年間で50㎞以上のトレイルランレースを2回以上、もしくは100㎞以上のトレイルランレースを1回以上完走されている経験者ということで私は資格がありませんでしたが、FT50のほうは過去2年間で30㎞以上のトレイルランレース完走経験者ということで、春のハセツネ30Kを完走した私はFT50のほうに出場しました。

トレランの過酷さはハセツネ30Kで経験済みでしたが、その後アイアンマンやウルトラマラソンも走ったので、何とかなるだろうと考えていました。

この読みの甘さが致命的でした。。。

おまけに、10月のウルトラマラソンで足腰にダメージを負い、そのリハビリでろくに走り込みもしておらず、また11月に入ってから風邪気味で体調も優れていない上、体重も8月のアイアンマンのときから5kgも増えてしまい、かなりまずい状況でした。

さて、FT50のコースは埼玉県飯能の飯能観光協会横広場をスタートして、奥武蔵の山間部を経由、ゴールは秩父の羊山公園までの56.7kmです(FTR100のコースの後半部分、A6からスタートしてA7-A8-A9と経由してゴール)。

コース概要

宮沢湖と鎌北湖を巡って、その後山間部に入るわけですが、途中の国宝の高山不動が紅葉の名所ということで楽しみです。

高低差表

高低差表をみると、前半は比較的フラットですが、後半に大きな峠がいくつか待ち構えています。

今回のコースの立体模型(こちらのサイトより)

そこで、コース戦略として、前半できるだけハイペースで飛ばして貯金を作り、後半の峠は無理をせずに行こうと計画しました。

2. レース当日の朝

スタートが22日(日)の朝7:00ということで、受付時間などを考えると当日の始発に乗っても自宅からは間に合いません。そこで、自家用車でゴール地点近くの西武秩父駅の駐車場に止めて、5:02の飯能行き始発に乗ることにしました。

関越道を経由して自宅からは約100kmなので、逆算して自宅出発は日曜日朝の2:30です(笑)

装備類はハセツネ30Kのときとほぼ同じですが、ナイトランになるためにヘッデン(ヘッドライト)が必要ということで、Amazonで予めジェントスを購入しておきました。

会場に到着したのは朝の6:15、まだ陽が昇る前で真っ暗です。天気予報では今日は一日曇りで雨こそ降らないようですが、最高気温13℃と肌寒いです。

スタート会場

トレラン大会にはトライアスロンやブルべとは比べ物にならないほど多くの女性参加者がいます。しかもみなさんウェアがとてもカラフルでオシャレです。トレランは女性にも人気なんですね。

あと足袋のようなもの(ワラーチというらしいです)を裸足につけて出走しているランナーをちらほら見かけました。世間は広し。。。

今回のコースにある宮沢湖の近くには、2017年に「ムーミン谷」が作られるそうで、レースで湖周辺を走れるのは最後になるかもしれないということでしした。

ブリーフィングが終わると、今回のゲストランナーの紹介です。トレラン選手の反中祐介選手と、元自衛隊のタレント福島和可菜さんです。拍手で迎えられていました。

スタート前のトイレはいつものように長蛇の列、仕方なくあきらめてスタート地点に並びます。

スタート間近

そして7時ちょうどにスタートしました!

3. スタート~A7鎌北湖

どうしてもトイレに行きたかった私は、スタート直後にそのまま仮設トイレに直行(笑)早速4分くらいのタイムロスです。

ハセツネ30Kのときはスタート直後は心拍数が150を越えないように気を付けましたが、今回は飛ばしてもいないのにいきなり心拍数が160を越えて170近くまで上がっています。やはり体調不良のせいでしょうか。。。

キロ6分45秒くらいのペースで走ります。

序盤はコースはフラットといってもそれなりの上り下りがあるので、結構キツイです。

15分ほど市街地を走ってトレイルコースに入ります。

トレイルコースに入ります

途中の紅葉が色づいていて、この先の紅葉メッカの高山不動へ期待が高まります!

紅葉が見頃

出発して30分。距離は4.83km。しかしこの時点で既に心拍計は174まで上がってしまいました。身体もメチャメチャ重いです。この先大丈夫か。。。?

心拍は174まで上がってしまいました

ウェアは半袖にアームウォーマーを腕に付けてスタートしたのですが、早速汗をかいてしまったのでアームウォーマーは外してウエストポーチにしまいました。

ちなみにキャップはIRONMAN JAPANのロゴ入りのものを後ろ向きに被りました。誰かアイアンマンに出た選手がいたら知り合いになれるかと期待したのですが。。。結局1人だけ声をかけられましたがほとんどの選手にとってはアイアンマンは興味を惹くものではなかったようです。

やがて再びスタート地点の飯能観光協会横広場に戻ってきました。ここから奥武蔵自然歩道に入ります。

スタートして1時間、距離は7.41km。キロ5分40秒くらいのペースなのに心拍はついに182にまで上がってしまいました。かなりキツイです。。。

ついに心拍182に

ゴルフ場の脇道を通ります。

ゴルフ場の脇道

そして宮沢湖に到着。紅葉が見事!

湖畔の紅葉

落ち葉の絨毯を進みます

再びペースを上げて5分40秒代で走ります。結構キツイですが、当初の予定どおり前半で貯金を作るためです。

宮沢湖を過ぎて今度は日和田山の登山道に入ります。

岩場を歩きます

まだ元気そうです

見晴らし台でしばし景色を堪能します。しかし長居は不要、すぐに出発です。

見晴らしのよい場所に

トレイルコースには家族連れや子供たちも頑張っていました。急坂の岩場なのにスゴイ。。。


やがて日和田山山頂(標高305m)に到着。時刻は9:28。ここは奥武蔵の入り口ということで、関東平野が一望できます。

日和田山山頂

この先は下り基調になります。木の根や石で脚をすべらせないよう用心深く進みます。

下り坂

しばらく進むと前方が開けた場所に辿り着きました。ここからはかなりの急勾配を下ります。

ここから急勾配

このあたりから左脚のかかとが攣りそうに。。。そして右脚の腸脛靱帯がおかしくなり始めました。

そして。。。ようやく最初のエイド、鎌北湖のA7に到着。スタートから24km。時刻は10:42。クローズが12:00なので貯金は1時間18分作ることができました。

鎌北湖のエイドに到着

15分ほど休憩して、エイドのフルーツポンチとカップラーメン、そして今回スポンサードリンクのORGANICを飲みました。エイドはとても充実していて嬉しかったです。

ここで膝のストレッチを入念に。。。イテテテ。。。膝の状態はかなりマズイです。

鎌北湖はなんというか、静かで日本庭園のような雰囲気の湖でした。しかし今日は本当に肌寒いですね。。。

鎌北湖

4. A7鎌北湖~A8顔振峠

奥武蔵自然歩道に戻り、ここから先はいよいよ峠越えの後半が始まります。

ひたすら進みます

下りがキツイです

もうこの時点では両脚の膝が相当マズイことになっていて、真っ直ぐに降りることができません。多くの選手がダッシュする下りの道も右脚の激痛で走れません。

ハセツネ30Kのときは得意だった下り坂が、まったく走れないのは悔しいばかりですがこの痛みでは仕方ありません。

ここで持参してきた痛み止め(ロキソニン)を投与します。

心配していた内足広筋ではなく、腸脛靱帯がやられるとは想定外。。。

諏訪神社

諏訪神社を過ぎてからは、舗装路を走ります。もうほとんど走れるスピードではありませんが、頑張ります。この区間、紫色のウェアの女性のランナーの方と、背の高いシニアの男性の方と一緒でした。

「だいぶ貯金できましたよね」(女性)

「この先が大変なんだよね」(男性)

「もう高山不動の紅葉まで行ければ十分です」(私)

そしてお互いの健闘を祈ります。

この段階で私の走りは誰が見てもおかしなフォームになっていたと思います。

そしてようやく。。。顔振峠(こうぶりとうげ、標高500m)のエイドA8に到着。スタートから31.9km。時刻は午後1時08分。

顔振峠のエイドに到着

もう完全に脚がおかしくなってしまいました。重症なのは右脚。少しでも膝を曲げると激痛が走り、身体を支えるのが精一杯。。。

そして。。。寒さで震える手でザックを開けて、エアーサロンパスを脚に噴射します。この期に及んで効果があるかは不明ですが。

エイドではおにぎりをもらいました。あとザックのアクエリアスを補給。

そういえば、ハイドレーションザックのストローは剥き出しになっているので、その部分のドリンクだけ外気にさらされて冷たく美味しくなります。少し吸うとぬるくなるのですが、最初の飲み始めが冷たいのは本当に気持ちがリフレッシュしました。

あと半分か。。。

リタイヤという文字が頭をよぎりました。

幸いにも前半飛ばしたおかげで貯金がまだ大分残っているので、よし、行けるところまで行ってみようと意を決して出発します。

5. A8顔振峠~A9刈場坂峠

もはや平坦な舗装路でさえ小走りに走ることさえできません。後から来るランナーにどんどん追い抜かれます。

厳しいアップダウンが

平坦な道と上りはなんとかなるのですが、少しでも下りになるともう右脚に激痛が走ってそのたびに歯を食いしばります。

あまりに遅いので、何度も何度も途中で脇にどいて、後続のランナーたちに先に行ってもらいます。情けない限り。。。

高山不動までの上りは、果てしなく続くかのような長い道でした。しかし、私にとっては下り坂よりも上り坂のほうがはるかにラクでした。上り坂は多くのランナーに逆に道を譲ってもらい、先を急ぎます。

トライアスロンやブルべで大臀筋が発達したのでしょうか。上り坂はどんなにキツくてもペースが落ちずに行けて自分でも驚きました。

そして。。。ついに高山不動の紅葉まで辿り着きました!紅葉と銀杏の木のコントラストが素晴らしい。。。

高山不動前の紅葉

この石段を上ります

しかし。。。この石段が登れません。手摺のチェーンに掴まりながら、一段一段牛歩のように上がりますが、後ろから来るランナーの邪魔になっているようです。

紅葉は素晴らしいですが

高山神社を抜けるとさらに紅葉の美しいスポットが。

紅葉スポット

ここでカメラマンさんに写真を撮ってもらいました。カメラマンの方からも激励をいただきました。



少し上ると素晴らしい展望が開けました。関八州見晴台(標高771m)遠く丹沢山や高尾山まで見えます。今日はあいにくの曇り空でしたが、天気が良いときは東京の高層ビル群まで見えるそうです。。。

関八州見晴台

ここから最後の関門の刈場坂峠までは、アップダウンが続く厳しい道でした。もはや前を向いて下ることが全くできません。

時折登山道を出て舗装道路を走るのですが、下り坂の場合は後ろ向きになって走りました。車も滅多に来ないし、他のランナーの邪魔にもならないので、転倒さえ気をつければこの走り方は快適そのものでした。

でも後ろから来るランナーが、「この人は一体何をやっているのか!?」という驚いた表情で通り過ぎてゆきます。みなさんヘンな走り方で惑わせてしまってゴメンナサイ。

後ろ向き走りを続けているうちにコツを掴んでしまい、沿道のスタッフの方に褒められたりして(笑)。

舗装道路を走ります

そしてようやく40kmを過ぎたところで、奥武蔵グリーンラインに入ります。

奥武蔵グリーンライン入口

私の走り方が明らかにおかしいので、通り過ぎるランナーの方々に「大丈夫ですか?」「お大事に!」と何度も声をかけて激励していただきました。ありがとうございます。

時刻は午後4時を過ぎ、いよいよ肌寒くなってきました。おまけに霧もうっすらと。。。

霧が出て来ました

しかし刈場坂峠まではなかなか到着しません。。。もう右脚の痛みは限界、右脚を踏む出すたびに気張って痛みをこらえます。あと15kmもこの状態で行けるのだろうか。。。

沿道にはライトアップも

そして、遂に最後の関門の刈場坂峠(標高818m)に到着しました!時刻は午後4:34。スタートから42km。関門時間が午後5時なので、貯金は一気に減って30分を切りました。

刈場坂峠のA9エイドに到着

ここで以前ハセツネ30Kのときに知り合いになった元新聞記者のおじさんと遭遇。おじさんは今年はもう8つもレースに出ていらっしゃるということでスゴイ!先を行くおじさんをではゴールで会いましょうと見送りました。

急速に暗く寒くなってきたので、ここでヘッドライトの装備と、ウィンドブレーカーを着込みます。激痛と闘って性根疲れ果てたのか、寒さでガチガチと震えます。。。エイドではおかゆをいただきました。

6. A9刈場坂峠~ゴール

ここからはもうヘッドライトを点けないと足元が見えません。

ナイトランに

刈場坂峠を越えてからも上り基調が続くので下りが走れない身としてはとても助かりました(普通は逆ですが)。上り基調は丸山の頂上(960m)まで続きました。

そして、もうこの時間帯になると、周囲に走っている選手はまばらになります。ほとんどの時間を単独走です。

しばらく進んで、喉が渇いたと思いストローを咥えましたが。。。中身が。。。出て来ません。

刈場坂峠で水分補充するのを忘れていました。

うーーむ、この先給水ナシか。。。

携行ゼリーは飲み干してしまったし、残るはカンフル剤用のワンセコンド1パックのみ。

行く手に暗雲が立ち込めます。

そして。。。私はこのときにレース中最大の失敗をしてしまいました。

道に迷って間違った方向をどんどん降りてしまったのです。

下の写真の赤い左方向の矢印を見落としてしまい、逆方向の右に向かって進んでしまいました。おかしいなとは思ったのですが、進行方向の先にライトが見えたので方向が正しいと勘違いしてしまったのです。

見落とした標識

どんどん下りを降りていき、どうもおかしいと思ったときには標識から300mくらいは行ってしまったと思います。しばらく後続を待ちましたが誰も来る気配がありません。しかも下りを降りていく途中にFunTrailsのコースマーキングが全然ありません。。。

これは間違ったな、と思い引き返して上り坂を焦って上ります。

タイムロスにして15分くらい。時刻は午後6時前。

コースミス(黒いサークルのところです)

これは本当に痛かったです。。。

あわてて戻って、急ぎ足で上ります。上りはなぜか大丈夫でした。

時間がない。。。

ゴールの制限時間は午後9時。あと3時間で15kmくらいを行かなければなりません。

しかも、このあとは最大の下り区間が待っています。700mくらいを一気に下ります。

普通の状態だったら何の問題もありませんが、この脚では下りは歩くスピードさえ出せないからです。

喉の渇きが強くなってきた頃に、運良くコース沿いに水飲み場を発見しました。

有難い!

できるだけたくさん水を飲みました。

で、再出発。

そして。。。再び道を間違えました。

もう自分が情けないのですが、暗闇で左の小道に入るところを直進してしまいました。

コースミスその2(黒いサークルのところです)

タイムロス5分くらい。

もうダメかもしれない。。。

ここまで来てゴールに間に合わなかったら本当に悔しいですが、この脚ではどうしようもありません。

そういえばスタートではピチピチだったニットのウェアが緩くなっています。トレランの最中に体脂肪が落ちて細くなったんだと思います。途中で脱いで腰に巻いていたウィンドブレーカーもずり落ちて来てしまう程でした。

そして、いよいよ最後の最大の下りが始まりました。

しかも岩場や足場が非常に悪い道が続きます。

岩場と小石と濡れ落ち葉で滑りやすく、おまけにライトしかないので視界も悪いという最悪のコンディション。

一部のところはあまりに岩場が滑るので、身体ごと岩場の上を滑ってしまったほどです。

力の全く入らない右脚とそれをかばう左脚も腸脛靱帯がやられてきました。

今から振り返ると奇跡のような話ですが、今回のトレランは下りで一度も転ぶことがありませんでした。

小石や木の枝に乗っかってしまいバランスを崩すこと恐らく数百回はあったと思います。特にこの最後の下り区間は、イメージ的には20歩に一度はツルっと滑っていたと思います。右脚は曲げることができず体重を支えるだけのつっかえ棒のような状態なので無理もありません。

もちろんかなり急な場所は、もう後ろ向きに這いつくばって岩場に身体をなすりつけながら慎重に降りました。

時間がどんどん経過していきます。。。

この下りさえ抜ければ。。。

しかし無常にも下りは永遠に続くかと思えるほど長く険しいものでした。

時刻は7時をまわりました。

眼下に広がる街の灯りが全く近づいてきません。。。

普段だったらキレイに思える夜景がこのときはうらめしく感じました。

7時30分くらいには坂が終わってくれるんではと期待していましたが叶えられません。

途中で一時的に下り坂がなだらかになり、いよいよ終わりかと期待するも、再び岩のゴツゴツとした急坂になってしまい落胆ということを繰り返します。そのうち坂道を水が流れている場所にも遭遇、グチャグチャのぬかるみになりますが、ここはむしろ脚へのダメージが抑えられるので歓迎です。

やがて時刻は8時をまわりました。

もう下り始めてから2時間近くが経過しています。

最後の平地はおそらく5kmくらいだろう、5kmを1時間あればなんとか間に合うなと皮算用していましたが、その1時間が刻々と過ぎていってしまい、絶望的になってきました。。。

8時10分くらいになってようやく坂の終端にある金昌寺が見えて来ました。

もうすぐ下りが終わる。この痛みから解放される。。。

ここでカンフル剤のワンセコンドを摂取。

しかし。。。ここでまたまた道を間違えました。これで3回目です。

気が付いたらお寺の墓地のなかで立ち往生。柵を越えて降りようかとも思いましたが、そんな脚力は全く残っていないしそもそも仏様に失礼です。迷いながらようやく間違えた場所に戻りました(ここはマーキングが欲しかったです)。タイムロスは5分くらい。

コースミスその3(黒いサークルのところです)

金昌寺を降りたところで、スタッフの方に聞きます。

「あと何キロですか!?」

「6キロくらいです。。!」

それを聞いて絶望的に。。。まだ6キロも。。。現在時刻は午後8時20分。40分で6キロということは、キロ6分台で力走しなければなりません、この脚で。。。

「頑張ってください!あとずっとまっすぐなだらかな上りです!」

スタッフの方は励ましてくれますが、私の脚をビッコ引いている姿を見て、スタッフの方の顔にも明らかにこれは間に合いそうにないという表情が現れていました。

キロ6分台で6km走る。

歩くこともやっとというこの脚の状態で。

3回も迷ったのが致命傷だったな。。。

いろいろ思いが巡りますが、とにかく後悔だけはしたくない。

今シーズンはもう大会に出る予定はないし、ここで脚が潰れてしまっても構わない。

よーーーし

全力で走ろう!

意を決して猛ダッシュで駆け始めました。

驚いたことに、両脚ともそのスピードに付いてこれるではないですか!

心拍も160くらいで安定しています。

あとで記録を見たらこのときキロ6分30秒で走っていました。

息はゼイゼイ苦しいですが、なんといってもゴールまでのたった6kmの距離を走り抜ければよいだけです。

たった6km!

と、後ろから更に速いスピードのランナーにあっという間に追い抜かれましたが気にしません。

道さえ間違わなければ。。。

金昌寺の誘導スタッフの言葉どおり、直進してしばらく進むとまた誘導スタッフがいて道を教えてくれました。

「あと何キロですか!?」

「あと2.5kmくらいです。頑張って!」

時計を見ると、なんとか間に合いそうです。

しかし、そこで信号に引っかかってしまいました。立ち止まって再び走り出そうとするとき、足腰がズキッと激痛が走って走り出せません。。。止まってしまうと良くないようです。

歩道橋を渡りしばらく進むと前を走っている何人かのランナーに出会いました。

最後のカーブらしき場所にいる誘導スタッフに聞きます。

「あと何キロですか!?」

「あと1kmです!」

。。。間に合った。。。

手元の時計では8時51分。まだ9分もあります。歩いても間に合うくらいです。

ここで完走を確信しました。

しかし。。。

先に進んでも進んでも会場らしき雰囲気が一向に現れません。もう1kmくらい走ったのに。。。

さすがに変だと思い、前を行く女性のランナーの方に

「道合ってますよね。。。?」

と尋ねてしまいました。

誘導のスタッフも、沿道の赤く光るバーも見当たりません。一体どうしたことか。。。

そうこうしているうちに時刻は刻々と過ぎ、気がつけばあと3分。

走っている先は真っ暗闇です。

なんか、猛烈に焦ってきました。

イヤーな予感がしてここから再び猛ダッシュ。

ようやく先に誘導のスタッフの姿が見えてきました。

「ゴールはどこですか!?」

「あの先の照明の場所を目指して走ってください」

照明が見えてきました。手元の時計では8時58分、あと2分。。。

そして。。。

照明の下のゴールアーチまで渾身の力を振り絞って力走しました。

そして。。。ゴール。。。

脚を停めます。

しかし計測チップが反応するカーペットは、ゴールのほんの2mくらい先でした。時計を見ると午後9時ちょうど。

このとき、タッチの差で間に合わなかったことを悟りました。

カーペットの上で計測チップがピピっと鳴った(と思います)。

そのまま誘導員の指示に従って歩いてゆくと、完走証を発行している場所に辿り着きました。

スタッフの方が満面の笑顔で

「完走おめでとうございます!!」

と祝福してくださいました。

え、でも間に合わなかったのに?

そして、完走証がプリンタから出力されてきました。14時間00分06秒と記録されています。

完走証

スタッフの方に訊いてみました。

「あの。。。間に合わなかったと思いますが」

スタッフの方は一瞬驚いたようでしたが、すぐに、

「でも完走証発行されたのでたぶん大丈夫ですよ!」

と陽気に答えてくださいました。。。


こうして私のトレラン50Kは終わりました。

果たしてゴールが正式に認められるかは不明です。厳密なルールでは未完走扱いだと思います。

しかし、私はあまり拘っていません、どちらの結果になっても満足です。こうして大会を最後まで走ることができたこと、最後の最後までレースを諦めなかったことで、この大会に出れて本当に良かったと感じています。

脚の痛みに10時間以上耐えてこれほど辛い経験もなかなかありませんでしたし、帰宅した今も下半身不随のような状態で椅子から立ち上がることも玄関の段差を越えることも不自由な状況です。

しかし、終わってしまえば痛みはいずれ消えてしまいます。

実は、事前の計画ではこの大会で2ポイント獲得して、来年のSTYに出場を狙っていました。白状するとあわよくば6ポイント溜めて、UTMFにエントリーとまで図々しくも妄想していました。

しかし、今回このトレランに出て、自分の実力が到底そんなレべルではないことを痛感しました。

なので、たとえ2ポイント獲得したとしても、来年再びトレラン大会に出てSTYを狙うつもりはありません。

今年のレースはこれで終了(12月にチーム駅伝には出ますが)です。

アイアンマンを目指して頑張ってきたつもりが、いつの間にかブルべのスーパーランドナー、トレラン、ウルトラマラソン、そしてエンデューロと初挑戦が続きました。

いろいろな競技の魅力も垣間見ることができたし、なんといっても、事故やトラブルに見舞われることなく、すべてのレースを完走できた(ウルトラは100kmに届きませんでしたが)ことは幸運としか言いようがありません。

私はスポーツは得意なほうでもないし、制限時間ギリギリで何とか通過した大会もたくさんあることからわかるように、正直自分の身の丈を越えてレベルが高過ぎたような気がします。

来月で年齢も50の大台に乗ることもあり、もうあまり無理もできません。これからはもう少しスローライフでいくのも悪くないと思っています。

最後に、FunTrails FT50の素晴らしい大会を企画・運営してくださった関係者の方、そして激励を下さったランナーの方々に御礼申し上げます。

(おわり)

(2015/12/02 追記)
大会のホームページで結果が公開されました。私の記録14時間00分06秒は正式に完走扱いにしてもらえたようです。

こちらの結果によると完走331人中328位。。

(2018/11/03追記)
reliveというアプリを使って走行記録からルートを動画再現しました。

relive

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コメント

  1. おつかれさまです。記事面白かったです。両足チョウケイやられながらの完走は並大抵の根性ではできないと思います。しかも最後のあの下りは心が折れかけたとお察しします…
    僕は100Kに出て残り50でチョウケイに違和感が出始めました。救護班の先生に施術をしてもらえなければ完走できなかったと思います。そのときに、痛くなってきたら後ろ向きに数本歩いてそのまま前に走れとアドバイスをもらいました。どうもフォームが正しくなるようです。理に適ってたようですね。

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    返信
    1. ブログ訪問ありがとうございます。そしてFTR100完走おめでとうございます!
      Unknownさんもチョウケイやられた上での完走だったのですね、しかし100kmの距離は凄すぎて想像もできません。。。あの辛さを2度と経験したくないというのを励みに日々トレーニングのモチベーションに活かそうと?思います。。。
      後ろ向きに歩くのは理にかなっていたのですね、最後の下りは途中までヘッドライトを後ろ向きにセットして降りましたがあまりに危険すぎて途中で断念しました。

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