ベヒシュタイン・サロンとは、世界の3大ピアノメーカーのひとつベヒシュタインが都内に展開する貸スタジオのことです。ベヒシュタインのグランドピアノが弾き放題なので、私のように普段自宅で電子ピアノで練習している身としては、非常に利用価値の高いスタジオです。
先月は赤坂のベヒシュタイン・サロンに行きましたが、汐留のサロンはオフィスから徒歩5分と非常に便利なロケーションにあることがわかったので、そちらに行ってきました(前回の赤坂ベヒシュタインのブログはこちらです)。JR新橋駅からだと徒歩8分くらいでしょうか。
バッハコンクールまであと2ヶ月を切っているというのに、やっと楽曲(バッハの「音楽の捧げもの」の「6声のリチェルカーレ」)の半分までしか進んでいません。先月の赤坂ベヒシュタインのときから1ページしか進捗していない。。。
果たしてこんな遅いペースで年末のバッハコンクールは間に合うのでしょうか。。。?
そして、そのバッハコンクールの会場となるのが、実は今回訪問した汐留ベヒシュタイン・サロンなのです。。。!
汐留ベヒシュタイン・サロンには、客席80席の「S.S.ザール1」というホールがあるのですが、それがバッハコンクールの東京地区予選会場というわけです。
コンクールの事を考えると緊張してきました。。。
さて、汐留ベヒシュタイン・サロンは汐留のイタリア街というとてもお洒落な雰囲気の街角のビルの1Fでした。オフィスから歩いて近い距離にこんな小洒落た場所があったとは。。。
個人でピアノの練習に使えるスタジオはA,B,Cと3つあります。Aはグランドピアノ2台、Bは1台、そしてCはアップライトピアノ1台です。今日はBを借りました。
平日昼割(12時から14時まで)というのを利用して、1時間1,800円と価格もリーズナブル。平日の昼休みを利用できるので、自宅にグランドピアノを置いて練習するよりむしろ便利なくらいです(そもそも自宅にグランドピアノは無理ですが)。
今回弾いたグランドピアノは、L167 Meister Pieceという小型モデルです。しかし価格はなんと898万円(!)
汐留のスタジオBは、赤坂のサロンよりはぐっと狭くてグランドピアノがほぼ部屋のスペースすべてを占有しているような状態ですが、一人で練習する分には何も不便を感じません。もちろん完全防音で、空調も自分で調整できるので、快適な環境で思いっきりグランドピアノを弾けるのは有難いです。
さて。。。まずは楽譜をセットして練習する前に、譜面台を倒してピアノの響きが最適になるようにして弾いてみることに。。。
スタジオが狭い割には、音が篭ることもなく明瞭な音色です。壁のそこらじゅうに調音パネルが配置されているのでその効果でしょう。
次に、いつものように譜面をセットして弾くことにします。
実はまだ暗譜ができていません。
というか、練習を進めるうちに、以前のページの運指をどんどん忘れてしまうため、なかなか暗譜まで辿り着きません。30年前に弾いていた当時とは勝手が違います。
まあ、コンクール本番は譜面を見ることができるのでその点はあまり心配していませんが。
年を取って記憶力の低下は著しく、フレーズも何度も何度も繰り返さなければ指も頭も覚えてくれず苦労します。
楽譜で数10ページにも渡るベートーヴェンのピアノソナタなんか暗譜で弾いていた30年前は、一番記憶力のある時期だったので無理もないのですが、年には勝てませんね。
リチェルカーレは、バッハの膨大なピアノ曲のなかで最高難易度の曲らしいのですが、バッハの曲をほとんど弾いた経験のない私にはピンと来ません。実際、曲を聴くとわかりますが、特にスピード技巧を要求されるわけでもなく、フーガなので終始ノロノロと進みます。
Yahoo知恵袋のこちらの投稿では、
「バッハで一番難しい曲は何ですか?」
という質問に
「音楽の捧げ物の6声のリチェルカーレでしょうかね」
という回答。
こちらの投稿では、
「バッハのピアノ曲で、最もテクニックが難しいと思う曲を3曲挙げて下さい」
という質問に
「◇「音楽の捧げ物」より「6声のリチェルカーレ」 ◇ 前奏曲とフーガ イ短調 BWV894(とくにフーガ) ◇ 「ゴルトベルク変奏曲」より 第29変奏。本来チェンバロのために書かれている(ゆえにピアノ曲ではない)こともあり、ピアノで演奏するのは極めて難しい曲ばかりです」
という回答です。
バッハの曲は、対位法といって右手も左手もすべてが旋律を形成しています。6声というのはフーガのなかでも最も旋律数が多く複雑なので、ただ満遍なく音符を追って弾いていると曲が崩壊してしまうので、そこらへんが難易度が高い理由なのかもしれません。
まあそんなことは関係なく、私はこの6声のリチェルカーレの宇宙的なスケールとドラマチックな構成をとても気に入っています。
曲のほうは114小節目までなんとか弾けるようになりました。以下はその映像(演奏時間4分53秒)です。
調子が良い時は103小節目までくらいはほとんどミスタッチなしで弾けるようになりましたが、それ以降はまだボロボロです。
前半の難所はいくつかあります。以下抜粋。
65小節目までの難所は最近はミスタッチすることなくクリアできるようになりました。しかし以下のパートは明らかに練習不足です。
音が途切れ途切れになる部分もまだまだ残っています。運指に問題があるのでしょう。ペダルを使えば誤魔化せるかもしれませんが、プロの友人のアドバイスどおり、ペダルは最後の最後まで使わないことにしています。
そして、123小節目以降は、左手はダラダラと音階を上ったり下がったりなので、ここからはおそらくそれほど難所は少ないのではと思います。
リチェルカーレのような荘厳なフーガは、どっしりとした安定したテンポで終始弾くことが大切なのですが、どうしても途中から曲に呑まれてテンポが速くなってしまいます。そのため普段はメトロノームを使って練習しています。
主旋律さえしっかりしていれば、今は表現力よりも技術的にミスタッチを減らすことに専念していれば良いと思うのですが、全体のまだ半分しか進んでいない現状では、果たして表現力をつけるレベルまでいけるのだろうかと不安です。
そんなことを考えながら夢中で練習していたらあっという間に1時間が過ぎて時間が来てしまいました。
さて、これからの練習予定ですが。。。
当初の目標は11月中に全曲を通して弾けるようになることでした。
しかし。。。
現実的には11月中に全曲6ページ中5ページまで行ければ御の字でしょう。
本当にそんなに先まで一気に進められるでしょうか。。。甚だ心許ないです。
早くプロのコーチにレッスンを受けてコンクールに向けて曲を仕上げるステップに移りたいと思いますが、この後果たしてどうなることやら。。。
(2015/11/10)
後日自宅で電子ピアノで演奏したものをメモリしてステレオセットに繋いで再生したものをZoomで44.1kHz/16bit録音したものをtunestotubeでmp3変換したものが以下です。こちらは114小節目まで大きなミスタッチなく弾けました。
(2021/11/01 追記)
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先月は赤坂のベヒシュタイン・サロンに行きましたが、汐留のサロンはオフィスから徒歩5分と非常に便利なロケーションにあることがわかったので、そちらに行ってきました(前回の赤坂ベヒシュタインのブログはこちらです)。JR新橋駅からだと徒歩8分くらいでしょうか。
汐留ベヒシュタイン・サロンのアクセス
バッハコンクールまであと2ヶ月を切っているというのに、やっと楽曲(バッハの「音楽の捧げもの」の「6声のリチェルカーレ」)の半分までしか進んでいません。先月の赤坂ベヒシュタインのときから1ページしか進捗していない。。。
果たしてこんな遅いペースで年末のバッハコンクールは間に合うのでしょうか。。。?
そして、そのバッハコンクールの会場となるのが、実は今回訪問した汐留ベヒシュタイン・サロンなのです。。。!
汐留ベヒシュタイン・サロンには、客席80席の「S.S.ザール1」というホールがあるのですが、それがバッハコンクールの東京地区予選会場というわけです。
「S.S.ザール1」ホール
コンクールの事を考えると緊張してきました。。。
さて、汐留ベヒシュタイン・サロンは汐留のイタリア街というとてもお洒落な雰囲気の街角のビルの1Fでした。オフィスから歩いて近い距離にこんな小洒落た場所があったとは。。。
汐留のイタリア街
汐留ベヒシュタインサロン入口
個人でピアノの練習に使えるスタジオはA,B,Cと3つあります。Aはグランドピアノ2台、Bは1台、そしてCはアップライトピアノ1台です。今日はBを借りました。
スタジオ(汐留ベヒシュタインのホームページから)
平日昼割(12時から14時まで)というのを利用して、1時間1,800円と価格もリーズナブル。平日の昼休みを利用できるので、自宅にグランドピアノを置いて練習するよりむしろ便利なくらいです(そもそも自宅にグランドピアノは無理ですが)。
今回利用したスタジオB
今回弾いたグランドピアノは、L167 Meister Pieceという小型モデルです。しかし価格はなんと898万円(!)
汐留のスタジオBは、赤坂のサロンよりはぐっと狭くてグランドピアノがほぼ部屋のスペースすべてを占有しているような状態ですが、一人で練習する分には何も不便を感じません。もちろん完全防音で、空調も自分で調整できるので、快適な環境で思いっきりグランドピアノを弾けるのは有難いです。
さて。。。まずは楽譜をセットして練習する前に、譜面台を倒してピアノの響きが最適になるようにして弾いてみることに。。。
スタジオが狭い割には、音が篭ることもなく明瞭な音色です。壁のそこらじゅうに調音パネルが配置されているのでその効果でしょう。
次に、いつものように譜面をセットして弾くことにします。
実はまだ暗譜ができていません。
というか、練習を進めるうちに、以前のページの運指をどんどん忘れてしまうため、なかなか暗譜まで辿り着きません。30年前に弾いていた当時とは勝手が違います。
まあ、コンクール本番は譜面を見ることができるのでその点はあまり心配していませんが。
年を取って記憶力の低下は著しく、フレーズも何度も何度も繰り返さなければ指も頭も覚えてくれず苦労します。
楽譜で数10ページにも渡るベートーヴェンのピアノソナタなんか暗譜で弾いていた30年前は、一番記憶力のある時期だったので無理もないのですが、年には勝てませんね。
リチェルカーレは、バッハの膨大なピアノ曲のなかで最高難易度の曲らしいのですが、バッハの曲をほとんど弾いた経験のない私にはピンと来ません。実際、曲を聴くとわかりますが、特にスピード技巧を要求されるわけでもなく、フーガなので終始ノロノロと進みます。
Yahoo知恵袋のこちらの投稿では、
「バッハで一番難しい曲は何ですか?」
という質問に
「音楽の捧げ物の6声のリチェルカーレでしょうかね」
という回答。
こちらの投稿では、
「バッハのピアノ曲で、最もテクニックが難しいと思う曲を3曲挙げて下さい」
という質問に
「◇「音楽の捧げ物」より「6声のリチェルカーレ」 ◇ 前奏曲とフーガ イ短調 BWV894(とくにフーガ) ◇ 「ゴルトベルク変奏曲」より 第29変奏。本来チェンバロのために書かれている(ゆえにピアノ曲ではない)こともあり、ピアノで演奏するのは極めて難しい曲ばかりです」
という回答です。
バッハの曲は、対位法といって右手も左手もすべてが旋律を形成しています。6声というのはフーガのなかでも最も旋律数が多く複雑なので、ただ満遍なく音符を追って弾いていると曲が崩壊してしまうので、そこらへんが難易度が高い理由なのかもしれません。
まあそんなことは関係なく、私はこの6声のリチェルカーレの宇宙的なスケールとドラマチックな構成をとても気に入っています。
曲のほうは114小節目までなんとか弾けるようになりました。以下はその映像(演奏時間4分53秒)です。
(試聴上の注意:ヒドイ演奏です)
調子が良い時は103小節目までくらいはほとんどミスタッチなしで弾けるようになりましたが、それ以降はまだボロボロです。
前半の難所はいくつかあります。以下抜粋。
32小節目(右手が流れるように弾けない)
43小節目(主旋律が途切れてしまう)
65小節目(分散和音を外してしまう)
65小節目までの難所は最近はミスタッチすることなくクリアできるようになりました。しかし以下のパートは明らかに練習不足です。
72小節目(スラーが保てない)
74小節目(運指が複雑)
100小節目(運指が複雑)
106-107小節目(運指が複雑)
110小節目(運指が複雑)
音が途切れ途切れになる部分もまだまだ残っています。運指に問題があるのでしょう。ペダルを使えば誤魔化せるかもしれませんが、プロの友人のアドバイスどおり、ペダルは最後の最後まで使わないことにしています。
123小節目以降
主旋律さえしっかりしていれば、今は表現力よりも技術的にミスタッチを減らすことに専念していれば良いと思うのですが、全体のまだ半分しか進んでいない現状では、果たして表現力をつけるレベルまでいけるのだろうかと不安です。
そんなことを考えながら夢中で練習していたらあっという間に1時間が過ぎて時間が来てしまいました。
さて、これからの練習予定ですが。。。
当初の目標は11月中に全曲を通して弾けるようになることでした。
しかし。。。
現実的には11月中に全曲6ページ中5ページまで行ければ御の字でしょう。
本当にそんなに先まで一気に進められるでしょうか。。。甚だ心許ないです。
早くプロのコーチにレッスンを受けてコンクールに向けて曲を仕上げるステップに移りたいと思いますが、この後果たしてどうなることやら。。。
(2015/11/10)
後日自宅で電子ピアノで演奏したものをメモリしてステレオセットに繋いで再生したものをZoomで44.1kHz/16bit録音したものをtunestotubeでmp3変換したものが以下です。こちらは114小節目まで大きなミスタッチなく弾けました。
自宅録音版(映像なし)
(2021/11/01 追記)
汐留ベヒシュタイン・サロンは営業終了となり日比谷へ移転しました。
(おわり)
(2024年9月23日 追記)
赤坂ベヒシュタイン・センターの移転先のベヒシュタイン・セントラム 東京に行ってきました!
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でも愉しそうですね。頑張ってください。
返信削除御田さん有難うございます。引き続き頑張ってまいります。
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