先日のトレランで痛めた脚もだいぶ回復し、普通に歩けるようになりました。
今年はたくさんの新しい耐久系スポーツに明け暮れました。アイアンマン、ブルべ、トレラン、ウルトラマラソン、エンデューロ。。。
我ながらよくこれだけやったという感じです。
しかし、どうしてこんなに取り憑かれたようにレースに出たのでしょうか?
自分は何を目指しているんでしょうか。。。?
去年から目指していたのは間違いなくアイアンマンでした。トライアスロンを始めようと思い立ったときから、アイアンマンになることがゴールだったのは確かです。
そもそもなんでスポーツに縁のない私がトライアスロンなんかをやるようになったのか?
それはたぶん、トライアスロンをやろうと思い立った時期が、「たまたま時間的・精神的に余裕があって」何か新しいことに挑戦しようと考えていたからだと思います。
(横浜トライアスロン2014)
40歳を過ぎてロクに運動もせず飲み食いばかりしていた結果、体重増加でメタボ直前まで行ってしまい、これではまずいと走り始めたのがきっかけでした。
その後、フルマラソンでサブフォーを達成したところまでは走ることに没頭しましたが、サブフォー達成後は情熱も醒め、再び体重増加の道を進みました。
その走っていた頃から、いつかはトライアスロンにも挑戦してみたいとぼんやり考えてはいました。しかし、始めるきっかけもなければ、全く泳げないこともあり、実現することはありませんでした。
それが、偶然出会った「トライアスロンはじめました」という本がきっかけで、トライアスロン、そしてその頂点であるアイアンマンを目指すようになったのは、以前書いた通りです。
トライアスロンはじめました
そして、横浜トライアスロンを完走してトライアスロンデビューしました。
(横浜トライアスロン2014)
その翌年には念願のアイアンマンを完走しました。
(アイアンマンジャパン北海度2015)
トライアスロンを続ける理由は人それぞれです。
こちらのサイトの記事では、「なぜトライアスロンなのか?」と題して経営者がトライアスロンにのめり込む理由と、それによって得られるメリットについて解説しています。
- セルフマネジメントスキルが向上する
- 戦略的なマインドが身につく
- 新しい「仲間」ができる
- ストレス耐性が向上する
- 「戦うための心」が手に入る
- 「自分を磨くクセ」がつく
- 新しい世界が開ける
などなど。。。
このような説明もある程度は納得できるし、思い当たるフシも少なからずあります。
(横浜トライアスロン 2015)
話が本題から逸れますが、こちらの方のブログには、「アイアンマンを完走すると」と題して非常に面白いことが書いてあります。以下に一部引用します。
「アイアンマンを完走したら、どう考えてもゼッタイ無理だろうと思っていたようなこともそれなりの準備や努力を積み重ねれば結構あっさりと完遂できるものだという自信が根付き、怖いものが全く無くなるとまでは言わないものの一気に半減したような感じがします」
「アイアンマンを完走したら、これまでにもまして世俗的なことがどーでもよくなり、小さなことに一層 関心が失せました、でもこれはもしかしたら、自分では鉄人になったつもりでも世間的には廃人と思われる領域に足を踏み入れてしまったのかも、とふと思いました」
これには激しく同感です。。。
私は普段からあまりテレビを見たりや雑誌を読んだりしませんが、トライアスロンをやるようになってからいよいよ俗世間の出来事に興味が失せました。
また早朝トレーニングを続けていると、夜9時30分には寝て朝6時には毎日起床する習慣がついたせいか、無意味な残業もしない、無駄な飲み会も行かない、といった具合です。
今までの自分の人生が、如何に無駄に時間とエネルギーを浪費していたか、余計な事に首を突っ込み、些細なことに一喜一憂してあれこれ悩んだりしていたか、この期に及んでようやく悟りました。
ついでに言うと、俗物的なものに一層関心が失せ、金銭への執着もなくなり、世間の噂話にもまるで興味がなくなりました。。。
「アイアンマンを完走したら、どう考えてもゼッタイ無理だろうと思っていたようなこともそれなりの準備や努力を積み重ねれば結構あっさりと完遂できるものだという自信が根付き、怖いものが全く無くなるとまでは言わないものの一気に半減したような感じがします」
「アイアンマンを完走したら、これまでにもまして世俗的なことがどーでもよくなり、小さなことに一層 関心が失せました、でもこれはもしかしたら、自分では鉄人になったつもりでも世間的には廃人と思われる領域に足を踏み入れてしまったのかも、とふと思いました」
これには激しく同感です。。。
私は普段からあまりテレビを見たりや雑誌を読んだりしませんが、トライアスロンをやるようになってからいよいよ俗世間の出来事に興味が失せました。
また早朝トレーニングを続けていると、夜9時30分には寝て朝6時には毎日起床する習慣がついたせいか、無意味な残業もしない、無駄な飲み会も行かない、といった具合です。
今までの自分の人生が、如何に無駄に時間とエネルギーを浪費していたか、余計な事に首を突っ込み、些細なことに一喜一憂してあれこれ悩んだりしていたか、この期に及んでようやく悟りました。
ついでに言うと、俗物的なものに一層関心が失せ、金銭への執着もなくなり、世間の噂話にもまるで興味がなくなりました。。。
その反対に、これまでほとんど意識しなかった日常の当たり前のことや、自然の恵みに感謝の気持ちが芽生えました。平和の有難み、美味しい食事、道端の花々、などなど。。。
(横浜トライアスロン2015)
話を持久系/耐久系スポーツ全般に戻しますが、ブルべもトレランも、最初はアイアンマンのよいトレーニングになるだろうと思って始めたものでした。
それが、アイアンマンを完走した後になっても続けているのはどういうわけでしょうか?
アイアンマンを目指していた当時は、
「アイアンマンになれたら、もう持久系/耐久系スポーツは一切止めて、好きなだけ呑み食いして怠惰に過ごそう」
と考えていたにも関わらず。。。
続けている理由を考えてみました。
- 50歳になる前にやっておきたかったから
- 健康管理・維持のため
- 単にヒマだから
- マゾだから
それぞれ思い当たるところはありますが、それだけで持久系/耐久系スポーツを続ける動機にはなりません。
じっくり考えてみたのですが、至った結論は、
「いろいろな持久系/耐久系スポーツが一体どんな過酷な世界なのか体験してみたかったから」
という好奇心ではないかと。。。
2. 持久系/耐久系スポーツ過酷度比較
で、経験してきたいろいろな持久系/耐久系スポーツを比較してこんな表を作ってみました。
耐久系スポーツ過酷度比較
(2018/11/22 修正) ブルべを600kmから300kmに変更(完走時間を統一)
合計過酷度でトップになったのは、トレイルランニングとウルトラマラソンが18点で同点トップ、3位がアイアンマンでした。
個人的な感想ですが、過酷度では、アイアンマンよりも実はトレイルランニングやウルトラマラソンのほうが上回っています。
アイアンマンは世間では「有酸素運動の究極のスポーツ」とか「鉄人」とか言われていますが、過酷度ではトレイルランニングやウルトラマラソンのほうが遥かに究極だと思います。
因みに、比較表にはありませんが、ブルべ600km(39時間39分で完走、獲得標高6,275m)は、個人的に経験したスポーツのなかでは最も過酷でした。
600kmのブルべを完走したときは、ゴールから帰宅するまで自転車に乗ることすらできず、帰宅後もしばらくは床に転がって動けないほど体力消耗しました。40時間近くほとんど休みなしで自転車を漕ぐというのはやはり異次元の経験でした。
トライアスロンのショートは、(もちろんスピード勝負でやれば別次元ですが)完走を目指して走るのであれば、ハーフマラソンと同程度の運動負荷なので、健康維持のためにはフルマラソンよりもむしろ身体に優しいくらいです。
フルマラソンは、私は2回しか走っていません。10年前の初フルマラソンでサブフォーを狙って大失敗、ゴール後に高熱で倒れてスタッフの車で病院送り、点滴という情けない結果になって以来、マラソンはトラウマとなってしまいました。
その後2回目の挑戦でなんとかサブフォーは達成できたものの、マラソンは体力的にも精神的にも苦手意識を持ってしまいました。
アイアンマンを完走した年に挑戦したウルトラマラソン大会(所沢ウルトラナイト、12時間耐久走)では、90kmで力尽きました。レース中の精神的辛さも格別でしたが、レース後の筋肉損傷度も凄まじく、足の指の4本の爪が死んでしまいました。
同様に、トレイルランニング(トレラン)の筋肉損傷度もハンパではなく、足腰へのダメージは凄まじいものがあります。たいていレ―ス直後の数日間は、階段の上り下りが困難で、日常生活に支障をきたすほどやられてしまいます。
FT50で奥秩父を走ったときは、制限時間14時間のところ、14時間00分6秒と、たった6秒でしたが間に合いませんでした(完走扱いになりました)。途中から両脚の腸腰筋を痛めてしまい、前向きに走ることができず、10時間以上ゾンビのような状態で走り続けて疲労困憊しました。
エンデューロの7時間ソロはやはりしんどいですが、なにより競技が危険です。落車が当たり前のように発生する競技なんて、走っていて生きた心地がしませんでした。。。
個人的な感想ですが、過酷度では、アイアンマンよりも実はトレイルランニングやウルトラマラソンのほうが上回っています。
アイアンマンは世間では「有酸素運動の究極のスポーツ」とか「鉄人」とか言われていますが、過酷度ではトレイルランニングやウルトラマラソンのほうが遥かに究極だと思います。
因みに、比較表にはありませんが、ブルべ600km(39時間39分で完走、獲得標高6,275m)は、個人的に経験したスポーツのなかでは最も過酷でした。
600kmのブルべを完走したときは、ゴールから帰宅するまで自転車に乗ることすらできず、帰宅後もしばらくは床に転がって動けないほど体力消耗しました。40時間近くほとんど休みなしで自転車を漕ぐというのはやはり異次元の経験でした。
トライアスロンのショートは、(もちろんスピード勝負でやれば別次元ですが)完走を目指して走るのであれば、ハーフマラソンと同程度の運動負荷なので、健康維持のためにはフルマラソンよりもむしろ身体に優しいくらいです。
フルマラソンは、私は2回しか走っていません。10年前の初フルマラソンでサブフォーを狙って大失敗、ゴール後に高熱で倒れてスタッフの車で病院送り、点滴という情けない結果になって以来、マラソンはトラウマとなってしまいました。
その後2回目の挑戦でなんとかサブフォーは達成できたものの、マラソンは体力的にも精神的にも苦手意識を持ってしまいました。
アイアンマンを完走した年に挑戦したウルトラマラソン大会(所沢ウルトラナイト、12時間耐久走)では、90kmで力尽きました。レース中の精神的辛さも格別でしたが、レース後の筋肉損傷度も凄まじく、足の指の4本の爪が死んでしまいました。
同様に、トレイルランニング(トレラン)の筋肉損傷度もハンパではなく、足腰へのダメージは凄まじいものがあります。たいていレ―ス直後の数日間は、階段の上り下りが困難で、日常生活に支障をきたすほどやられてしまいます。
(ハセツネ30K 2015)
FT50で奥秩父を走ったときは、制限時間14時間のところ、14時間00分6秒と、たった6秒でしたが間に合いませんでした(完走扱いになりました)。途中から両脚の腸腰筋を痛めてしまい、前向きに走ることができず、10時間以上ゾンビのような状態で走り続けて疲労困憊しました。
エンデューロの7時間ソロはやはりしんどいですが、なにより競技が危険です。落車が当たり前のように発生する競技なんて、走っていて生きた心地がしませんでした。。。
(もてぎエンデューロ 2015)
3. 耐久系スポーツ満足度比較
過酷度だけでなく、楽しさを表す満足度も比較してみました 。
アイアンマンが21点で満足度は一番高いです。やはりゴールのときの周囲とハイタッチをしながら"You are an IRONMAN!!"と会場で大声でアナウンスされるときの高揚感・達成感や、トライアスロン仲間との連帯感は格別ですね。
トレランは、身体へのダメージが凄まじいにも関わらず、女性の参加率が高くて驚かされます。大会ではいつでもオシャレなウェアの女性が(それも結構若い女性や、一見アスリートっぽくない華奢な女性まで)いっぱいです。また、アウトドアの自然を満喫できるという点でもトレランは他のスポーツにない魅力があります。
ブルべは対照的に男の(それも結構シニアな男性中心の)スポーツですね。マニアの間では「ろんぐらいだぁす!」という自転車漫画が流行っていますが、登場人物は20代の女子大学生なのですが、あんなのはオッサンの妄想から生まれた空想の産物で現実にはゼッタイに存在しません 笑
ブルべは厳密にはレースではない(時間を競って順位をつけるものではない)ので、他の耐久系スポーツとは同列に議論できませんが、50目前のオッサンだからそう感じるのか、過酷度が高く満足度が11点と最低になってしまいましたが、常習性のある非常に楽しいスポーツだと思います。
現に、ブルべは今年になって始めたのですが、合計6回も出走してスーパーランドナーまで獲得しました。
結局、私はこの比較表にあるような、いろいろな持久系/耐久系スポーツの世界を探りたくて、挑戦しているのかもしれません。
耐久系スポーツ満足度比較
アイアンマンが21点で満足度は一番高いです。やはりゴールのときの周囲とハイタッチをしながら"You are an IRONMAN!!"と会場で大声でアナウンスされるときの高揚感・達成感や、トライアスロン仲間との連帯感は格別ですね。
(アイアンマンジャパン2015)
トレランは、身体へのダメージが凄まじいにも関わらず、女性の参加率が高くて驚かされます。大会ではいつでもオシャレなウェアの女性が(それも結構若い女性や、一見アスリートっぽくない華奢な女性まで)いっぱいです。また、アウトドアの自然を満喫できるという点でもトレランは他のスポーツにない魅力があります。
(ファントレイル50K 2015)
ブルべは対照的に男の(それも結構シニアな男性中心の)スポーツですね。マニアの間では「ろんぐらいだぁす!」という自転車漫画が流行っていますが、登場人物は20代の女子大学生なのですが、あんなのはオッサンの妄想から生まれた空想の産物で現実にはゼッタイに存在しません 笑
「ろんぐらいだぁす!」から
ブルべは厳密にはレースではない(時間を競って順位をつけるものではない)ので、他の耐久系スポーツとは同列に議論できませんが、50目前のオッサンだからそう感じるのか、過酷度が高く満足度が11点と最低になってしまいましたが、常習性のある非常に楽しいスポーツだと思います。
現に、ブルべは今年になって始めたのですが、合計6回も出走してスーパーランドナーまで獲得しました。
(ブルべ600km安曇野 2015)
結局、私はこの比較表にあるような、いろいろな持久系/耐久系スポーツの世界を探りたくて、挑戦しているのかもしれません。
特定のスポーツに集中するアスリートも多いと思いますが、どうやら、私は、そうではなくて、いろいろなスポーツに対する好奇心から、新しいもの(特に距離の長い究極系)をやってみたくなるのでしょう。
アイアンマンもウルトラマラソンもエンデューロもたった1度出ただけなので、レースの醍醐味のごく一部を垣間見た程度でしかないかもしれませんが、そもそもそんなスポーツとは一生無縁のはずだった自分が、新しい世界を経験することができたのは、幸運としか言いようがないです。
4. これから
人生初めてのトライアスロン大会で、快晴の空の下、氷川丸を目指して横浜港を必死で泳いでいるあまりの非日常的な感覚は一生忘れられません。
(横浜トライアスロン2014)
それも事故や怪我といったトラブルに一度も見舞われずに、出場したレースはすべて完走することができたというオマケ付きで。。。
また私とは次元が違うレベルで真剣勝負をしているプロアスリートやインストラクターの方々と接する機会もあって、実力だけで勝負している厳しい環境に生きる人たちの世界も垣間見ることができ、本当に頭が下がる気持ちです。
持久系/耐久系スポーツとしては、ほかにもOWS(オープンウォータースイム)やシクロクロス(オフロードバイク)などがあるし、距離的に更に過酷なものはたくさんあります(100km越のウルトラマラソン・トレランや、1,000km越のブルべなど)。
まだまだ見知らぬ世界はたくさんあります。。。90kmで時間切れになったウルトラマラソンのリベンジも含めて。
来年も引き続きそんな未知の世界を探求していきたいと思います。。。
2015年出場大会と結果一覧
(2023年12月3日 追記)
持久系スポーツのマゾについて見事に解説したものを掲載します。
以下、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史』(下)より引用。
これらはすべて大人の嗜好であり、その世界に入ってくる新参者は、苦痛や吐き気や恐怖という最初の反応を乗り越えないと玄人には至れない。ストレス要因の量を少しずつ上げながら、自分を徐々にそれに慣れさせることによって獲得される
これらの嗜好に共通するのは、高い潜在的利得(栄養、薬効、スピード、新しい環境への理解)と高い潜在的危険(毒作用、体調悪化、事故)が一対になっていることだ
これらの嗜好の一つを獲得することの喜びは、現在の限界を押し上げることの喜びである。
すなわち、自分が不幸を招かずにどれだけの高さ、辛さ、強烈さ、早さ、遠さにまで到達できるかを、細かく調整した段階を踏んで探求していくことの喜びだ
その究極の利点は、局所的な経験のなかにある有益な領域でありながら、生来的な恐怖や警戒によって初期設定では封鎖されている領域を開放できることにある
この嫌悪と欲求のプロセスは、最終的に欲求と中毒にいたるまでに行き過ぎることがある
(引用おわり)
これはトライアスロンなどの持久系/耐久系スポーツにハマる理由を見事に説明していますね 笑
はじめまして。
返信削除たまたまGoogle検索からこちらのブログにたどり着きました。
記事を少しだけ読ませていただきましたが、とても多彩なブログで引き寄せられるものがあります。
私もダイエットから走り始めて、ウルトラ、トライアスロン、トレイルラン、MTBなどに挑戦しつつも「自分は何になりたいのだろう?」と思う今日この頃です(笑)
これからも、時々拝見させていただきますね。
ブログ訪問ありがとうございます。
削除プチアスリートさんのブログも拝見しましたが、フルマラソンやウルトラ、アイアンマンを何度も完走されていて凄すぎです。。。!
私はフルマラソンは2回だけ、ほかの競技もほとんどすべて制限時間ギリギリ完走レベルです(笑)
バイクの大怪我、トレランや登山。。。私も似た道を辿りそうな親近感も(笑)こちらこそ今後もよろしくお願いします。