課題曲の「音楽の捧げもの」から「6声のリチェルカーレ」は、なんとか全曲を通して弾けるようになりましたが、まだまだ完成には程遠い状態です。
「6声のリチェルカーレ」の楽譜
先日2回目の個人レッスンを受けて、たくさんのアドバイスをしてもらったので、それを踏まえて今日は浜松町ベヒシュタイン・サロンでピアノの練習をしてきました。
ベヒシュタイン・サロンとは、世界の3大ピアノメーカーのひとつベヒシュタインが都内に展開する貸スタジオのことです。ベヒシュタインのグランドピアノが弾き放題なので、私のように普段自宅で電子ピアノで練習している身としては、非常に利用価値の高いスタジオです。
ベヒシュタイン・サロンは都内に赤坂、汐留、そして今回訪れた浜松町と3ヵ所にあります。これまで赤坂と汐留のベヒシュタイン・サロンにはそれぞれ行ったことがありましたが、浜松町は初めてです。
都内のベヒシュタイン・サロン一覧
赤坂ベヒシュタイン・サロンのブログはこちら、汐留ベヒシュタイン・サロンのブログはこちらです。
浜松町ベヒシュタイン・サロンはJR浜松町駅から徒歩2分の非常に便利なロケーションにあります。
浜松町ベヒシュタイン・サロンのビル
アクセス
利用料金は30分800円~1,100円の事前予約制です(12-14時の昼の時間帯は割引料金となります)。詳しくは以下をご覧ください。
浜松町スタジオレンタル料金
今回はスタジオBを1時間借りました。12-14時の時間帯であれば30分1,000円の割引料金適用で、1時間で2,000円です。スタジオBは受付のすぐ隣に入口があります。
スタジオB
スタジオBにはベヒシュタインとホフマン(ベヒシュタインの低価格ブランド)のグランドピアノがそれぞれ1台ずつ設置されています。
グランドピアノが2台設置
スタジオは決して広くはないですが、空調も設置されており、グランドピアノを練習するには問題のない空間です。
早速練習開始です。
少し音を出してみたところ、ベヒシュタインのグランドピアノらしく、とても指触りの快適なタッチで、なおかつ落ち着いた音色で響きます。音の立ち上がりも早く、弾きやすいピアノです。
さて、1回目のレッスン以降、後半の弾きこなせていない箇所を集中的に練習したおかげで、ほとんどミスタッチなく弾けるようになりました。
先日の2回目のレッスンでは先生から「ずいぶん上達した」と褒めていただきました(まあそれだけ1回目がボロボロだったのですが)。
また、課題だったテンポが次第に速くなってしまう点もメトロノームを使った練習を繰り返したおかげでだいぶ改善されたと思います。
以下がその後半のフィナーレの箇所を数日前に自宅で録音したものです。
後半のフィナーレ部分(その1) 0分50秒
後半のフィナーレ部分(その2) 1分40秒
ピアノのプロの友人曰く、「ペダルで整えてきれいになったんじゃね?」とのこと、ペダル投入は小手先技ですが、まあ効果はあるようです。
自宅の電子ピアノでは普段の練習に慣れているせいか、あまりミスタッチもしないで弾けるのですが、環境が変わって先生のレッスンやベヒシュタインサロンでの練習となると、普段有り得ないようなミスや演奏が途中で中断してしまうこともしばしばあります。
環境が変わるとボロボロになってしまうのは、基本ができていない証拠なのですが。。。
ちなみに先日の2回目のレッスンでの先生からの主なアドバイスは以下の3点です。
1. 曲調が変わる部分の区切りを意識して、(小説でも章区切りがあるように)区切りの始めはテンポを落として明確にすること
2. 強弱の基本として、音符の密集度が高い部分は強く弾き、低い部分は弱く弾いてメリハリをつけること。また低域や高域に音符が拡がる箇所は強く弾くこと。
3. 後半165小節以降(上の「後半のフィナーレ部分(その1)」に該当)は、宮廷音楽の盛り上がりを連想して堂々とフォルテで弾くこと、反対に、179小節以降(上の「後半のフィナーレ部分(その2)」の前半に該当)は、フィナーレに向かっているということを意識させるためにやや弱く導入、そしてフィナーレはもちろんフォルテで力強く終えること。
このアドバイスを意識して表現力を工夫して練習してみました。
良く知られていることですが、バッハの時代というのはピアノが普及する以前なので、鍵盤楽器というのはチェンバロしかなかったわけです。チェンバロは構造上音の強弱をつけることができないので、本来であればバッハの曲は強弱がつかない形で弾いてもおかしくはないのですが、ピアノという表現力の豊かな楽器を用いて弾く以上は、「聴かせる」演奏、つまり、聴き手に対して何かメッセージや思いを伝えるという演奏でなければならないわけです。
かといって、ショパンやベートーヴェンのように、抒情豊かに弾いてしまうと、バッハの曲が本来持ち合わせている曲調が死んでしまうという難しさがあります。
個人的には、バッハの曲、それも「音楽の捧げもの」のような宗教色の強い楽曲は、個人的に神に祈りを捧げる目的で弾ければ満足なのですが、ピアノで弾く、それもコンクールで審査の対象となるとなると、そのような自分だけの都合では済みません。
話がやや逸れますが、最近中高時代の同級生と会う機会があって、当時私が弾いていた「展覧会の絵」が衝撃的だったという話を聞きました。なんでも、ハーモニーが響いてインパクトがあった、強いタッチなのに音が潰れない、と。
自分では今も昔もピアノは好きだけどメチャ下手で、人様の前でなんか絶対弾けないとなかばコンプレックスだったので、この話には驚きました。
しかし、その友人曰く、上手い下手は関係なく、そこにビートがあれば人の心に響く、と。
なるほど。。。確かに自分のピアノのタッチは結構強めだという意識はあったので、下手に表面的に繊細なタッチを演出しようと小細工するよりは、強いタッチで自分の個性をアピールするような弾き方のほうが伝わるものがあるのでは、と考えています。
そんなこともぼんやりと思い出しながら、浜松町ベヒシュタイン・サロンで録画したのが以下の映像です。
全曲を通し9分42秒くらいです。やはり途中からテンポが速くなってしまっているし、ミスタッチも盛大にやらかしています。演奏は不本意なものですが、これが今の実力なのかもしれません。個人的な記録のためにYouTubeにアップしました。
「音楽の捧げもの」から「6声のリチェルカーレ」全曲(9分42秒)
(追伸)
先日バッハコンクールの参加票と時間割が届きました。会場は汐留ベヒシュタインサロンです。部門は一般Aコースなので制限時間5分となっています。「6声のリチェルカーレ」は全曲を弾くと約10分なので、審査の途中で中断となるでしょう。残念ですが止むを得ません。
(おわり)
(2024年9月23日 追記)
赤坂ベヒシュタイン・センターの移転先のベヒシュタイン・セントラム 東京に行ってきました!
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