課題曲に選んだ「音楽の捧げもの」の「6声のリチェルカーレ」を、ようやく全曲を通して弾けるようになりました。もっとも最後のほうはまだミスタッチの嵐ですが。
9月の中旬に突然思い付いたバッハコンクールへの出場と「6声のリチェルカーレ」の練習、毎日朝1時間夜1時間をピアノの練習に充て、80日間でようやく楽譜の最後まで辿り着きました。
これまでの練習は累計で2時間x80日=160時間くらいです。
6声のリチェルカーレは、譜面で6ページ、演奏時間はゆっくり弾いて約12分です。
6声のリチェルカーレ(終結部)
当初の計画では、10月末には全曲が弾けるようになるはずでしたが、全く甘い見通しでした。
30年ぶりのピアノもさることながら、6声のリチェルカーレのようなポリフォニー音楽の最高峰を弾くというのはやはり難易度の高いものでした。
しかし、弾けるようになったといっても、コンクールに向けて人前で弾けるレベルまでには全く至っていません。
全曲が通して弾けるようになったので、当初の予定どおりプロの方に個人レッスンを申し込むことにしました。
個人レッスンを探すのに、こちらのピティナ・ピアノ教室紹介ネット検索を利用しました。このシステムは便利です。
ピティナ・ピアノ教室紹介サイト
こちらのホームページのレッスン情報には、中野と田園調布にスタジオがあると掲載されていますが、現在は東横線多摩川駅近くのスタジオ1ヶ所ということです。
ちなみにこちらのサイトでは、三浦先生の演奏を聴くことができます。ベートーヴェンの「熱情」やショパンのエチュードOp.10の第4番(技巧的にもピアノ曲最難曲のひとつ)などの素晴らしいとしか形容できない演奏を聴き、感動してしまいました。
三浦実先生のプロフィールには、ニューヨークのジュリアード音楽院や海外経験が長く、国際的なコンクールでの受賞経験も豊富で、果たして私ごときド素人へのレッスンを受けてもらえるのか心配でしたが、メールを送ると丁寧な返答をいただきました
そして、私の試奏をYouTubeにアップしたものを参考にお送りしたところ、「お仕事をしながら、ご趣味としてこれだけの難曲に挑戦するその熱意、心より感服しました」、との(身に余る)お返事をいただきました。
個人レッスンの快諾をいただきレッスン日も決定、いよいよプロのピアニストに教えてもらうことになりました。^_^;
ちなみにそのとき先生に送った演奏はこちらです(レッスン前)
(試聴上の注意:ヒドイ演奏です)
そして、先生からは、これまでは使用を敢えて避けていたペダルも使うようにということと、ミスをした場合は、その場にこだわらず、できるだけスムーズに先に進むことが大切というアドバイスを早速メールでいただきました。
バッハの楽曲にペダルを使用することには、いろいろな意見があるようですが、適切な加減でペダルを使用すると確かに効果はあるようです。
そこで、第1回目のレッスンの直前に、ペダルを使用して練習してみました。
普段慣れないことをすると一気にミスタッチが増えてしまうのは、やはり基礎ができていないからでしょうか。。。
そして第1回目のレッスン当日。
その日の昼間はたまたま次女のピアノレッスンでした。次女は1年前からピアノを習っているのですが、本人のやる気がイマイチで(無理もないのですが)、来年のピアノ発表会も出たくないと言っています。
その次女に、「今日はパパのピアノレッスンがあるんだけど、一緒に来るかい?」と訊いたところ、一緒に行きたいというので、連れて行くことにしました。
先生のスタジオには、憧れのスタインウェイのグランドピアノが。。。スタインウェイ生まれて初めて弾きます!
で、早速弾き出したのですが、いつもの電子ピアノとあまりに環境が違うせいか、ミスタッチの嵐 (´д`)、しかも今まで一度も間違えたことのない箇所でも指が止まってしまいます。一体どうしたことか。。。
見開き2ページを弾き終えたところで、先生からの指示で、
「テンポをずっと遅くして、ただしスピードが速くならないように弾いてください」
ということで、先生の手拍子に合わせてゆーーっくりと弾きます。
これが難しい。。。!
ゆっくり弾くのがこんなに難しいとは。。。
普段のスピードで弾かないと運指も覚えていないし、途中で全く弾けなくなることがしばしば。
如何に基礎を疎かにして練習しているか痛感しました。
そして、悪戦苦闘のうちに、第1回目のレッスン(1時間)は終わりました。。。
先生からのアドバイスは、
1.メトロノームを使うなりして、ゆっくりとしたテンポで練習すること
2.一定のテンポでスピードが速くならないように注意すること
3.全曲を通して練習しようとせずに、区切り毎に分けて反復練習する場所を絞ること
でした。実力不足の私には実に的確なアドバイスです。
弾き方の表現とか強弱とかの以前の問題です。
冷静に考えれば、昔からピアノの基礎もおろそかに、気に入った曲を(自分のレベルの低さを無視して)自己流で弾いたツケがまわってきた感じです。
そういえば、ずっと以前、ショパンのバラード1番を知り合いのピアニストの前で弾いたときも、「テンポがメチャクチャで崩壊している」と言われたことがあります。
住宅で言えば、基礎工事もロクにできていない土台の上に、見た目だけは住宅らしいハコを作って、外壁や内装をいじくりまわしているようなものです。
わかる人が聴いたら一発で、この人はまるで基礎ができていないとバレバレでしょう。
コンクール本番まであと20日しかないので、常識的に考えたら今から基礎を練習するのは無理でしょう。
しかしできるところまでは全身全霊でやっておきたいという思いもあります。
何よりも6声のリチェルカーレを楽譜の最後まで辿り着いて弾けるようになったのですから。
そして、良い先生に巡り合う幸運にも恵まれました。
第1回目のレッスンの後、電子ピアノのメトロノーム機能を使って遅いスピード(70くらい)で弾いて練習をしてみました。
またペダルの使う頻度もだいたい今のままで良いでしょうということで、それも意識して練習してみました。
以下がその演奏です(レッスン後)
(試聴上の注意:ヒドイ演奏です)
ピアノ本体のメモリ機能を使って録音すると、メトロノームの音だけはうまい具合に録音されません(こういうことが簡単にできるのは電子ピアノの利点ですね)。
なるべく途中で止まらないで先に進むことを意識したのもあって、演奏は相変わらずボロボロですが、初めてペダルを使って演奏したので、何となく今までの演奏よりも少しだけマシになった気がします。
あとはこれを繰り返して、だんだんテンポも速く、メトロノームがなくてもスピードがブレないように反復練習するのみです。先生からのアドバイスで、裏拍子でリズムを取ると、意外と正確に刻めるということなのでそれをやってみます。
さて、バッハコンクールの参加申し込み状況が逐次アップデートされていますが、最新の情報では、地区予選参加者数(こちらです)は、なんと3,880人!
大規模な音楽コンクールだということが改めてわかりました。
ちなみに私の出場する汐留は、128名(うち一般Aは10名)です。
地区予選参加者数
全くの思い付きで何の計画性もなく、30年ぶりに自己流で覚えたピアノを再開して、それも今まで弾いたことのない曲、それもバッハの最難曲のひとつをたった3ヶ月で覚えてコンクールに挑むという分際で、我ながらどんだけ身の程知らずかと思います。
自信があるかと言われれば、勿論、「あるわけない」のですが、そもそもそんな準備不足でいきなり再開したピアノで「6声のリチェルカーレ」を弾けるようになっただけでも、自分としては信じ難いことです。
課題曲に「6声のリチェルカーレ」を選んだのも、何か、自分の意思や希望を超えた力が働いてそうさせたような気がしてなりません。
しかし、バッハコンクールに出場するというだけが私の目標ではありません。
私が本当に望むことは、「6声のリチェルカーレ」を弾けるようになって、この曲を弾くことが、教会で祈りを捧げるように、自分の生活の習慣として一生モノとして身に着けたいというのが夢なのです。
そういう意味で、「6声のリチェルカーレ」を課題曲に選んだのは、間違いなかったと確信しています。
実は、私の出場する一般Aというのは、持ち時間が5分程度と決まっています。進行の都合でカットの可能性あり、と明記されている程ですから、全曲を弾くと10分以上かかるこの6声のリチェルカーレは、曲の途中でカットされる可能性が非常に高いのです。というか、普通に考えると、コンクールでは曲の後半を弾く機会は恐らくないでしょう。
それでも、私はどうしてもこの曲を自分で納得できるレベルまで最後まで完成させたいと思っています。この曲の終結部は個人的に特に気に入っている箇所でもあります。
最後に、以下の模範的な演奏を是非お聴きになってください。Asaf Kleinmanというイスラエル出身のピアニストの見事な演奏です。
Asaf Kleinmanの演奏
この演奏レベルまでとは望むべくもありませんが、人様に聴かせて恥ずかしくない程度までは頑張って上達してみたいと思います。
そしてもう少し練習を重ねて、またベヒシュタイン・サロンのグランドピアノで練習をしてみたいと考えています。
続きはこちら↓です
【バッハコンクールまであと3日!】J.S.バッハの「6声のリチェルカーレ」を弾く
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