そんななか、実家の父親(80代)から、ガラケーから格安スマホに切り替えたいので一緒に買いに付き合ってほしいと連絡がありました。なんでも、同世代の知り合いのなかに格安スマホを使っている人が増えてきたとか。。。
さっそくネットや店舗で調べてみたところ、端末やサービスの選択が非常に多く、SIMやスマホ端末との組み合わせも複雑で、父親のようなシニアユーザーにはどれが最適なのか、なかなか判断が難しいことがわかりました。
父親の要望は以下のようなものでした。
1. 今使っているガラケー(ドコモのらくらくホン)と同じ電話番号を使いたい
2. あまり小さい画面も困るが、大きな画面のスマホも持ち歩くときにかさばるので避けたい
3. 買う前に実物を見て確認したい
4. できればすぐに(当日に)乗り換えを済ませたい
5. 端末の操作でわからないことがあったら、息子(つまり私)に教えてもらいたい
ヤマダ電機(こちらのサイトより引用)
上の条件1の、「同じ電話番号を使う」というのは、いわゆるMNP(携帯電話番号ポータビリティ)というやつで、これは事前に手続きが必要です。
ドコモショップに行って手続きすることもできるのですが、電話もしくはネットでも手続きができてしまいます。今回は、自宅からPCでドコモのサイトにログインし、MNPに必要な受付番号というものを発行してもらいました。
手順は簡単で、nttdocomoのホームページから、dアカウントのIDとパスワードを入力してmy docomoにログインします(携帯電話番号と、ネットワーク暗証番号が必要です)。
メニューから「お客様サポート」→「手続きのご案内」→「ご契約内容の変更」→「携帯電話の解約・MNPを利用した解約」と進めばMNP受付番号の発行画面に辿り着きます。
MNP受付番号発行画面
MNP受付番号が発行されたら、メモなり写真を撮っておいて、量販店で店員に伝えるわけです。このMNP受付番号は、15日間有効なので、受付番号が発行されたらなるべく早く、乗り換え手続きを済ませるのが良いようです。
ちなみに上の条件4の、「当日中に乗り換えを済ませる」ためには、注意が必要です。一般的な格安スマホ(というか、格安SIM)の乗り換え方法の場合、MNP受付番号を発行してから手続きを済ませて、実際に新しいSIMが手元に届いてスマホが使えるまで、今までの携帯電話が使えない期間が発生してしまいます。特に格安SIMと流用スマホ端末の組み合わせの場合は注意が必要です。
これに対して、量販店で扱っている格安スマホであれば、その場で手続きを済ませてタイムラグなしで、新しいスマホに切り替えることができます。
実は、ヤマダ電機LABIに行く前はTSUTAYAのTONE(トーン)という格安スマホを検討していたのですが、最寄りのTSUTAYAでは実機を置いていないということで、検討候補から外れてしまいました。
TONEは以下の格安スマホランキングでは第1位を誇っています。
格安スマホランキング(2016/09/30時点)
また、こちらの記事でもTONEは月額1,000円の均一プランというシンプルさに加えて、アフターケアが優れているということで、シニア層向きのオススメとして紹介されています。
TONEが検討候補から外れてしまったもう一つの理由は、端末が中国製の専用端末ということで、何か困ったことがあっても、TONEを使ったことがない息子の私が何も教えてあげられないという点がネックでした。
さて、父親と一緒に最寄りのヤマダ電機LABIに行ってみると、大手のドコモ, au, ソフトバンクに加えて、格安スマホ/SIMの売り場も常設されていました。
ヤマダ電機の格安スマホ/SIM売り場
説明員の方に案内してもらい、さっそく仕組みを教えてもらいます。
まず、格安スマホの業者は大別すると、ドコモ, au, ソフトバンクのいずれかの通信回線を使っているということで、MNPの場合であれば、元々の通信業者(この場合ドコモ)以外の通信回線を使っている業者への乗り換えでないと割高になってしまうということでした。
ドコモのガラケーを使っているなら格安スマホもドコモ系の通信業者が便利なのかと思っていましたが、その逆なのですね、大きな勘違いをしていました。
ヤマダ電機は、独自のSIMカードサービス「YAMADA SIM」というのを宣伝しているのですが、こちらはドコモの回線を使っているということで、ドコモからのMNPには適さないということでした。
YAMADA SIM
聞くところによると、ドコモの格安スマホ(というか格安SIM)は、ビギナーというより詳しい玄人向けで、SIMと端末を別々に購入して個人で設定する場合が多いとのこと。真偽は不明ですが、おそらくドコモは格安スマホにはあまり力を入れたくないのかもしれません。
auの通信回線を使っているのが、UQモバイル、そしてソフトバンクの通信回線を使っているのがワイモバイルです。どちらもほぼ同じ料金体系ということですが、UQモバイルのほうが通信回線スピードが速く安定しているとのことで、UQモバイルを筆頭候補にしました。
ちなみに端末はそれぞれ以下のような感じです。
UQ Mobileのスマホラインナップ
台湾ASUSのZenFoneは5.5インチの大画面で見やすい、京セラのDIGNOは防水機能、富士通のarrowsはおサイフケータイなど国内サービス対応が充実とそれぞれ特徴があります。
端末の値段ですが、ZenFoneが19,800円と最安、DIGNOが48,000円、arrowsが33,800円です。
ZenFoneが値段も手頃で良いかとも思ったのですが、父親が、「うーーん、ちょっと大きすぎるな」ということで却下。あとの2機種は以外と高いなという印象です。
実はUQモバイルはこの3機種以外にも、AppleのiPhone 5s(最新モデルiPhone7の2世代前)を7月から扱い始めていました。
UQ MobileのiPhone 5s
扱っているのはiPhone 5sの16GBモデルのみですが、値段は50,400円ということです。DIGNOやarrowsより若干高めですが、iPhoneならば、私自身も持っているので、父親が何か困ったことがあれば教えることもできます。
7月15日からUQ mobileがiPhone 5sの取り扱いを開始
ということで、端末はiPhone5sに決定しました!
さっそく契約手続きを始めます。
ぴったりプラン
細かい注意書きにあるとおり、このプランはauやau系MVNOからのMNP転入時は適用されません。また、月額1,980円というのは、元の月額3,980円から、スマトク割り(1,000円割引、25か月)とイチキュッパ割り(1,000円割引、13か月)という割引が適用されての値段なので、契約後13ヵ月目以降は、月額2,980円に値上がりします。ただし、25か月以降は、スマトク割りの適用がなくなる代わりに、別途長期割り(1,000円割引)が適用となるので、月額2,980円は変わりません。
これに加えて端末料金の分割払い(月額2,100円x24ヵ月)が発生します。端末50,400円を一括払いで購入する場合にはもちろんこの料金はかかりません。
プランにはベーシックな月額1,980円のぴったりプランに加えて、月額1,000円追加でたっぷりオプションというのがあります。
ぴったりプラン
このプランで使える基本データ量が、従来の1GBに加えてキャンペーンの1GBをあわせて合計2GBですから、通常のスマホ利用であれば十分過ぎるほどです。そして無料通話時間のほうは、こちらの従来の1,200円分(30分)から、キャンペーンで2,400円分(60分)ということです。
たっぷりオプション
たっぷりオプションは、ぴったりプランにプラス1,000円を追加することにより、無料通話が2倍、データ容量が3倍に増やせるというものです。
ちなみに今回、ぴったりプランに加えてたっぷりオプションを契約すると、3,000円のギフト券がもらえるというキャンペーンをやっていましたので、たっぷりオプションを契約して、データ容量(翌月以降に繰り越しが可能)を増やしてから、月末にたっぷりオプションを解約することにしました。
ここから少し複雑ですが、店頭購入で端末一括購入した場合でも、端末を分割払いで登録してもらうと、端末購入アシスト2100と同等の割引プランが適用されます。ぴったりプランでは1,400円/月、それにたっぷりオプションが追加されていると、1,900円/月の割引となります。
少しややこしですが、iPhone5sの端末代金50,400円を一括払いして、ぴったりプランでは月額は1,980円-1,400円=580円(2年目以降は1,580円)、ぴったりプランにたっぷりオプションを加えた場合は、月額は2,980円-1,900円=1,080円(2年目以降は2,080円)となります。
ぴったりプラン+たっぷりオプションの契約内容
まとめると、端末代金50,400円を一括払いした上で、たっぷりオプションを解約する翌月以降は、月額たったの580円でiPhone4sで無料通話2,400円(60分)とデータ容量2GBが使えるというものです(最初の1年間)。
基本データ量などの増量や管理は、専用アプリのUQ mobileポータルアプリで行うことができます。
UQ mobileポータルアプリ
ちなみのこのアプリはログインIDとパスワードが必要で、契約時の受付番号(書類に記入されている10桁の英数字)と、暗証番号(4桁数字)が必要となります。
同じIDとパスワードで、UQモバイルのPCサイト(My UQ)にアクセスすれば同じ内容を確認できます。
My UQのサイト
この条件で、auの高品質な通信回線を利用でき、iPhone5sの端末を使えるのであれば、かなりオトクな格安スマホプランと言えるのではないでしょうか。
UQモバイルのセットプランは超お得!(こちらのサイトより)
こうして格安スマホへのMNPの手続きは、ヤマダ電機LABIの店舗で2時間足らずですべて完結することができ、無事にiPhone5sを持ち帰ることができました。
UQモバイルのiPhoneプランのレビューはこちらの日経トレンディの記事が参考になります。記事ではUQモバイルやワイモバイルの出現で、中古iPhoneと格安SIMの組み合わせをわざわざ選ぶ必要はほとんどなくなったと結論付けています。
実際、UQモバイルのiPhoneは、通常の大手キャリアとほぼ遜色ないサービスが利用できます。テザリング、SMS、データ繰り越しなどもすべて可能です。ただし、キャリアメールは有料オプションとなっています。
UQモバイルのiPhoneの注意点としては、iPhone5sがSIMフリーではなく、UQモバイルでしか利用できないという点でしょうか(auでも利用不可)。UQモバイルを解約した場合、iPhone5sが端末として他のサービスに流用できないというデメリットがあります。
もし、auのiPhone端末が余っているのであれば、UQモバイルのSIMと組み合わせて使うというのも手だと思います。詳しくはこちらを参照ください。
父親と一緒に実家に帰宅し、早速iPhoneを取り出して使ってみました。通常の発信や受信はもちろん、無線LANへの接続も簡単に設定完了。別途購入した専用ケースと画面保護シートを貼り付けます。
あとは通常のiPhoneの設定と同じですので詳細は割愛しますが、やっておくべきこととしては、Apple IDの登録、iClooudの登録・設定、Find my iphoneの登録、メールの設定、電話帳の移行、ブックマークの登録、などです。
今日は良い買い物ができた、一日で乗り換えが済んだ、と父親も喜んでくれました。
今度は自分のスマホも格安スマホに切り替えてみようかと思います。
(以上)
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