イーリーはケンブリッジから片道25kmくらいの短い距離にある小さな町なので片道2時間もあれば着いてしまうのですが、折角なのでイギリスの田舎町や田園風景を堪能しようとネットでおすすめルートを調べたところ、Cambridge Cycling Clubという便利なサイトを発見しました(こちらです)。イーリーまでのおすすめルートがTCXデータ付きで公開されていました(TCXやCUEシートのダウンロードのみであれば無料)。
ルートは二つ公開されていて、一つはAlmonry Ely(Ely55)という往復55マイル(約88km)の短いルート(こちら)、もう一つはPeacocks Elyという往復63.6マイル(約101km)の長いルート(こちら)です。どちらも地図を反時計回りに進みます。
Ely55ルート(約88km)
Peacocks Elyルート(約101km)
今回は初めての海外ロングライドということもあり短いほうのEly55ルートでのんびり行くことにしました。
イギリスは世界に誇る自転車大国なのですが、なかでもケンブリッジはイギリスで最も自転車が普及している都市なのだそうです。実際、街中を歩いてみても、自転車専用レーンの充実した整備状況や、人々の自転車に対する意識の高さは日本の自転車事情からすると羨ましい限りで、まさに自転車天国といった感じです。
イーリーにサイクリングで訪ねてみようと思ったきっかけは、こちらのケンブリッジ雑記帳というブログでした。いつものことながらこのような個人のブログでの情報提供には感謝です。イーリーには有名な大聖堂があり、それを見に行くだけでも価値がありそうです。
ちなみにケンブリッジからイーリーまでは、電車を使うと所要時間約20分、1時間に3~6便出ているようです。またステージコーチというバスでは所要時間50分から1時間半程度で行くこともできます。
ケンブリッジでは鉄道駅を出て右手に歩くとすぐのところにあるibisホテルの左奥にあるRutland Cycing Cambridge Stationで自転車をレンタルしました。
Rutland Cycling
Cambridge駅を出たところ(奥のビルがibisホテル)
営業時間は平日は午前8:00からですが、日曜日は午前10:00なので注意が必要です。私は開店直後にレンタル手続きを済ませましたが、店を出るときには長蛇の列が。。。
Rutland Cyclingの店内
レンタルバイクは十分な数があるようでしたが、心配な場合は念のために事前に予約することもできます(事前予約はこちらのサイトです)。
レンタサイクルの料金表
Premium Bikeというのがクロスバイクのことで、自転車はGIANTのESCAPEでした。こちらはレンタル料は一日で17ポンド、日本円にして約2,600円です。ただし日曜日レンタルの場合は閉店時間が17:00と早いので、1泊2日で30ポンドのほうを選びました。
ヘルメットのレンタルは別料金で1日1ポンド程度です。レンタルはSpecializedのヘルメットでした。
レンタルしたGIANTのクロスバイク
レンタルしたクロスバイクには、盗難防止用のバカでかい頑丈なロックチェーンが付いてきます。ケンブリッジが如何に自転車天国だと言っても、自転車の盗難は非常に多いそうです。
最初このロックチェーンの使い方がわからなかったのですが、鍵を入れてロックを外したあと、U字型の本体は、プラスチックのフニャフニャのボタンを押しながら上にスライドさせると自転車から外せる仕組みになっています。私は最初これがわからずあれこれ苦労してしまいました。
レンタサイクルには、この鍵以外にも泥除けや後輪の荷台まで付属しているので結構重たくなってしまうのですが、レンタルなので仕方ありません。ライトは前方と後方に標準で装備されていました。
タイヤの空気圧をチェックすると、指で押して凹むほど空気が抜けていたので、店員に空気圧を高くしてもらうように頼みました。街乗りならまだしも、異国の地で遠出するのに万一パンクでもしてしまったら大変なことになります。
私は日本からパンクに備えてCO2ボンベと瞬間パンク修理材(BARBIELIのリパラという製品です)を持ってきたので、これをサドルバッグに入れて装着しました。使う機会がないことを祈りつつ、これを持っていれば安心ではあります。
レンタサイクルには残念ながらボトルゲージが付属していませんでした。日本から持ってくれば良かったのですが、リュックのサイドポケットを使うことでなんとかすることにしました。
向かいにあるスーパーSainsbury'sでペットボトルのミネラルウォーターを調達。面白いことにこちらのペットボトルはキャップが開閉式になっていて、スクリュー式と違って片手で飲むには最適な形で売っています。これは便利!そのうち日本でもこの仕様が流行るのではないでしょうか。
ペットボトルの開閉式キャップ
そして、ハンドル右側にはEly55ルートのTCXデータをインポートしたGarmin Edge500を、左側にはミノウラのスマートフォンホルダーを装着してiPhoneをセットします。Edge500は今となっては古い世代のGPSナビゲータになってしまいましたが、コースルートを最低限わかればよいのであれば、まだまだ何とか使えます(ルート表示の描写スピードが遅いのが難点ですが)。
ハンドル周りの計器類
アクションカムも持ってきたのですが、マウント台が自転車のハンドル径と合わず、自転車固定ではなくアクションカム単体にしてジャージポケットにしまうことにしました。
ようやくすべて準備が完了して、GarminのトレーニングモードからEly55のTCXデータを選択してスタート、iPhoneのStravaも起動します。
事前に登録しておいたTCXデータはスタートの地点がケンブリッジ駅前から2マイルほど離れた場所になっていたので、しばらくはGPSナビが使えません。仕方ないので、iPhoneのGoogle Mapで6km先の最初の目的地Fulbournをセットしてガイドしてもらうことにしました。
いろいろ準備してあっという間に15分くらい経ってしまいました。ロングライドは準備が大変です。。。
Cherry Hinton Brook
やがてGarminの登録ルートに合流したので、ここからはiPhoneのナビゲートを終了して、GarminのGPSナビに沿って走ります。30分ほど走ったところで周囲の景色はすっかり田園風景になりました。ちょっとした上り坂を超えると、そこは北海道かと見間違うほどののどかな畑が拡がっています
北海道のような風景
ケンブリッジからほんのわずかバイクで走っただけで北海道のような風景に出会えるとは感激です。
田園風景が続きます
このあたりは緩やかなアップダウンが続きます。この風景はShelford Rd沿いにしばらく続きます。
Sheldford Rd.
今日は青空が広がって快晴ですが、気温は30℃近くまで上昇して例年よりかなり暑いそうです。サイクリングにはちょっと暑すぎる気候でした。ドリンクの摂取を心掛けて進みます。
やがて最初の経由地であるFulbournの街に入りました。人口5,000人の小さな街です。出発して既に1時間が経過しています。景色を堪能してのんびり来たのでまだ6kmしか走っていません。ちょっとペースが遅過ぎです。
Fulbournの街には立派な教会が建っていました。
Church of St Vigor
イギリスの建物はほとんどがレンガ造りの重厚な造りをしており、歴史の重みを感じさせます。また、どの街並みも世界遺産のように美しく整備されており、日本の雑然とした街並みに見慣れた眼には新鮮に映ります。
Fulbournの街を抜けて再び田園風景の平坦な道をしばらく進みます。次の経由地はGreat Wilbrahamという街です。
再び田園風景のなかを
やがてGreat Wilbrahamの街に入ります。ここも建物がどれも美しく、綺麗な街でした。
Great Wilbrahamの街並み
そしてやはり街の中心には立派な教会がありました。イギリスの教会は尖塔に必ず時計盤がついているのが特徴です。また教会の敷地内は大抵墓地が隣接しています。このあたりはイギリスの日常の光景なのでしょうか。
Church of St. Nicholas
Wikiで調べてみると、この教会が最初に建てられたのは970年頃!だそうで、その後いくつか改修があるものの、現在までバプテスト教会として継続しているもののようです。
レンガの建物の他にはかやぶき屋根の建物も多く見かけました。駐車している車はかなり新しい車が多く、またAudiやBMWといった日本では高級外車も多く見かけました。このあたりの住人は結構裕福なのでしょうか。
こちらもWikiによると、住民のほとんどは農業に従事しており、ごく一部がCambridgeまで通勤しているビジネスマンのようです。
Great Wilbrahamの街並み
そして、このあたりの家は、おとぎ話に出てきそうなくらい庭園の手入れが行き届いており、まさに美しいイングリッシュガーデンの見本のような家が見かけられました。
庭園が美しい家
Great Wilbrahamを抜けるとやがて幹線道路A14号線との立体交差を横切ります。出発して8マイルです。
A14号線
そしてBottishamの街に入ります。Bottishamも多分に漏れず、街の中心地には立派な教会が建っていました。
Holy Trinity Church
後で知ったのですが、Bottishamには戦争博物館があったようです。幹線道路から近いこともあり、ちょっとした観光場所なのでしょうか。ただし街は本当に小さいです。
BottishamからSwaham Bulbeckへの道
次の経由地のSwaffham Bulbeck/Swaffham Priorは、それなりの規模の街でした。ここのスーパーに立ち寄ってアイスコーヒーとミネラルウォーターを補給。一息つきました。
Swaffham Bulbeckのスーパー
そして街の中心地にはやはり重厚な教会が建っていました。
St. Mary's Swaffham Prior
良く見ると奥にも別の建物が見えます。奥の建物はSS Cytiac & Julitta's Churchという別の教会のようです。二つの教会が隣接しているのは珍しいです。
Swaffham Priorの街並み
この辺りの家は、オレンジ色の屋根を持ったコロニアル調のものが多く、南国の異国情緒を感じました。とにかくどの街も美しいです。
美しい街並み
そして街の中心地を抜けると再び田園風景に戻ります。このあたりの農家は何を栽培しているのでしょうか。。。
再び田園風景
そして次の経由地のBurwellは中規模の街でした。ここのコースは目抜き通りだけでなく、住宅街の間を縫うような小道にも誘導されました。なかなかニクいコース設計で楽しませてくれます。
Burwellの住宅街
細い住宅街の小道を抜けます
とにかく余計な人工物や看板がまるでなく、自然そのものです。本当に快適なサイクリングが楽しめます。
途中すれ違うサイクリストは、多くがロードバイクに乗ったガチのサイクリスト達ですが、中には上半身裸の若者や、古い自転車に乗った長い髭の老人などもいました。
Burwellを後にして次はFordhamです。ここまでで20マイル。全行程の3分の1を過ぎたところです。それにしても今日は暑い。。。
Fordhamまでの道のりは、北東方向に進むようにGPSナビが表示されます。これは明らかにイーリーに向かう北西方向とは反対方向です。心配になってきますが、そのようにルート設計されているので仕方ありません。そろそろイーリーに着きたいと思う気持ちとは裏腹に、遠回りさせられてしまいます。
Fordhamを過ぎた直線道路
Fordhamを過ぎると次のIslehamまでは直線道路が続きます。暑さのせいか、頭痛がしてきて精神的にも参ってきました。。。そしてIslehamの街に着きました。
Isleham Priori Church
時刻は午後2時を過ぎようとしています。出発してから4時間経過。イーリーでお洒落な店でランチという構想が崩れていきます。。。うう疲れてきた。
IslehemからPrickwillowまでは再び田園風景のなかを直線ルートとなります。空には雄大な形をした雲が拡がっています。木陰など太陽を遮るものがないコースを延々と走ってきたので、さすがに暑さに参ってしまい、ミネラルウォーターをヘルメットから頭にぶっかけて冷却します。
また気付いたのですが、日本と違って道に鳥の死骸を結構見かけました。何故でしょうか。。。?
Prickwillowへの直線道路の景色
それにしても暑い。。。
平地を走っている間は太陽の強烈な陽射しを遮るものがないので、逃げ場がありません。
Prickwillowへの道
そして、ようやくPrickwillowを越えてから、ルートは北西、つまりイーリーの方向に向かうことになりました。やれやれ。
Prickwillowを超えてQueen Adelaide付近に来ると、何となく街の様子が変わってきてイーリーが近いことが雰囲気で伝わってきます。
River Great Woods
そして、ついに。。。目的地のイーリーに到着しました!
ここまで出発から35マイル、約60kmを走ってきた計算です。
イーリーのシンボルである大聖堂は街に入る手前から見えましたが、市街に入って大聖堂の目前に到着した瞬間は、大聖堂の巨大さに圧倒されて感動のあまり声を失うほどでした。
イーリーの市街地へ
あまり事前の予備知識なしに訪れたイーリーの大聖堂ですが、逆光に照らし出されたその荘厳な佇まいと天にそびえるような巨大なゴシック様式の建物は、神が降臨したかのような神聖で厳格な雰囲気を醸し出しており、圧倒されます。
イーリー大聖堂(大き過ぎて被写体に収まらない)
イーリーの大聖堂を前に
暑いなか辛い思いをしてようやく辿り着いたこともあってか、苦痛から解放された喜びと相まって、大聖堂の景観に感動してしまいました。
自撮り記念撮影
自転車と一緒に
原色で派手なサイクルジャージで教会に入るのは気が引けるのですが、ちょうど着替えのグレー地のTシャツを持ってきたのでそれに着替えました。
聖堂の内部に入ってみると、その圧倒的な大きさと美しいステンド、そしてちょうどリハーサルで演奏されていたオルガンと声楽の宗教曲が鳴り響いており、その圧倒的な宗教体験に、しばらくは時が経つのを忘れてしまうほど感動しました。
イーリー大聖堂での讃美歌(リハーサル中)
リハーサルに参加していた婦人に声をかけて曲名を聴きましたが、ハワーズ?というイギリスの作曲家のマニフィカトということで、馴染みのないものでした(後日調べたところ、Howarthという作曲家とわかりましたが、マニフィカトは見つかりませんでした)。
讃美歌があまりに壮麗だったので、おみやげショップでCDを買ってしまいました(Magnificat and Nunc DimittisというタイトルのこちらのCDです)。
Magnificat and Nunc Dimittis
ちなみにイーリー大聖堂聖歌隊のマニフィカトは以下のものがあります。
マニフィカトC
マニフィカトG
教会内部には多くの素晴らしいステンドグラスを観ることができます。私はこれまで、英国は英国国教会=プロテスタントの国だから、英国の教会はステンドグラスにキリスト像や聖書の物語の絵巻物などはないものだと誤解していましたが、イーリー大聖堂はカトリックとプロテスタントの両方の要素を取り入れたイングランド国教会に所属しているのです。イングランド国教会は、教義的にはプロテスタント、教会政治と礼拝様式はカトリックなので、イーリーの大聖堂のように、ステンドグラスなど内装はカトリックの特徴を備えているわけです。ここらへんの詳しい歴史的背景はこちらのサイトが参考になります。
またこちらのサイトによると、英国には大別して、イングランド国教会、カトリック、そして正教会の大聖堂が存在するようです。
また、教会と大聖堂とはどう違うのかというと、いろいろ調べてみると、要はその教区に一つだけある最高峰の教会を大聖堂と呼ぶらしいこともわかりました。
内部のステンドグラス
以下イーリー大聖堂についてWikiより抜粋です。
壮麗な、通称イーリー大聖堂と呼ばれる、聖なる不分割の三位一体教会聖堂は、Fensと呼ばれた低地に広がる泥沢地帯をその塔から遠く眺めていたことから『フェンスの船』という呼び名で知られた。イーリーの司教座は、リンカン司教座の外に1108年に創設された。大聖堂は1083年のウィリアム1世の代に工事が始まり、1351年に完成した。その間、1322年には主要塔が崩壊し8角形塔に再建されている。イーリー司教管轄区は1109年にもうけられた。市は1381年に起きた農民反乱に巻き込まれた。
イーリー大聖堂の位置
つまりこの大聖堂は1300年近くの歴史を持っているわけです。また2011年のアカデミー賞受賞作品である『英国王のスピーチ』の一部もここで撮影されたそうです。
大聖堂に関しての詳しい内容はこちらのサイトに詳しく紹介されています。
東西に延びる身廊は天井が50m以上はあるかと思いますがとにかく高くて美しい。そして天井にはヴィクトリア朝時代に描かれた見事なアダムからイエスキリストに至るまでの歴史絵となっています。
中心から正面玄関側
中心から内陣側
中心部の天井が八角塔となっており、イーリー大聖堂の最大の特徴となっています。
八角塔
訪問したのは日曜日だったので、午前中であればミサの時間に間に合ったのではと思うと残念でした。
また、午後のガイドツアーに参加すると、屋上まで288段の階段を登って周囲の眺望を楽しむことができたようですが、こちらも最後のツアーは午後3時を最後に終わってしまって残念でした。
ガイドツアー詳細
しかし、ラッキーなことに日曜日の夕方は7月から9月までオルガンリサイタルが開催されるという貼り紙を発見して、夕方のコンサートまで近くをのんびり散策することにしました。
オルガンリサイタル開催の知らせ
大聖堂の近くの芝生広場は一般市民の憩いの場として公開されていました。家族連れ、カップル、観光客などそれぞれ思い思いに時間を過ごしているようでした。イーリーまで来る観光客はさすがに少なく、ゆったりとした雰囲気を楽しむことができました。
隣接する芝生広場
正面玄関の反対側
北側を仰ぎ見る
隣接した市民の広場
全貌を収めることができません
正面玄関の左手より
西陽の逆光を受けて
とにかくどこから観ても様になります。
そして、午後5時15分からのオルガンリサイタルが始まる前に、3ポンドの寄付をしてパンフレットを入手しました。今日のリサイタルはPaul Trepteというオルガン演奏者、曲目は現代曲を中心にバッハ、ヒンデミット、リストなどで1時間ほどのプログラムです。
リサイタルのプログラム
プログラムは現代曲が多かったせいか、グレゴリオ聖歌のようなルネサンス時代の古典楽曲を期待していた私としてはやや嗜好ではなかったものの、パイプオルガンの唸るような重低音と迫力のある演奏は満喫することができました。
オルガンリサイタルを満喫した後、夕方6時30分ごろにイーリーを後にしてケンブリッジ目指して自転車で出発。イギリスは日没が遅いのでまだ外は明るいです。夜のライドは避けたかったので日没までにケンブリッジに戻れるでしょうか。。。
ケンブリッジまでの復路は約20マイル。
往路はいろいろな街を巡るようにコース設計されていましたが、復路はほとんど一直線にケンブリッジに向かうコースとなっています。
当初予定していたイーリーでの優雅なランチは結局時間がなくて取り止めにしましたが、夕食くらいは豪華に行きたいところです。ケンブリッジに戻るまで夕食も控えて頑張ることにします。
走り出して気付いたのですが、後輪からガラガラと異音が。。。調べてみると後輪の泥除けが固定されているナットが緩んでいます。工具もないので仕方なく指で回して固定するしかありません。しばらく走るとまた異音が発生することの繰り返しになってしまいました。
馬がいる牧場
帰路は平坦な地方道路をひたすら南に向かって下ります。行きと違ってあまり風情のある街を通過することもなく、北海道の平原を走るようにひたすらケンブリッジを目指します。
復路は運悪く向かい風基調で苦しめられました。。。ロードバイクならまだしも装備の重いクロスバイクでのロングライドは相当厳しいものと改めて痛感しました。
下の写真は途中通過した街中ですが、アクションカムで撮ったのでGPS情報がなく、恐らくWilborneあたりではと思われます。
Histonを超えたあたりから田園風景から市街地に変わります。その後は自転車専用レーンの表示があるような通り沿いを走ります。日没が近づいてきました。
市街地の自転車専用レーン
公園を横切るケム川にかかった橋を越えます。スタートから約50マイル、累積距離は80kmです。
Cam川を渡ります
そうこうしているうちに、ついに日没を迎えて周囲はだんだん薄暗くなってきてしまいました。日没前にケンブリッジに戻るのは間に合わず。
日没(20:12)
さらに、Garminのデータはスタートと同じくゴール地点もケンブリッジの鉄道駅とはなっていないはずです。
イギリスの大きな市内はラウンドアバウトが多いのですが、Red Cross市内のラウンドアバウトを超えたところで、Garminの表示はゴールとなってしまいました。
ここからは再びiPhoneのGoogle Mapに切り替えてケンブリッジ駅を目指します。Garminのゴールからは約1.6マイル先のようです。頑張って最後の力を振り絞って漕ぎます。
そして。。。ようやくケンブリッジ駅に戻ってきました。距離は97km。あと3km走ればちょうど100kmになるので周辺をぐるぐる回って100kmになったところでゴールしました(Garminの走行距離は104kmでした)。
ケンブリッジ駅に帰着
イーリーへの往路が田園地帯に点在する美しい街々を巡るサイクリングに対して、復路は雄大な田園地帯が拡がる平坦な道をひたすら走るサイクリングでした。
こうして楽しかったイーリーへの日帰りサイクリングを無事に終えました。久しぶりの100km越えサイクリングでしたが、30度を超える暑さの上に重いクロスバイクは思った以上に大変でした。
以下Garminの記録です(詳細はこちら)。
Garminの記録
距離:104.44km
走行時間:6時間5分25秒
経過時間:10時間37分00秒
平均速度:17.2km/h
最高速度:52.3km/h
消費カロリー:2,433kCal
最高気温:37.0℃
平均気温:29.2℃
ケンブリッジからイーリーまでの往復100kmのサイクリングで私はイギリス国民の日常生活とその壮大な歴史を垣間見ることができました。イーリー大聖堂を訪れて、かつて世界に君臨した大英帝国の国力を痛感しました。また、大都市を離れた牧歌的な地方の穏やかな風景や美しい街並みを通り過ぎることで、イギリスという国の品格と、日本とは違う豊かな生活を実感しました。
ロンドンやケンブリッジという観光名所を巡るのも楽しいですが、こうしてサイクリングで片田舎やあまり機会のない近郊を訪れることで、表向きの顔とは違うその国の興味深い側面を垣間見ることができます。
今回のサイクリングは、たまたま暑い日だったので予想以上に体力を消耗しましたが、イーリーの大聖堂は必見ですし、イギリスを旅行する機会があれば是非ともサイクリングで地方を訪れてみることをお勧めします。
(2018/11/03追記)
reliveというアプリを使って走行記録からルートを動画再現しました。
relive
(おわり)
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