自作ブルーレイディスクのメニュー画面
専用ソフトを使えば編集やディスク作成は簡単にできるとどのメーカーも宣伝していますが、実際にはエラーが出たり直観で操作できなかったりとなかなか大変で、コツが必要となります。
今回は、動画編集ソフトとして、Corel社のVideoStudio Ultimateを使うことにしました。
Corel Video Studio Ultimate 2018
動画編集ソフトは他にも、Cyberlink社のPoweDirectorや、Adobe社のPremier Elementsなどがあります。
個人的には、Premier Elementsは17,000円程度と割高、PowerDirectorは動画編集機能は強力なのですが、ブルーレイ作成のテンプレートのカスタマイズ機能が乏しい(特にメニュー画面での動画サムネイル数が最大6個と少ない)ので、VideoStudioを選びました。
VideoStudioは最新版でもAmazonでだいたい8,000円くらいで販売していますが、キャンペーンやセールなどで更に安く入手できる機会も多いです。
新製品アップグレードのキャンペーン
VideoStudioで注意すべきは、アップデート(更新)パッチの適用です。なぜかわかりませんが、X8ではアップデートパッチ(特にSP3パッチ)を充てていると、ディスク作成のウィンドウが開くところで突然動作を停止してしまいますので、アップデートパッチは入れないことにしています。
アップデートパッチが入ってしまっているかどうかは、製品のバージョンNo.を調べるとわかります(下のように18.0.0.181であればパッチが入っていません)。
18.0.0.181
後述するように、VideoStudio X8は原因不明なエラーでソフトが停止してしまったり、クセのあるソフトなのですが、使い方のコツをつかんでしまえば実用面では問題はありません。
また、25GB/50GBという大容量のブルーレイディスクを作成する場合には、作業フォルダの容量が50GB程度必要となるので、指定フォルダ(デフォルトではCドライブ)に空き容量がないと、ディスク編集モードを選択するとアプリケーションが強制終了してしまうケースがあるので注意が必要です(Cドライブに十分な空き容量がない場合は、外付けのHDDドライブを指定して、そのドライブを接続した状態で作業をする必要があります)。
初期画面は以下のような編集モードとなっています。設定はデフォルトでほとんど問題ありませんが、右上に表示されているモードが1920x1080になっていない場合は、予め「設定」>「プロジェクトのプロパティ」で変更しておきます。
VideoStudioの編集画面
はじめに、「取り込み」から「編集」タブに切り替えて、編集したいメディアファイルをタイムラインに挿入します。
カットするシーンはフレーム単位で微調整ができます。フレーム単位のボタンを押し続けると、再生スピードが可変にできるのでとても便利です。
こうしてカットするシーンを決めたら、OKボタンを押していったん元の画面に戻り、「完了」タブを押します。すると出力画面に切り替わりますので、ここではファイル出力(一番上のアイコン)を選び、ブルーレイディスクで標準的なコーデックであるAVC/H.264を選択します。
必要に応じてこの操作を繰り返します。ビデオの複数カットを使って一気に長時間のファイルの編集を行うこともできますが、後々のことを考えると、1シーン1ファイルで分けるほうが無難です。
また、異なるビデオフォーマットの混在を避けることも重要です。
スペック的には混在していても問題ないはずなのですが、経験上、iPhoneなどのスマホで撮ったMP4ファイルが混じってエンコードすると、最終の出力の段階で何時間もエンコード処理の末エラーとなる場合が多いです。
VideoStudioはiPhone8の動画と相性が良くないようで、単独の動画をH.264でエンコードしてみてエラーが出ず(アプリがクラッシュせず)に変換されるか確認すると良いと思います。
特にiMovieを使ってクリップ編集した動画ファイルが相性が悪いようで、PCのサムネイル画面でも、煤けたようなサムネイルになっている場合は例外なくVideoStudioで編集できません。
もし、エラーが出て変換できない場合は、PlayMemoriesを使って、MP4(1920x1080)に一度変換をしてから、そのMP4ファイルをVideoStudioで再変換する必要があります。
この場合、MP4からMP4ファイルへの変換であっても、プロファイルが異なるため、一度PlayMemoriesを使った変換作業は必要です。
ちなみに、iPhone8のビデオコーデックは、高効率モードではHEVC、互換性優先モードではH.264となっています。フォーマットは、1920x1080@30pがデフォルトになっています。
HEVCはブルーレイの標準コーデックであるH.264よりも新しいコーデックですが、互換性があるので高効率モードのままで問題ないと思います。
HEVCのMP4ファイルは、個別にAVC/H.264(1920x1080@30P)のMP4ファイルに変換して他のファイルとプロファイルとレベルを揃えてからプロジェクトに追加するのが無難です。
こうしていくつかのシーンごとのファイルが出来上がったら、いよいよディスク作成の作業に入ります。
念のためVideoStudioを再起動させて、「設定」-「プロジェクトのプロパティ」で16:9のプロパティになっているか確認します(ここで4:3になっていると、画像は16:9でもレターボックス仕様の縮小版になってしまいます)。
次に、前述の手順で作成した複数のビデオファイル(すべてH.264で統一済み)をまとめてタイムラインに挿入します(まとめてドラッグアンドドロップできます)。
ビデオファイルの順序は、ファイル名の昇順になるので、順番は日付やシーケンスに沿ってファイル名に統一した番号を振っておくのが便利でしょう。
素材の数が多いと読み込みにはしばらく時間がかかりますので辛抱強く待ちます(素材が100を超えると読み込みに数分間かかりPCがハングしたような状態になりますがそのまま待ちます)。
トランジション効果を入れたほうが綺麗な仕上がりになるので、ここでトランジション(画面の中央あたりにあるA|Bとあるボタン)を押して、トランジション効果を入れます。数多くあるトランジション効果のなかで、おススメは一番オーソドックスな「クロスフェード」です。
次のときに探すのが大変なので、「クロスフェード」をお気に入りに登録しておきましょう。
「クロスフェード」を素材に挿入するには、「ビデオトラックに現在の効果を適用」ボタンを押します。すると、すべてのファイルとファイルの間に、クロスフェードが挿入されます。
ここまでが素材の編集でした。次はディスクのメニュー作成です。
すると少し時間が経過したのち、ディスク作成のウィンドウが開きます。
チャプターポイントを追加します。これをしないとディスク再生時に、リモコンの左右スキップボタンが使えなくなってしまいます。
チャプターは自動検出を選べば、勝手にチャプターを振ってくれます。
1. ビデオの複数カット
タイムライン上で右クリックして、「ビデオの複数カット」を選択します。するとビデオ編集の別ウィンドウが開き、細かいカット作業ができるようになります。カットしたいシーンの頭にマークイン、最後にマークアウトを指定します。複数カットができるので、必要に応じて同じ操作を繰り返します。
ビデオの複数カット
カットするシーンはフレーム単位で微調整ができます。フレーム単位のボタンを押し続けると、再生スピードが可変にできるのでとても便利です。
こうしてカットするシーンを決めたら、OKボタンを押していったん元の画面に戻り、「完了」タブを押します。すると出力画面に切り替わりますので、ここではファイル出力(一番上のアイコン)を選び、ブルーレイディスクで標準的なコーデックであるAVC/H.264を選択します。
必要に応じてこの操作を繰り返します。ビデオの複数カットを使って一気に長時間のファイルの編集を行うこともできますが、後々のことを考えると、1シーン1ファイルで分けるほうが無難です。
また、異なるビデオフォーマットの混在を避けることも重要です。
スペック的には混在していても問題ないはずなのですが、経験上、iPhoneなどのスマホで撮ったMP4ファイルが混じってエンコードすると、最終の出力の段階で何時間もエンコード処理の末エラーとなる場合が多いです。
エラーの例「Corel Video Studioは動作を停止しました」
エラーの例「変換ステップで問題が発生しました」
VideoStudioはiPhone8の動画と相性が良くないようで、単独の動画をH.264でエンコードしてみてエラーが出ず(アプリがクラッシュせず)に変換されるか確認すると良いと思います。
特にiMovieを使ってクリップ編集した動画ファイルが相性が悪いようで、PCのサムネイル画面でも、煤けたようなサムネイルになっている場合は例外なくVideoStudioで編集できません。
もし、エラーが出て変換できない場合は、PlayMemoriesを使って、MP4(1920x1080)に一度変換をしてから、そのMP4ファイルをVideoStudioで再変換する必要があります。
この場合、MP4からMP4ファイルへの変換であっても、プロファイルが異なるため、一度PlayMemoriesを使った変換作業は必要です。
ちなみに、iPhone8のビデオコーデックは、高効率モードではHEVC、互換性優先モードではH.264となっています。フォーマットは、1920x1080@30pがデフォルトになっています。
HEVCはブルーレイの標準コーデックであるH.264よりも新しいコーデックですが、互換性があるので高効率モードのままで問題ないと思います。
ビデオ撮影のフォーマット
HEVCのMP4ファイルは、個別にAVC/H.264(1920x1080@30P)のMP4ファイルに変換して他のファイルとプロファイルとレベルを揃えてからプロジェクトに追加するのが無難です。
こうしていくつかのシーンごとのファイルが出来上がったら、いよいよディスク作成の作業に入ります。
念のためVideoStudioを再起動させて、「設定」-「プロジェクトのプロパティ」で16:9のプロパティになっているか確認します(ここで4:3になっていると、画像は16:9でもレターボックス仕様の縮小版になってしまいます)。
次に、前述の手順で作成した複数のビデオファイル(すべてH.264で統一済み)をまとめてタイムラインに挿入します(まとめてドラッグアンドドロップできます)。
ビデオファイルの順序は、ファイル名の昇順になるので、順番は日付やシーケンスに沿ってファイル名に統一した番号を振っておくのが便利でしょう。
素材の数が多いと読み込みにはしばらく時間がかかりますので辛抱強く待ちます(素材が100を超えると読み込みに数分間かかりPCがハングしたような状態になりますがそのまま待ちます)。
2. トランジションの追加
トランジションとは、あるシーンから次のシーンへ移るときの効果のことです。VideoStudioには100を超えるトランジション効果が準備されていて正直多すぎるほどです。トランジション効果を入れたほうが綺麗な仕上がりになるので、ここでトランジション(画面の中央あたりにあるA|Bとあるボタン)を押して、トランジション効果を入れます。数多くあるトランジション効果のなかで、おススメは一番オーソドックスな「クロスフェード」です。
クロスフェード
次のときに探すのが大変なので、「クロスフェード」をお気に入りに登録しておきましょう。
「クロスフェード」を素材に挿入するには、「ビデオトラックに現在の効果を適用」ボタンを押します。すると、すべてのファイルとファイルの間に、クロスフェードが挿入されます。
ここまでが素材の編集でした。次はディスクのメニュー作成です。
3. チャプターポイントの追加
「編集」タブから「完了」タブを押して、出力画面に切り替えます。出力先をファイルではなく、ディスクにします。「プロジェクトをディスクに保存」と表示されるので、「ブルーレイ」を選択します。
ブルーレイを選択
すると少し時間が経過したのち、ディスク作成のウィンドウが開きます。
チャプターポイントを追加します。これをしないとディスク再生時に、リモコンの左右スキップボタンが使えなくなってしまいます。
チャプターは自動検出を選べば、勝手にチャプターを振ってくれます。
チャプターポイントの追加
1シーン1ファイルでカット編集してあれば、チャプターポイントの数はファイルの総数と同じになると思います。
4. メニューの作成
メニューなしでビデオ画面だけ再生するディスクでよければこの手順は不要ですが、せっかくのブルーレイディスクなので、メインメニューを作りましょう。メニュー作成にチェックマークをつけて「次へ」を押すと、メニュー画面を選択することができます。気に入った画面がなければ、編集を押すと、自分のオリジナルメニューが作れます。
テンプレートはVideoStudioの通常のインストールでは3種類しかないのですが、コンテンツパックという別のディスクを予めインストールしておくと種類が増えます。
テンプレートの選択
コンテンツパックに入っているメニューも含めて、正直あまり良いメニューテンプレートがないので、ここはカスタマイズして自分で作成することにしました。
まず、黄色いバスに2つのウィンドウが入ったテンプレートを選択します。
次に、このテンプレートのすべてのオブジェクトを削除してしまいます。
テンプレートを選択して、フォントやオブジェクトなどのカスタマイズを行うこともできるのですが、DELやBSなどのキーは使えず独特の編集方法なので初めは戸惑うかもしれません。コツとしては、変更をかけたい部分にカーソルを合わせて右クリックするといくつか選択肢が出てくるので、それを使うとうまくいくことが多いと思います。
テンプレートにある不要なオブジェクトを削除したい場合には、選択してDELキーを押しても削除できませんというメッセージが出てしまいますので、右クリックで「オブジェクトの透明度を指定」を選び、透明度を99に変更すると、削除することができます。
ここらへんは非常に使い辛いのですが、バージョンを重ねても一向に改善する兆しもないので諦めてコツをつかみましょう。
すべてのオブジェクトが削除できたら、「次へ」のボタンで進みます。
メニューの編集
すると、「背景画/ビデオ」というボタンがあるので、それを押して、コンテンツパックでインストールされた新しい背景画のうち、以下の青空の背景画を選択します。
背景画 /Program Files/Corel/Corel Video Studio Ultimate/Content/Background/HD Basic/BG11_1920.jpg
あとの設定は以下のように変更します。
モーションメニュー 10秒
BGM なし
移動パス メニューイン/メニューアウト「すべて無効」
「ハイライトしたボタンを表示」のチェックボックスをチェック
詳細設定 「タイトルメニューを追加」のチェックボックスを外す、サムネイル番号を表示のチェックボックスをチェック
さらにカスタマイズボタンを押すと、フレーム、ナビゲーションボタン、レイアウトが選べます。
メニューのカスタマイズ
ここでもちょっと注意点。サムネイルに番号をつけると、本来であれば1から8まで連番でつくはずなのですが、1,2,2,2,2,2,2,2とついてしまうことがあります。バグだと思われますが、回避するためには、メニューのカスタマイズに戻り、いったんフレームの数を2に減らしてOKを押して、もう一度フレームの数を8に増やすと1から8まで連番でつくようになります。
こうして出来上がったカスタムメニューは、メニューのカスタマイズ画面で、「メニューテンプレートに追加」というボタンを押して、メニューテンプレートに加えておくのを忘れないようにします。次回からはこのテンプレートがメニュー選択画面に現れます。
カスタマイズテンプレートが追加
以下はこのカスタマイズで作成したメニュー画面が実際にどのようにブルーレイで再生されるかを映像にしたものです。8つのシーンが同時に動画サムネイルで再生されるので、シーン選択など非常に便利な完成度の高いものが作成できます。
メニュー画面の一例
5. ディスクへの書き込み
こうして完成したプロジェクトファイルを、最後にブルーレイディスクに書き込みます。直接ディスクに書き込んでも良いのですが、VideoStudioではISOファイルのみの出力もサポートしていますので、ディスクに書き込む前に、ISOでファイル出力したほうが、ディスクドライブ接続も不要で、早く完成します(ISOファイルからブルーレイディスクへの書き出しは後から可能です)。ここでの注意点は、ブルーレイディスクのコーデックを何を選ぶかということです。ブルーレイではMPEG2とH.264というコーデックがサポートされています(正確にはもうひとつVC-1というコーデックもサポートされていますが現在ほとんど使われていません)。
コーデックの選択
MPEG2よりH.264のほうが遥かに圧縮率が高い(サイズが小さくできる)のですが、よりオリジナルに忠実な画質を求めるならば、MPEG2のほうが優れているという議論もありますが、素人がわかるレベルでは全く同じと言って良いでしょう(事実、ハリウッド映画のブルーレイはほぼ100%H.264が使われています)。
また、MPEG2では25GBに収まらず50GBの2層ディスクが必要なコンテンツも、H.264であれば25GBに収まることもあります。
VideoStudioではブルーレイは4つのプロファイルが選択でき、デフォルトはMPEG2 1920x1080になっているので、これをH.264 1920x1080に変更します。
この選択を見越して、元の動画ファイルはすべてH.264 1920x1080に統一しているので、MPEGオプティマイザーという機能が働き、余計なエンコード作業はスキップしてくれます。MPEGオプティマイザーの機能で、オリジナルの素材のエンコード劣化を極力抑えてくれるのです(トランジション効果を挿入しているので100%オリジナルというわけにはいきませんが)。
書き込み最終画面
ここで注意するのは、プロジェクトの作業用ディスクスペースというのが結構必要だということです。上の例だと100GB近くのディスクスペースが要求されます。
あとは画面右下の書き込みボタンを押せば、プロジェクトの書き込みが始まります。動作環境によりますが、25GBのファイルサイズであれば8時間くらいはかかると思います。
書き込み終了画面
あとは完成したISOファイルをimgburnなどのライティングソフトでブルーレイディスクに書き込めば、オリジナルのブルーレイディスクの出来上がりです。
出来上がったオリジナルのブルーレイディスクは、プリンタでオリジナルラベルを印刷するとより完成度が上がります。
完成したオリジナルブルーレイディスク
私はディスクを入れ替えすることが面倒なので、ISOファイルをNASに保存して、メディア再生用のフリーソフトウェアのKODIでライブラリ管理して自由に再生できる環境にして楽しんでいます。
KODIを使ってライブラリ管理した場合のメニュー画面
KODIについては、最新版のv18でBD-ISO再生が大幅に強化されました。こちらは以下の記事をご参照ください。
Kodi 18.0 "Leia" が正式リリース!遂にBD-Jがサポートされ Blu-rayのメニュー表示が可能に
以上、動画編集ソフトウェアVideoStudioを使ったメニュー付きのブルーレイディスク作成のステップでした。
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