今回のテーマは「カスタムレポート」です。
これまで紹介してきた指標や分析が集大成されたカスタムレポートを作成し、本ブログ「モニオの部屋」のアクセス改善策を考えたいと思います。
1. アナリティクスのホーム
アナリティクスのホーム画面では、過去7日間の「ユーザー」「セッション」「直帰率」「セッション継続時間」の4つの指標が確認できます。「ユーザー」数については、過去7日間との比較グラフも表示されます。
アナリティクスのホーム画面
また、以下の9つのグラフも同時に見ることができます。
a. ユーザーが訪れる時間帯
b. ユーザーを獲得している方法
c. ユーザーの地域
d. ユーザーが訪れているページ
e. アクティブユーザーの動向
f. 最もよく使われているデバイス
g. ユーザー維持率
h. 目標達成に向けた進捗状況
i. Google広告キャンペーンのパフォーマンス
アクセスの状況をマクロ的に俯瞰するには便利ですが、人によっては毎回確認する必要のないデータがあったり、逆に、メニュー項目を切り替えないと重要な指標を確認することができないといった不便さもあります。
特に、検索クエリの分析や、特定のディメンション(オーガニック検索のアクセスのみに条件を絞るなど)について毎回チェックするには、どうしてもカスタマイズが必要になります。
2. マイレポート
以下「Googleアナリティクス(Google Analytics)のマイレポート作成方法について」からの引用を中心に紹介します。
マイレポートとは、アナリティクスで表示できる複数のレポートを1つにまとめて表示できる機能です。「ウィジェット」というパーツを組み合わせてオリジナルのレポートを作ることができます。各ウィジェットには1つの指標が表示できる仕組みで、ダッシュボードのように複数のウィジェットを表示可能です。1つのマイレポートに12個のウィジェットを組み合わせることができます。
マイレポートに対して、カスタムレポートは、Google アナリティクスの分析機能をより掘り下げて使いたい人向けのカスタマイズ機能です。
マイレポートとの大きな違いは、ディメンションの組み合わせや複数の指標の比較など、複雑な分析結果をワンクリックで見られるようにまとめられる点です。
マイレポートの作成は、「カスタム>マイレポート一覧」から、「作成」ボタンをクリックして始めます。
マイレポートの作成
デフォルトのマイレポートでも良いですが、ある程度知りたい指標やグラフが決まっている場合は、空白のキャンパスのほうを選択してカスタマイズをします。
空白キャンパスを選択すると、ウィジッドの追加の画面になります。
ウィジッドの追加
マイレポートに追加できるウィジェットには、大きく分けて「標準」と「リアルタイム」の2種類があります。
「標準」は、累積したデータをチェックするためのウィジェットで、「リアルタイム」はその時点での閲覧状況を確認するためのウィジェットです。
試しに「ページビュー数とユーザー」「直帰率と離脱率」「平均滞在時間と平均セッション時間」の3つのウィジッドを作成します。
このままでは縦長で見づらいので、ウィジッドをドラッグして右のウィジッドエリアに移動することができます。
「マイレポートをカスタマイズ」を選択すると、ウィジッドのレイアウト構成を変更することができます。
例えば、グラフを横長に伸張して見やすくしたい場合には、「100%」に変更すると、画面の左右に拡大することができます。
ウィジェットは簡単に作成や追加できるのですが、グラフのサイズの変更や、比較する指標の期間指定など、きめ細かな設定には対応していません。
また、サーチコンソールの検索クエリの指標には対応していないようです。
3. カスタムレポート
以下「Googleアナリティクス(Google Analytics)のカスタムレポート作成方法について」の記事からの引用を中心に紹介します。
カスタムレポートのポイントは、「ディメンション」と「指標」の理解です。ディメンションとは「項目(分析軸)」のこと、指標とは「数値」のことを指します。
簡単に言うと、「○○ごとに、△△を分析したい」とき、○○にあたるのがディメンション、△△にあたるのが指標です。
カスタムレポートでは、最大でディメンションを5個、指標を20個を同時に使った表が作れます。
カスタムレポートの作成
試しに、カスタムレポートの編集で「良く使われるディメンションと指標」をすべて選択してレポートを作成してみます。
指標グループは、「標準」「広告」「検索」の3つに分けました。
良く使われるディメンションと指標
ページ最下部にある「保存」ボタンを押すと、カスタムレポートが作成されました。
カスタムレポート「標準」
カスタムレポート「広告」
カスタムレポート「検索」
これで、カスタマイズされたビューをレポートタブを「標準」「広告」「検索」と切り替えるだけで確認できるように便利になりました。
カスタムレポートは万能なようで、いくつか制約があります。
まず、カスタムレポートでは、ページはURL表記になっており、普段使っているページタイトル(=ブログの記事の題名)に変換して表示する機能が標準では備わっていません。
ページタイトルで表示するためには、「Google AnalyticsでURLとページタイトルを同時に表示させる方法」を参照に、コードを貼る必要があります。
また、検索クエリでサーチコンソールと連携しているメリットであった、検索キーワードが、ほとんどのケースで (not provided) (not set)になってしまい実用的ではありません。
ページタイトルと検索クエリが、カスタムレポートで使えないのは非常に残念です。
以上、アナリティクスのカスタムレポート作成についてでした。
4. 「モニオの部屋」のアクセス改善
以下は本ブログ「モニオの部屋」のアナリティクスデータです。
2019年3月12日~25日のページ/セッションは1.37と、平均的な値です。
平均ページ滞在時間は3分59秒と、こちらはなかなか高いです。これは記事の文字数が全体的に多い(平均で5000文字程度)ためと思われます。
集客チャネルは、Organic Searchが83.6%と大半を占めています。なかでもGoogleからの検索がYahooの3倍以上あります。
検索トラフィックの上昇(アナリティクス)
検索トラフィックの上昇(サーチコンソール)
上のグラフからわかるように、2月22日ごろから検索パフォーマンス(表示数、クリック数とも)が急激に増加しています。増加要因のほとんどはOrganic Search (Google)なので、何らかの原因でGoogle検索の評価が上がったものと想定されます。
検索パフォーマンスの低下については、ネットでも多くの事例や情報があるのですが、上昇(改善)の原因についてはあまり情報がありません。
直帰率は82.45%とかなり高いです。ただし、平均ページ滞在時間が長いのと、集客チャネルがオーガニックが82.4%と高いので、多くのユーザーは検索キーワードで引っ掛かった目的の記事を読み終わり次第、直帰しているものと推測できます。
離脱率は72.75%ですが、ビューの平均の離脱率はあまり意味がないので、個別のページの離脱率をフィルタ機能を利用して調べてみます。以下では、ページビューが50以上というフィルタで、離脱率の高い順にソートした結果です。
ページごとの離脱率
結果を見ると、「ディーガに録画した番組を。。」のページは、315PVとアクセスが一番多いにも関わらず、離脱率が89.84%と非常に高いことがわかります。
アクセス(PV)が多いページのなかで、離脱率が高いページを抽出して、そのページを改善するのは非常に効率があります。
「ディーガに録画した番組を。。」のページは、2017年9月投稿の記事なのですが、何らかの理由で、2019年3月に入ってから徐々にアクセスが増加しています。
「ディーガに録画した番組を。。」のページのPV
また、「ディーガに録画した番組を。。」のページのスクロール量をアナリティクスで確認してみると、スクロール量90%(ページの最後)までの到達率が6.5%と、全体平均の8.2%より低いことがわかります。
「ディーガに録画した番組を。。」のスクロール量
また、ページ(ブログ記事)の文字数をカウントすると、6,986文字と、やや長い文章であることがわかります。
ページの末尾は、下のスクリーンショットの通り、にほんブログ村のリンクボタンが配置されており、その下には余計な空白が続いています。
ページの末尾
空白の下に、ようやく関連記事がいくつか紹介されていますが、「ディーガに録画した番組を。。」の記事内容と関連するページはありません。
これがユーザーが離脱している原因と推測できます。
ここで、アナリティクスとは別の、ページアナリティクスというツールを導入します。
ページアナリティクスは、Googleから無償で提供されているChromeのアドオンです。Chromeウェブストアからインストールできます。
ページアナリティクスのインストール
インストールされると、ブラウザ右上にアイコンが表示されます。該当するページを表示してアイコンをクリックすると、そのページのなかにあるどのリンクがどの程度クリックされたかが表示される仕組みです。
ページアナリティクスによる分析
「ディーガに録画した番組を。。」のページをページアナリティクスで分析すると、ページ内のリンクはほとんどクリックされていないことがわかります。
ちなみに、ページアナリティクスというツールは、ボタンの切替で、いわゆるヒートマップとして活用することもできます。
以上をまとめると、「ディーガに録画した番組を。。」のページがPVが高いにも関わらず離脱率が高いのは以下の二つが原因です。
・完読率が低い & 文字数が多い → ユーザーが記事の途中で離脱している
・クリック率が低い → 関連記事に遷移していない
離脱率を改善するために、「ディーガに録画した番組を。。」の記事を更新し、末尾の余計な空白を削除(ついでににほんブログ村のアイコンも削除)して、代わりに関連記事としてスマホの内部記事のブログカードを挿入しました。
ページ更新後の状態
当ブログ「モニオの部屋」は、平均ページ滞在時間を4分前後を維持しつつ、関連記事への導線を工夫するなどして直帰率と離脱率を改善することが重要です。
5. おわりに
アナリティクスの使い方をこれまで全5回で紹介しましたが、まだまだ使いこなせていない機能がたくさんあり、例えば、ユーザーエクスプローラといったミクロレベルでユーザーの動向を分析できるツールなどもあります。
個人ブログのユーザー分析というのは、非常に奥が深く、また物凄いスピードでサービスと技術の革新が進んでいる分野でもあります。
恐らく、このブログで紹介した全5回の内容は、3年後くらいにはすべて陳腐化していても不思議ではありません。
いずれにしても、本ブログ「モニオの部屋」も、できるだけ多くのユーザーの役に立つよう、サイトの改善に努めていきたいと考えています。
【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方。。。以下のとおり順次連載記事にしています。
【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方① - 直帰率と平均ページ滞在時間 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方② - 検索クエリ 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方③ - スクロール量 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方④ - アフィリエイト 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方⑤ - カスタムレポート
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