【ブログ初心者のための検索クエリ】Googleアナリティクスの使い方②

Googleアナリティクスを導入して3か月、前回はアナリティクス分析の基礎指標となる直帰率と平均ページ滞在時間について書きました。

今回のテーマは「検索クエリ」です。


「検索クエリ」とは、ユーザーが検索するときに打ち込んだ言葉やフレーズのことです。

「検索キーワード」という似た言葉があります。厳密には、2つとも語句やフレーズを指していますが、「クエリ」はユーザー側、「キーワード」は広告主側の呼び方です。

「検索クエリ」を効果的に分析するためには、まず、アナリティクスをサーチコンソールと連携させる必要があります。

1. サーチコンソールとの連携


アナリティクスの「検索クエリ」では、検索キーワードのほとんどが、(not provided) もしくは (not set) という無意味な値しか得られません。

これは、サイトにやってきたユーザーが「どういう検索キーワード(=検索クエリ)をGoogleに入力したか」を、アナリティクスが取得できていない時に表示されるデータです。

Googleが、セキュリティの確保を目的として数年前から「https」という暗号化された通信方法を取り始めたのが原因です。詳細は「Googleアナリティクス (not provided) (not set) の中身を知る方法」を参照ください。

(not set)や(not provided)の中身を見るために、Google サーチコンソール(Google Search Console)という、Google アナリティクスとは別のアクセス解析ツールが必要になります。

Google サーチコンソール

両社の違いは、Google アナリティクスがサイト訪問者のデータを収集することができる(サイトにアクセスされた後のデータが取得できる)のに対して、Google サーチコンソールはGoogleの評価を分析できる(サイトにアクセスされる前のデータが取得できる)という点です。

アナリティクス内ではどのキーワードからアクセスされているかが分かるのに対して、検索クエリからはどのキーワードで調べられた際に検索結果に表示されているかがわかります。詳しくは、「初心者卒業!サーチコンソールとGoogleアナリティクスを連携する方法」にあります。

アナリティクスとサーチコンソールの違い(こちらより引用)

また、アナリティクスはリアルタイムのデータ分析ができるのに対して、サーチコンソールは3日前のデータまでしか分析対象とならず、さらに履歴も3か月分しか残りません。

サーチコンソールの情報をアナリティクスで一元的に管理するためには、サーチコンソールとアナリティクスを連携させる必要があります。

連携の方法は簡単で、「【超簡単】Search ConsoleとGoogle Analyticsの連携方法とメリットを解説!」のサイトの説明に従って、アナリティクスの管理画面から「Search Consoleの設定」を追加するだけです。

サーチコンソールとアナリティクスを連携させることで、「どのようなキーワードで調べられ、アクセスされ、そこから更にどのようにサイト内を回遊して離脱したのか」といった感じでユーザーの動きが把握できるようになります。

また、連携を行えば、アナリティクスの機能を使って、サーチコンソールのデータを特定のメールアドレスに定期的に送るといったことも可能です。サーチコンソールの検索クエリデータは過去3ヶ月分しか残らず、それ以降は削除されてしまうので、クエリの全体的なデータを調べたときに役立つ機能です。

連携が完了したら、アナリティクスを立ち上げて、「集客」>「Search Console」>「ランディングページ」を選択すると、アナリティクスのデータに加えて、サーチコンソールのデータが統合表示されます。

下の例では、赤枠の「集客」の部分がサーチコンソールのデータ、青枠の「行動」の部分がアナリティクスのデータです。

サーチコンソールとアナリティクスの統合表示

留意点として、サーチコンソールのデータとアナリティクスのデータが一致しない場合があります。これは、二つのシステムがデータ収集する方法が異なるためです。詳しくは、「Search Console のデータと Google アナリティクスのデータが一致しない理由」を参照ください。

統合表示画面から、特定のページをクリックすると、そのページの訪問者がどのような検索クエリで訪れたのかを調べることができます。

特定ページの検索クエリ

2. 検索エンジンへの登録


ブログを更新して記事を公開したあと、そのページ(ブログ記事)がGoogle検索エンジンに認識してもらっているかどうかの簡単な確認方法は、ブラウザでページのURLを

site:example.com

と入力すれば確認できます。

登録されていない場合、Googleの検索エンジンが当該ページを強制的にクロールして員でインデックス登録してもらうためには、Fetch as Googleを実行する必要があります。

Fetch as Google は旧サーチコンソール画面から実行できます。

Fetch as Google

画面メッセージのとおり、2019年3月28日以降は利用できなくなり、代替手段としては、サーチコンソールのURL検査を使うことになります。

サーチコンソールのURL検査では、登録確認のURLを入力して、ページがGoogle検索エンジンに登録済みかどうか確認できます。

URL検査結果(登録完了前)

「登録なし」の場合、「インデックス登録をリクエスト」ボタンを押して、Googleに登録リクエストを出す必要があります。

インデックス登録をリクエスト

リクエストをした後、数分(場合によって異なる)後に再度URL検査を行うことで、登録の完了を確認することができます。

URL検査結果(登録完了後)

何らかの理由で登録されない場合は、右上の「公開URLをテスト」を押します。テスト結果内容に従って問題を修正後、以下のように「URLはGoogleに登録できます」というメッセージが出れば、Google登録が可能になります。

「公開URLをテスト」の結果

3. 検索クエリ


サーチコンソールの検索クエリは、「検索パフォーマンス」の画面で表示されます。

指標は「表示回数」「クリック数」(ページアクセス前のデータ)の2種類です。Googleの検索エンジンからどういったキーワードで調べられたときに自身のサイトが検索結果に表示されているか等の情報が分かります。

サーチコンソールの検索クエリ

サーチコンソールだけでは2種類だけの指標ですが、サーチコンソールとアナリティクスを連携させることで、検索クエリに関する統合的な指標の分析が可能となります。

実は、以前はアナリティクスのツールだけでも「検索クエリ」を見ることができたそうです。しかし、「検索クエリをチェックしてSEO・リスティング広告に活かす方法を解説!」によると、近年Googleは検索ユーザーのプライバシー保護の点から通信をSSL化した結果、アナリティクスでは検索クエリは not provided (=取得不可能) と表示されてしまうようになりました。そこで、すべての検索クエリをみることができるサーチコンソールとの連携が必要になったというわけです。

サーチコンソールと連携後、アナリティクスで「行動」>「Search Console」>「検索クエリ」で、サーチコンソールで得られる「表示回数」「クリック数」に加えて、「クリック率」「平均掲載順位」の4種類が表示されます。

アナリティクスの検索クエリ

クリック率」は、クリックスルーレート(CTR:Click Through Rate) とも呼ばれ、

クリック率 = コンテンツのクリック数 ÷ インプレッション数×100

で導き出されます。

クリック率は、Google AdSenseによる収益性を高めようとするときに重要な指標です。クリック率を上げるためには、タイトルやキーワードを見直す、広告の配置を最適化するなどの方策が有効です。

平均掲載順位」というのは、特定の検索クエリに対するウェブサイト(GoogleやYahooなど)の平均掲載順位です。順位が高いほど検索エンジンで上位に表示されます。逆に、少なくとも10位以内に入らないとクリックはほとんどされません。

平均掲載順位でソートすると、自分のウェブサイトに訪問するユーザーが、どのようなキーワードで来るのかがはっきりとわかるため、サイト運営のためには非常に有用な情報を得られます。

4. キーワードプランナーの活用


世の中のユーザーの検索クエリを調べたいときは、キーワードプランナーを活用します。キーワードプランナーとは、Google広告にログインし、「ツール」>「プランニング」>「キーワードプランナー」の順にクリックします。

例えば、Google広告のキーワード候補で「bd iso」を検索すると、以下のような結果が得られます。

Google広告の「キーワードプランナー」

キーワードプランナーでは、月間平均検索ボリューム、競合性、ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯/高額帯)を確認できます。

bd isoのキーワードでは、月間平均検索ボリュームが最大1,000と少ないのですが、月間平均検索ボリュームが10,000以上とより多く、同時に競合性が低いキーワード(例えばWindows10 iso 書込み)といった候補を調べることができます。

5. 「モニオの部屋」の分析


「モニオの部屋」の検索クエリを分析すると、kodiやisoというクエリが大半を占めています。

「kodi iso」の組み合わせでは、平均掲載順位は1位になっています。

試しにGoogle検索で「kodi iso」と入力すると、モニオの部屋のページが1番上に表示されました。

「kodi iso」の検索結果

検索クエリでは、平均掲載順位が高く、かつクリック数の多いものが、ページのなかでは最も人気があるものとなるので、その検索クエリに関連する記事を増やしたり、現在のページをリライトして質を高めるという施策が効果的です。

前述したキーワードプランナーを参考にして、ブログのタイトルや文章内のキーワードを最適化することができます。

ただし、ブログのタイトル変更については、慎重に行う必要があります。

「記事タイトルの変更は検索順位がガクーンと下がる!?」によると、記事タイトルを1回変更した程度では、ブログがペナルティを受けるようなことはありませんが、頻繁に記事タイトルを変更すると、Google検索の評価が下がる要因になるそうです。

記事タイトルを付けるときにはじっくり考えるのが重要で、それでも何らかの理由で記事タイトルを変更するのであれば、記事を投稿してから日の浅いものに限定するのが良いと思います。

以上、個人ブロガー向けGoogleアナリティクスによるアクセス分析② - 検索クエリでした。

アナリティクスとキーワードプランナーの両ツールを活用し、検索クエリの結果を分析することで、検索されやすいキーワードを抽出することができます。

ブログ記事のタイトルや記事内に適切なキーワードを使うことで、ユーザーに記事を見つけてもらいやすくなります。

【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方。。。以下のとおり順次連載記事にしています。

【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方① - 直帰率と平均ページ滞在時間 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方② - 検索クエリ 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方③ - スクロール量 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方④ - アフィリエイト 【ブログ初心者向け】Googleアナリティクスの使い方⑤ - カスタムレポート

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