ソウルでシェアサイクル
ソウル往復で搭乗したエアソウルの機内誌「YOUR SEOUL」に、旅行者でも気軽に走れるソウル市内の4つのサイクリングコースの紹介記事が載っていたのがきっかけでした。
機内誌「YOUR SEOUL」のサイクリング記事
1. 盤浦大橋ー麻浦大橋(約16.4km)
2. 中浪川ー蚕室鉄橋(約10.1km)
(以下機内誌より転用)
1. 盤浦大橋ー漢江鉄橋ー汝矣島漢江公園ー二村漢江公園ー麻浦大橋(約16.4km)
ソウルには漢江(ハンガン)を中心とした韓国で最長、最高度のサイクリングロードがあります。時間に余裕のある場合は、ソウルで一度ペダルをこいでみるのはいかがでしょうか。ソウル市公共自転車に乗ってサイクリングを気軽に楽しんでみましょう。
盤浦(パンポ)大橋から朝浦(マポ)大橋までは緩やかな道が続いているので、快適なライディングを楽しむことができます。サイクリングロードに沿ってピカピカに磨かれた自転車のペダルをこげば、漢江ビューがパノラマのように広がっていきます。
電車が行き来する色あせた緑色の鉄橋の下を通る時は、誰でもなぜかノスタルジックな気持ちになるかもしれません。
もう少し進むと63ビルと汝矣島漢江(ヨイドハンガン)公園に到着です。1985年に建てられた63ビルは韓国初の超高層ビルで、未だその存在感を誇ってそびえ立っています。
すぐとなりの汝矣島漢江公園ではしばし自転車を置いて、そのまま余裕を満喫してもいいでしょう。
3. 景福宮ー光化門(約3.2km)
4. 弘済川ー仏光川(約14.0km)
早速、記事に載っていたソウル市公共自転車タルンイ Seaul Bikeのサイト(www.bikeseoul.com)にアクセスしてみます(スマホ用の専用アプリはありません)。
Seaul Bikeのサイト
ウェブサイトは、ハングル語以外にも、日本語、英語、中国語で運営されています。左上の「日本語」を選択すると、利用手続き確認のサイトに遷移します。
利用手続き確認
左のメニューから「利用券を購入する」を選択します。
利用券の購入
利用料金は1時間1000ウォン、2時間2000ウォン、1日は5000ウォンです。1ウォンが約0.1円なので、日本円換算で、1時間100円、2時間200円、1日500円と格安ですね。
以前は必要だったデポジットも現在は不要です。
クレジットカード番号を入力して決済すると、8桁の貸与番号が表示されます。この貸与番号は自転車を借りるときに必要なので、メモに記録するか、スクショするなどして忘れないようにしましょう。
決済が完了すると、登録したメールアドレスに決済完了のメール通知が届きます。
8桁の貸与番号は、登録したメールアドレスにも通知が来ないので、忘れてしまうと結構面倒なことになりますのでくれぐれも気を付けてください。
シェアサイクルの準備ができたら、次は貸与所を探します。
自転車の貸与所は、ソウル市内1528ヶ所(2019年3月現在)もあり、さらに拡大中とのことです。貸与所の場所と貸与可能な自転車の割合は、メニューの「貸与所確認」から地図で探すことができます。
貸与所の地図表示
地図は韓国語しか対応していないので、他の地図と対比して場所を確認するのが良いと思います。
ちなみに、ソウルでは、Google Mapは韓国語表示しかなく、目的地検索も電車しか対応しておらず、徒歩や車でのルート検索には非対応なので注意が必要です(2019年4月現在)。
韓国では、Google Mapよりも、KONESTという韓国地図サイトが日本語対応しており、iPhoneアプリもあって使い勝手がとても良いです。
KONEST韓国地図
KONESTアプリ
ソウルで滞在したホテル(ibis ambassador seoul insadong)から徒歩3分のところに、シェアサイクルの自転車貸与所がありました。
自転車貸与所
どの自転車を借りてもOKですが、念のためタイヤに空気がしっかり入っている自転車を選びます。
自転車は韓国メーカーのaltonというブランドのワンサイズです。サドルの高さ調整も工具なしで簡単にできるので、乗り始める前に確認するのが良いでしょう。
ギアは3段のグリップシフトになっているので、ほとんどの坂道も問題なく上ることができます。
シェアサイクルは、通勤用にも多く使われているようで、私が借りたのは朝9時前でしたが、昼には同じ場所の貸与所は自転車がほとんど出払っていました。
出払った自転車貸与所(上の写真と同じ場所)
タッチパネル下部の緑色の電源ボタンを押すと、画面が表示されます。
タッチパネル
Foreign Touristと書いてある画面の上部をタッチすると、暗証番号入力画面になるので、先ほどの貸与番号の前半4桁を入力します。
貸与番号を入力
前半4桁に続いて後半4桁を入力すると、貸出状態になります。
タッチパネル右横のロック(平たいプラスチック状のパーツ)を矢印の方向に引っ張ると、ロックが外れて自転車を動かすことができます。
「レンタサイクル(ソウル自転車「タルンイ」)」というサイトには、日本語で詳しい貸出し手順が書いてあります。
さて、いよいよ市内を自転車で走ります!
ソウルは日本と違って右側通行です。
車道
市内を走ってしばらくすると気が付くのですが、ソウルは驚くほど自転車が少ないです。というか、このシェアサイクル以外にほとんど見かけません。。。
横断歩道
日本と比較すると、車道の自転車レーンは明記されているし、歩道にも自転車レーンはしっかりと確保されています。
歩道
歩道と自転車レーンが並行している場合は、右側が自転車レーンです。
しかし、車道の自転車専用レーンは、ほとんどの場合、路線バス(ソウルは路線バスが東京以上に多いです)に道を塞がれてしまうので、走りにくいです。
自転車レーン沿いだと、直進したくても右折を余儀なくされ、挙句の果てには高速道路に突入なんてケースもありました。。。
また、ソウルの自動車は結構乱暴な運転が多く、クラクションも頻繁に鳴らすので、車道を走るのはあまり安全ではありません。
さらに、車道と歩道の間は、大きな段差があり、横断歩道から歩道に入る場合でも、段差がない場所が非常に狭く限られているので、なかなか快適に走るという感じにはいきません。
それでも、見知らぬ旅先で自転車に乗って自由気ままに巡るのは爽快そのものです。
ソウル市内(仁寺洞)
鍾路タワー
ロッテ百貨店(開店前)
ソウル駅前
今回は、ホテルのある仁寺洞から、ソウルの東西に流れる漢江(ハンガン)のサイクリングロードまで出かけました。
ソウル市内は、とにかく坂が多いです!
仁寺洞から南下すると、有名なNソウルタワーのある南山(ナムサン)という262mの小山があります。山を貫くトンネルは車専用なので自転車は通れません。
南山
南山を避けて漢江に行くには国道で迂回します。
戦争記念館
迫力満点の戦争記念館を通って南下すると、やがて漢江のサイクリングコースに辿り着きます。
街中からサイクリングロードへ
漢江沿いのサイクリングロード
漢江沿いのサイクリングロードのコンディションはハッキリ言って最高レベルです!
都内近郊のショボい(名前だけの)サイクリングロードとは次元が違います。通行人の歩道とは完全に隔離されているので、全く安全に走ることができるし、何と言っても道路のコンディションが最高です。コース沿いには桜の花をはじめ季節の草木が植え揃えてありました。
サイクリングロードの走行
サイクリングロード沿いには、エクササイズ用のトレーニングギアが揃っている公園のような場所もあり、ここらへんは、オーストラリアのケアンズの海沿いのサイクリングコースに似ています。
対岸(江南)のビル群
サイクリングロードには、街中と違ってたくさんの自転車が走っていました。クロスバイク、ロードバイク、なかにはタンデムバイクもちらほらと。
韓国で面白いと思ったのは、バイク乗りが皆、フェイスマスクとヘルメットで顔を完全に覆っていることでした。それほど寒くもない季節なのに、黄砂を気にしているのでしょうか。。。
銅雀大橋
また、いくつかのバイクは、音楽を鳴らしながら走っていました。これも日本ではなかなか見かけないスタイルです。
盤浦大橋と漢江大橋の間には、レンタサイクル店もあり、ここではタンデムの自転車も貸し出していました。
天気にも恵まれて素晴らしいライドを楽しむことができました。
漢江大橋
漢江大橋で、エレベータに乗って車道のレベルまで上ります。
ここからは再び車道に戻って市内を走ります。
ソウル市公共自転車タルンイは市内の至る所に見かけました。
ちなみに、自転車を置いて離れるときは、防犯上チェーンを付けます。チェーンは、タッチパネルの左側にあるので、それを抜き取ってぐるぐる巻きにしてあるワイヤを外して利用します。
チェーンの使い方
チェーンの紐
チェーンの紐の長さはだいたい1mくらいあるので、近くの支柱に巻き付けることができます。
チェーンのロック
チェーンは自転車を借りたときに外したロックのホルダー部に収まるようにします。カチッとロックされます。
ロックを外すときは、タッチパネルを起動して、貸与番号を入力します。
自転車の返却は、シェアサイクルの空き場所に戻して、元のようにロックをかけると、タッチパネルに表示が出ます。
返却時の画面
返却完了の画面
何やら韓国語でメッセージが流れますが、返却画面が表示されれば確実に返却処理がされたことになります。
今回はホテルのある仁寺洞から漢江沿いのサイクリングコースを盤浦大橋から漢江大橋まで満喫して、その後鍾路のBBQチキンまで戻り、半日で22kmのコースになりました。
ソウル市内をサイクリングして、地下鉄やバスでは気付かない路地の雰囲気や、思わぬ出会いがあって楽しいです。
幹線道路沿いの歩道の道幅は東京よりも広く快適ですが、坂道が非常に多いのでコース取りを上手くしないと大変です。
Google Mapは使えませんが、KONEST地図アプリのルート検索機能を使えば何とか目的地に辿り着けると思います。
今回はたまたま行きの飛行機の機内誌を読んで突然思い立ったサイクリングでしたが、次回は事前にしっかり準備をして(ロードバイクで)挑戦したいと思います。
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