最後まで釣られずに残っていた警戒心の強い一匹を、娘がもらってきたのでした。
ガジュマルの木をセットした水槽のなかで飼育するうちに、脱皮や貝殻の引っ越しを繰り返して、今は立派な中サイズのオカヤドカリに成長しました。
オカヤドカリ
オカヤドカリは、神経質な生き物で、すぐに殻にこもってしまうのですが、陰からそーっと観察していると、触覚をピクピク動かして突き出した両眼をキョロキョロさせながら歩き回る姿は実にユーモラスで愛嬌があります。
オカヤドカリを育てると、自然についていろいろな大事なことに気付かされます。以下はそのオカヤドカリの成長と、2019年の夏で3シーズン目に入った成長の記録です。
今日のオカヤドカリ(随時更新中)
レタスを食事中、ハサミを使って器用に口に運んでいます(2021/04/22)
1. オカヤドカリ釣り
オカヤドカリを飼うようになったのは、2017年7月23日、駒沢にある国際動物専門学校のどうぶつ祭(学園祭)のオカヤドカリ釣りでした。
国際動物専門学校のどうぶつ祭(学園祭)
オカヤドカリ釣りは、割りばしに紐を垂らして、その先にクリップをつけたもので、オカヤドカリがクリップにしがみついたら、慎重に引き上げてお椀に入れるというものでした。
オカヤドカリ釣り
オカヤドカリ釣りは大人気で、用意していた生体は学園祭初日で全部釣られてしまったそうです。
娘が釣りを始めたときは、もう数匹しか残っていなかったのですが、とうとう最後に残った1匹のオカヤドカリを釣り上げることができず、15:00の店じまいになったので、特別に頂いてきたのです。
それだけ警戒心の強い個体だったというわけです。
2. オカヤドカリとは
オカヤドカリは、実は天然記念物です。が、個体数が非常に多く絶滅の危機の可能性は低いので、観賞魚販売業者などを通じて主にペットとして購入することができます。
今回のようにイベントで無料配布されるオカヤドカリも、ペットとして飼う事は問題ありません。
そして、オカヤドカリの寿命は、室内飼育でも10年以上で、野生の場合は25-30年にもなるそうです。
オカヤドカリの一生は、こちらの「オカヤドカリの繁殖」から引用します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夏になると、生息地の浜辺は、放幼にやってきた多くのオカヤドカリたちで賑わいます。
成熟した卵を抱えたメスは、波打ち際から海に入り幼生(ゾエア)を放ちます。
オカヤドカリの誕生です。
海中でプランクトンとして育ったゾエアは、5回目の脱皮でグラウコトエに変態して岸をめざします。
岸近くに戻って来たグラウコトエは、小さな貝殻を背負って上陸し、波打ち際近くのゴミの下などで脱皮して稚ヤドカリになります。
陸上での暮らしをはじめた仔ヤドカリは2年で成体になり、天敵に捕まったり車に轢かれたりしない限り、10年以上生き続けて毎年夏には海へと幼生を放ちます。
これが、オカヤドカリの一生です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、今回オカヤドカリ釣りでもらってきたものは、海で生まれて陸上に上がってきた2歳くらいの生体ということになります。
こうしてオカヤドカリについて調べてみると、なかなか興味深い生き物ですね。
3. 飼育スタート
帰宅してさっそく、水槽のなかに砂利を敷き詰めて、サザエの貝殻や木材のボード、観葉ミニ植物など、オカヤドカリが何となく好みそうなアイテムを配置しました。大抵のアイテムはアマゾンで揃いますが、100均で入手できるものもあります。
水槽のなかの敷砂利は、「マルカン ヤドカリのリラックスサンドお徳用 2.5kg YD-30」を購入。これは100%天然サンゴ砂なので、適度な粗さでなかなか良いです。
そして、水分補給が必要だということで、プラスチックの容器に水を貯めたものをセット。塩水はほんの少量、ペットボトルのキャップに入れてセットしました。
水槽の飼育セット
ヤドカリは雑食なので、人間の食べ残しなど何でも食べるのですが、結構好き嫌いが激しく、しかも小食です。
うちのオカヤドカリの好物は、ポップコーンです。
市販のヤドカリ用のエサも買いました。マルカン ヤドカリの主食 YD-83です。
このエサは、ポップコーンに各種の栄養エキスを配合したものですが、市販のポップコーンで十分だと思い、終わったあとは買い足しすることはありませんでした。
ヤドカリは、殻の内部に少量の水を貯めていて、エラ呼吸をしています。
この少量の水がなくなると、死んでしまうので、水分は常に補給できるようにセットしておく必要があります。
海水に棲む生き物なので、海水と同じ塩分濃度の水が必要なのですが、濃すぎても、薄すぎてもダメということで、結構面倒です。
水槽は玄関内のシューズボックスの上、しばらくはこの環境で育てました。
湿度を適度に保つため、毎朝霧吹きでシュッシュッと水槽の内部を濡らしておく必要があります。
オカヤドカリは高い場所に登るのが好きだということで、白いジャングルジムアーチを設けました。
果たして、夜中にそーっと覗いてみると。。。
白いアーチを頑張って登っていました!
よく観察してみると、白いアーチ程度の高さでは満足しておらず、水槽の側面に何とか脚掛かりを探しながら、ボルダリングの如く水槽の外への脱出を試みているようです。
そこで、水槽の外への脱出は防ぐ必要がありますが、もう少し高い場所まで登って満足できるよう、水槽内に茶色のボックスを入れてあげました。
すると、早速このボックスの上部に登って、その縁を器用に渡るようになりました。
ボックスの縁を渡ります
4. ガジュマルの樹
オカヤドカリを飼育してから1か月が経過。8月中旬になりました。ネットで検索すると、オカヤドカリは、ガジュマルの樹に登るのが大好きだということで、ガジュマルの樹を100均で探すことに。
しかし、どの100均でもガジュマルの樹を見つけることができませんでした。季節もののようで、この時期には流通していないようです。。。
そこで、近所の園芸店にガジュマルを注文して、ようやく入手することができました。一鉢600円。
さっそくオカヤドカリはガジュマルの樹に登り始めました!
水槽内もなんかいい感じに落ち着きました。
オカヤドカリは成長に合わせて貝殻を引っ越しするということで、宿替え用の「マルカン ナチュラルシェル M YD-76」を購入して、貝殻を水槽のなかに入れておきました。
宿替え用の貝殻
また、貝殻の引っ越し(宿替え)の際は、砂に深く潜ることもあるということで、「マルカン ヤドカリのリラックスサンドお徳用 2.5kg YD-30」の敷砂利を追加購入し、ヤドカリの高さの2倍くらいは潜れるように改善しました。
これで果たして引っ越しをするのでしょうか。。。??
敷砂利を追加投入
水やりの容器は、ハマグリの貝殻(写真の水槽のなかの左手前)を使うようにして雰囲気を出しました。ここにドボドボと水を定期的に入れてやります。
このハマグリプールはオカヤドカリもお気に入りなのか、たまに下のように水に浸かっている姿を見かけました。
ハマグリプール
これでようやく、オカヤドカリ飼育の環境が完成!
当初は警戒心がとても強く、大人しかったオカヤドカリもだんだん活発に行動するようになりました。
ガジュマルとオカヤドカリ
オカヤドカリはガジュマルの樹に登るだけでなく、食用としてガジュマルの葉を食べるようです。
飼育を始めて3カ月ほど
こうして、オカヤドカリはすっかり新しい環境に馴染んだようです。
5. 越冬
ガジュマルの樹はオカヤドカリに食べられているのか、徐々に葉を減らしてしまい、いつの間にか下の写真のようにスカスカに。。。
ガジュマルの葉がスカスカに
季節は12月の冬になりました。
オカヤドカリは、寒さには弱い生き物です。ネットで検索すると、冬の時期はヒーターを設置して暖めてやる必要があるとのこと。
拙宅は、幸いにもエアロテックという全館空調システムで、冬場でも家の中はどこでも常温(だいたい18℃くらい)の暖かさです。なので個別のヒーターは不要でした。
それでも、やはりオカヤドカリにとっては、冬の季節は寒いようで、頻繁に砂のなかに潜るようになりました。
砂に潜るオカヤドカリ
高い場所は相変わらず好みのようで、スカスカになったガジュマルの樹でもてっぺんまで登って器用にそこで休息しています。
ガジュマルの樹の上
やがて、ガジュマルの樹はほとんど枯れてしまいました。
6. ガジュマル交換
4月になり暖かい季節になりました。オカヤドカリは相変わらず砂に潜っている時間が長く、動きも緩慢です。
たまには相手をしてやろう?ということで、水槽から出して洗面台に置いてやると、あたふたと動き出しました。
少し大きくなったか?
5月になり、フラリと立ち寄った100均で、なんとガジュマルの樹が大量に売っているのを発見!
ガジュマルが100均に!
早速購入して、水槽に入れました。
これで再び新鮮なガジュマルの環境に!
ちなみに葉を食べ尽くされた枯れたガジュマルは、メネデールという活力剤を投入すると、再び元気になりました。
100均ではガジュマルと一緒に売っていたクロトン、ベベロミア、カボックという他の植物も試してみました。
いろいろな観葉植物を試しましたが、オカヤドカリが選んで登るのは圧倒的にガジュマルでした。やはりガジュマルが一番のお気に入りなのですね。
7. 殻の引っ越し
肝心のオカヤドカリは、砂の奥深くに潜ったままです。が、良く観察するとガリガリと動いて何かしているような。。。
砂に潜ったオカヤドカリ
何やら動いています
そして、2018年6月6日の朝、何となく水槽を覗くと。。。
殻が!
なななんと、いつの間にか新しい白い大きい殻に引っ越しを済ませているではないですか!
手に取ってしばらく静かにしていると、自分から殻からニョッキリと出てきて周囲をチェックします。
以前の殻は確かに窮屈そうだったので、大きな家に引っ越ししてリラックスしている様子です。
8. オカヤドカリが4匹に
季節は廻り、オカヤドカリが家にやってきてからちょうど1年が経ちました。ということは。。。再び、あのオカヤドカリ釣りができる国際動物専門学校の動物祭(学園祭)の時期に!
で、さっそく訪問。オカヤドカリ釣りのコーナーに直行(≧∇≦)
今年は去年と違ってまだまだたくさん残っています。
オカヤドカリ釣り放題(≧∇≦)
オカヤドカリ釣り
娘は昨年の雪辱を晴らして見事に釣り上げました!
見事にゲット!
妻と私も1匹ずつ釣ったので、合計3匹をもらって持ち帰りました。
新入り
1匹を飼っていた水槽にいきなり4匹はどうか。。。と心配でしたが、他に大きな容器もないので、しばらく我慢してもらうことにしました。
4匹のオカヤドカリ
3匹のうち2匹は、一年前にもらってきたオカヤドカリと個体の大きさはほぼ同じくらい。最初に釣れたくらいだから、あまり用心深い性格ではなく、神経質そうに水槽のなかをウロウロしています。
もう1匹は、かなり小さいサイズです。こちらは臆病者でさっさと砂に潜ってしまい、あまり表面に出てきません。
新しい殻に引っ越しをした古株の大将は、この1年ですっかり度胸が座ったのか、新入りが乗っかってこようが何をしようが、まるで動じません。
逆に、新入りの上を堂々と乗り越えたり、ガジュマルの上にいる新入りをどけて自分が居座ったりと、観察しているとなかなか面白いです。
しかし、新入りの2匹は食欲旺盛で、ポップコーンをあげたら、大喜びで、片手でポップコーンを掴み、もう一方の手のハサミを使って器用にポップコーンをちぎって食べていました。
1ヶ月が経ちました。
そして。。。ガジュマルはあっという間に葉が食べ尽くされてしまいこんな無残な状況に。
夏の時期は100均でもガジュマルを売っているので、次々と補充をします。
そして。。。9月に入って、サザエの大きな殻を投入したところ、何やら物色を始めました。。。
サザエの殻を物色
引っ越ししたばかりだから、まさか、とは思いましたが、何とあっさりとこちらのサザエの殻に引っ越しをしていました!
面白いことに、このサザエの殻は結構重たくて大きかったのか、数日後には再び白い元の殻に出戻りしていました。
その後も、カラフルな細い殻を選んでみたり、いろいろと試したようですが、結局元の白い殻に。。。
オカヤドカリって結構自由自在に引っ越しができるものなのですね。
ちなみに、オカヤドカリは水槽のガラスの側面を登ることはもちろんできないのですが、水槽のひび割れの部分に脚を入れて器用に登ることはできます。
下の写真は、そんなひび割れを辿って、かなり上のほうまで脱出を試みている現場です。オカヤドカリの脱出への執念は大したものです。
こんな上部まで
9. 新しい飼育環境
こうして4匹のオカヤドカリを飼育が始まり、2019年の1月、再び冬の季節がやってきました。
2017年7月に飼育を始めてから1年6ヶ月が経過。
当初はオカヤドカリのお世話を手伝ってくれていた次女も、すっかり興味が薄れてしまい、今や父親の私が飼育を一手に引き受けています。。。
エサは、相変わらずポップコーンを中心に、食事の残りを少量あげたりしていましたが、どれも食い付きは今イチ、最近は食事をしている場面を目撃することもほとんどなくなりました。
そんなある日。
川崎駅のラゾーナ川崎に入っているユニディホームセンターに立ち寄りました。
川崎のユニディホームセンターの「アクアグリーン館」は、熱帯魚をはじめとした実にさまざまなアイテムを取り扱っており、この地域最大級の売り場面積を誇っています。
そこで、ガジュマルが大量に売られているのを発見!
室内の観葉向けの大型のものから、オカヤドカリの水槽に入る小型のものまでバリエーションも豊富。
ガジュマル
ここにも
ここにも
早速、少し大きめで背の低いガジュマルをゲットしました!
ついでに、ヤドカリ用のグッズのなかに、ヤドカリの水飲み場「ヤドカリオアシス」という製品を発見。
この「ヤドカリオアシス」は、水が自動的に補充される優れモノです。値段も721円(税込)とリーズナブル。アマゾンより安値でした。
このヤドカリオアシスには、汲み置きして塩素を抜いた水を入れて、皿の部分には、「サンコーオカヤドカリ用のミネラルゼリー」を置いておくと、カルシウム・マグネシウムといったミネラル栄養も与えることができるので便利です。
他にも流木の木や、昆虫用の止まり木などを購入して、新しいガジュマルと一緒に水槽のなかに配置しました。
ちょっと狭い感じもしますが、いろいろ隠れ家があったほうが、喧嘩にならずに済むだろうということで。
昆虫用の止まり木を縦に立てかけておくと、ゼリー容器を入れる穴の部分に、オカヤドカリがすっぽりと身を収めたりと、なかなか楽しく活用してくれています。
ガジュマルの葉はいずれ食べ尽くされてしまうのかもしれませんが、冬の季節は食欲もあまり進まないのか、思った以上に葉っぱが残っています。
新しいガジュマルにオカヤドカリも満足そうです。
10. 2回目の殻の引っ越し
2月のある日。古株のオカヤドカリの上に、もう一匹が乗っかっていました。
背中に乗っています
これはもしや、交尾では。。。?
早速調べてみました。
交尾は向かい合って、オスがメスに覆い被さるような体勢で行われます。。。
写真を見ると、うちのはどうやらただ単に乗っかってしまっただけのようでした(≧∇≦)
最初のオカヤドカリは、その後、結局サザエの殻への最終引っ越しを決めたようで、2月下旬にサザエに引っ越した後は、二度と元の白い殻に戻ることはありませんでした。
サザエの殻に最終引っ越し
また、流木の枝には、その股木の部分に、古株のサザエの殻のオカヤドカリがすっぽりと落ち着くらしく、いつ見てもその場所にいるようになりました。
昨日久し振りに水槽の掃除をしました。
雑食といっても、食べ残しが腐るとオカヤドカリの衛生上良くないのは明らかです。
砂は結構汚れます。汚れがヒドイ場合は、砂を新しいものに取り換えても良いと思います。
私は2~3カ月に1度くらいの頻度で、水槽の砂を水で良く洗って、止まり木なども清掃しています。
水槽の掃除
すると。。。
大変残念なことに、しばらく姿を見かけないと思っていた一番小さいオカヤドカリの殻が、なんとガジュマルの根っこの下から出てきました。。。
殻の中身にはオカヤドカリはおらず。文字通りもぬけの殻。
おそらく、脱皮をする最中に失敗してしまい、本体は仲間に食べられてしまったか、残飯と一緒に処分してしまったものと思われます。
やはりオカヤドカリにとって引越しや脱皮は、命懸けなのですね。
殻は庭に埋葬してあげました。
11. 3シーズン目に突入
最初にオカヤドカリをもらってきてからまる2年が経過。この夏で3シーズン目となります。
下の写真は2019年7月13日に撮影したものです。
宿に使っていた殻を比較してみました。
殻の大きさ比較
右は中身入り(≧∇≦)撮影の途中で我慢できず動き出してしまいました。
幸いにも拙宅の環境に慣れてくれたのか、順調に育っています。
上手く飼えば10~15年生きるそうなので、あと何年くらいの付き合いになるのか。。。犬や猫といったペットとの付き合う期間とだいたい同じくらいですね。
オカヤドカリは、乱獲と共に、生息地の無秩序な開発によって、日々その数を減らしているそうで、大変残念なことです。
そういえば、昔家族で石垣島に旅行に行った時も、オカヤドカリを捕まえて遊んでいるうちに、捕まえたオカヤドカリを入れたビニール袋をレンタル自転車のかごの中に入れたまま忘れてしまったことがありました。
レンタル自転車の業者が気付いて、放していてくれれば良いのですが。。。
そんなことも、オカヤドカリを飼っていると、小さな命の大切さに改めて気付かされます。
オカヤドカリたちとはこれからも長い付き合いになりそうです。
(2019年9月9日追記)
ここ数か月、土に潜ってほとんど活動しなかったオカヤドカリを、水槽を掃除したときに掘り起こしました。
すると。。。元気になって、いろいろと活動的に!
今日はクリームシチューを小さな容器に入れてセットしたところ、さっそく召し上がっていました。クリームシチュー好きはお気に入りのようです。
ハサミですくって口に運ぶ様子は、とても微笑ましいものがあります。
オカヤドカリがクリームシチューを食べる様子
12. 交尾
(2020年5月24日追記)2匹のオカヤドカリがしばらくの間行方不明になっていたので、土を掘り起こしたところ、2匹の脚が絡まった形で埋まっているのを見つけました。
2匹のオカヤドカリ
脚が絡まっている状態で、2匹ともモゾモゾと動いています。
様子がなんかおかしいです。
いつもならば、少しでもいじるとすぐに脚を殻に引っ込めるのですが、引き離そうとしても脚で踏ん張って離れようとしません。。。
どうやらオスがメスの上に乗っかって交尾をしているか、もしくは、殻の奪い合いをしているのか。。。
オカヤドカリの交尾
2匹を引き離して砂の上に置いたところ、オスがメスを猛烈な勢いで追いかけてまた乗っかりました。
オスがメスを追う
オカヤドカリの交尾について調べてみました。以下こちらのサイトからの引用を含みます。
交尾は向かい合って、オスがメスに覆い被さるような体勢で行われるとのこと。
オカヤドカリの繁殖期は5月ごろで、複数で飼育していると自然とペアリングします。
ペアリング後、メスはいったん卵を殻の中に産み付けます。しばらくメスは卵を抱えたまま生活しています。
孵化までに30日程度かかるのですが、孵化するタイミングで海水が入った容器を用意します。
海水が入った容器はエアレーションのみ行い、28度前後に水温を保ちます。
卵が孵化するタイミングでメスが容器に入って幼生を放せば繁殖成功です。
(引用おわり)
産卵は、卵を抱えたメスが卵が孵化する瞬間に海に戻り、海水に浸かると卵の殻が破れ、中から子どもが出てくるということです(NHKのサイト参照)。
早速、水飲み場「ヤドカリオアシス」に塩を加えて海水と同じ濃度にしました。
ちなみに海水の塩分濃度の基準値は3.4%。 これは、海水100gの中に塩が3.4g含まれている割合です。
そしてしばらく放置しておきました。
しばらく経って様子を見ると、2匹は再び交尾を続けていました、それも水飲み場「ヤドカリオアシス」に移動して!
オカヤドカリの子供(ゾエア幼生)はプランクトンのような姿をしており、非常に小さいため飼育が難しく、飼育下での繁殖はなかなか成功しないということですが、こうして生命の神秘を垣間見ることができました。
13. 脱皮
(2020年10月23日追記)
小さな方のオカヤドカリがしばらくの間行方不明になっていたので、土を掘り起こしたところ、ガジュマルの鉢の土のなかから、なんと、脱皮した抜け殻と、元の殻に戻ったヤドカリを掘り起こしました。
小さな方のオカヤドカリがしばらくの間行方不明になっていたので、土を掘り起こしたところ、ガジュマルの鉢の土のなかから、なんと、脱皮した抜け殻と、元の殻に戻ったヤドカリを掘り起こしました。
脱皮した抜け殻
脱皮後のオカヤドカリ(写真の上)は殻に収まっていますが、まだ体全体が白っぽい感じでした。
(2020年11月21日追記)
今度は大きな方のオカヤドカリ(飼育4年目)が2週間ほど行方不明になっていたので、土を掘り起こしたところ、ガジュマルの鉢の土のなかに隠れていました。
今度は大きな方のオカヤドカリ(飼育4年目)が2週間ほど行方不明になっていたので、土を掘り起こしたところ、ガジュマルの鉢の土のなかに隠れていました。
ところが何だか様子が変です。。。
いつもはピッタリと閉じている殻の入り口のハサミと脚がブラブラしていて、手で触ってもグラグラと動かせる状態になってしまっています。
手で触っても動かせてしまう。
これはもう死んでしまったと確信しましたが、念のため砂の上に置いて様子を見ることに。
その夜。。。
いつの間に殻から完全に出してしまって、グッタリとしています。
生きていて良かったが、これは相当弱っているのでは??
数時間経過して見に行くと、何も変わっていません。
そーーーっと殻を動かしてみました。
すると!!!
あろうことか、殻から身体本体があっさりと離脱してしまいました。
完全に死んでしまったようです。
で、殻の中身を覗いてみると。。。
そこには、なんと、脱皮したばかりの新しい身体があるではないですか!!!
これには腰を抜かすほど驚きました!!
オカヤドカリの脱皮を見るのは初めてではありませんが、4年目の大きな個体となると、抜け殻があまりに本体と同じリアルで、脱皮で連想するような薄い表皮などとはまるで違います。
抜け殻
数日後、すっかり脱皮を終えた形で元気な姿を見せてくれました。身体は脱皮したてのせいか、やや白く透き通っているような感じでキレイです。
手に持って数分待っていたら、殻から出てきました!
いやーしかし自然の力ってほんとスゴイですね。。。神秘的というか、何というか、感激してしまいました。
(2021年2月5日追記)
我が家にオカヤドカリがやってきて4年目に突入しました。
寒い冬の間は活発には動きませんが、夜中にこっそり覗いてみると、結構アクティブに木の上を動いていました。
14. 日光浴は厳禁
(2021年6月16日追記)
2021年の6月は、まだ梅雨入り前というのに、30度近い真夏日が続きました。
5月くらいから、オカヤドカリの水槽を毎日バルコニーに出して、日光浴をさせてやっていたのですが、6月9日に事件が起きてしまいます。
その日は、午前中から水槽をバルコニーに出していたのですが、昼過ぎに様子を見たところ、オカヤドカリが大変なことに!!
写真の通り、宿からほぼ全身を出してしまい、グッタリしているではないですか!
この日は最高気温が31.1℃の真夏日だったのです。
おそらく暑さにやられてしまったようです。
慌てて、宿に水をかけて冷やして、本体も水飲み場に移してやりました。
しかし。。。
すっかり衰弱し切ってしまい、ほとんど動くことさえできません。
ネットで調べたところ、オカヤドカリが宿の殻を(脱皮以外の理由で)抜け出してしまうのは、体力が著しく弱って宿を背負うことができなくなった場合とわかりました。
急いで水槽をバルコニーから室内に戻して、暗い場所に安置して様子を見ることに。
しかし。。。
殻に戻ったオカヤドカリはまったく動こうとする素振りもありません。
いろいろいじくるのは逆効果だと思い、そのままそっと放置しておくことにしました。
翌日
昨晩と全く同じ場所から動いていません。
翌々日
昨晩と全く同じ場所から動いていません。
3日目
昨晩と全く同じ場所から動いていません。
さすがに少し触って様子をみたところ、かすかに脚が動いたような気がしました。
これはもはや死なせてしまったのではと心配でなりませんが、どうしようもありません。
そして。。。
真夏日にさらして衰弱させてしまってからちょうど1週間後の夜中、全く動かないオカヤドカリはさすがにもう死んでしまったのではと思い、思い切って殻の入り口に、蒸留水の水を少したらしてみました。
すると!
殻から。。。用心深く。。。出てきました。。。!
良かったーーー!
いつものように、力強く脚で踏ん張ることもなく、動作も慎重で緩慢ですが、とにかく無事でした!
いろいろ調べてみると。。。
オカヤドカリは常夏の環境で育つので、太陽の直射日光を浴びる必要があると思っていましたが、どうやら、太陽の光を一切浴びなくても飼育上何の問題もないということを知りました。
なので、天気の良い日に日光浴をさせてやる必要はありません。
むしろ、今回の失敗の教訓は、日光浴はメリットどころか、オカヤドカリを死なせてしまうリスクのほうが高いということです。
オカヤドカリは寒さに弱いのと同じくらい、暑さにも弱いのです。
危うくオカヤドカリを殺してしまうところでした。
もうすぐ我が家にやってきてからまる4年を迎えますが、これからも元気に育ってほしいと思います。
(2021年6月16日追記)
なんと、何もしていないのに、前脚とハサミがもげていました。
前足がもげてしまったので、もう自分で食事をすることができません。
動くこともできない状態が続いたので、毎日、ほんの少量の水(蒸留水)を殻の中に垂らしてあげると、ニョッキリ顔を出すことが続いていました。
19日の深夜に様子をみたとき(以下の動画)は、もうかなり衰弱していて、弱々しく体を動かすだけでした。
かなり衰弱してしまった
そして。。。今朝(2021年6月21日)
様子をみたときには、もう何をしても全く動くこともなく、足を触っても何の反応もなくなってしまいました。。。
(2021年6月22日追記)
大変悲しい追記なのですが、ついにオカヤドカリが死んでしまいました。。。それも二匹とも。
原因は、真夏日の日光浴なので、飼い主である私が殺してしまったことになります。
今日、水槽の砂を掘り返したところ、しばらく姿をくらましていた小さいほうのオカヤドカリも、動かない状態で掘り出されました。
二匹ともキレイに洗って、庭の花壇の一角に丁寧に埋葬しました、二匹仲良く。。。
もぎ取れてしまった脚やハサミも一緒に埋葬。
これまでまる4年近く、いろいろと楽しませてくれてどうもありがとう。
自分のミスでこうして死なせてしまったことは、悔やんでも悔やみきれませんが、起きてしまったことは取り返しがつきません。。。
本当は、二匹とも立派に大きく成長した姿を見たかったです。
私のオカヤドカリ育成日記も完結となります。長々と書いた日記にお付き合いいただき有難うございました。
(おわり)
はじめまして。
返信削除レイアウト写真入りの長期間の飼育記録で大変勉強になりました。
三匹飼育とのことですが、水槽のサイズを教えて頂けませんか。
これから飼育すう上での参考にさせて頂きたいです。
ちえろさん、はじめまして。
削除これから飼育されるということで楽しみですね!
縦横高さが40x25x28cmのGEX水槽を使っています。
オカヤドカリは動くときは行動範囲広いので、ちょっと手狭な感じです。
特に高さはたっぷりとあると喜ぶかもしれません(高いところに上る習性があるのと、砂に潜る習性があるので)
ご参考まで。
回答頂きありがとうございます!
削除私もイベントのオカヤドカリ釣りで貰ってきて調べていたのですが、
飼育容器についてはヤドカリの大きさも考慮しないといけなささそうな中、
情報が少なかったので非常に参考になりました!
こんにちは。
返信削除もう少ししたら、オカヤドカリを3匹飼うので、教えていただきたいのですが、オカヤドカリは雑食ということは知っているのですが、食べてはいけない食べ物又は、食べさせた方が良い食べ物はありますか?
こんにちは!
削除オカヤドカリ楽しみですね。
ほとんど何でも食べるし、何日も餌をやらなくても大丈夫なので、飼育しやすいと思いますが、生もののエサで古くなったものははやはり避けたほうが良いと思います(ウチのはエサが古くなると食べなかった)。
固体差があると思いますが、ポップコーンはたいてい大好物でした。あとは、豆腐やハクサイ・キャベツの白くて厚い部分もよく食べました。
エサはあまり気を遣わなくてよいと思いますが、水は毎日新鮮なものに交換すると良いと思います(ウチのは水が古くなったときに元気がなくなったことがありました)。