トライアスロン大会に出場するのは、2015年のアイアンマンジャパン北海道以来、実に4年振りのことでした。
アイアンマン経験者といっても、4年も経つと、トレーニングもろくにせずに体力も体型も様変わりしているので、ショートのトライアスロンだからといって完走の自信は全くありませんでしたが、何とか完走を果たすことができました。
スイムの荒波に揉まれてリタイヤ寸前まで追い込まれましたが、何とかクリア、その後は天気にも恵まれて爽快なバイクコースを堪能することができました。
ランでは想定外の靴擦れに苦しめられましたが、スタンダードディスタンスのBタイプをなんとか完走(4時間13分49秒)、同級生のトラ仲間との念願のレース参戦ということもあり、忘れられない素晴らしい思い出となりました。
また、珠洲の圧倒的に素晴らしい自然と、地元の人々の暖かさと沿道の応援には感動しました。珠洲の皆さん、素晴らしいレース体験を有難うございました。
1. 珠洲トライアスロン大会の概要
珠洲トライアスロン大会は、「トライアスリートが選ぶ人気トライアスロン大会ランキング」(2018年)で堂々の9位、競技歴20年超のベテランがオススメする大会では全国2位という人気を誇っています。
トライアスロン人気大会ランキング(2018年)
コースの特徴は、屈指の透明度を誇る海でのスイムと、厳しい山岳コースであるものの海岸線を走る爽快なバイクコース、そしてフラットで走りやすいランコースです。
2019年の珠洲トライアスロンは記念の第30回でした。正式名称は、「第30回トライアスロン珠洲記念大会」です。
珠洲トライアスロンコース
コースはミドルのAタイプ(スイム2.5km、バイク102.2km、ラン23.3km)と、スタンダードディスタンスのBタイプ(スイム1.5km、バイク51.1km、ラン10.2km)があります。
2019年はAタイプが1,000名、Bタイプが500名のエントリーでした。
コースの名物は、やはり、最大斜度16度と言われている大谷峠越えのバイクコースです。
Bタイプのバイクの獲得標高は約700m。国内のトライアスロン大会のなかでは屈指の山岳コースです。
バイクコース
10km地点で山伏山の峠越え、20km地点で木の裏の峠越え、30km地点で大谷峠の峠越えと3つの峠を越えるコースです。
AタイプのバイクはBタイプのコースを2周回します。
AタイプがBタイプの2倍の人数ということなので、珠洲といえばやはりこのAタイプのミドルコースが代表なのでしょうか。。。
そして、珠洲のもうひとつの名物が、スイムが厳しいことです。
2017年は潮の流れが秒速30cmと非常に速く、Aタイプの17%となる170名以上のリタイヤを出しました(制限時間はかなり余裕があるにも関わらず)。
2018年は悪天候でスイムが中止となり、バイクとランだけに短縮されています。
しかし、珠洲トライアスロンの特徴は、過酷な大会というだけでなく、過酷さと自然の美しさが見事に調和している、トライアスロンの魅力に満ちた大会なのです。
2. 大会前日
選手登録や競技説明会への出席が義務付けられているので、現地には8月23日(土)入りをしました。バイクは飛行機の手荷物として、実質初めて輪行袋にパッキングをしました。飛行機の輪行については先日記事にまとめています。
【ロードバイクの輪行袋】飛行機預入れの無料手荷物サイズ(203㎝) に収めるテクニック
そして、能登空港では地元金沢在住の中高の友人であるAピー(仮名)が車で迎えに来てくれました。
Aピーの長年のトラ仲間であるAモー(仮名)さんも合流して、3名で珠洲に向かいます。
ちなみにAピーはトライアスロン歴25年でフルマラソンサブ3や湘南OWS10kmを平気で完泳できる超人です。
さらに、今回初対面だったAモーさんは、なんと、コナスロット獲得でアイアンマンのWorld Championshipにも出場経験があるという、あのAピーが師匠として崇めている人でした!
AピーもAモーさんも珠洲トライアスロンはこれまで10回以上出場経験がある達人です。
3人のなかでは僕だけごくフツーのトライアスリートですね(≧∇≦)
前日は珠洲の観光名所である見附島や禄剛崎灯台に立ち寄りました。夏休みの土日なのにどこも人が少なくて空いています。
見附島
禄剛崎灯台
禄剛崎全景
禄剛崎は、SUZU MEGURIという観光ガイドのパンフレットの冒頭にも写真が出ていますね。
SUZU MEGURIデジタルパンフレット
しかし、地平線のどこまでも透き通るような、本当に美しい日本海です。。。
観光の後、バイクコースの下見をしてきました。
珠洲市内は、瓦屋根の民家が軒を連ねて風情のある非常にいい感じです!
【下見してきたバイクコースの詳細は記事の末尾にまとめて掲載しました】
8番ラーメン
さすが、海外進出しているラーメンチェーンだけあって味はウマウマでした。
今回宿泊する民宿は、谷野旅館というところです。特に食事がとても美味しくて評判の旅館で、Aピーも毎年の定宿にしているとのこと。
谷野旅館
大会会場からは少し離れていますが、Aピーの自家用車があるので移動には全く問題ありません。
谷野旅館にチェックインして、バイクの組み立てを行ったあと、15:00からの競技説明会に参加しました。
選手登録会場
事前に郵送で送られてきたハガキを提示して、ゼッケン番号やシールなどもらい、バイクやヘルメットに貼り付けます。
賑わっています
競技説明会
競技説明会
競技説明会は、みなさん常連さんが多くて慣れているせいか、超スピーディーに説明が進んであっという間に終わってしまいました。
しかし選手の年齢層が結構高いことにビックリ!60代や70代のシニアトライアスリートの方もかなりたくさんいらっしゃいます。
競技説明会では、「珠洲(のバイクコース)には信号が一つもない!」というのは、実は数えると4つあるそうです。でもたったの4つ。。。
珠洲のバイクコースは、交通規制はしないのですね。のどかな町なので、そもそも交通量が多くないので、対向車もそれほど多くないようです。
そして、風呂を浴びてスッキリしたあと、民宿の豪勢な夕食を堪能しつつ、適度?な量のアルコールを摂取して、3人でトライアスロン話に花を咲かせ、明日のレース当日に向けて英気を養いました。
旅館のご馳走
私は明日の大会では、トライアスロンにつきものの「想定外」が自分の身に3つ起きるような気がしてなりませんでした。
3. 大会当日
大会当日は、朝から快晴の良い天気!
天気予報では午前中に大雨と雷の注意報が出ていますが、どうやら今年は3種目全部できそうです。
大会のホームページに25日朝9時時点での気象状況の告知がありました。
気温 27.1℃
水温 25℃
天候 晴れ
風向 北西1.5m
波高 約1m
潮流 北東へ10m
後で調べたら、波高が1mというのは、トライアスロンのスイムを中止にする判断値だそうです。
大雨と雷の注意報
天気予報では午前中に大雨と雷の注意報が出ていますが、どうやら今年は3種目全部できそうです。
大会のホームページに25日朝9時時点での気象状況の告知がありました。
気温 27.1℃
水温 25℃
天候 晴れ
風向 北西1.5m
波高 約1m
潮流 北東へ10m
後で調べたら、波高が1mというのは、トライアスロンのスイムを中止にする判断値だそうです。
大会ホームページの告知情報
会場には7:45ごろ到着。
まずはバイクラックにトランジションの準備をします。選手のバイク1.500台がが勢ぞろい。
既にAタイプの選手(7:00AMスタート)がスイムから続々と上がってトランジションエリアに向かってくるところでした。
まずはバイクラックにトランジションの準備をします。選手のバイク1.500台がが勢ぞろい。
トランジションエリア
既にAタイプの選手(7:00AMスタート)がスイムから続々と上がってトランジションエリアに向かってくるところでした。
Aタイプの選手が戻ってきました
しかし、選手のみなさんなぜか相当厳しい表情をしています。。。
レース会場である鉢ケ崎海岸に出てみました。
なんと!!
スイムが中止になっても不思議ではない程の高波が押し寄せているではないですか!
海の状況
スイムのスキップエリア(スキップ制度とは、1周回終了時に完泳をあきらめて申告すると、バイクとランを継続できる制度)には、焦燥して疲れ切った表情の選手がたくさん集まっています。。。)
高波が押し寄せてきます
こここれは果たして大丈夫でしょうか??
トライアスロン大会に50回以上出場経験のあるAモーさん曰く、「国内のレースでこんなに波が高いレースは滅多にない」そうです。
スイムを最も苦手としている私としては、最大のピンチになってしまいました。
そもそもこの4年間でスイムは50kmも泳いでいません。。。オープンウォーターでの泳ぎ方なんてそもそも知りません 苦笑
しかし、スイムでDNFになってしまうと、あの素晴らしい海岸線沿いのバイクコースを走れなくなってしまう。。
昨日のコース下見で、なんとしてもあのバイクコースだけは走りたいと思っていただけにショックです。
バイクラックに戻ってウェットスーツを着たときも、動揺からか、左右反対に着込んでしまい、苦労してサイズのキツいウェットスーツをもう一度脱いで、着直す羽目に。。。
もうこの作業だけで汗だくになり、体力と気力の半分くらい浪費してしまった気分です。
Aモーさんのアドバイスは、「とにかく前に進まないといけないので、折り返しまでの向かいは、頑張って力泳すること」でした。
力泳するほどの泳力もないのですが、もうこれは、1周回目で制限時間1時間10分の半分である35分を超えていたら、スキップを宣言しようと覚悟を決めました。
スタートの前に海に入ったところ、体重増加でキツくなったウェットスーツが、水中で首から水を入れると緩くなりました。
スタートの前に海に入ったところ、体重増加でキツくなったウェットスーツが、水中で首から水を入れると緩くなりました。
そんな不安を抱えながら、Bコースのスタートである9:30が迫ってきました。。。
4. スイム1.5km(55分12秒)
スタートポジションは、右のコースロープ近辺の一番後ろを選びました。波は正面からですが、潮の流れは横方向(海に向かって右から左)です。なので、折り返しまでの行きはロープから離れてしまう方向に身体が流れると予想されます。
直前のアナウンスで、雨雲が近づいてきているようで、雷雨になったスイムを即中止にするので、そのときは速やかに陸に上がってくださいとのこと。
確かに水平線の彼方には黒い雲が拡がっています。
スタート直前に、特別ゲストの菊池弁護士がみんなにエールを送ってくれました。
天気は曇り空から太陽が出てきて陽射しが降り注いでいます。
そしてスタートの合図でレースは始まりました!
スイムスタート(北国新聞ニュースより)
ザバーっと波が押し寄せてくるのを、Aモーさんに伝授してもらった通りに、無理して歩かずに、水に頭から飛び込みながら先に進みます。
やがて、足が付かなくなる位置からスイムを始めます。ロープ近くはかなりの混雑で身体が頻繁に他の選手と当たってしまいますが仕方ありません。
とにかく全力で泳ぎました。
で、当然のことですが、息が上がって苦しくなってしまいました。
ヘッドアップして先を確認すると、200mのブイが遥か遠くに見えます。
波が高くて息継ぎのときにどうしても海水を飲んでしまいます。しょっぱい。。。
息継ぎもかなり水面から顔を出さないといけません。
上空は太陽が晴れ間から顔を出してギラギラと下界を睨んでいるようでした。
ウェットスーツがキツイという感覚は思ったほどでもなかったのですが、とにかくフォームがバラバラになってしまい、足は沈んで、右手はほとんど水を掻いていないし、泳ぐというより溺れているようなフォームです。
とにかく息継ぎが苦しく、こんなキツくて苦しいのでは、とても1周回もできそうもありません。
早速頭のなかでリタイヤの気持ちがムクムクと沸き上がってきました。。。
そして、無我夢中でコースロープにつかまって休むしかありませんでした。
これまでのトライアスロンでコースロープにつかまって休んだことなどなかったので屈辱的でしたが、もうそうするしかないほど身体が疲労困憊していました。
ロープにつかまって息を整えます。
5分遅れでスタートした2nd Waveの選手が次々と追い抜いていきます。
暫く休んでいると。。。
身体の奥から大きなゲップが出てきました。
炭酸飲料水を一気に飲んだあとに出てくるようなゲップです。
と同時に、なんだかウェットスーツの締め付けも緩くなり、身体も軽くなったような気分になりました。
これならいけるんでは?
ゲップが出たのをきっかけに、ロープから手を放して、再びスイムに復帰してみると、なんとか行けそうです。
コースロープは進行方向右側に張ってあり、私は息継ぎは左しかできないのですが、水中でローリングするときに、水中の右側にあるロープの位置をはっきりと把握することができることがわかりました。
むしろロープが左だったらこの高波では息継ぎの時に見えなかったかもしれません。
これまでのトライアスロンでコースロープにつかまって休んだことなどなかったので屈辱的でしたが、もうそうするしかないほど身体が疲労困憊していました。
ロープにつかまって息を整えます。
5分遅れでスタートした2nd Waveの選手が次々と追い抜いていきます。
暫く休んでいると。。。
身体の奥から大きなゲップが出てきました。
炭酸飲料水を一気に飲んだあとに出てくるようなゲップです。
と同時に、なんだかウェットスーツの締め付けも緩くなり、身体も軽くなったような気分になりました。
これならいけるんでは?
ゲップが出たのをきっかけに、ロープから手を放して、再びスイムに復帰してみると、なんとか行けそうです。
コースロープは進行方向右側に張ってあり、私は息継ぎは左しかできないのですが、水中でローリングするときに、水中の右側にあるロープの位置をはっきりと把握することができることがわかりました。
むしろロープが左だったらこの高波では息継ぎの時に見えなかったかもしれません。
とにかく、無駄なルートを泳いで体力を浪費することだけは避けようと、折り返しのブイまではロープに沿って泳ぎました。
同じくらいの泳力の選手を見つけてドラフティングをしたかったのですが、この波ではそんなことも到底できません。
ちなみに、海の透明度は確かに高く、海底まで見えるのですが、魚は見かけませんでした。
ロープ沿いのコースは多くの選手が群がってくるので、蹴ったり蹴られたり、身体がぶつかったり、バトルは数え切れないほどの回数でした。
それでも、とにかくオレンジの三角の折り返しブイまでは何とか辿り着こう、あそこから折り返しはきっとラクに違いないと希望を抱いてもがきました。
潮流は右から左に流れているので、ロープが見えなくなった(というより、目をつぶって泳いでいると)ときには、ブイの位置から完全に遠ざかって泳いでいることもありました。
立ち泳ぎで場所を確認していると、ライフセーバーの人が、指さして、「ブイは真後ろの方向だよ」なんてこともありました。
そして。。。ようやく折り返し地点を過ぎました。
すると、なんと、期待していた以上に、ラクに泳げるではないですか!
この時点で、ようやく、足を水平に保って、身体を自然に浮かせてリラックスしてストロークができるようになりました、というより、ようやく昔の勘が戻ってきた感じです。
リラックスして尚且つリズムに乗って泳いでいるので、息が上がることもなく、苦しくもありません。
ブイとロープを確認すると、ちゃんと前に進んでいます。
この時点で、気の早い私は、このトライアスロンの完走を確信してしまいました!
同じくらいの泳力の選手を見つけてドラフティングをしたかったのですが、この波ではそんなことも到底できません。
ちなみに、海の透明度は確かに高く、海底まで見えるのですが、魚は見かけませんでした。
ロープ沿いのコースは多くの選手が群がってくるので、蹴ったり蹴られたり、身体がぶつかったり、バトルは数え切れないほどの回数でした。
それでも、とにかくオレンジの三角の折り返しブイまでは何とか辿り着こう、あそこから折り返しはきっとラクに違いないと希望を抱いてもがきました。
潮流は右から左に流れているので、ロープが見えなくなった(というより、目をつぶって泳いでいると)ときには、ブイの位置から完全に遠ざかって泳いでいることもありました。
立ち泳ぎで場所を確認していると、ライフセーバーの人が、指さして、「ブイは真後ろの方向だよ」なんてこともありました。
そして。。。ようやく折り返し地点を過ぎました。
すると、なんと、期待していた以上に、ラクに泳げるではないですか!
この時点で、ようやく、足を水平に保って、身体を自然に浮かせてリラックスしてストロークができるようになりました、というより、ようやく昔の勘が戻ってきた感じです。
リラックスして尚且つリズムに乗って泳いでいるので、息が上がることもなく、苦しくもありません。
ブイとロープを確認すると、ちゃんと前に進んでいます。
この時点で、気の早い私は、このトライアスロンの完走を確信してしまいました!
あとは、岸に向かって真っ直ぐに泳ぐことと、ストロークをしっかりと基本に忠実に繰り返すことだけに集中しました。
海の底がずいぶんと浅く見えるようになっても、実際に足がついて岸まで歩けるようになるまで随分泳ぐ必要がありましたが、1周回して砂浜に上がったら、走る元気さえありました。
時計を確認すると。。。1周回ラップでちょうど25分です。
これなら間違いなく2周回やっても1時間10分の制限時間以内でスイムは上がれます。
2周回目は、再び流れに逆らって泳ぐ必要がありますが、なんとなく、1周回よりも波も収まってきたような気がしました。
そして、1周回目とは比較にならないほど、力を抜いて、リラックスして折り返しのブイを目指しました。
2周回目はゆっくりと泳いだので、これなら3周回目でも平気で泳げるなと、何の意味もないことをぼんやりと考えて自信を深めました。
が、2周回目を終えて水中で足がつくので立ち上がろうとしたら、いきなり足の指が攣りそうになってしまいました。危ない危ない。。。
さすがに2周回目はリラックスし過ぎたのか、2周回ラップは1周回目より5分も余計にかかってしまいました。
海の底がずいぶんと浅く見えるようになっても、実際に足がついて岸まで歩けるようになるまで随分泳ぐ必要がありましたが、1周回して砂浜に上がったら、走る元気さえありました。
時計を確認すると。。。1周回ラップでちょうど25分です。
これなら間違いなく2周回やっても1時間10分の制限時間以内でスイムは上がれます。
2周回目は、再び流れに逆らって泳ぐ必要がありますが、なんとなく、1周回よりも波も収まってきたような気がしました。
そして、1周回目とは比較にならないほど、力を抜いて、リラックスして折り返しのブイを目指しました。
2周回目はゆっくりと泳いだので、これなら3周回目でも平気で泳げるなと、何の意味もないことをぼんやりと考えて自信を深めました。
が、2周回目を終えて水中で足がつくので立ち上がろうとしたら、いきなり足の指が攣りそうになってしまいました。危ない危ない。。。
さすがに2周回目はリラックスし過ぎたのか、2周回ラップは1周回目より5分も余計にかかってしまいました。
スイムを終えて、トランジションエリアに向かう途中で、おばさんが「スイム終わった!一昨年はダメだったのよ!」と嬉しそうに話しかけてきました。
僕も自分でスイムが完泳できて嬉しかったので、お互いの健闘を称えて、ではゴールでまた会いましょうとエールを送りました。
トランジションエリアに着くと、ほとんどのバイクは既に出発済みで、自分が相当遅い順位なのが明らかでしたが、まあいつもの事なので、あまり気にしません。
トランジションは、ウェットスーツを脱ぐのに手間取ってしまい、7分18秒もかかってしまいました。
「ククゼリサヘ」のおまじないも、厳密には、アンクルバンドとGarminのウォッチが入るので、「靴下を履く、靴を履く、アンクルバンドをつける、ゼッケンベルトをつける、リストバンドをつける、サングラスをつける、ヘルメットをかぶる、Garminをつける(&再開ボタンを押す)」が正しいですね。
今回はバイクのハンドルにバイクコースの全体マップをL版のハガキ紙に印刷して貼り付けておきました(制限時間も記入)。
こんなことをしている人はまずいなかったと思いますが、個人的には、どのあたりを走っていて次はどんな場所を走るかおおよそ把握できたのは、とても良かったと思います。
バイクに乗って走り出すと、濡れたトライスーツがひんやりと冷たく、暑がりの私にとってはとても心地よい感じでした。
しばらくは慣らし運転をしていましたが、なんとなく、バイクは調子は良さそうだったので、前半のエイドは全部すっ飛ばして、徐々にペースを上げました。
バイクスタートが遅かったので、前後にバイクで速い選手はあまりいなかったと思います。
最初の山伏山の峠に向けて、いつもなら上りが人一倍遅い私ですが、不思議とあまり追い抜いていく選手がいませんでした。それどころか、ダンシングも混ぜながら一人また一人とかわして先に進んで行けます。
なんとなくですが、バイクは5月の山中湖へバイクで行った山伏峠でヘロヘロになったのがボトムで、その後は上り坂はずいぶん力がついてきたのではと思います。
もしかしたらMTBも始めて(今さらですが)上りでも死点を過ぎて無駄な力を入れないように基礎ができてきたのかもしれません。
もうひとつ、思い付きでサドルの位置をいつもより2cmくらい高めにセッティングしたのが良かったのかもしれません。
とにかく、バイクは調子良く、2番目の木の裏の峠などは、どこが峠だったのか気付かないうちに過ぎていました。
このあたりだったでしょうか。救急車がサイレンを鳴らして走っていきました。
誰か怪我をしたのか。。。大事にならなければと心の中で祈りました。
そして、相変わらず、サーベロのエアロロードは下りにめっぽう速く、何もしなくても前のバイクをどんどんかわせるので、調子に乗ってガンガン抜きました。
バイクパートでは、AコースBコースの選手合わせて100人は軽く追い抜いたと思います。
木の裏の峠の先の、追い越し禁止区間が過ぎるあたりのダウンヒルは、目の前に拡がる海岸の風景があまりにも素晴らしかったので、
「オオオオオーーーー!!!」
とアホのように一人で歓喜の雄叫びを上げながらペダルを踏み込んで加速しました。
今日の最高スピードはおそらくこの区間、67.7km/hでした。
いやしかし、こんなに美しい海岸線沿いに、自転車で猛スピードでダウンヒルすると、アドレナリン全開になり、トライアスロンやってて本当に良かった!としみじみと感じてしまいます。
海岸線のバイクコースを走りながら、来年も珠洲に必ず来ようと強く心に誓いました。
バイクコースは総じて細かいアップダウンがあるのが、また楽しく感じました。
ある上り坂で、小さな男の子と母親のグループが沿道で応援してくれていました。
その前を通り過ぎる時、男の子に向けて小さく手を振りました。
すると、その男の子は私に向かって、大きな声で、
「おじいちゃん頑張ってー!」
と声援を送ってくれました。。。!!?
人生初体験、ついにおじいちゃんと呼ばれることになったかーと、大きな衝撃で動揺しましたが、すかさず、
「おにいさんと呼んでねー」
と大声で返したら、その子のお母さんが大笑いしていました。。。
そうかおじいちゃんか。。。
バイクヘルメットから出ている髪の毛は真っ白だもんなー
こんなほのぼのとした応援をもらえるのも、なんか、珠洲らしいなぁとなぜか嬉しくなりました。
そして、最大の山場になるであろう大谷峠を目指しながら、とにかく早く大谷峠にチャレンジしてみたい!と、モチベーションも相当ハイテンションに。
と、そのとき、右側からエライ早いバイクがやってきて、あっという間に抜かされてしまいました。
なんと、リヴィエラブルーのサーベロS5(?)です。
サーベロに抜かれたといえば、アイアンマンジャパンでも、下りで唯一抜かされたのが、バトンホイールのサーベロS2でした。
サーベロSシリーズは本当にバイクとしての高速性能が高いのではないでしょうか??
そのサーベロの選手が、上り区間では、ハンドルのドロップ部を握らず、中央に近いフラットのエリアを握っていたのを見て、私もそこを持つと疲れないのではと思い、真似することにしました。
ボトルのドリンクが底を尽いたので、大谷峠前で初めてエイドに入り、ドリンクを補給しました。
トランジションエリアに着くと、ほとんどのバイクは既に出発済みで、自分が相当遅い順位なのが明らかでしたが、まあいつもの事なので、あまり気にしません。
トランジションは、ウェットスーツを脱ぐのに手間取ってしまい、7分18秒もかかってしまいました。
5. バイク51.1km(2時間6分2秒、23.8km/h)
以前自分で考えたおまじない「ククゼリサヘ」ですが、今回は以前の横浜トライアスロンと同様、靴下は履かないことにしました。「ククゼリサヘ」のおまじないも、厳密には、アンクルバンドとGarminのウォッチが入るので、「靴下を履く、靴を履く、アンクルバンドをつける、ゼッケンベルトをつける、リストバンドをつける、サングラスをつける、ヘルメットをかぶる、Garminをつける(&再開ボタンを押す)」が正しいですね。
今回はバイクのハンドルにバイクコースの全体マップをL版のハガキ紙に印刷して貼り付けておきました(制限時間も記入)。
ハガキに印刷
コースマップを貼付け
こんなことをしている人はまずいなかったと思いますが、個人的には、どのあたりを走っていて次はどんな場所を走るかおおよそ把握できたのは、とても良かったと思います。
バイクに乗って走り出すと、濡れたトライスーツがひんやりと冷たく、暑がりの私にとってはとても心地よい感じでした。
しばらくは慣らし運転をしていましたが、なんとなく、バイクは調子は良さそうだったので、前半のエイドは全部すっ飛ばして、徐々にペースを上げました。
バイクスタートが遅かったので、前後にバイクで速い選手はあまりいなかったと思います。
最初の山伏山の峠に向けて、いつもなら上りが人一倍遅い私ですが、不思議とあまり追い抜いていく選手がいませんでした。それどころか、ダンシングも混ぜながら一人また一人とかわして先に進んで行けます。
なんとなくですが、バイクは5月の山中湖へバイクで行った山伏峠でヘロヘロになったのがボトムで、その後は上り坂はずいぶん力がついてきたのではと思います。
もしかしたらMTBも始めて(今さらですが)上りでも死点を過ぎて無駄な力を入れないように基礎ができてきたのかもしれません。
もうひとつ、思い付きでサドルの位置をいつもより2cmくらい高めにセッティングしたのが良かったのかもしれません。
とにかく、バイクは調子良く、2番目の木の裏の峠などは、どこが峠だったのか気付かないうちに過ぎていました。
このあたりだったでしょうか。救急車がサイレンを鳴らして走っていきました。
誰か怪我をしたのか。。。大事にならなければと心の中で祈りました。
そして、相変わらず、サーベロのエアロロードは下りにめっぽう速く、何もしなくても前のバイクをどんどんかわせるので、調子に乗ってガンガン抜きました。
バイクパートでは、AコースBコースの選手合わせて100人は軽く追い抜いたと思います。
木の裏の峠の先の、追い越し禁止区間が過ぎるあたりのダウンヒルは、目の前に拡がる海岸の風景があまりにも素晴らしかったので、
「オオオオオーーーー!!!」
とアホのように一人で歓喜の雄叫びを上げながらペダルを踏み込んで加速しました。
今日の最高スピードはおそらくこの区間、67.7km/hでした。
歓喜のダウンヒル(前日の下見より)
海岸線のバイクコースを走りながら、来年も珠洲に必ず来ようと強く心に誓いました。
バイクコースは総じて細かいアップダウンがあるのが、また楽しく感じました。
ある上り坂で、小さな男の子と母親のグループが沿道で応援してくれていました。
その前を通り過ぎる時、男の子に向けて小さく手を振りました。
すると、その男の子は私に向かって、大きな声で、
「おじいちゃん頑張ってー!」
と声援を送ってくれました。。。!!?
人生初体験、ついにおじいちゃんと呼ばれることになったかーと、大きな衝撃で動揺しましたが、すかさず、
「おにいさんと呼んでねー」
と大声で返したら、その子のお母さんが大笑いしていました。。。
そうかおじいちゃんか。。。
バイクヘルメットから出ている髪の毛は真っ白だもんなー
こんなほのぼのとした応援をもらえるのも、なんか、珠洲らしいなぁとなぜか嬉しくなりました。
そして、最大の山場になるであろう大谷峠を目指しながら、とにかく早く大谷峠にチャレンジしてみたい!と、モチベーションも相当ハイテンションに。
と、そのとき、右側からエライ早いバイクがやってきて、あっという間に抜かされてしまいました。
なんと、リヴィエラブルーのサーベロS5(?)です。
サーベロに抜かれたといえば、アイアンマンジャパンでも、下りで唯一抜かされたのが、バトンホイールのサーベロS2でした。
サーベロSシリーズは本当にバイクとしての高速性能が高いのではないでしょうか??
そのサーベロの選手が、上り区間では、ハンドルのドロップ部を握らず、中央に近いフラットのエリアを握っていたのを見て、私もそこを持つと疲れないのではと思い、真似することにしました。
ボトルのドリンクが底を尽いたので、大谷峠前で初めてエイドに入り、ドリンクを補給しました。
大谷峠の始まる前の長~い上り基調のセクションでは、フロントは重いギアでリアを一番軽いギアのコンビネーションで、ハンドルの中央を掴んだ状態で固定ペースで何の苦も無く進めたので、たくさんの選手が団子状態で走っていたので、無理せず、しかし着実に一人を抜き、また次の一人を抜き、とやっていって、この区間だけで50人くらい追い抜いたと思います。
時おりダンシングを交えたのですが、周囲にダンシングをする選手はほとんどいなかったので、他の選手に派手にダンシングを見せつけて威嚇の効果(何の意味もないですが)があったのではと、勝手に想像しています。
大谷峠の激坂区間の直前のエイドステーションには、たくさんの選手が集まって補給をしていました。
そして、本命の大谷峠に入っても、ギアは1つ残した状態で、ダンシングで坂道を進んでいくうちに、気が付いたら大谷峠は苦しむ間もなくあっという間に終わってしまいました。
こんなに短かったのか、と拍子抜けするほどでした。
どうやら過剰に心配し過ぎていたようです。
それとも、果たして自分自身の脚力がいつの間にかアップしたのでしょうか。。。?
そして、大谷峠を越えてからの長いダウンヒルでも、ガンガン追い抜かしました。
自分で言うのもなんですが、やはり私はダウンヒルが好きなんですね。前傾姿勢で脇を狭めて空気抵抗を少なくして、カーブもコース取りを上手くやって無駄な減速をせずにスピードに乗るのは、爽快そのもの!
ダウンヒルでミスをしたら文字通り命取りになりますが。。。
ダウンヒルが終わって、一旦降車するゾーンから先は、ゴールまでほぼ真っ直ぐのフラットになります。
この時、無理して力走したら、両脚の太ももが一瞬攣りそうになったので、以後無理はスピードアップは控えるようにしました。
が、大谷峠を必要以上に警戒した結果、脚を温存し過ぎたのでは。。。
手元のGarmin 310XTをチェックすると、バイクをもはや2時間を切ってゴールするのは絶望的な時間でした。
序盤からもう少し果敢に攻めていれば。。。と思いましたが、太ももが攣りそうになったくらいなので、このくらいがランに脚を残して丁度良かったのかもしれません。
ゴールまでの直線コースの途中は、やや緩やかな上り区間があるものの、これまでとは違って基本フラット基調で高速コースなので、これもまた変化があって楽しめました。
バイクは2時間6分2秒でフィニッシュ。去年のBコースの平均フィニッシュタイムが2時間9分くらいなので、Bの選手平均くらいのタイムだったと思います。
どうやら、スイムを終えたあとに、トランジションエリアにはゲリラ豪雨が襲ってきて、猛烈な雨を降らせたようです。
そのせいで、ランニングに関するほぼすべてのアイテムがびしょ濡れになってしまいました。
トランジョションは4分ちょうどでした。
これまでバイクからランに移った直後は、バイクで脚を酷使することが多かったので、自分の脚じゃないような重くて鈍い感覚だったのですが、今回は非常に軽快に足を進めることができた気がします。
それでも走り出すと息が上がってしまい、周囲に迷惑になってしまうのではと心配するほど「ハアハア」という喘ぎ声が出てしまいます。
と、そのとき、折り返しを超えて戻ってくるAゾーに遭遇!
彼はもうあと少しでゴールです。
「頑張って~!」
とエールをもらいました。
Garmin 310XTは、ランモードのときは、1kmごとにバイブレーションで知らせてくれます。
1kmから2kmがとても長く感じました。
2km地点になるエイドでは、美味しいスイカや各種フルーツ、梅干しなど、ずいぶんいろいろなものを摂取しました。
特にスイカが甘くて本当に美味しかったです。
そして、両脚の太ももが攣りそうだったので、エアーサロンパスをたっぷりとかけました(エアーサロンパスをかけた部位は、その後とてもひんやりとして冷たく気持ちよかったです)。
あまりの居心地の良さに、おそらくエイドに2分くらい立ち寄っていたのではないでしょうか。
この区間のラップだけが、7分52秒と突出して遅くなってしまいました。
しかし、他の区間は(最後のゴール直前の区間を別として)、エイドは別として一度も立ち止まることなくコンスタントに5分台のラップを刻めたのは嬉しかったです。
5'44" - 7'52" - 5'32" - 5'39" - 5'48" - 5'50" - 5'36" - 5'50" - 5'49" - 6'05"
珠洲トライアスロンが沿道でいろんな人が応援してくれるよと聞いていましたが、本当に沿道ではおじいちゃんやおばあちゃん、小さな子供まで一同全員応援してくれて、感激してしまいました。
珠洲トライアスロン大会は、町に根付いているなーと思いました。まあ30回目も続いているんですからね。
ランも月150kmの走り込みが功を奏したのか、調子は良かったです。
コースもほぼフラットで走りやすいです。
しかし想定外の困ったことが発生してしまいました。
なんと、靴下を履かなかったのが仇となり、右脚の踵が靴擦れを起こしてしまい、走る度にヒリヒリと痛みが出るようになってしまったのです。
結局、ランを通してずっとこの痛みとの闘いに悶絶する羽目になってしまいました。。。
ランで頑張っても4時間10分を切るのは難しいだろうということで、目標を4時間15分切りに決めて、あとはペースが落ちないように、遅い選手は抜きながら、マイペースを保ちます。
そして。。。
ようやく、ゴールが近づいてきました。
あと少し、あと少し。。。
ショートのトライアスロンってこんなにキツく、盛りだくさんのものだったでしょうか?
そんなことをぼんやりと考えながらゴール。
レースからの解放気分というより、踵の靴擦れの痛みからの解放という感じでした(苦笑)。
ランは1時間6分52秒。エイドで休み過ぎたのと、靴擦れの影響で、目標の1時間(昨年のB選手の平均タイム)を大幅にオーバーしてしまいました。
大会参加グッズと大きなバスタオル、そして完走メダルを貰いました。
あれ、Aゾーの姿が見えないな、まあいいや、とその場で貰ったタオルを敷いて芝生の上に寝転んで休みました。
そして、ずっしりと重い完走メダルの感触を確かめながら、
「ああ良かった、トライアスロン復活できた」
と晴天の青空を仰ぎながらしみじみと感じました。
事前に想像していた「想定外」は。。。
本当はレース後にゆっくりと珠洲に滞在したかったのですが、その日の午後4:45発の便で東京に戻る予定になっていました。
急いで荷物をまとめて、バイクを分解、梱包して輪行袋に詰めます。。。
本当は旅館のお風呂に入りたかったのですが、時間がなくて断念、というか、トライウェアを着替える暇もありませんでした。
トライウェアの上にTシャツを着た格好で、空港のチェックインカウンターに滑り込んだのが、離陸30分前!急いで手荷物で自転車を預けます。
何とかギリギリに間に合いました!
しかし、気が付いてみたらリストバンドさえ取っていない恰好で搭乗しているという。。。
ちなみに、預入れした自転車の輪行袋には、ネームタグのところにこんなタグが。
裏にはメッセージが書いてありました。
なかなか気の利いた、まさに「おもてなし」の真心をいただきました。。。!
珠洲トライアスロンは本当に素晴らしい大会です。一度出たら間違いなくリピートしたくなると思います。
一番の魅力は、やはり、景観の美しさと、コースの過酷さが見事に調和していることです。
私は輪行や遠征が面倒なので、トライアスロンもほとんどが自宅から参戦できる都心部の大会でした。
しかし、珠洲に来て、自分が知っていると思っていたトライアスロンの世界が、実は、本当にごく一部分でしかないことを痛感しました。
誤解を恐れずに言うと、都市近郊でのトライアスロンは、スイムは湾内のプールで泳いでいるのと変わりないし、街路を走るバイクコースと珠洲のような自然の環境を走るバイクコースは全くの別物と言って良いと思います。
今回トライアスロンというのは、厳しい自然の環境のなかで自分の限界に挑戦するスポーツなのだとつくづく感じました。
来年はAコースに挑戦したいとも思います、が、今回のスイムの過酷さがトラウマとなってちょっと踏み出せそうもありませんね。。。
いずれにせよ、来年再び珠洲を訪れて、トライアスロンに参加して、珠洲の豊かな自然、美味しい料理、そして何と言っても暖かい声援を送ってくれて地元の人と再会できることを心から楽しみにしたいと思います。
自分で言うのもなんですが、やはり私はダウンヒルが好きなんですね。前傾姿勢で脇を狭めて空気抵抗を少なくして、カーブもコース取りを上手くやって無駄な減速をせずにスピードに乗るのは、爽快そのもの!
ダウンヒルでミスをしたら文字通り命取りになりますが。。。
ダウンヒルが終わって、一旦降車するゾーンから先は、ゴールまでほぼ真っ直ぐのフラットになります。
この時、無理して力走したら、両脚の太ももが一瞬攣りそうになったので、以後無理はスピードアップは控えるようにしました。
が、大谷峠を必要以上に警戒した結果、脚を温存し過ぎたのでは。。。
手元のGarmin 310XTをチェックすると、バイクをもはや2時間を切ってゴールするのは絶望的な時間でした。
序盤からもう少し果敢に攻めていれば。。。と思いましたが、太ももが攣りそうになったくらいなので、このくらいがランに脚を残して丁度良かったのかもしれません。
ゴールまでの直線コースの途中は、やや緩やかな上り区間があるものの、これまでとは違って基本フラット基調で高速コースなので、これもまた変化があって楽しめました。
バイクは2時間6分2秒でフィニッシュ。去年のBコースの平均フィニッシュタイムが2時間9分くらいなので、Bの選手平均くらいのタイムだったと思います。
6. ラン10.2km(1時間6分2秒)
バイクを終えてトランジションエリアに戻ってきてまず目に入ったのが、バイクラックの真下に置いてあったリュックやラン用のシューズなどがすべて文字通り水没していたことでした。どうやら、スイムを終えたあとに、トランジションエリアにはゲリラ豪雨が襲ってきて、猛烈な雨を降らせたようです。
そのせいで、ランニングに関するほぼすべてのアイテムがびしょ濡れになってしまいました。
トランジョションは4分ちょうどでした。
これまでバイクからランに移った直後は、バイクで脚を酷使することが多かったので、自分の脚じゃないような重くて鈍い感覚だったのですが、今回は非常に軽快に足を進めることができた気がします。
それでも走り出すと息が上がってしまい、周囲に迷惑になってしまうのではと心配するほど「ハアハア」という喘ぎ声が出てしまいます。
と、そのとき、折り返しを超えて戻ってくるAゾーに遭遇!
彼はもうあと少しでゴールです。
「頑張って~!」
とエールをもらいました。
Garmin 310XTは、ランモードのときは、1kmごとにバイブレーションで知らせてくれます。
1kmから2kmがとても長く感じました。
2km地点になるエイドでは、美味しいスイカや各種フルーツ、梅干しなど、ずいぶんいろいろなものを摂取しました。
特にスイカが甘くて本当に美味しかったです。
そして、両脚の太ももが攣りそうだったので、エアーサロンパスをたっぷりとかけました(エアーサロンパスをかけた部位は、その後とてもひんやりとして冷たく気持ちよかったです)。
あまりの居心地の良さに、おそらくエイドに2分くらい立ち寄っていたのではないでしょうか。
この区間のラップだけが、7分52秒と突出して遅くなってしまいました。
しかし、他の区間は(最後のゴール直前の区間を別として)、エイドは別として一度も立ち止まることなくコンスタントに5分台のラップを刻めたのは嬉しかったです。
5'44" - 7'52" - 5'32" - 5'39" - 5'48" - 5'50" - 5'36" - 5'50" - 5'49" - 6'05"
珠洲トライアスロンが沿道でいろんな人が応援してくれるよと聞いていましたが、本当に沿道ではおじいちゃんやおばあちゃん、小さな子供まで一同全員応援してくれて、感激してしまいました。
珠洲トライアスロン大会は、町に根付いているなーと思いました。まあ30回目も続いているんですからね。
ランも月150kmの走り込みが功を奏したのか、調子は良かったです。
コースもほぼフラットで走りやすいです。
しかし想定外の困ったことが発生してしまいました。
なんと、靴下を履かなかったのが仇となり、右脚の踵が靴擦れを起こしてしまい、走る度にヒリヒリと痛みが出るようになってしまったのです。
結局、ランを通してずっとこの痛みとの闘いに悶絶する羽目になってしまいました。。。
ランで頑張っても4時間10分を切るのは難しいだろうということで、目標を4時間15分切りに決めて、あとはペースが落ちないように、遅い選手は抜きながら、マイペースを保ちます。
そして。。。
ようやく、ゴールが近づいてきました。
あと少し、あと少し。。。
ショートのトライアスロンってこんなにキツく、盛りだくさんのものだったでしょうか?
そんなことをぼんやりと考えながらゴール。
レースからの解放気分というより、踵の靴擦れの痛みからの解放という感じでした(苦笑)。
ランは1時間6分52秒。エイドで休み過ぎたのと、靴擦れの影響で、目標の1時間(昨年のB選手の平均タイム)を大幅にオーバーしてしまいました。
大会参加グッズと大きなバスタオル、そして完走メダルを貰いました。
あれ、Aゾーの姿が見えないな、まあいいや、とその場で貰ったタオルを敷いて芝生の上に寝転んで休みました。
そして、ずっしりと重い完走メダルの感触を確かめながら、
「ああ良かった、トライアスロン復活できた」
と晴天の青空を仰ぎながらしみじみと感じました。
事前に想像していた「想定外」は。。。
- ウェットスーツ履き間違いで体力消耗
- あっさり終わった大谷峠
- ランでのまさかの靴擦れ
7. 大会を終えて
旅館をチェックアウトするときに、3人で来年の予約も入れてしまいました(笑)本当はレース後にゆっくりと珠洲に滞在したかったのですが、その日の午後4:45発の便で東京に戻る予定になっていました。
急いで荷物をまとめて、バイクを分解、梱包して輪行袋に詰めます。。。
本当は旅館のお風呂に入りたかったのですが、時間がなくて断念、というか、トライウェアを着替える暇もありませんでした。
トライウェアの上にTシャツを着た格好で、空港のチェックインカウンターに滑り込んだのが、離陸30分前!急いで手荷物で自転車を預けます。
何とかギリギリに間に合いました!
しかし、気が付いてみたらリストバンドさえ取っていない恰好で搭乗しているという。。。
こんな格好で搭乗中
ちなみに、預入れした自転車の輪行袋には、ネームタグのところにこんなタグが。
裏にはメッセージが書いてありました。
なかなか気の利いた、まさに「おもてなし」の真心をいただきました。。。!
珠洲トライアスロンは本当に素晴らしい大会です。一度出たら間違いなくリピートしたくなると思います。
一番の魅力は、やはり、景観の美しさと、コースの過酷さが見事に調和していることです。
私は輪行や遠征が面倒なので、トライアスロンもほとんどが自宅から参戦できる都心部の大会でした。
しかし、珠洲に来て、自分が知っていると思っていたトライアスロンの世界が、実は、本当にごく一部分でしかないことを痛感しました。
誤解を恐れずに言うと、都市近郊でのトライアスロンは、スイムは湾内のプールで泳いでいるのと変わりないし、街路を走るバイクコースと珠洲のような自然の環境を走るバイクコースは全くの別物と言って良いと思います。
今回トライアスロンというのは、厳しい自然の環境のなかで自分の限界に挑戦するスポーツなのだとつくづく感じました。
来年はAコースに挑戦したいとも思います、が、今回のスイムの過酷さがトラウマとなってちょっと踏み出せそうもありませんね。。。
いずれにせよ、来年再び珠洲を訪れて、トライアスロンに参加して、珠洲の豊かな自然、美味しい料理、そして何と言っても暖かい声援を送ってくれて地元の人と再会できることを心から楽しみにしたいと思います。
8. 【付録】バイクコース下見の詳細
以下は前日の下見でバイクコースとランコースを車で走ったときに記録したものです。
街中には、「SUZU TRIATHLON」と書いてある青いノボリが至るところに設置されており、すっかりトライアスロン大会一色になっています。
ランのゴールの野球場へ左折する場所
大会会場に近い珠洲ビーチホテル
バイクラック近辺
バイクスタート地点
市街から少し走ると、景色が一気に田舎風のいい感じの雰囲気になります!
素朴で自然豊かな風景に心が癒されます。。。
バイクコース序盤の上り坂
道の駅「狼煙」方面に左折するポイント
みさき小学校近辺
この辺りの景色はサイコーです。国道28号は別名「奥能登絶景街道」と呼ばれています。
追い越し禁止区域前
山伏山には道路が狭いため、追い越し禁止区域が500mほど続きます。
狼煙ポケットパーク
山伏山の峠を過ぎると快適なダウンヒルになり、先には海が見えてきます。これは気持ち良さそう!
道の駅「狼煙」
道の駅を過ぎると、再び田園風景が続きます。
沿道のかかし
かかしのデザインもユニークなものが多く、楽しめます。
折戸町
この辺りは入り江になっていて素晴らしい環境のビーチだと思うのですが、誰もビーチにいません。。。都心近郊にこんな素晴らしい場所があったら大人気になると思うのですが。。。
木の裏の峠
やがて、2番目の峠である木の裏の峠にさしかかります。
トンネル
上り切ったところに短いトンネルがあります。
再び道は下り基調になります。
追い越し禁止区間(ラケット道路)
再び追い越し禁止区間が500mほど続きます。九十九折の道なので追い越し禁止になっているのでしょう。
そして、追い越し禁止区間が終わると、歓喜のダウンヒルになります。ここは景色も素晴らしく気持ち良さそう!
追い越し禁止区間終わり
最高の景色!
このあたりは民家もまったく見当たりません。
やがて、高屋町に入ります。ここにも素晴らしいビーチがあるのですが、やはり誰も泳いでいませんでした。
高屋町
笹波町
笹波町も素晴らしいビーチが続きます。ここも快適なバイクロードです。
馬緤(まつなぎ)町
馬緤町を過ぎると、大きく左に曲がって、いよいよ上り基調の長い坂道が始まります。
上り基調の坂道
この上り基調は結構長く続きます。
そうこうしているうちに、先ほどまで快晴だったのが、雨になってしまいました。
能登の天気は変わりやすいようです。
そして、いよいよ国道249号のトンネルの手前で、脇道に入り、大谷峠の激坂が始まります。
大谷峠入口
最初はまだ緩やかですが、徐々にその斜度はキツくなり、最大斜度16度になります。
最大斜度16度
遠くに風力発電のプロペラが見えます
が、やがて峠を登り切ると、今度は歓喜の長~いダウンヒルが始まります。
ダウンヒル
明日のレース当日が雨だったら、ここはスピードは慎重にしないとスリップしかねません。
ダウンヒルの先は、再び国道249号との合流点が降車ゾーンになっていて、一度バイクを降りることになります。
降車ゾーン手前
国道249号に戻ったら、あとはひたすら10kmほど道路沿いを真っ直ぐに走ると、バイクゴール横の珠洲ビーチホテルの前に出ます。
(2019年9月05日追記)
経費をまとめました。
エントリー費:20,500円(JTU登録は必須でない)
渡航費:20,580円(羽田ー能登往復ANAスーパーバリュー75J)
宿泊費:1泊2日2食付 7,000円(谷野旅館、2000円旅行キャンペーン補助)
バイク搬送費:0円(預入荷物のため)
交通費:NA(友人の自家用車のため)
合計約4万8千円、諸経費5千円含めて総計5万3千円程度かと思われます。
(2019年8月26日追記)
大会ホームページで早速リザルトが発表されました!
おそるおそるチェックしてみると。。。
総合記録 4時間13分49秒(256位/379人)エイジクラス 39位/47人
スイム 55分53秒(381位/390人)
バイク 2時間16分46秒(205位/382人)
ラン 1時間1分10秒(154位/379人)
Bタイプ完走379人中、私は256位だった。。。うーん予想より全然遅くてショックです。
しかも。。。スイムは完走者中ほぼビリの381位!
ちなみにスイムはDNF 25名、スキップを選択した選手は32名でした。
Bコース出走者436名で、スイムでDNFがスキップ含めて57名、つまり13%がスイムでDNFになった計算です。
以下はGarminの記録です。
バイクの速度と高度
記録からわかることは、スイムをほぼビリで上がり、バイクで100人抜いて、ランで更に60人抜いたことになります。
Aタイプの選手を含めたら、バイクで150人くらい抜いて、ランで100人くらい抜いたのでしょう。
最初にリードして後から抜かれるよりは、今回のようにビリから出発してどんどん抜くほうが気持ちは良いものです。
しかし。。。このスイムの実力のなさには自分でも呆れてしまいました。
Aモーさん曰く、スイムはスクールに入って教えてもらわないと、自己流でいくら泳いでも速くはならないそうです。うーん、やっぱりレッスン受けないとダメですかね。。。
ちなみにAピーは3時間30分を切って50番代、Aモーさんに至っては3時間10分切りで20番代というとてつもない好成績でフィニッシュしていて凄過ぎです。
来年は、今年の自分がライバルになります。まあスイムは伸びしろが大きいので、頑張ってレッスン通うかするしかないですね。。。修行あるのみ、です。
お疲れ様でした。Aタイプに出場した者です。(完走もできました)レポート興味深く拝見しました。もしかしたらバイクで抜かされているかもしれませんね(^^;)
返信削除因みに私は今はトライアスロンは年に1回、この大会だけ出ています。珠洲は25回位参加しました。スイムコースの2周回とスキップ制度(ともに昨年から設定)は賛否両論あるようですが、私は良いと思いました。珠洲に来たら絶対あのバイクコースは走りたいですからね。
おいちんさん
削除ブログ訪問有難うございます!そしてAコース完走おめでとうございます。
Aコースを私もいつか完走してみたいですが、おいちんさんは珠洲25回とは凄過ぎです。。。
Aコース挑戦したいですが、スイムでDNFとなりそうなのでもっとスイム練習しないとですね。
来年も参加しますのでよろしくお願いします!
モニオさん
削除レスにリプありがとうございます。凄いことでは無くて、年いちのお祭りなので、楽しんで続けています。私もモニオさんと同様、スイムが苦手で一昨年はAタイプ17%のスイム時間切れ組でした。2時間かけて完泳はしましたが…。昨年はスイムが中止となったので3種目の完走は3年ぶりで嬉しかったです。
モニオさんのブログを拝見して興味深いと思った事は二つありまして、一つはバイクの獲得標高です。あのコース30年ほど走っていますが、初めて「700mもあったんだ~!」と知りました。ありがとうございます。
二つ目は、都会?での大会と比べるとこういう大会は大自然を相手に自分の限界の力を試す、という考え方です。自分、逆にこの大会や離島などの大会ばかり出てきたもので、これが普通だと思っていました。何か自分を褒めてやりたいような気持ちです。
来年も申込書が届いたらAにするかBにするか散々悩んでAに申し込むと思います。この大会に長いこと出た経験から言うと、あのスイム会場でAタイプのスタートの時よりBタイプの時間の方が泳ぎやすかったことはありません。早朝、比較的穏やかでもだんだん荒れて来ることが多いんです。ずーっと穏やかだったことも稀にあるんですけどね。ですので、モニオさんも宜しければAタイプ、検討してみてください。見附島折り返しのラン、結構走りごたえがありますよ。
長文、失礼しました。来年も宜しくお願い致します。
おいちんさん
削除珠洲タイプAの貴重な情報多謝です!
レースのキツかった記憶も早くも薄れてしまい、「来年はAに挑戦だ!」という根拠のない自信がフツフツと。。。(笑)
都心部の大会は、市街地や高速道路、サーキットコースなど人工物のなかを走るので、珠洲のような大自然を肌で感じる体験は初めてでした。これからは離島や地方の大会に頑張って遠征したいと思っています。
これからも「モニオの部屋」をどうぞ宜しくお願い致します。
細かい!脱帽。楽しく読む。1432最下位のじじい。
返信削除1432さん、ブログ楽しんでいただく多謝です!
削除最下位完走は優秀なタイムマネジメントの証拠です!
私も還暦までトライアスロン続けたいと思います!