京都は何度訪れても新しい発見があります。
そんな京都観光のなかでも、一度は体験してみたいのが、禅寺での座禅体験です!
妙心寺は日本最大の禅寺で、早朝6時からの座禅体験ができます。一方、妙心寺と同じ臨済宗に所属する勝林寺は、気軽に昼1時から座禅体験を(空きがあれば事前申し込みなしで)受けることができます。
座禅体験をして禅や瞑想を学びましょう!
1. 妙心寺の座禅
京都の寺で早朝に座禅体験をやってみたいと、以前からぼんやりと考えていました。しかし、ほとんどの座禅体験は事前予約が必要で、気軽に行けるものは少ないようです。
そんなある日、京都宿泊出張の機会がありました。翌日は土曜日なので、せっかくの機会に、京都で早朝に座禅が体験できる寺を探すことにしました。
手持ちのクレジットカードに、コンシェルジェサービスという電話受付に何でも頼めるサービスが付加していたので、早速、電話をかけて、翌日の早朝に座禅体験ができる京都の(できる限り滞在ホテルに近い)寺を調べてもらいました。
そこで教えてもらったのが、妙心寺禅道会です。
京都駅からは、JR嵯峨野線・亀岡行きに乗り、4駅目のJR花園駅で下車します。所要約10分。駅からは徒歩で約5分くらいで境内の入口に到着します。
妙心寺禅道会は、毎月7・8日の二日間 朝 6:00~ 7:30(90分間)の開催です。
JR京都駅から山陰本線の朝5:31発の始発に乗れば、花園駅には朝5:43着。禅道会の妙心寺大方丈までは、花園駅から徒歩10分なので、ちょうど間に合います。
妙心寺禅道会の詳細はこちらのホームページで確認することをおすすめします。
妙心寺入口
境内
妙心寺禅道会は、毎月7・8日の二日間 朝 6:00~ 7:30(90分間)の開催です。
JR京都駅から山陰本線の朝5:31発の始発に乗れば、花園駅には朝5:43着。禅道会の妙心寺大方丈までは、花園駅から徒歩10分なので、ちょうど間に合います。
妙心寺の禅道会
妙心寺禅道会の詳細はこちらのホームページで確認することをおすすめします。
禅道会の開催場所である妙心寺大方丈は、敷地の中央あたりにあります。
資料は、南泉不説底法(なんせん ふせつていのほう)と、蓮華峰拄杖子(れんげほうしゅじょうし)という、どちらも中国の仏教書『碧巌録』(へきがんろく)からの抜粋ですが、肝心の内容はあまり覚えていません。。。
私が訪問したときは、こじんまりとした部屋に、20人ほどが集まって座禅を開いていました。みなさん地元の方が多いようで、私のような観光客はほとんどいなかったと思います。
「妙心寺で座禅体験!日本一厳しいと言われる理由は?」のサイトには、妙心寺の座禅は「日本一厳しい」と評判とあります。
ただそれは、「妙心寺禅道会」とは別の「大衆禅堂」のほうのことです。
「大衆禅堂」は、在家(出家せずに一般の生活を送りながら仏道を信仰する人のこと)の方、一般の方を対象とした坐禅会です。
普通「座禅」と聞くと、2~3時間程度の修行を想像しますが、妙心寺の坐禅「大衆禅堂」は、なんと土曜日の夕方5:30に集まり、翌朝日曜日の朝9:00まで続く非常に厳しいもののようです。
妙心寺の大衆禅堂も予約不要で参加が可能なようです。詳しくは、こちらのホームページで確認することをおすすめします。
「妙心寺禅道会」のほうは、座禅体験といっても、特に厳しいものではなく、最初の30分の座禅は、正座やあぐらもOKです。
ちなみに、座禅のときに住職さんが棒のようなものを持ち歩いて、座禅に集中していない修行者の背中をぴしゃりと叩くのがあります。あの棒は、慶策(けいさく)と呼ばれています。
日本には大きく分けて臨済宗と曹洞宗という二つの禅宗の宗派があり、座禅や修行の方法も異なります。
臨済宗の座禅では、修行僧が正面を向き合って座ります。一方、曹洞宗では壁に向いて座ります。
慶策での叩かれ方も、臨済宗では、叩かれたい人が両手を合わせて祈りのサインを出します。それを住職さんが気が付くと、まずお互いに両手を合わせてお辞儀をします。そして、修行者が腰を深く曲げて両肩を和尚さんのほうに向けて、そこをビシッビシッと右左の順に2回叩かれ、その後再びお互いに両手を合わせてお辞儀をします。
慶策で肩を叩かれると、痛いという程ではありませんが、結構な衝撃が加わります。
曹洞宗では、(臨済宗と異なり)警策をいただく際に警策で最初に軽く肩を叩かれるので、それを合図に合掌し左に頭を傾けて右肩を打たれるそうです。
座禅の後は、お茶をいただき、静かに法話(講話)を聴く会という感じでした。
座禅体験中は、撮影は禁止だったので、写真はありません。
座禅体験をしてみた感想ですが、とにかく朝が早かったこともあり、身体が目覚めておらず、ひたすら眠かっただけでした。残念ながら、座禅体験だけでは、何か閃いたり、開眼することはありませんでした。
しかし、座禅の最中は、集まった修行者の空間に緊張した空気が張り詰め、静寂のなかで不思議な気分を味わうことができました。
座禅を続けて毎日の日課にすれば、もしかしたら生活の一部になって健康にも良いのではと思いました。
雑誌PRESIDENT(プレジデント)の最新号(2019年7/5号)「人間の器の広げ方」にも、迷いが消える!リーダーのための座禅・瞑想入門という特集記事がありました。
禅はスティーブ・ジョブズ、稲盛和夫さん、ドナルド・トランプ大統領も実践していたのですね。。。
さて、妙心寺での座禅が終わったら、せっかくなので、他の見どころにも立ち寄りたいところです。
退蔵院の境内には、国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」(模本)や史跡名勝・枯山水庭園「元信の庭」、そして四季折々の景色が美しい池泉回遊式庭園「余香苑(よこうえん)」などがあります。
国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」は模本だけで、残念ながら実物は展示されていませんが、「瓢鮎図」は、禅問答の「ひょうたんなまず」の原画なので、禅に関しての話のネタになると思います。
とらえどころのない、要領を得ない様子や、そのような人を表す「ひょうたんなまず」という言葉は、「瓢鮎図」の公案から生まれたものです。
「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」この矛盾をどう解決するか、将軍義持は当時の京都五山の禅僧31人に賛詩を書かせたということで、禅問答のネタです。
「瓢鮎図」はその禅僧の知恵が凝縮した回答というわけです。
妙心寺には、他にも通称「八方睨みの龍」と呼ばれる天井に描かれた「雲龍図」なども見どころです。
話は変わりますが、妙心寺の最寄り駅のJR花園駅前には、「カフェ&バル 東寺家」というお洒落なレストランがあります。
大方丈の部屋に入ると、3枚ほどの資料をもらいました。
1枚は『禅』の定義など、基本的なことを説明した比較的平易なもの。
『禅』とは、「心を1つの目的物にそそいで、心が散ったり乱れたりすることを防ぎ、智慧を身に付けて真実の理にかなう修行法」と書いてあります。
妙心寺のホームページにも、「禅とは」という説明があります。こちらは素晴らしい内容なので以下にそのまま引用します。
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禅とは心の別名です。
ひとつの相にこだわらない無相。一処にとどまらない無住。ひとつの思いにかたよらない無念の心境を禅定と呼び、ほとけの心のことです。
私たちの心は、もとより清浄な「ほとけ」であるにも関わらず、他の存在と自分とを違えて、対象化しながら距離と境界を築き、自らの都合や立場を守ろうとする我欲によって、曇りを生じさせてしまいます。
世の中、意のままにならないものですが、正確には我欲のままにならないということです。禅語の「如意」は意の如くと、思いのままになることを言いますが「如意」の「意」は我欲のことではなく、自他の境界と距離を超えた森羅万象に共通するほとけの心のことを指しています。
この「ほとけ」の心の働きには「智慧」と「慈悲」があり、それは認許とも言い換えられます。自分とは違う相手を許し認め、自分とひとつとする「不生不滅・不垢不浄・不増不減」の空の価値観に立つおおらかな心のことです。
自他の距離と境界を越えるには、自分自身を空しくすることです。
禅とは、雀の啼き声を耳にしても障りなく、花の香りの中にあっても妨げにならず一如となれる、そういう自由自在な心のことです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
残りの2枚は、以前の禅道会の資料のようで、かなり難解です。
座禅体験での配布資料
私が訪問したときは、こじんまりとした部屋に、20人ほどが集まって座禅を開いていました。みなさん地元の方が多いようで、私のような観光客はほとんどいなかったと思います。
「妙心寺で座禅体験!日本一厳しいと言われる理由は?」のサイトには、妙心寺の座禅は「日本一厳しい」と評判とあります。
ただそれは、「妙心寺禅道会」とは別の「大衆禅堂」のほうのことです。
「大衆禅堂」は、在家(出家せずに一般の生活を送りながら仏道を信仰する人のこと)の方、一般の方を対象とした坐禅会です。
普通「座禅」と聞くと、2~3時間程度の修行を想像しますが、妙心寺の坐禅「大衆禅堂」は、なんと土曜日の夕方5:30に集まり、翌朝日曜日の朝9:00まで続く非常に厳しいもののようです。
妙心寺の大衆禅堂も予約不要で参加が可能なようです。詳しくは、こちらのホームページで確認することをおすすめします。
妙心寺の大衆禅堂
「妙心寺禅道会」のほうは、座禅体験といっても、特に厳しいものではなく、最初の30分の座禅は、正座やあぐらもOKです。
ちなみに、座禅のときに住職さんが棒のようなものを持ち歩いて、座禅に集中していない修行者の背中をぴしゃりと叩くのがあります。あの棒は、慶策(けいさく)と呼ばれています。
日本には大きく分けて臨済宗と曹洞宗という二つの禅宗の宗派があり、座禅や修行の方法も異なります。
臨済宗の座禅では、修行僧が正面を向き合って座ります。一方、曹洞宗では壁に向いて座ります。
慶策での叩かれ方も、臨済宗では、叩かれたい人が両手を合わせて祈りのサインを出します。それを住職さんが気が付くと、まずお互いに両手を合わせてお辞儀をします。そして、修行者が腰を深く曲げて両肩を和尚さんのほうに向けて、そこをビシッビシッと右左の順に2回叩かれ、その後再びお互いに両手を合わせてお辞儀をします。
慶策で肩を叩かれると、痛いという程ではありませんが、結構な衝撃が加わります。
曹洞宗では、(臨済宗と異なり)警策をいただく際に警策で最初に軽く肩を叩かれるので、それを合図に合掌し左に頭を傾けて右肩を打たれるそうです。
座禅の後は、お茶をいただき、静かに法話(講話)を聴く会という感じでした。
座禅体験中は、撮影は禁止だったので、写真はありません。
座禅体験をしてみた感想ですが、とにかく朝が早かったこともあり、身体が目覚めておらず、ひたすら眠かっただけでした。残念ながら、座禅体験だけでは、何か閃いたり、開眼することはありませんでした。
しかし、座禅の最中は、集まった修行者の空間に緊張した空気が張り詰め、静寂のなかで不思議な気分を味わうことができました。
座禅を続けて毎日の日課にすれば、もしかしたら生活の一部になって健康にも良いのではと思いました。
雑誌PRESIDENT(プレジデント)の最新号(2019年7/5号)「人間の器の広げ方」にも、迷いが消える!リーダーのための座禅・瞑想入門という特集記事がありました。
PRESIDENT(プレジデント)の2019年7/5号
禅はスティーブ・ジョブズ、稲盛和夫さん、ドナルド・トランプ大統領も実践していたのですね。。。
さて、妙心寺での座禅が終わったら、せっかくなので、他の見どころにも立ち寄りたいところです。
2. 妙心寺にある退蔵院
妙心寺には、敷地内には46もの塔頭寺院が立ち並んでおり、見どころは満載なのですが、ここでは「退蔵院」をピックアップしたいと思います。
退蔵院
退蔵院境内見どころ
退蔵院全景
庭園
退蔵院の境内には、国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」(模本)や史跡名勝・枯山水庭園「元信の庭」、そして四季折々の景色が美しい池泉回遊式庭園「余香苑(よこうえん)」などがあります。
国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」は模本だけで、残念ながら実物は展示されていませんが、「瓢鮎図」は、禅問答の「ひょうたんなまず」の原画なので、禅に関しての話のネタになると思います。
退蔵院の「瓢鮎図」
とらえどころのない、要領を得ない様子や、そのような人を表す「ひょうたんなまず」という言葉は、「瓢鮎図」の公案から生まれたものです。
「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」この矛盾をどう解決するか、将軍義持は当時の京都五山の禅僧31人に賛詩を書かせたということで、禅問答のネタです。
「瓢鮎図」はその禅僧の知恵が凝縮した回答というわけです。
妙心寺には、他にも通称「八方睨みの龍」と呼ばれる天井に描かれた「雲龍図」なども見どころです。
話は変わりますが、妙心寺の最寄り駅のJR花園駅前には、「カフェ&バル 東寺家」というお洒落なレストランがあります。
場所は、JR花園駅の改札口を出た真正面、徒歩1分です。妙心寺を訪ねる機会があれば是非こちらにも立ち寄ってみてください。
営業時間は午前10時からなので朝食はやっていないようです。時間に余裕があれば、座禅体験を終えたあと退蔵院を見学したあと、開店時間に訪ねて少し早いランチを堪能してみてはいかがでしょうか。
勝林寺はこじんまりとした寺で、境内にはきれいなモミジの葉の深緑と、蓮の花が咲いていました。
奥に進むと座禅体験の畳場所がありました。座布団もちゃんと準備されています。
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カフェ&バル 東寺家
営業時間は午前10時からなので朝食はやっていないようです。時間に余裕があれば、座禅体験を終えたあと退蔵院を見学したあと、開店時間に訪ねて少し早いランチを堪能してみてはいかがでしょうか。
3. 勝林寺の座禅
京都には、妙心寺だけでなく座禅を体験できる寺院がいくつかあります。以下はその一覧です。
座禅寺一覧
ほとんどの座禅体験が日曜日に集中しているので、平日に座禅を体験できる場所が少ないのですが、妙心寺と同じ臨済宗に所属する東福寺の毘沙門天と呼ばれる勝林寺(しょうりんじ)は、平日の13時から14時の1時間で事前予約(当日も空があれば可)、とても気楽に体験することができるのでおススメです(ご志納料1,000円)。
勝林寺
勝林寺は、JR京都駅から1駅の東福寺から徒歩7分とアクセスも良いです。詳しくは勝林寺のホームページで確認ください。
東福寺から退耕庵を経由して緩い坂道を上ると。勝林寺の境内への入り口が見えてきます。
勝林寺
勝林寺はこじんまりとした寺で、境内にはきれいなモミジの葉の深緑と、蓮の花が咲いていました。
座禅体験は、境内の受付で行っています。靴下は脱ぐ必要がありますが、ストッキングはそのままで大丈夫です。
奥に進むと座禅体験の畳場所がありました。座布団もちゃんと準備されています。
勝林寺の座禅体験
座禅は13:00~14:00の1時間。
ご住職の方が、座禅を始める前に、初心者でもわかりやすい丁寧な解説をしてくださいました。
以下勝林寺の公式サイトからの引用です。
坐禅には呼吸法があります。腹式呼吸という健康と美容に効く呼吸法です。心を落ち着かせたいときにはぴったりの体験です。
腹式呼吸には身体の調子を整える働きがあります。特にお腹の調子を整えるには効果的です。胸で呼吸する胸式呼吸にくらべて、腹式呼吸は横隔膜が大きく動くので、おなかの中が刺激されます。消化機能が高まり、お通じの解消や、血流が良くなるので冷え性の改善にも効果があります。基礎代謝が上がりますので、もしかしたらダイエットのメニューに取り入れても効果があるかもしれません。
意識して呼吸のリズムを整えることを続けていくと、セロトニンという神経の活性化に適しているそうです。
本能行動を司るドパミン神経や、ストレス反応を司るノルアドレナリン神経に抑制をかけ、セロトニン神経には精神の安定を保つ働きがあるということで注目されています。坐禅によってこのセロトニン神経を鍛えることは、不安を抑制、ストレス耐性を高めて、感情をコントロールする訓練になります。正に現代のストレス社会の男性・女性にとって最適な健康法の1つでもあります。
(引用おわり)
警策(けいさく)をいただくときは、ご住職が近づいてきたらこちらからお辞儀をして意思を表明します。
はじめは躊躇してしまうかもしれませんが、誰かが思い切って警策をお願いすると、他の人も次々と警策をお願いするようになります。
棒で背中を打たれると、「ビシッ!」と鋭い音がしますが、痛いという程ではなく、心地良い感触で気が引き締まる思いです。
勝林寺の座禅体験は、有名な「そうだ、京都、行こう」の公式サイトでも紹介記事があります。
他にも坐禅とヨガ体験(ご志納料1,000円)というコースもあります。
以上、早朝の妙心寺と昼過ぎの勝林寺での座禅体験の紹介でした。
座禅体験は敷居が高いように思われますが、一度体験してみると、ぜひまたやってみたい!と思わせる体験となりました。
このような無料の座禅体験の機会は本当に有難いものです。京都の観光名所めぐりに加えて、機会があればぜひ座禅体験をおススメします。
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