なぜかみな同じ方向を向いて止まっています。これだけたくさんのユリカモメが群れていると壮観。。。かなり近づいてもあまり警戒しません。
よく観察すると、体は真っ白ではなく、背中の一部は灰色なんですね。
ユリカモメについてちょっと調べてみました。
1. ユリカモメについて
ユリカモメはご存知東京都の鳥に指定されており、お台場を通る新交通システムの名前にもなっている身近な鳥です。全長は40cmほどで、全身は白い羽毛で覆われていて、くちばしと足が赤いのが特徴です。
ユリカモメは渡り鳥で、高緯度の寒い地域に住んでいて、冬になると南下して、日本やヨーロッパをはじめアフリカやインドにもやってくるそうです。
日本には10~11月頃に集団で飛来してきます。ロシアのカムチャッカ半島からやってくる個体は、なんと3,000kmもの距離を移動してくるそうです。凄いですね~
3月ごろになると、日本を離れ、夏場の繁殖地へと旅立ちます。ちなみに夏場のユリカモメは、頭が真っ黒になって、見た目は全く別の鳥のように変わるそうです。
2. ユリカモメの大群
ユリカモメの大群に遭遇したのは、大田区の多摩川の河川敷、矢口ポンプ所排水樋管という設備のある場所です。最寄り駅は、東急多摩川線の矢口渡駅。駅からは徒歩で20分くらいです。
このエリアは、大田区の町工場が密集している地域で、下町ロケットのロケ地にもなった桂川精螺製作所の大きな看板も見えます。
多摩川沿いの河川敷は、サイクリングコースになっていますが、昨年10月の台風の影響で河川敷が水没、現在はその復旧工事中です。
復旧工事中の河川敷
幸い、この辺りには商業施設がなく、駅からも離れているため、多摩川沿いの豊かな自然が手付かずで残っている貴重な地域ですね。
カルガモの群れ
近くには「ザ・ガーデンズ大田多摩川」という大規模マンションが建築中です(総戸数 378戸、2020年11月下旬竣工予定)。
ザ・ガーデンズ大田多摩川
この日はザ・ガーデンズ大田多摩川の前のサイクリングロードを上流に向かってジョギングをしていました。
多摩川サイクリングロード
2月下旬にしては暖かい陽気で、多摩川にはカヤック?も出ていました。慶応大学のボート部でしょうか。。。
カヤック
矢口ポンプ所排水樋管というのは、サイクリングロード沿いにある多摩川支流の排水をするためのポンプ所です。
大雨で支流が氾濫するのを防ぐために、支流の合流点を樋門(樋管)によってシャットアウトして、ポンプで支流から本流に水を強制的に排水するための設備のようです。
現在は支流はなくなってしまったようですが、大雨で下水道がオーバーフローすると多摩川に直接放流するのに利用されているとのことで、昨年10月の台風のときも稼働したと思われます。
その建物が、ユリカモメの恰好の日光浴の場所になっていました。
富士山
しかし本当にキレイに整列して休んでいますね。。。まるで飾りもののようです。
つぶらな瞳が何とも可愛らしいですね!
ユリカモメがみな同じ方向を向いて止まっているのは、風の向きによるからだそうです。
鳥は、風上に頭を向けていないと、羽毛が頭から尾に向けて生えているので、頭を風下にしてしまうと羽がめくれあがってしまい、風の抵抗を受けてじっと止まっていられないのです。
数十羽の群れがこれだけ間近に揃っていると壮観ですね!
撮影のためにかなり接近しましたが、あまり警戒することもなくじっとしています。
ユリカモメの生態については、野鳥画家の神戸宇考さんのサイトがわかりやすいです。
3. 多摩川河川敷の自然環境
そのままサイクリングロードを多摩川上流に向かって進むと、多摩川清掃工場の大きな排気エントツがあります。
多摩川清掃工場
豊かな自然のなかに清掃工場があるのはちょっと違和感がありますが、この工場は環境への配慮に取り組んでいるようで、ダイオキシン排出量をリアルタイムで表示(ほぼゼロ)している電光掲示板が正門に設置してありました。
多摩川は1970年ごろには魚が住めないような劣悪な環境だったのですが、努力の甲斐あって、今では驚くほどクリーンな川に生まれ変わっています。
多摩川の自然については以前のブログでも少し触れました。
【ウグイ、シマドジョウ、ハゼなど】台風19号で氾濫した多摩川土手の小魚たち
ガス橋周辺には大規模なリバーサイドマンションが建ち並んでいます。シエルズガーデン、東京サーハウス、多摩川ハイム、などなど。。。
キャノンの本社ビルがあるのもガス橋の近くですね。
多摩川大橋からガス橋を通ってサイクリングロードを1周すると約5kmくらいの手軽なジョギングルートになります。
ジョギングルート
多摩川の河川敷は、まだまだ豊かな自然が残っていて、ユリカモメの絶好の生息地域なのでしょう。この豊かな自然を堪能できるジョギングコースはおススメです。
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