サブウーファーは英国モニターオーディオ社のSilver RS W12という製品です。
いろいろ調べたところ、このRS W12という製品のハムノイズは、内蔵されているデジタルアンプの電解コンデンサ不良が原因らしいということがわかりました。
電子機器の交換修理を自分でやるのは初めてでしたが、サブウーファー内部の基板回路をテスターで調べて、不良個所を特定、なんとか電解コンデンサの換装することができました。
同じハムノイズの症状に悩まされている方や、私のように電子部品交換が初めての方の役に立てればと、ブログ記事に残しておきます。
1. モニターオーディオのSilver RS W12
モニターオーディオ社はイギリスのスピーカーメーカーです。オーディオマニアの間では良く名の知れたメーカーです(私のブログタイトルの由来でもあります)。拙宅のリビングシアターは9.1chのサラウンドをモニターオーディオのGoldシリーズに統一しているのですが、サブウーファーだけは唯一Silverを使っています。
リビングシアター
以下サブウーファー(Silver RS W12)のスペックです(こちらのサイトより引用)。
- 価格:180,000円(税別)/本 2005年発売
- 形式:デジタルアンプ内蔵・密閉型
- 入力インピーダンス:20 KΩ
- 再生周波数範囲:19 - 120 Hz
- 可変ハイパスフィルター: 40 - 120Hz可変、In/Out切替、4次2ステージ・アクティブ型フィルター、 24dB/Oct
- 可変フェーズ:0°or 180°
- 内蔵アンプ出力:1,000W(最大) 500W(R.M.S) デジタル級アンプ
- ユニット:300mm C-CAMバスユニット x1、76mmロングスルー・ボイスコイル、トリプル・サスペンション、ダブル・マグネット、25mm MDF キャビネット
- 外形寸法:H340 x W340 x D370mm
- 質量:25.3kg
- 仕上げ:ローズナット,チェリー、ウオールナット,ブラック・オーク,ナチュラル・オーク、シルバー
- 備考:オートOn/Off、 ゲイン/可変、ライン出力装備、ミュージック&シネマ切替、(EQ1/Music/Flat,EQ2/Movies/+6dB@25Hz)
RS W12は、ホームシアター向けにチューニングされており、30cmのユニットならではの迫力のある重低音とスピード感のある再現性です。
RCA入力端子を2系統備えており、2系統同時接続でゲインを3dB上げることができます。
2011年に海外から個人輸入したものです。当時は1ドル76円という超円高だったので、配送料を入れても72,000円と格安で入手できました。
サブウーファーは常時電源オンの状態で使用していたところ、購入して半年ほどで、突然、「ジーー」というハムノイズが発生するようになりました。
アンプから切り離して単独でも電源オンで「ジーー」というハムノイズが継続するので、サブウーファーに問題があるのは明らかでした。
そこで、輸入元に問い合わせしたところ、初期不良ということで、交換品の内部電子基板を空輸してもらいました。自分で交換できるということで。。。
無事に交換を済ませ、ハムノイズも消えて問題がなくなりました。
2.ハムノイズの再発
ところが、サブウーファー修理から8年経過したある日、またしてもあの「ジーー」というハムノイズが発生するようになりました。
サブウーファーのハムノイズ
以前は保証期限内でしたが、今回は有償で修理を依頼するとなると結構な費用がかかりそうです。
そこで、ネット検索でいろいろ調べてみたところ、どうやらSilver RS W12は、電解コンデンサが、エンクロージャの内部温度上昇に耐える仕様ではないため、同様のトラブルが複数報告されていることがわかりました。
こちらのサイトでは、エンクロージャ内部の熱を発生するパーツ(VRMなど)により、電解コンデンサが劣化するのがハムの原因と特定しています。
掲示板には、400uf 80VのペアのJunFuという格安メーカー製の電解コンデンサが壊れたという報告も見つかりました。
こちらのサイトによると、どうら製造元のモニターオーディオ社もこの不具合を認めたようで、2016年6月には第4世代のクラスDアンプモジュールをアップグレードキットとして300イギリスポンド(約39,000円)で販売開始しているようです。
アップグレードキットはイギリスのみの販売で、日本までの送料も考えると結構な修理費となってしまいます。。。
どう対処するか考えあぐねていたところ、YouTubeに同型のSilver RS W12を修理するビデオ投稿を発見しました。
Monitor Audio RSW12 Repair. Finding Bad Capacitors With A Volt Meter
15分間のビデオ(英語)では、サブウーファーの内蔵デジタルアンプの回路基板の、どの端子が怪しいか、どうやったら不良個所を測定できるかということが丁寧に解説されています。
YouTubeの動画
電気回路の基礎知識がないと結構厳しい内容ですが、これは有難い!
私はアナログ回路の実務経験はゼロなのですが、電気工学科出身なので電子回路の基礎くらいなら何とかなるだろうと。。。見様見真似で同じことを試してみることにしました。
3. サブウーファーの分解
さっそくRS W12を分解することに。
25.3kgの重量なのでラックから引っ張り出すのも結構大変ですね。。。あやうくギックリ腰が再発するところでした。
前面のネジ8か所を六角レンチで外します。
ゴトっという感じでメインの30cmウーファーを外します。重い。。。
背面の内蔵アンプに繋がるケーブルを外します。
次に背面のネジ10か所を外します。こちらは普通のプラスネジ。
エンクロージャに張り付いているので、正面のウーファー側から押してやると外れました。
背面のコントロールパネルと一体となっているのがクラスDの500Wデジタルアンプです。500Wの大容量にしては非常にコンパクトです。
本体のコイルや電源と繋がっている配線をすべて外します。
これで回路を確認する準備ができました。
4. 基板回路の構成
まず、サブウーファのデジタルアンプの基板回路について確認します。
右側に大型のメインフィルタ用の電解コンデンサ(4700μF、80V)が2つあります。
3個のレギュレータと電解コンデンサ
こちらが電源系統ユニットですが、ここにはいくつかのスイッチング・レギュレータが確認できます。
スイッチング・レギュレータ(小型の電源供給回路、中央に丸い穴が開いている銀色のIC)は、3端子レギュレータの場合が多いということで、基板を見ると、レギュレータ2個(7812/7912)と、左に横向きのレギュレータ1個の、合計3個の3端子レギュレータが確認できました。
スイッチング・レギュレーター
3端子レギュレータの動作原理は、入力に出力電圧より高い電圧を加えると、出力に一定の電圧が出力されます。
3端子レギュレータ(ツール・ラボより引用)
3端子レギュレータには追加の電子部品が必要で、コンデンサが使われています。コンデンサを入れることによって、安定動作のためのノイズ対策と、出力電圧を安定させることができるのです。
3個の3端子レギュレータを使って、生成した+12Vと-12Vを組み合わせて±24VのACを生成し、デジタル回路に供給しています。
3端子レギュレータの入力側と出力側にそれぞれ電解コンデンサが接続されています。出力側には、出力電圧を安定させるために容量の大きい(50μF~200μF)電解コンデンサ(Electrolytic Capacitor)が繋がっています。
ビデオでは、この電解コンデンサが壊れていたので、ここが故障原因の有力候補ですね。
ちなみに、電解コンデンサは、容量の小さい積層セラミック/フィルムコンデンサと違って、極性(プラスとマイナス)があるので注意が必要です。
実際の電解コンデンサでは、本体にはマイナスのマークが印刷されていて、プラス側のリード線が長くなっています。
3端子レギュレータの回路図は以下のようになります(以下CQ出版社のHPより引用)。
3端子レギュレータの回路図
右側の47μと書いてあるのが電解コンデンサです。
レギュレータは、入力電圧の変動を補正して、常に一定の出力電圧にするのが役割ですが、入力電圧が安定している値であるに越したことはありません。
スイッチング・レギュレーターの周辺には、掲示板にもあったJunFuの電解コンデンサ(25V/220μF)が3つ確認できます。
また、スイッチング・レギュレーターの奥には、さらに小型のJunFuの電解コンデンサ(16V/100μF)が3つ確認できます。
レギュレータまわりの電解コンデンサ
故障個所の候補としては、デジタルアンプのスイッチング・レギュレーターまわりの電解コンデンサです。YouTubeのビデオでも、この箇所の不具合を特定していました。
なぜ電源基板のコンデンサが故障しやすいのか?
調べてみると、リプル電流という要素が大きく関わっているようです。以下「コンデンサ交換修理の入門知識メモと資料まとめ」から引用します。
「コンデンサ」は何のために使われるかというと、変換後の直流に含まれる「リプル電流」を除去するために使われます。
リプル電流は交流成分であるためコンデンサの内部抵抗(ESR)に流れることになります。そして、この内部抵抗を流れることにより、発熱が発生します。つまり、ESRが大きいと発熱が大きいのですが、アルミ電解コンデンサはそもそもESRが大きく、発熱しやすい→壊れやすいという背景があるのです。
しかし、目視で確認する限りでは、電解コンデンサの損傷は見当たりません。。。
そこで、テスターを使って不具合箇所の特定をします。
5. 不良個所の特定
いよいよ基板回路の不良個所の特定です。まずは、すべてのケーブルを繋ぎ戻して、サブウーファー本体のAC電源をオンにします。
以下は活線作業となるので感電や漏電、基板の損傷を避けるために細心の注意を払って進めます。
テスターはビデオではデジタルテスターを使っていますが、私は手持ちのSANWAアナログテスターを使いました。
デジタルテスター(ビデオ)
使用したアナログテスター
まず、3端子レギュレータの入力側のAC電圧を測定します。DC電圧ではなく、AC電圧を測るというのがポイントのようです。
入力側はそれぞれ右AC3.2V、左AC1.3Vでした。
次に、3端子レギュレータの3端子のDC電圧を測ります。
レギュレータ#1 -18V(入力), 0V, -11V(出力)
レギュレータ#2 16V(入力), 0V, 12V(出力)
レギュレータ#3 -18V(入力, 0V, 12V(出力)
出力はそれぞれ±12V程度に制御されており3端子レギュレータは正常動作していることがわかりました。
今度は、3端子レギュレータの出力側のAC電圧を測定します。
左入力1.3V(AC) 18V(DC) → 出力0.0V(AC) 12V(DC)
右入力1.3V(AC) 18V(DC) → 出力0.137V(AC) 11V(DC)
すると、右側のレギュレータは、本来であれば、AC1.3V入力をAC0V出力に変換すべきところを、AC0.137Vと出力されています。
つまり、この右側の3端子レギュレータに繋がっている出力側の電解コンデンサ(電解コンデンサ#5)が不具合場所ということが濃厚です。
ここですべての電源を切って、計測器をテスターからESRメーターに切り替えます。
ところでESRメーターとは何でしょうか?
ESRとは、Equivalent Series Resistance(等価直列抵抗)の意味で、コンデンサに含まれる抵抗成分のことです。ESRが小さいほど発熱が少なく長寿命のコンデンサということになります。
ESRメーターとは、コンデンサのESRを測定できるテスターのことです。コンデンサの優劣判別ができるメーターと覚えておけばよいと思います。
ちなみにLCRメーターというのものありますが、ESRメーターの上位機?のことでしょうか。。。
ESRメーター(ビデオ)
私はESRメーターを持っていなかったので、アマゾンで中国kkmoon製の格安ESRメーターを購入しました。
ケースもなく基板も剥き出し状態ですが、100均で買った9Vの角形電池を繋げると無事起動しました。
あとはリード線を適当に見つけてきて、ESRメーターに接続します。接続箇所はどこでも良いようだったので、1と3に繋げて、左のクランプで固定します。
黄色いボタンを押すと測定スタート、数秒で静電容量を測定してくれます。
ESRメーター
コンデンサや抵抗、MOSFETなど、繋げた回路構成を自動的に判別してくれるなかなかの優れものです。
ESRメーターで測定すれば、電解コンデンサーの劣化具合が判別できます。
入力側
電解コンデンサ#1(220μF)測定値
ESR=2.7Ω
Vloss=5.2%
194.2μF
電解コンデンサ#2(220μF)測定値
ESR=1.7Ω
Vloss=5.2%
196.0μF
電解コンデンサ#3(220μF)測定値
ESR=6.2Ω
Vloss=11%
142.0μF
入力側
電解コンデンサ#4(100μF)測定値
ESR=0.15Ω
Vloss=3.4%
102.0μF
電解コンデンサ#5(100μF)測定値
ESR=N/A
Vloss=N/A
N/A μF
出力側の電解コンデンサ#5(JunFuの電解コンデンサ 16V/100μF)が何度測定しても計測不能で、やはりこれが問題のコンデンサであると特定できました。
不良の電解コンデンサを交換するときは、同じ環境にある同種の電解コンデンサも全て交換するのが良いということで、入力側と出力側の合計6つの電解コンデンサを全て交換することにしました。
新しいコンデンサは、品質に評判のある日本ケミコン製の105℃対応品、コンデンサの単価は1個50~60円です。
電解コンデンサ 16V/100μF
電解コンデンサ 25V/220μF
6. 電子回路修理に必要なもの
電解コンデンサの交換は、半田ごてを使った作業となります。交換の際に使用する工具は以下の通りです。
6.1 ハンダごて
ハンダごては、評判の高い「白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600」(消費電力50W)を使いました。温度調整がダイヤルを回すだけでできるのが特徴です。marutsuのサイトの「電子工作に必要な工具の種類と使い方」は、非常にわかりやすいサイトです。こちらのサイトを参照すると、電子回路のハンダごては、330℃程度で使用するのが良いということです)。
6.2 ハンダ
電解コンデンサをハンダ付けするのに使います。ヤニ入りはんだを使うと、はんだの濡れ広がりが良くなり作業性が良くなりますが、フラックスが多い分、飛び散りの発生が多くなる傾向にあります。
6.3 ハンダ吸い取り線
ハンダを吸い取るのに利用する目の細かい金属の網です。6.4 はんだこて台(スポンジ付き)
はんだごて台は、必ずあったほうが作業が劇的にラクになります。私は、横着してはんだごてを使わないで服を焦がしてしまって以来、はんだごて台を必ず使うようにしています。以上に加えて、ニッパーやツールクリッパーなどを必要に応じて準備します。
7. 電解コンデンサの取り外し作業
ここからは、個人的には一番苦手としている、基板にダメージを与えず、電解コンデンサを回路基板から外す作業となります。。。
半田ごてでコンデンサを取り外し
まずは、作業がやりやすいように、該当の電解コンデンサ周辺のケーブルを外して邪魔にならないようにします。
ケーブルが邪魔
ケーブルを外して撤去
問題のコンデンサ(中央)に赤マーカーで印をつけておきます。
赤マーカーで印
念のために交換する新品の電解コンデンサのESRを測定しておきます。
新品の電解コンデンサ
(以下は「マザーボード上の膨張した電解コンデンサを交換する」のサイトから引用)
ハンダを吸い取りやすくするために、古い電解コンデンサの端子(足)をカットします。この作業をすることにより、ハンダ吸い取り線を基板面に密着させやすくなり、結果としてスルーホール内にハンダが残りにくくなります。
外すコンデンサーを手で引っ張るように持ちますが、慣れないうちは外すまでにコンデンサーが半田ごての熱によって高温になるので、プライヤーなどでそっとはさむ方が良いかもしれません。
気持ち少し引っ張りながら、ハンダ付けしてある箇所に半田ごてを当てます。
片側のハンダが溶けたら、すぐにもう片方のハンダを溶かします。
ここまでは予熱を与えているような感じです。
この後、片側1~2秒程度ごとに半田ごてを交互に当てて少しずつ引き抜きます。
片側に長く当て続けるよりもこの方が速く抜けます。
ハンダが溶かせない事もあります。
この場合は一度外す部分にハンダを盛ります。
半田ごてを当てる面積が増えることで、ハンダがあっという間に溶けるようになります。
もとのハンダが基板より出ていないような場合は、こうする方がよほど速く取れます。
外せたら新しいコンデンサーを初めに確認した向きに合わせて取り付け、ハンダ付けします。
この時にコンデンサーの足を他にショートしない向きに折り、固定しておくとハンダ付けが簡単になります。
(引用おわり)
いよいよ半田ゴテの登場です(笑)
中央の赤丸で囲った2本の端子が、電解コンデンサの端子です。ここに半田ゴテを当ててコンデンサの脚を反対側から引き抜きます。
慣れない作業で、思った以上に時間と力がかかりましたが、なんとか強引に?引き抜くことができました。引き抜いた後(赤丸で囲った部分)の端子が抜けているのがわかると思います。
反対側の電解コンデンサの部分です。中央のコンデンサが抜けてなくなっているのがわかります。
引き抜いたコンデンサです。85℃耐用のものでした。
念のためにESRメーターで測定してみると。。。
140pFとやはり異常値でした。不具合箇所はやはりこの電解コンデンサでした。
8. 電解コンデンサの取り付け作業
今度は、引き抜いた場所に、新しく調達した電解コンデンサを装着します。これが大変でした。。。残ったハンダが邪魔してなかなか穴を貫通してくれません。
そこで、一度外す部分にハンダを盛って、再び溶かしてみました。
悪戦苦闘すること1時間あまり、ようやくコンデンサの脚を基板の穴に貫通させてハンダで固定させることができました!
早速ESRメーターで端子間を測定、問題ない数値です!
コンデンサのハンダ付け部分
新しく装着した電解コンデンサはこんな感じで宙に浮いている感じ、宇宙戦争に出てくるトライポッドのようです(笑)
9.いざ通電
早速基板を再びサブウーファーに組み込み、外したコードを元に繋いでいざ通電してみることに!自信満々です(笑)
が。。。
なんと、電源スイッチを入れた途端に、パイロットランプが何やら怪しげな挙動を。。。
と思ったら、なんと電源スイッチがプツッと切れてしまいました。
そして、かすかに回路から焼けた匂いのようなものが(気のせいかもしれませんが)。
再度スイッチを投入しても、電源ケーブルを差し直しても、ウンともスンとも言わない状態になってしまいました!!!
電源ケーブルを交換したり、いろいろ試したのですが、電源が入らない状態は変わりません。
電解コンデンサを交換して修理するはずが、さらに状況を悪化させてしまったようです。。。
ここでボッキリと心が折れました。。。
10. 顛末
本当であれば、無事にサブウーファーからのハムノイズが無くなり、修理が完了する前提でこのブログを書いていましたが、こういう顛末となってしまいました。気力が復活したら、再びトラブルシューティングして、電源が入らなくなった原因を究明しようと思います。。
------------[参考] YouTubeビデオの測定値---------------
メインフィルタ用の電解コンデンサ(4700μF、80V)の電圧を測定したところ、ともにDC55Vが出たので合計DC110Vがアンプの入力ということで、この電解コンデンサは正常でした。
まず、3端子レギュレータの入力側のAC電圧を測定します。DC電圧ではなく、AC電圧を測るというのがポイントのようです。
入力側はそれぞれ右AC3.2V、左AC1.3Vでした。
次に、3端子レギュレータの3端子のDC電圧を測ります。
レギュレータ#1 -18V(入力), 0V, -11V(出力)
レギュレータ#2 16V(入力), 0V, 12V(出力)
レギュレータ#3 -18V(入力, 0V, 12V(出力)
出力はそれぞれ±12V程度に定電圧に制御されているのがわかりました。
3端子レギュレータの3端子のDC電圧は平常ということだと思います。
今度は、3端子レギュレータの出力側のAC電圧を測定します。
左入力1.3V(AC) 18V(DC) → 出力0.0V(AC) 12V(DC)
右入力1.3V(AC) 18V(DC) → 出力0.137V(AC) 11V(DC)
すると、右側のレギュレータは、本来であれば、AC1.3V入力をAC0V出力に変換すべきところを、AC0.137Vと出力されています。
つまり、この右側の3端子レギュレータに繋がっている出力側の電解コンデンサが不具合場所ということが濃厚に。
ここですべての電源を切って、計測器をテスターからESRメーターに切り替えます。
入力側
電解コンデンサ#1:6Ω 220μF
電解コンデンサ#2:18Ω
出力側
電解コンデンサ#3:2Ω 220μF
電解コンデンサ#4:1.5Ω 220μF
入力側の電解コンデンサ#2(JunFuの電解コンデンサ 25V/220μF)の容量が18Ωと異常値を示しており、これが問題のコンデンサであると特定できました。
------------[参考] おわり------------
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