現状のシステム(Raspberry Pi + I²S接続DACボードで、Lepaiのデジタルアンプ再生)に十分満足していたので、これ以上手を加えるつもりはなかったのですが。。。
I²S接続のDACボードで、DSDネイティブ再生ができてしまう製品を、先月偶然見つけてしまいました。
Aoide U-GEEK DAC II ハイファイサウンドカード + Raspberry Pi4 + Volumio2
これでついにSpotifyのストリーム再生から、96kHz/24bitなどのハイレゾはもちろん、DSD64/128/256のネイティブ再生まで、すべて一台で再生できてしまう究極のシステムができました!
しかも超低消費電力なので常時電源オンで操作も簡単、トータルコストは驚きの14,699円。。。
実はまだまだチューニング不足なのですが、取り急ぎブログ記事にしました。
1. Aoide DAC IIの発注
Aoide DAC IIというDSDネイティブ再生ができるI²S接続のDACボードを知ったのは、アマゾンのサイトでした。
音質には定評のある「ESS」社のES9018K2Mを採用。ハイレゾ対応I²S接続で384kHz / 32bitまでのDSD再生に対応しています。
アルミのDAC専用ケースと一体型の商品も見つかりました。
Raspberry PiのI²S DACでDSDをネイティブ再生できるものが商品化されているとは驚きです。
レビューも少なく、評価も今一つだったのですが、同じ製品が中国の最大手ネット通販のAliExpressでは割安で販売されているのを発見。
DACと専用ケース、そしてRaspberry Pi 4B(1GB)もセットで、13,810円とAmazonよりも遥かに格安です。
DACと専用ケース、そしてRaspberry Pi 3B(1GB)とのセットもあり、こちらは11,544円でした。
AliExpressで良く探してみたところ、DACと専用ケースのセットと、Raspberry Pi4B(2GB)単体で別売りでオーダーすると、12,119円とセット売りよりもさらに割安になったので、分けて発注しました。
ちなみにAliExpressは配送料無料です。
DAC+ケースとRasPi4Bを別々で発注
中国からの配送となるので、発注してから手元に届くまで約20日かかりました(コロナの影響で流通が遅れているようです)。
2. Aoide DAC II
まずAoide DAC IIが到着。
ケース内部にAoide DAC IIが内包されていました。
背面にはU-GEEKというロゴが付いています。AIODEとU-GEEKのブランドの位置付けがよくわかりません。。。
Aoide DAC II本体です。
これまで使っていたI²SDAC(サインスマートHIFI DACサウンドカード)と比べると、基板の回路は結構ギッシリと積まれている感じです。
100.000MHzのXMOSクロック素子。
裏面はシンプルです。
スペックは、以下のとおり。ケース内部にAoide DAC IIが内包されていました。
Amazonのレビューには付属品のネジが足りなかったとの投稿もありましたが、私に届いたものはネジやゲタの数は適正でした。
アルミケースはなかなかしっかりとした造りで、高級感もあっていい感じです。
ケース正面にはAOIDEとネーミングされています。
背面にはU-GEEKというロゴが付いています。AIODEとU-GEEKのブランドの位置付けがよくわかりません。。。
これまで使っていたI²SDAC(サインスマートHIFI DACサウンドカード)と比べると、基板の回路は結構ギッシリと積まれている感じです。
DSD256 DXD384 32bit AIODE UGEEKと刻印されていますね。
基板中央にESS社のES9018K2Mチップが搭載されているのがわかります。
ES9018K2M
100.000MHzのXMOSクロック素子。
- DACチップ:ESS社製ES9018K2M
- ヘッドフォンアンプ: テキサスインストゥルメンツ製 TPA6133A2
- MELF 抵抗、フィルムコンデンサ
- DSD256/128/64; 32Bit/384KHz(PCM)対応。80/100Mhzマスタークロック搭載
- Line out: Frequency Response: 20Hz~20KHz +/-0.1dB S/N: -119dB +/-1dB THD+N: -120dB DNR: 127dB
- Headphone Out: Frequency Response: 20Hz~20KHz +/-0.1dB THD+N: 0.0021% (16ohm load) Output Level: 138mW(+4dB gain) SNR: 93dB PSSRR: >100dB CMRR: 69dB
- DSD128/PCM384再生可能:https://sourceforge.net/projects/u-geek/files/HIFI/ (Output Device : Aoide DACII)
- 内蔵5V電圧スイングヘッドフォンアンプ
- 3.5mmヘッドフォン出力とライン出力 (RCA)
- DSD256/128/64; 32Bit/384 125khz (PCM)
- オーディオ形式: DSD 、 APE 、 FLAC 、 WAV 、 WMA 、 AAC 、 ALAC 、 AIFF 、 OGG 、 MP3
対応Raspberry Piは、3B、3B +、3A +、2B、B+ 、+とあります。
なぜか最新の4Bの記載がありません。。。 (これが後々トラブルの元になります)
AliExpressの商品説明サイトには、Volumio、moode、DietPiのいずれかのシステムをダウンロードするよう書かれています。
Https://sourceforge.net/projects/u-geek/files/HIFI/Volumio2.612-2019-09-27-pi-aoide.img.gz/download (Volumio)
Https://sourceforge.net/projects/u-geek/files/HIFI/moode5.3-aoide-dacii.img.7z/download (moode)
Https://sourceforge.net/projects/u-geek/files/HIFI/Dietpi-2019-09-24.img.gz/download (DietPi)
Aoide DAC IIは、DSDネイティブ再生のためのドライバが必要なので、Volumioをそのままインストールしただけでは、DSDネイティブ再生はできません。
有難いことに、sourceforgeのサイトでは、Aoide DAC IIのドライバが組み込まれたVolumioイメージを作成して公開してくれているのです。
現在使っているPi2とI²SDACボードの組み合わせの素晴らしさは、以前ブログに書きましたが、LePaiのデジタルアンプと一緒に使って神オーディオと呼ぶほどの素晴らしさでした。
[LepaiのLP-2020A+デジタルアンプとRasPiのI²S接続] は本当に神オーディオだった
この神オーディオシステムの唯一の不満点が、DSDネイティブ再生ができないことでした、というかI²SはDSD非対応なので、DSDネイティブ再生ができないのは当然と考えていたのです。
しかし、Aoide DAC IIは、同一基板内で、DSD信号をアナログ変換してI²Sへ出力する機能を兼ね備えているので、Volumioのような再生アプリからDSD音源を選択して再生することができてしまうのです。
もはやDSD対応のDACをわざわざUSBケーブルで接続する必要なく、DSDのネイティブ再生ができるようになったわけです。
Volumio2を使えば、ハイレゾだけでなく、Spotifyのようなストリーム配信の膨大な音楽ライブラリも同じシステムで聴くことができます。
Volumio Spotify Connectについては↓のブログ記事を参照ください。
[Volumio Spotify Connectの衝撃] Spotifyを最高音質で聴くためには
96/24のPCMハイレゾからDSDやSpotifyまで、あらゆる音楽ソースをすべて再生可能なシステムが手軽に実現できてしまうAoide DAC IIは、デジタルオーディオ時代を象徴する革新的な製品です。
3. Raspberry Pi 4B
Raspberry Pi4 ModelB(2GB)単体も数日後に到着。
2つのRasPiとそれぞれのI²SDACボードの比較です。
4歩のピンの固定をしたら、次にDAC基板と繋げます。
2つの基板を繋げた状態。
次に、ケース収納の固定用のピンを接続して、ケース底板に基板を固定させます。
最後にケースの上蓋を丁寧に収納させます。かなりキッチリとしたサイズで、LANとUSB端子の部分は力を入れないとまはりません。
RCAピンの周辺には特に無理な力が加わらないように留意します。
底板のネジ4か所で上蓋を固定して完成。質感があってなかなかいい感じです!
Raspberry Pi4 ModelB
これまで使用していたRaspberry Pi2 ModelBと比較すると、基本的な寸法やピン配列は互換性がありますが、HDMI端子が標準タイプからミニタイプx2に変更、USBはType BからType Cに変更されています。
良く見ると、LANポートの位置も変わっています。
また、microSDカードスロットは、Pi2ではスロットに挿入するとカチッとロックされる方式だったのが、単にスーッと挿入する簡易な方式にダウングレード?されています。
Raspberry Pi2 ModelB
2つのRasPiとそれぞれのI²SDACボードの比較です。
Pi2(左)とPi4(右)
4. 組み立て
Aoide DAC IIをRaspberry Pi4に繋げて、U-GEEKのアルミケースに収納させます。
説明書はないのですが、製品のサイトを見れば問題ありません。
説明書はないのですが、製品のサイトを見れば問題ありません。
留意点としては、いきなりRasPiとDACボードを繋げる前に、RasPiに長いピンを4本ビスで固定させます。
4本のピンを固定
4歩のピンの固定をしたら、次にDAC基板と繋げます。
2つの基板を繋げた状態。
最後にケースの上蓋を丁寧に収納させます。かなりキッチリとしたサイズで、LANとUSB端子の部分は力を入れないとまはりません。
RCAピンの周辺には特に無理な力が加わらないように留意します。
底板のネジ4か所で上蓋を固定して完成。質感があってなかなかいい感じです!
底板のネジで固定
完成品(前面)
完成品(背面)
5. Volumioのインストールと設定
Volumioのインストールと設定は特に変わったことはありません。Volumioのイメージは、オフィシャルサイトではなく、前述のSoundforgeのU-GEEKからダウンロードします。最新版は、AliExpressの製品説明にあるVolumio2.612-2019-09-27ではなく、遥かに頻繁にアップデートされています。
この記事の時点(2020/05/09)で最新版は、Volumio2.729-2020-03-29です。
32ビット版と64ビット版もありますが、64ビット版はRasPi4Bのみサポートのようです。
いつものように、gz圧縮ファイルをダウンロード(ダウンロードが遅い場合はいくつかmirror siteがあるのでそちらを利用します)、imgファイルをWin32DiskImagerなどのソフトでフォーマット済みのmicroSDカードに書き込みます。
microSDカードは4GBあれば問題ないようですが、Class10かそれ以上の32GBか64GBを推奨します。
すべての接続を済ませて、Lepaiの神アンプと接続、いよいよ究極のDSDネイティブ再生が実現します。
ちなみに、このオーディオシステムの総費用(スピーカー除く)を計算してみました。
Lepai LP-2020A+デジタルアンプ: 2,580円
Raspberry Pi4B: 4,820円
Aoide DAC IIと専用ケース: 7,299円
合計: 14,699円
なんと、1万5000円を切るシステムが、ハイエンドオーディオに匹敵する、いやそれ以上かもしれないポテンシャルを秘めているというのは信じ難いことですね。。。
あとは、いつものようにhttp://volumio.local/にアクセスして、初期設定するだけです。
。。と思いきや、私はここでトラブルに遭遇してしまいました。
Volumioがネットワーク上で見つかりません。。。
microSDカードを変えたり、電源を変えたり、Volumioのバージョンを古いものに変えたりいろいろ試しましたが、結果は同じ。
仕方ないので、RasPiのHDMI出力からディスプレイに繋いで様子を確認してみます。
すると。。。
電源を入れてしばらく待つと、ディスプレイ画面には、VOLUMIOのロゴが出てきますが、いつまで経ってもログイン画面になりません。
さらに。。。
再起動を何度も繰り返しているようで、再三VOLUMIOのロゴが出ては消えます。
ようやくコマンドラインが出てきたと思ったら、すぐに消えてしまいました。。。
明らかに何かがおかしいようです。
そこで、せっかく組んだケースを分解して、RasPi4をRasPi2に換装してみることにしました。
U-GEEKのケースはRasPi4専用なので、HDMI端子が標準サイズのRasPi2ではケースの上蓋が噛み合いません。。
電源を入れてしばらく待つと。。
今度は無事にLogin画面になりました!
ということで、原因は、RasPi4Bとの互換性?でした。
AliExpressの商品説明のところに、対応RasPiが3B、3B +、3A +、2B、B+ 、+と、なぜか4Bが抜けているのが気になっていたのですが、どうやら4Bとの互換性では問題が残っているようです。
Aoide DAC IIとRasPiのセット製品では、RasPi4Bなのですが。。。
仕方ないので、RasPi2BとAoide DAC IIと組み合わせで設定を進めることにしました。
バージョンは、SourceforgeからダウンロードしたVolumio2.729-2020-03-29(32ビット版)です。
初期画面
DACをAoide DAC IIを選択します。
NASの音楽ライブラリを指定するときには、オプションでVers=1.0を忘れずにコメントします。
以下のスクリーンショットにあるパラメータを間違いない入力して保存をします。
NASの音楽ライブラリの設定
間違いがなければ下のようにNASの自動スキャンが始まります。
プレイバックオプションは、デフォルトのDSD DirectでOKです。
オーディオバッファサイズと再生前のバッファーの指定もデフォルトのままでOK。
早速DSD音源を選択して再生ボタンを押すと、ちゃんと再生できました!!
PC画面
ちゃんと画面右の再生時間の下に、2.82MHz |1bit DSDと表示されています。
スマホ画面
DSFファイルだけでなく、DFFファイルも問題なく再生できます。
ところが。。。なぜか再生がたまにプチプチと途切れます。DSDだけでなく、通常の44.1kHz / 16bitのFLAC再生も同じように途切れる現象が発生します。
おまけに、ボリュームを上げると明らかに歪んでいるのがわかります。
さらにさらに。。。再生や停止、曲目選択の操作をするたびに、反応が重たく、ちょっとイライラするほどのレスポンスの悪さ。。。
これでは使い物になりません。。。
フルボリュームで音が歪むのは既知の問題のようで、Volumioのプレイバック設定で最大音量を100%から80%くらいに下げるとOKとあったのでそれを試したところ、問題は解消されました。
再生がプチプチとなるのは、ひょっとしてバッファサイズが小さいのではと思い、プレイバック設定でバッファサイズを2MBから4MBに変更、再生前のバッファーも10%から20%に変更してみたところ、だいぶ改善されました、が完璧ではありません。
こちらのサイトでは、CPUの周波数を落とすとプチプチが解消されるとのことなので、いずれ試してみようと思います。
ネットをいろいろ調べてみると、どうやら、SourceforgeのDSDドライバが組み込まれたVolumioのイメージは、頻繁に更新されているにも関わらず、DSDドライバは半年くらい古いバージョンのものを組み込んでいるようで、それが問題なのかもしれません。
こちらのサイトには、新規のドライバを更新する方法など詳しく説明があるので、参考にして試してみようと思います。
音の第一印象は、DSD音源はクセのない非常に素直な音という感じでした。
デジタルアンプがLepaiの神アンプなので、そちらが凄過ぎて音に関しては不満はありません。
うーーん、しかし何としてでもこのAoide DAC IIシステムをチューニングしてメインシステムにしたい!
RasPi4Bで音出しに成功した方がいらっしゃったら、その手順をぜひ教えていただきたいです。
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