[家庭用インクジェットプリンター買い替えは中古の同機種を買おう] Canon MG6730を使い続けるメリットとは

我が家の家庭用インクジェットプリンター(Canon MG6730)は、5年前に買ったものですが、最近故障が増えてきたため、買い替えをすることにしました。

いろいろ考えて、新製品に買い替えをする代わりに、同機種の中古品を買うことにしました。

それは、家庭用インクジェットプリンタでは、新製品を買うメリットよりも、中古の同機種を買うほうがメリットが大きいからです。


スマホやパソコンのような技術革新による機能拡張が著しいデジタル家電と違い、家庭用インクジェットプリンタは、ここ数年で技術的にはすでに成熟しています。

また、インクタンクの互換性が製品ごとに極めて限られているので、同機種でインクタンクを流用できることも大きなメリットです。

1. Canon MG6730

現在自宅で使っている家庭用のインクジェットプリンターは、Canonのインクジェット複合機 ピクサス(PIXUS) MG6730WH(ホワイト)という製品ですが、これは2015年11月にLohacoから¥9,240でネット購入したものです。



以下が特徴です(詳細な機能はメーカーサイトに掲載)。
  • 6色ハイブリッドで写真鮮やか文字くっきり。大容量インクタンク対応。Wi-Fi対応。
  • 最大用紙サイズ/色数:A4/6色ハイブリッド
  • 接続方法:無線LAN、USB
  • 機能:コピー機あり/スキャン機能あり/FAX機能なし
  • 自動両面:対応
  • スマホプリント:対応
  • 操作方法:3.0型カラー液晶、ボタン
  • 給紙:前面給紙
WH(ホワイト)を選んだ理由は、リビングの白い家具との調和からでした。



MG6730は、2014年に発売されたモデルで、同時発売されていた4機種のなかでは、上から2番目の上位機種でした。

購入当時の2015年11月では、メーカー直販価格・ショップの最安値ともに、次のように大きく下落していました。

PIXUS MG7530(17,000円~12,380円)
PIXUS MG6730(14,000円~8,820円)
PIXUS MG5630(11,300円~7,397円)
PIXUS MG3530(7,800円~4,735円)

最安値の8,820円はAmazonでしたが、あいにく在庫切れだったため、2番目に安かったLohacoから購入しました。

それでも、当時新製品として発売されていた後継機種のMG6930は、MG6730と性能・機能がほとんど変わらないにもかかわらず、新製品というだけで24,800円~17,000円という高値だったので、8,820円のMG6730はかなりのお買い得だったと思います。

また、MG6730のインクタンクの型番は、BCI-351+350という6色の染料+顔料のセットです。

BCI-351+350の純正品は品質はとても良いのですが、大手量販店でも7766円(税込)と価格が非常に高いのがネックですね。

BCI-351+350の純正品

幸いにも、互換性のあるインク(純正品と同様にICチップもついているのでプリンターにセットすると残量表示も出る)なら、¥ 1,260(Amazon)と格安で入手できます。


パソコンと接続して文書や写真、年賀状など各種プリントはもちろん、A4サイズまでのコピーやスキャン、専用トレイを使ってCDのラベル印刷などもできるので大変重宝しました。

パソコンとは無線WiFiで接続できるのでUSBケーブル接続も不要、またiPhoneやiPadといったデバイスから直接写真をプリントできる機能も付いているので非常に便利でした。

このように、MG6730は非常に満足度の高い多機能プリンターでした。

2. 最初の故障(プリントヘッド)

そのMG6730でしたが、4年目のある日、突然故障してしまいます。

故障のエラーメッセージは、「サポート番号 B200」と表示されており、この機種では典型的なプリントヘッドの不具合でした。


ネットで「MG6730 B200」で検索するとたくさん情報が出てきますが、プリントヘッドの汚れが主な原因で、修理を依頼しなくても自力で修復できた事例がたくさんあります。

サービスモードというメンテナンスモードでクリーニングするのが一番手っ取り早かったのですが、残念ながらこの方法で必要なソフトウェアをネット上で見つけることができませんでした。

そこで、次の手段として、プリントヘッドを取り外して、物理的に洗浄することにしました。多くの場合はこれで回復するようでした。

プリントヘッド(上部)

プリントヘッド(下部)

インクが染み出してこなくなるまで水で洗浄して、あとはしっかり自然乾燥させたうえでセットしました。

。。。が、残念ながらこの手段でもエラーが消えることはありませんでした。

プリントヘッドを交換するとなると、新品では10,000円近くするので、プリンタ本体の価格と大差なくなってしまいます。

そこで、ヤフオクでプリントヘッド(QY6-0083)のジャンク品を見つけて780円の格安で落札しました。



ジャンク品なので、果たして正常に動作するか心配でしたが、セットして動作させたところ、見事に復活しました!

たったの780円のパーツ交換で故障を直すことができました。

3. 2度目の故障(コピーでの滲み)

2度目の故障は、故障というより機能低下といったほうが良いでしょう。

プリントヘッドの交換が影響しているかどうか不明ですが、コピーでの色の滲みがだんだんと目立つようになって、付属のユーティリティソフトでのクリーニングや調整をいろいろ試しても改善することがありませんでした。

パソコンからの印刷やスキャンでは問題なかったのですが、なぜかコピーだけが滲むので、コピーの場合は、わざわざスキャンして、そのファイルをパソコンから印刷するという2度手間で凌いでいました。

また、文書コピーやプリントで、文字が二重に印刷されてしまう不具合も、だんだん程度が悪くなり、いくらメンテナンスのクリーニングや微調整をしても回復しなくなりました。

その滲みや二重印刷がひどくなって、5年目にしてついにプリンタの買い替えを決心したのでした。

4. 新製品(TS8330)との比較

MG6730と同じグレードの2020年モデルのPIXUSの家庭用インクジェットプリンターは、TS8430です。

その2019年モデルは、TS8330で、TS8430とはほぼ同じ仕様・機能です。

価格.comのプリンタ人気売れ筋ランキングでも第2位(2020年10月時点)の人気モデルです。最安価格は21,000円。

TS8330
  • 写真も文書もキレイにプリント。充実機能のハイスペックモデル。
  • 機能:プリント、コピー、スキャン
  • 最大用紙サイズ: A4 /色数: 6色ハイブリッド
  • 給紙:前面カセット給紙(A4普通紙100枚)、背面給紙トレイ(A4普通紙100枚)
  • 操作方法: 4.3型タッチパネル、自動電源オンオフ
MG6730とTS8330を比較してみました。

基本スペック

基本スペックの比較では、解像度と接続機能が大きく異なります。

MG6730の特徴のひとつが、9600x2400 dpiという高解像度です。

驚くことに、2020年秋現在販売されている家庭用のインクジェットプリンターは、ほとんどが4800x1200 dpi解像度で、9600x2400 dpiのものはありません。

TS8330の解像度も、4800x1200 dpiです。

家庭用インクジェットプリンターの解像度に関しては、実は昔のモデルのほうが解像度が高かったのです。

しかし、プリンターの解像度に関しては高ければ良いという単純な話ではなく、一概には言えないのですが、CanonやEpsonといったメーカーが解像度の高さを競うことを嫌ったという政治的な理由もあります。

価格.comでも解像度に関しての議論が展開されていますね。

プリンターの解像度スキャナーの解像度については、詳しいサイトを参照ください。

MG6730のスキャナーの解像度は以下のとおりです(TS8330も同一)。
光学(主走査、副走査)最大:2400 x 4800 dpi
ソフトウェア補間(主走査、副走査)最大:19200 x 19200 dpi

解像度以外の基本スペックの差では、無線接続機能やタッチパネルといった点がありますが、どちらもなくても困るものではありません。

詳細スペックも比較してみます。

詳細スペック

詳細スペックの比較では、サイズ・重量以外では差異はありません。

しかし、この表には書いてありませんが、MG6730とTS8330の決定的な違いは、実はインクタンクなのです。

前述のとおり、MG6730のインクは、BCI-351+350という6色の染料+顔料のセットなのですが、TS8330のインクは、同じ6色の染料+顔料のセットなのですが、BCI-381+380というセットです。

そして、BCI-351+350とBCI-381+380は、形状こそ似ているものの、互換性がない、つまり、従来のMG6730用のBCI-351+350は、TS8330にセットしても使えないのです。

これは致命的なことです。

というのも、私は、MG6730用のインクは常にスペアや過去の取り換え時にあぶれたものも含めて何セットも持っているのですが、TS8330を買ってしまうと、これらのインクがすべて不用品となってしまい、逆に新規にBCI-381+380を購入する必要があるのです。

MG6730用のインク(ストック品)

新製品を21,000円という高値で購入して、さらにBCI-381+380のインクセット(互換品で2,381円)を購入しなければならないのです。

しかも、ストックしているBCI-351+350はすべて無駄になってしまいます。

そこで、新製品ではなく、従来のMG6730の中古品を買うことを検討しました。

5. 中古の同機種を購入

MG6730の中古品は、ヤフオクやアマゾンに出品されています。

幸いなことに、アマゾンで、MG6730のホワイトの新古品(印刷枚数351-400枚程度)を見つけました。



通常は配送時の液漏れを避けるために付属されないインクも付属しているようです。

16,800円は、5年前の新品購入時の9,240円よりはるかに高いですが、TS8330の21,000円
よりも5,000円ほど安値です。

そして、何よりも、ストックしているBCI-351+350のインクがそのまま使えるので、インクを新規に購入する必要がありません。

到着した商品は非常に程度の良いものでした。


配送は段ボールではなく、緩衝材に包まれて到着しましたが、内蔵のインクも含めて何も問題ありませんでした。



以下は2台を重ねて撮ったものです。


これまで使い慣れたプリンタなので、パソコンとの接続やセットアップも簡単に済ますことができました。

印刷してみてビックリ!

これまで5年間使い倒してきた同じMG6730よりも、遥かに鮮明なプリントだったからです。

もちろん、コピーでの滲みも皆無です。

しかも、なぜかわかりませんが、明らかに印刷が速い!

中古の同機種を持っている別のメリットは、プリントヘッドの故障のように、万が一、パーツが故障した場合でも、古い機種の同じパーツを流用して修理することができる点です。

もうひとつ、これは些細なメリットかもしれませんが、同機種を購入することで、同じトレイを2個活用して、違うサイズの紙の印刷を簡単にすることができます。

私の場合は、A4サイズとB5サイズの印刷が多いのですが、今まではサイズを変えるごとに、トレイ内部の印刷用紙を入れ替える必要がありました。

ところが、中古の同機種を買うことで、A4サイズとB5サイズそれぞれに専用のトレイを準備することができるので、サイズの違う用紙の印刷を行うのが、トレイの差し替えだけで済むようになり、非常に便利になりました。

A4(右)とB5(左)のトレイ

中古の同機種を買う上での留意点は、程度の良い中古品の流通が少ないことです。

私は今回は運良く程度の良い中古品を入手できましたが、同じMG6730でも、ブラックのモデルはAmazonでは44,800円という非常に高い値段の1機種のみでした。


ヤフオクやメルカリなどオークションサイトでは多くの中古品が流通していると思いますが、品質保証がないので、プリンタのような消耗部品が多く使われている製品の場合は注意が必要です。

また、インクの互換性に関しても、手元に予備のインクがなければ、わざわざ古い同機種のプリンタを購入しなくても問題ないかと思います。

MG6730のような(現在では入手できない)高解像度のモデルであれば、スペックダウンした新製品より旧製品を買う意味がありますが、10年以上古い機種のプリンタだと、さすがに新機種と比較すると機能面で劣ってしまうので、敢えて中古品を探す意味はないと思います。

以上、家庭用インクジェットプリンター買い替えに中古の同機種を買うことをおススメする内容でした。

新しいプリンタの購入を検討する際に参考にしていただければ幸いです。

(2020年10月28日 追記)

キヤノンは、インクジェットプリンター買い替えサービスとして、らくらく買替便というサービスを展開しているんですね。


確かに”メーカー”修理よりはだんぜん割安になると思いますが、プリンターって結構簡単に直せてしまうので、保証期限を過ぎて故障してしまったら、まずは自分で修理してみることをおススメします。

(2022年12月18日 追記)

しばらくは問題なく動作していた買替え品でしたが、突然、あのB200のエラーメッセージが出て使用不能に。。。


カートリッジを取り外したりいろいろ試したのですが復活しません。





そこで、前面を開いたままの状態で、ストップボタンを押しながら電源を入れること数回。。。

何度かの試行錯誤の末、ジーコジーコとヘッドが動いてくれて、無事に使えるようになりました!

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