映画『ホテル・エルロワイヤル』は、日本劇場未公開ですが傑作のスリラー映画です。
あらすじ:1969年、カリフォルニア州とネバダ州の州境の上に立つさびれたホテル「エルロワイヤル」に集まった7人の男女。彼らはお互いに全く関係のない人生を送っていた者たちであったが、全員が重大な秘密を抱えていた。やがて、それぞれの正体と、ホテルに隠された衝撃の真実が浮かび上がってくる。。。
4K予告編
監督:ドリュー・ゴダード
出演:ジェフ・ブリッジス、シンシア・エリヴォ、クリス・ヘムズワース
事前情報ゼロで観たのですが、2時間20分の長尺にも関わらずグングン引き込まれました。
全く関係のない人物が、それぞれ運命的に絡み合って進む映画というと、『クラッシュ』や『ヘイトフルエイト』などの名作が思い浮かびますが、『ホテル・エルロワイヤル』はそれらに匹敵する、あるには凌ぐほどの強烈なインパクトがありました。
登場人物それぞれが抱く隠された人生(元服役囚、売れないシンガー、不運に見舞われた姉妹、ベトナム帰還兵)が、それぞれの事情から次第に事件に巻き込まれてゆくのですが、そのストーリー展開が見事としか言いようがありません。
なかでも、シンシア・エリヴォ演じる黒人シンガーの存在と演技力が圧巻で、それだけでもこの映画を観る価値はあると思います。
あと、『マイティー・ソー』の正義の味方クリス・ヘムズワースが、悪役で強烈な印象を残して驚きます。
懐かしいところでは、ジェフ・ブリッジスが怪しい神父役で登場しますが、いぶし銀の味わい深い演技と役どころを好演しています。
スリラーといっても、テーマは犯罪だけに留まらず、宗教、政治、家庭問題、人種差別など多岐に渡っており、60年代の社会的事情を見事に再現しています(それら多くの問題が現在でも未解決)。
しかし、最も驚くのは、これほどの大傑作がなんと日本劇場未公開とは。。。!
上映時間が長過ぎたからなのか、日本人にはウケないと判断されてしまったのか。。。だとしたら、あまりに勿体ない。これだけの傑作が未公開だったとは、日本のエンタメ業界は大丈夫でしょうか。。。?
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