映画『シティ・オブ・ゴッド』:リオデジャネイロのスラム街に住む子供のストリートギャングの生態

映画『シティ・オブ・ゴッド』は、リオデジャネイロのスラム街に住む子供のストリートギャングの生態を赤裸々に綴ったブラジル映画です。



主要キャストがほぼすべて素人というのも驚きですが、このような殺人や暴力が日常的になっている世界が地球上に実在しているという事実が衝撃的です。とにかく次から次へとギャングの子供たちが人を殺しまくります。殺した方が今度は殺され、もはや最後には登場人物のほとんどが死んでしまいます。

ギャングの仲間入りをする証明のために、まず人殺しをさせるという儀式は、ハリウッド映画の「ニュージャック・シティ」(1991)を彷彿とさせます。殺された方はたまったものではありません。

犯罪を繰り返す少年たち

また、どこかの食料品店(かなんか)の店員をみな縛って、金品を奪って逃げるシーンで、その後、店員がみな縛られた状態で射殺されていたのは、実は物陰から見ていた少年が、現場に残されていた銃を拾って、気まぐれに(!)発砲したのが原因とわかるシーンは背筋が凍りました。

「オマエを本当は殺したくないんだよ。。。」と言いながら目を背けて友人を射殺するシーンだとか、とにかく生理的には拒絶したくなるようなシーンのオンパレード。これはタランティーノ監督の「パルプ・フィクション」を初めて観たときの感覚に似ていると思いました。

しかし、この作品を観てもなぜか沈鬱な気持ちにならず、一級のエンターテインメント娯楽作品として楽しむことができてしまいます。あまりに非日常的なのか、作品の狙いなのかわかりません。

『シティ・オブ・ゴッド』は、私が(2000年以降)観た映画のベスト10のひとつです。

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