2021年の大学入試の時期になりました。
ウチは、高校3年生の娘が受験生で、昨日は大学共通テストを受験しました。
大学共通テストとは、以前のセンター試験、私が学生だった時代は共通一次テストと呼ばれていたものです。
出題内容がウェブにアップされていたので、英語のリーディング問題をダウンロードして印刷し、父親である私も解いてみました。
結果、47問中44問正解で、100点満点中93点でした。
娘の自己採点結果よりも低い点数。
私はアメリカの大学院を出ており、外資系企業で仕事をしているので、100点満点取れなかったのはちょっとマズイですね。。。
1. 英語リーディング
試験はマークシートの4択(一部は6択)です。
制限時間は1時間20分
全47問、配点は以下のとおり。
全国の受験生の平均得点が50点になるように作られているそうです(河合塾が全国平均予想を56点と本日発表)。
2. 出題の傾向
長い文章を読んで、その内容に対しての問題というパターンがほとんどです。
答の選択肢を先に読んでから、問題文を読むというパターンはあまり効率的ではないですね。
文章の内容をしっかり理解したうえで、言葉の言い回しや表現を変えた応用力が試されます。
また、図やグラフを掲載して、英語の文章から、目的地に最も早く到着する交通ルートを選ぶ問題や、文章の時系列を問うものなど、英語の応用力を試される出題が多かったと思います。
3. 出題のレベル
まず、単語に関しては、特に難しい語彙や使用頻度の少ない単語は出て来なかったと思います。
極端に言うと、中学レベルの語彙力でも半分くらいは正答できるのではないでしょうか。
文法に関する問題もほとんどなかったので、日本人が得意?とする英文法の作法の厳密さよりも、実践的な英語読解力があれば通用すると思います。
しかし、要求される文章の読解力はなかなかレベルが高く、現代の高校生がこのレベルを解いていると思うと、正直ビックリです。
娘も時間はギリギリで、見直しをする時間はほとんどなかったと言っていました。
ちなみに私が間違えた3問は、問6と9と45です。
問6と問9は、第2問Aのバンドのオーディションの出題で、審査員の意見から回答を見つけるのですが、審査のポイントが、演奏の出来不出来だけでなく、新しい曲目の良さなど多岐に渡るため、私はここでミスってしまいました。
第2問Aは、Factを選ばせる設問と、Opinionを選ばせる設問がありましたが、これは現代のフェイクニュース横行の世間を反映したとても良い設問だと思いました。
いくら多数意見であってもFact(事実)とは異なるものがあります。
Opinionも同じで、意見と事実は明確に区分することが現代では特に大切なことですね。
問45は、ボカミスで、
Americas get 14.6% of their energy from alternative swwtners
を安易に選んでしまったのですが、これは、本文中に、
Americas get 14.6% of the average Amerincan's energy intake is from...
と似たような記述があったので、その罠にハマってしまいました。
私は1時間20分の制限時間に対して、1時間5分で終えて15分残りました。仕事柄、英語の文書を読むのは慣れているので当たり前ですが。
残った15分で見直しをしていたら、ミスに気付いたかもしれませんが、久しぶりに頭を酷使して、見直しをする余力は残っていませんでした。。。
4. その他
具体的な出題内容とその解答の解説は、専門に任せてここでは書きませんが、第4問の、学生のスケジュールを相談する問題は、
However, it would be wise to have a third suggestion just in case.
というところはちょっと引っかかりました。
というのは、既に水族館と植物園での科学的なイベントを提案されているうえで、
As a third option, which would be the most suitable for your program?
という設問で、宇宙センターという選択肢が正解なのですが、そこまでガチガチに科学ネタで固める必要があるのか?と個人的には疑問が沸きました。
また、設問のひとつに5つの選択肢から4つ選択してマークシートに記入する問題があったのですが、ここで間違えて5つすべてを記入してしまうと、あとの設問に対する解答欄がすべてずれてしまうという恐怖のポイントがありました。
しかし、個人的には、各設問ごとに自分が回答するのが何番なのかを頻繁にチェックすれば、そのようなミスは未然に防げるので、マークシートの解答欄がすべて1つずれてしまうという悲劇は、個人のケアレスミスに起因するので、このような設問は特に問題ないと思います。
アイスホッケーの問題は、NFLをはじめアメリカスポーツ大好き人間の私にとっては、問題文は難なく読み進めることができたのでラッキーでした。
娘は、ファンクラブの案内の問題は、馴染みがあって取り組みやすかったそうです。
5. さいごに
久しぶりに(たぶん20年振りくらい)筆記テストをやってみて、ヘトヘトになってしまいました。
私が学生時代に受けたのは、共通一次テストでした。
当時は英語はリーディングのみで、もちろんリスニングはありませんでした。
出題された問題はもちろん覚えていませんが、今回の共通テストのように、図やグラフなどを駆使した出題というより、純粋に長文読解だったと思います。
国際社会に通用する英語力を習得するという意味では、今回の出題は良い傾向だったのではないでしょうか。
私もこのままだと英語力が衰える一方なので、(運動ばかりしていないで)少しは英語のブラッシュアップをしようかと思いました(思っただけ 笑)。
(2012年2月5日追記)
英語リスニング問題もやってみました。
結果は。。。100点満点中86点という無残な結果に終わりました。
辛うじて娘の自己採点よりは上回りましたが、何十年も英語で会話している立場としてはこの86点は、あまりに不甲斐ない結果としか言いようがありません。
前半のほうはTOEFLやTOEICのレベルと比較すると簡単な問題が多かったので、すっかり安心してしまいましたが、後半は聞き取ることができない問題が増えて焦りました。
特に、ラストの設問は、男性と女性のグループの話をちゃんと聞き分けるスキルが要求されるのですが、私は全くわからず、2問とも不正解(マイナス8点)でした。
舐めていたのか、メモを取らなかったのも失敗の原因でした。
自己嫌悪ですね。。。
ちなみに、受験生の平均点は、リーディングが51.40点、リスニングが51.32点だったそうです。
河合塾の集計データによると、リーディング93点は偏差値72.0、リスニング86点は偏差値69.7でした。
(2012年3月29日追記)
共通テストの英語出題の特徴について、AERAの記事が非常にわかりやすくまとめています。
以下引用します。
言語能力はBICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)とCALP(Cognitive Academic Language Proficiency)に大別されます。BICSは日常生活を営むうえで必要な基本的な力、CALPは認知的に高度な能力が必要とされる力です。共通テストでは、ルームメートの忘れ物をめぐるスマホでのメッセージ、教師とのメールのやりとり、ファンクラブの入会案内など、BICSの比重が高かったと言えます。六つある大問のうち、CALPが求められたのは、大問5の牛に芸を教えた女性の記事、大問6のアイスホッケーの安全性や甘味料に関する文章など非常に限られました。
(引用おわり)
[2021年の大学入試事情] 受験生の親が知っておきたい大学進学の多様化(一般入試とAO入試、推薦入試など)
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