今年もNFL (National Football League) の優勝決定戦であるスーパーボウルがいよいよ明日2月8日(現地時間)に迫りました。
昨年の覇者カンサスシティ・チーフスの2連覇なるか、はたまた歴代最高のクオーターバックのトム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズが史上初の本拠地開催での優勝を決めるか、今から非常に楽しみです。
私がNFLにハマったのは、ニューヨーク在住時の1993年に、ニューヨーク・ジェッツ対ダラス・カウボーイズの試合を当時の本拠地のジャイアンツスタジアムで観戦したのがきっかけでした。
上の雑誌はニューヨークで購入したものですが、ジャイアンツQBのフィル・シムズと、ジェッツQBのブーマー・アサイアソンが表紙を飾っていますね。
以来、毎シーズン欠かさずNFLを観戦し続けてきました。多い時は年間100試合以上観ていたので、これまでにおそらく1000試合は観戦(うち20試合くらいがスタジアム観戦)したと思います。
最近では観る頻度は大分減ってしまったのですが、それでもプレーオフの試合は全試合欠かさず見ており、もちろん、スーパーボウルは毎年欠かさず観戦しています。
以下では、1993年シーズンから2020年まで過去約30年間のスーパーボウル全28試合について、印象に残っているトピックを振り返ってみます。
以下Wikiからの引用です。
スーパーボウル (英語: Super Bowl) は、NFLの優勝決定戦。アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベントである。NFLの2つのカンファレンス、アメリカン・フットボール・カンファレンス (AFC) とナショナル・フットボール・カンファレンス (NFC) の優勝チームの間で争われる。
毎年2月上旬の日曜日に開催されており、スーパーボウル当日はスーパーボウルサンデー (Super Bowl Sunday)またはスーパーサンデーと呼ばれ、事実上アメリカの祝日となっており[1][2]、年間で感謝祭に次いで2番目に食糧が多く消費されることでも知られる[3]。200以上の国と地域でテレビ中継されており[4]、特にアメリカでは毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、極めて注目度の高いコンテンツになっている。
(引用おわり)
スーパーボウルは、普通はどちらのチームの本拠地でもないスタジアムで開催され、チケットが転売で何万ドルという法外なこともあり、観客の多くは富裕層のにわかNFLファンが多いのが特徴です。
なので、レギュラーシーズンやプレイオフのような観衆のホームチームを応援する猛烈な盛り上がりに欠け、単なるイベントのお祭り騒ぎのような雰囲気で、レギュラーシーズンやプレイオフのときの熱狂的な応援は期待できません。
さらに、往々にしてワンサイドゲームになってしまうことが多く、ラストワンプレイまでどちらが勝つかわからないという名勝負も滅多にありませんでした(最近はだいぶ良くなりました)。
なので、個人的には、スーパーボウルよりも、その前のプレーオフ、なかでもワイルドカードの試合のほうが好みです。
それでもなお、スーパーボウルでの勝利は、NFL選手にとっては究極のゴールなので、一発真剣勝負の試合として見応えは十分にあります。
以下は、私が観戦を始めた1992年シーズン(第27回)からの歴代試合結果です(黄色が勝利チーム、Wikiより引用)。
それぞれの試合について以下に印象に残っているプレイやトピックを振り返ってみます。
第27回(1993年)バッファロー・ビルズ 17 - 52 ダラス・カウボーイズ
第27回スーパーボウル Super Bowl XXVII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1993年1月31日 |
当時ニューヨーク在住だった私は、試合の行われた日曜日にリアルタイムでTV観戦しました。
バッファロー・ビルズは本拠地がニューヨーク州バッファローなので、当然地元のビルズを応援したのですが、トロイ・エイクマン(QB)、エミット・スミス(RB)、マイケル・アーヴィン(WR)という史上最強トリオ率いるカウボーイズに完敗してしまいました。
このときは、私はまだアメフトのルールも良くわからず、何となくゲームの雰囲気を楽しむ程度でした。
試合終盤には、ターンオーバーからダメ出しのタッチダウンを決めようとゆっくりとエンドゾーンに入ろうとしたDTのレオン・レットに、必死に追いかけてきたビルズの選手が寸前でボールはたき落とすシーンが印象に残りました。
ビルズはスーパーボウル3年連続出場で3連敗と残念な記録を樹立してしまいましたが、プレーオフのワイルドカード初戦では、ヒューストン・オイラーズ相手に32点差(史上最大の逆転劇)を引っくり返して劇的な勝利で勝ち上がってきたことを、私はのちにNFLのセルビデオを買って知りました。
第28回(1994年)バッファロー・ビルズ 13 - 30 ダラス・カウボーイズ
第28回スーパーボウル Super Bowl XXVIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1994年1月30日 |
なんと前年と同じ組み合わせのスーパーボウル、ビルズにとっては4年連続の進出で悲願の初優勝を狙った試合でしたが、またしてもカウボーイズに敗退してしまいました。
この試合はハーフタイムでビルズが13-6とリードしていたんですね。
後半開始早々にビルズのRBサーマン・トーマスがファンブルしてファンブルリターンTDを決められてしまってからは、流れは完全にカウボーイズでした。
この試合で最も印象に残っているのは、シーズンMVPのカウボーイズRBエミット・スミスがQ3に魅せた8プレー64ヤードのうち、7回ボールを運び、15ヤードのTDランで逆転したシーンでした。
TDを決めた直後のスミスの鬼気迫る形相がTVに映し出され、それはまさに野獣のような表情だったのを覚えています。
第29回(1995年)サンディエゴ・チャージャーズ 26 - 49 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
第29回スーパーボウル Super Bowl XXIX | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1995年1月29日 |
モンタナ後にフォーティーナイナーズの伝統QBを引き継いだスティーブ・ヤングが活躍した試合でした。
49ersが49得点を挙げてスーパーボウルを制した試合ですね。
フォーティーナイナーズのCBマートン・ハンクスのインターセプトリターンTD後のグニャグニャダンスは、個人的にはあれを超えるTDセレブレーションはないと思っています(スーパーボウルではリターンTDはありませんでしたが)。
チャージャーズのQBスタン・ハンフリーズは、AFC Divisional Playoffでドルフィンズに劇的勝利してすべての運を使い果たしたようでした。
3年連続でスーパーボウルはワンサイドゲームとなってしまいました。
第30回(1996年)ピッツバーグ・スティーラーズ 17 - 27 ダラス・カウボーイズ
第30回スーパーボウル Super Bowl XXX | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1996年1月28日 |
この試合のMVPはカウボーイズのCBラリー・ブラウンに贈られましたが、本当の意味でのMVPは、(敗れた)スティーラーズのQBニール・オドネルだと、当時NHKで実況中継していた大橋巨泉さんは声を荒げて主張していました(笑)
MVPと皮肉にされるほど、この日のニール・オドネルの出来は散々で、3インターセプトを喫し、3回目なんかは、ブリッツに焦りレシーバーが誰もいないところに、CBラリー・ブラウンの胸元にドストライクを投げてしまいました。
オドネルは後日談として、本来のルートをWRが走らなかったと自分の責任を否定していますが、このプレーは2017年の「スーパーボウルの10大失態」の堂々No.1に選ばれていますね。
AFC Championshipでのスティーラーズとコルツの試合は、NFL史上に残る類まれな激戦でした。コルツのQBジム・ハーボーが試合ラストのプレイで投げたヘイルメリーパスがエンドゾーンであわよくばキャッチされていたら、コルツがスーパーボウルに進出していたという試合でした。
4年連続でスーパーボウルが凡庸な試合だったので、いよいよスーパーボウルは面白くないと感じてしまいました。
第31回(1997年)ニューイングランド・ペイトリオッツ 21 - 35 グリーンベイ・パッカーズ
第31回スーパーボウル Super Bowl XXXI | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1997年1月26日 |
3年連続でシーズンMVPのパッカーズQBブレット・ファーブが初のスーパーボウル制覇を成し遂げた大会として有名です。
ファーブがヘルメットを掲げてフィールドを走り喜びを爆発させるシーンは、今でもプレイオフシーズンになると放映されますね。
個人的にはペイトリオッツQBのドリュー・ブレッドソーが投げたロングパスをWRテリー・グレンがスーパーキャッチしたシーンが一番印象に残っています。
第32回(1998年) デンバー・ブロンコス 31 - 24 グリーンベイ・パッカーズ
第32回スーパーボウル Super Bowl XXXII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1998年1月25日 |
QBジョン・エルウェイ率いるブロンコスが、5度目の出場でチーム創設以来初めてのスーパーボウル制覇を果たしたシーズンでした。
エルウェイが執念の捨て身でエンドゾーンにダイブし、ディフェンスにタックルされて空中で回転するTDシーン(ヘリコプターと呼ばれてます)は、今でもよく再生される名シーンですね。
エルウェイは、「パス22回中12回成功、123ヤード、タッチダウンなし、WRへのパスはマカフリーへの2回のみであった」(Wiki)ということで、勝利の立役者は、シーズン通して偏頭痛に苦しみながらスーパーボウルで3TDと活躍したRBテレル・デービスでした。
テレル・デービスは、偏頭痛が原因で早々にNFLを引退してしまうのですが、以後ブロンコスは、オランディス・ゲリー、マイク・アンダーソン、クリントン・ポーティスと言った優れたRBに毎シーズンのように恵まれました。
第33回(1999年) デンバー・ブロンコス 34 - 19 アトランタ・ファルコンズ
第33回スーパーボウル Super Bowl XXXIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 1999年1月31日 |
エルウェイのブロンコスがスーパーボウル2連覇を果たしたシーズンでした。
アトランタ・ファルコンズは、決して悪いチームではありませんでしたが、やはりNFCは超ハイパーオフェンスのミネソタ・ヴァイキングズにスーパーボウルに出場してほしかったと(おそらくファルコンズファン以外は誰しもが)願ったシーズンでした。
正直、この試合はほとんど覚えていません。
第34回(2000年) テネシー・タイタンズ 16 - 23 セントルイス・ラムズ
第34回スーパーボウル Super Bowl XXXIV | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2000年1月30日 |
ミュージック・シティ・ミラクルと言われたワイルドカード・プレイオフでのビルズに奇跡のラテラルパスで勝利したタイタンズが、スーパーボウルでは、ラストプレイで「ザ・タックル」を決められてTDにあと1ヤード足りなかったという伝説の試合となりました。
近年久しぶりに見応えのあるスーパーボウルでした。
ラムズのカート・ワーナーは、彗星のごとく突如現れて、デビュー年に驚異的なタッチダウンを量産していました(41TD/13INT)。
私は運良く、この年のレギュラーシーズンでカート・ワーナーの試合を現地で観戦する機会があったのですが、WRのトリー・ホルトにロングパスをガンガン投げまくる姿は印象的でした。
タイタンズのスティーブ・マクネアが、ラストの一つ前のプレイで、サックされそうになりながら驚異的な運動能力で態勢を立て直してWRケヴィン・ダイソンにパスを通したシーンは圧巻でしたね。
このプレイ、確か4thダウン、残り時間6秒なので、サックされていたらそこでゲーム終了していたはずです。
そして、次のプレイで、前述した「ザ・タックル」が生まれたのです。
マクネアのパスをキャッチしたWRケヴィン・ダイソンが、ラムズのLBマイク・ジョーンズの教科書に出てくるような理想的なタックルを受けてゴール前1ヤードで止められゲーム終了となった劇的な幕切れでした。
個人的に、過去のスーパーボウルのベスト試合のひとつです。
第35回(2001年) ボルチモア・レイブンズ 34 - 7 ニューヨーク・ジャイアンツ
第35回スーパーボウル Super Bowl XXXV | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2001年1月28日 |
ニューヨーク・ジャイアンツを応援している身としては、ついにジャイアンツがスーパーボウルにまで勝ち上がったのは非常に嬉しかったです。
しかし、スーパーボウルの試合内容は、かつてないほどつまらないワンサイドゲームでした。
レイ・ルイス率いるレイブンズの最強ディフェンスの前に、ジャイアンツは何もできずに終わりました。
試合で印象に残っているのは、レイブンズのQBトレント・ディルファーが、意外にちゃんとパスを投げていたことでした。
スーパーボウルでもしっかりとWRブランドン・ストークリーに38ヤードのロングパスTD(先制点)を決めているんですよね。
まあスーパーボウルではパス12回しか投げさせてもらえなかったんですが。
トレント・ディルファーは、レイブンズはディフェンスの力(だけ)で勝ち上がったと言われて、本当に気の毒なQBだったと思います。
シーズンのQBレイティングはたったの70.2だったので、スーパーボウル後に早々とチームから放出されてしまいました。
翌シーズンのレイブンズQBは、49ersから移籍してきた(最盛期を過ぎた)エルヴィス・ガーバックでした。翌年もチームはプレイオフには進出したので、レイブンズの強さはやはりディフェンスだったのでしょう。
第36回(2002年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 20 - 17 セントルイス・ラムズ
第36回スーパーボウル Super Bowl XXXVI | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2002年2月3日 |
ペイトリオッツ王朝時代の到来です。
スーパーボウルMVPはQBトム・ブレイディが受賞し、QBとしてはNFL史上最も若いスーパーボウルMVPに輝きました。
最後のプレーとなったFGで決着がついた大接戦でしたが、私はなぜかこの試合をほとんど覚えていません。
というのも、このスーパーボウルの翌月に私は結婚しているので、おそらく式の準備やら何やらで多忙を極め、NFL観戦どころではなかったのだと思います(笑)
第37回(2003年) オークランド・レイダース 21 - 48 タンパベイ・バッカニアーズ
第37回スーパーボウル Super Bowl XXXVII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2003年1月26日 |
バッカニアーズのQBブラッド・ジョンソン対するレイダーズのQBリッチ・ギャノンの対決というのは、スーパーボウルの長い歴史のなかでも突出して「地味」だったと思います。
バッカニアーズのDTウォーレン・サップがやたらに目立ったスーパーボウルでした。
20年近く経った今、レイダーズ対バッカニアーズのスーパーボウルのQBがそれぞれ誰であったか答えられる人はほとんどいないのでは?
また、スーパーボウルMVPが、バッカニアーズのSSデクスター・ジャクソンだったことを覚えている人も少ないと思います。
試合もワンサイドゲームで、以前のスーパーボウルのつまらなさに戻ってしまいました。
個人的には、ほんのスーパーボウルの2か月前に長女が誕生し、昨年に引き続きNFL観戦どころではなかったのか、この試合はほとんど何も覚えていません。。。
第38回(2004年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 32 - 29 カロライナ・パンサーズ
第38回スーパーボウル Super Bowl XXXVIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2004年2月1日 |
パンサーズのQBジェイク・デロームは、記録ではなく、記憶に残る選手です。
レギュラーシーズン中(たしか第2週くらい)のこのプレイが忘れられません。
ディフェンスに掴まれて身体が1回転しているのにも関わらず無茶して投げたのが偶然TDに繋がったように見えますが、こんな無謀なプレーを堂々とやってのけるところが他の選手にない魅力でした。
勝利したペイトリオッツのQBトム・ブレイディはパス48回中32回成功、354ヤード3TD(1INT)は確かに素晴らしいものです。
一方、敗れたパンサーズのQBジェイク・デロームは33回中16回成功、323ヤード3TD(0INT)と、まったく遜色のない出来でした。
デロームが投げたWRムシン・ムハマドへの85ヤードのTDパスは、スーパーボウル史上最長の記録です。
第39回(2005年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 24 - 21 フィラデルフィア・イーグルス
第39回スーパーボウル Super Bowl XXXIX | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2005年2月6日 |
QBドノヴァン・マクナブが率いる強豪イーグルスが、ついにスーパーボウルに辿り着いたゲームでした。
イーグルスは、私が応援しているジャイアントと同じNFC東地区のライバルだったのですが、WRテレル・オーウェンスとRBブライアン・ウエストブルック擁する当時のイーグルスは本当に強かったです。
ペイトリオッツのQBトム・ブレイディはこれで3度目のスーパーボウル制覇となり、名実ともに超一流の歴代QBと肩を並べることになったのですが、ブレイディのスーパーボウルはいつも最終クオーターまで勝負の行方が決まらない接戦になりますね。
第40回(2006年) ピッツバーグ・スティーラーズ 21 - 10 シアトル・シーホークス
第40回スーパーボウル Super Bowl XL | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2006年2月5日 |
1990年代には弱小チームだったシアトル・シーホークスでしたが、2000年代に入ってからは大きく躍進、ついにスーパーボウル出場を果たすまでに強くなりました。
スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーは、前年に大活躍して新人王も獲得していましたが、当初からのその卓越した才能は、元ジャイアンツの名将ビル・パーセルに、「10-15年に1人の逸材だ」と言わしめたほどの選手でした。
ロスリスバーガーは、前年に、スティーラーズのThe Busこと、RBジェローム・ベティスの現役引退を思い留まらさせ、有終の美を飾るために、スーパーボウルに連れて行ったそうです。
そういう意味で、すべてはRBジェローム・ベティスのためにお膳立てされたスーパーボウルでした。
彼は、キープレイでファーストダウン更新など勝利に貢献しましたが、14回のキャリーで43ヤード獲得という結果に終わりました。
ベティスは、インディアナポリス・コルツとのDivisional Playoff戦では、ゲーム終盤にあわや逆転負けになりかねなかった痛恨のファンブルを犯しています。
しかし、終わり良ければ総て良し。
ジェローム・ベティスは、自身の輝かしいキャリアを、スーパーボウル優勝という最高の結末で終えました。
ロスリスバーガーも123ヤード0TD2INTと散々な結果、シーホークスのQBマット・ハッセルベックもRating67.8という不調で、スーパーボウルの試合としては、両チームがかつてないほど不調だったという珍しい試合でした。
第41回(2007年) インディアナポリス・コルツ 29 - 17 シカゴ・ベアーズ
第41回スーパーボウル Super Bowl XLI | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2007年2月4日 |
不世出のインディアナポリス・コルツのQBペイトン・マニングが、遂に念願のスーパーボウルを制した試合でした。
対戦安定は、プロボウル選出8回を誇るLBブライアン・アーラッカー率いるディフェンスのシカゴ・ベアーズ。
ベアーズのKRデビン・ヘスターが、いきなりオープニングキックオフでリターンTDを決めて度肝を抜かれました!
デビン・ヘスターは、キャリアでキックオフリターンTD5回、パントリターンTD14回、合計で何と19回のリターンTDを記録した空前絶後のとんでもない選手でした。
第42回(2008年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 14 - 17 ニューヨーク・ジャイアンツ
第42回スーパーボウル Super Bowl XLII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2008年2月3日 |
シーズンを全勝で終えたニューイングランド・ペイトリオッツが、誰しも優勝するだろうという予想を覆して、イーライ・マニング率いるニューヨーク・ジャイアンツが、史上稀に見る大アップセットを演じたスーパーボウルでした。
ジャイアンツを応援しながらも、内心ではペイトリオッツに勝てるわけがないと思っていた私はもちろん大歓喜でした。
極めつけは、試合を決定付けた、イーライ・マニングからWRデビッド・タイリーへの32ヤードのパス成功、これは俗にヘルメット・キャッチと呼ばれていますが、片方の腕とヘルメットでキャッチに奇跡的に成功したのです。
4点ビハインドの第4クオーター残り時間1分15秒で、3rd and 5、ドロップバックしたマニングは、ほぼ99%ディフェンスにサックされそうになったのを奇跡的に逃れて、ロングパスをタイリーに通しました。
こんな奇跡的なプレーがスーパーボウルの試合大詰めのシーンで起きるとは、今でも本当に信じられません。
ちなみに、記憶が正しければ、このスーパーボウルが、BSがハイビジョン化(画面サイズが16:9で、ステレオ音声から5.1ch音声)して初めての放送だったと思います。
今まで観たスーパーボウルのなかで1,2を争う面白いゲームでした。
第43回(2009年) ピッツバーグ・スティーラーズ 27 - 23 アリゾナ・カージナルス
第43回スーパーボウル Super Bowl XLIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2009年2月1日 |
スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーが2度目のスーパーボウルを制した大会でした。
試合残り35秒でロスリスバーガーがWRサントニオ・ホームズへ投げたTDパス(これで逆転勝利)は、今でも語り草になっています。
エンドゾーンギリギリのここしかないというまさにピンポイントの場所に投げたロスリスバーガーも凄過ぎなのですが、カーディナルズの3人のディフェンスに囲まれながら、キャッチしたホームズも、両脚をしっかりインフィールドに残して、しかもボールを下に倒れてもボールコントロールを失わない集中力は、これも凄過ぎで言葉が出ません。。。
レギュラーシーズンやプレイオフで観られないような超スーパープレイがスーパーボウルで飛び出すのことが続いて、すっかりスーパーボウルが楽しくなったものです。
第44回(2010年) インディアナポリス・コルツ 17 - 31 ニューオーリンズ・セインツ
第44回スーパーボウル Super Bowl XLIV | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2010年2月7日 |
ニューオーリンズ・セインツのQBドリュー・ブリーズがついに、その史上最高のQB記録保持者に相応しいスーパーボウルリングを獲得した大会でした。
コルツのQBペイトン・マニング対セインツのQBドリュー・ブリーズという、歴代屈指のパサーが繰り広げる空中戦ということで、事前の予想と期待通りの派手な試合でした。
しかし、私が覚えている限りでは、後世に語り継がれるようなスーパープレイは生まれなかったと思います。
第45回(2011年) ピッツバーグ・スティーラーズ 25 - 31 グリーンベイ・パッカーズ
第45回スーパーボウル Super Bowl XLV | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2011年2月6日 |
グリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャーズがついにスーパーボウルリングを獲得した大会でした。
アーロン・ロジャーズ
2011年の当時、QBの成績スタッツ(TD数、QBレーティングなど)は、過去の歴代QB(マリーノ、エルウェイ、モンタナなど)の時代とは比較にならないほど進化し、レーティング100越えなんてちっとも珍しいものではなくなりました。
確か、1990年代までは、QBレーティングの最高値は、スティーブ・ヤングが記録した103.0くらいだったと思います。
それが、グリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャーズの2011年の成績(シーズンMVPを獲得)は、パス成功率70.1%、4299ヤード、48TD、5INT、QBレーティングは122.5と、以前では有り得ない驚異的なスタッツを残しています。
2011年当時は、アーロン・ロジャーズ含めて、トム・ブレイディ、ペイトン・マニング、ドリュー・ブリーズなど、過去最高のスタッツを誇るQBがひしめき合っていました。
スーパーボウルの試合内容は、あまり記憶に残っていません。
第46回(2012年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 17 - 21 ニューヨーク・ジャイアンツ
第46回スーパーボウル Super Bowl XLVI | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2012年2月5日 |
2008年のスーパーボウルと同一カード、QBもブレイディとマニングと前回と同じです。
前回と同様、事前の予想は圧倒的にニューイングランド・ペイトリオッツが上でした。
にも関わらず、ジャイアンツのQBイーライ・マニングは、再び大アップセットを起こして自身2度目のスーパーボウルを制しました。
しかも、今回も目を疑うようなスーパープレイを演出してくれました!
第4クオーター残り3分46秒、2点を追う場面で、イーライ・マニングがサイドラインギリギリのマリオ・マニンガムに38ヤードのパスを成功させたのです!
マニンガムは、二人のディフェンダーにプレッシャーをかけられてアウトオブバウンズに突き飛ばされていますが、その直前に両脚をかろうじてフィールドに残して難しいキャッチを成功させています。
このドライブでジャイアンツは逆転TD(これも珍しいRBにわざとTDを決めさせて時間浪費を防ぐというペイトリオッツの戦術でした)を決めて、勝利を呼び込みました。
4年前のヘルメット・キャッチも超絶でしたが、このパスキャッチもそれに匹敵するほどのマニングの神がかり的なパスでした。
というわけで、この試合も、今まで観たスーパーボウルのなかで1,2を争う面白いゲームでした。
第47回(2013年) ボルチモア・レイブンズ 34 - 31 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
第47回スーパーボウル Super Bowl XLVII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2013年2月3日 |
HC同士が兄弟という極めて珍しいスーパーボウルでした。
サンフランシスコ・フォーティナイナーズのHCジム・ハーボーは、元コルツでキャプテン・カムバックの愛称で活躍したQB、一方、ボルチモア・レイブンズのHCジョン・ハーボーは、2008年に就任して以来、レイブンズを強豪チームに育てたHCです。
イーライ・マニングとペイトン・マニングも兄弟ですが、HC兄弟同士がスーパーボウルで激突するとは。。。
で、試合は下馬評通り、レイ・ルイスを中心としたディフェンス力に勝るボルチモア・レイブンズが競り勝ちました。
見応えのある試合でしたが、記憶に残るようなスーパープレイはありませんでした、たぶん。。。
第48回(2014年) デンバー・ブロンコス 8 - 43 シアトル・シーホークス
第48回スーパーボウル Super Bowl XLVIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2014年2月2日 |
ブロンコスに移籍したペイトン・マニングが再びスーパーボウルの舞台に戻ってきました!
迎え撃つのは、136.6dbという鼓膜が破れるほどのクラウドノイズで地元の絶大な支援を得たシアトル・シーホークスです。
このシーズンのマニングは絶好調でした。確か第1週で、いきなりTDパス7本というとんでもないNFL記録を樹立しました。
レギュラーシーズンでもNFL記録となる606点をあげたブロンコスでしたが、スーパーボウルでは、オフェンスが完全に沈黙、たったの8点しか挙げられず、大敗を喫しました。
スーパーボウルの試合内容は、まったく記憶に残っておらず、もしかしたらハーフタイム22-0の時点で観るのを止めたのかもしれません。
歴代最も面白くなかったスーパーボウルではないでしょうか。
第49回(2015年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 28 - 24 シアトル・シーホークス
第49回スーパーボウル Super Bowl XLIX | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2015年2月1日 |
久し振りのトム・ブレイディの登場です。
試合はペイトリオッツの勝利に終わりましたが、最後の最後まで、一体どちらが勝利するかまったく読めない緊迫した試合でした。
シーホークスのQBラッセル・ウィルソンは、何か持っているのでは?と思わせるような強運の持ち主です。
NFC1チャンピオンシップでは、パッカーズ相手に、負けて当然のパフォーマンスにも関わらず、相手の世紀の凡ミス(オンサイドキックをパッカーズのTEブランドン・ボスティックが稚拙なプレーで取りこぼしてしまう)で命拾いしてスーパーボウルに勝ち上がってきました。
この試合、ウィルソンは、Q3までQB Rating がなんと0.0!(1/8 14yards, 0TD, 3INT)。
そして、スーパーボウルの試合でも、第4クオーター終盤で、WRジャーメイン・カースに投げたロングパスは、ディフェンダーのマルコム・バトラーがカースが空中でキャッチ直前で弾いたように見えたのですが、ボールが偶然にも倒れたカースの身体でバウンド、それをカースが見事にキャッチというシーンがありました。
このプレーは、かつてパッカーズのWRアントニオ・フリーマンが、ファーブの投げたロングバスを、(確か相手はパンサーズ)ディフェンダーがカットしたのが、自分の身体で跳ね返って、それを拾ってタッチダウンした、実況アナウンサーが「He did what?」と名言を残したプレーにそっくりでした。
試合のほうは、シーホークスはほぼ勝利かと思えたラストドライブで、ウィルソンがWRリカルド・ロケットに投げたTDパスを、ペイトリオッツのCBマルコム・バトラーが身体を寄せてなななんとインターセプト!
こんな劇的な幕切れのスーパーボウルもなかなかありませんね!
第50回(2016年) デンバー・ブロンコス 24 - 10 カロライナ・パンサーズ
第50回スーパーボウル Super Bowl 50 | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2016年2月7日 |
ブロンコスのベテランQBペイトン・マニングと、カロライナ・パンサーズの次世代QBキャム・ニュートンの対決でした。
試合は経験値の差がモロに出て、ブロンコスの勝利に終わりました。
マニングもニュートンもTDゼロという、かといって緊迫したディフェンスの勝負でもなく、なんとも大味な試合でした。
ニュートンは、現在はパンサーズを離れて、ブレイディが抜けたあとのペイトリオッツでプレイしていますが、戦績もパッとせず、得意の機動力は、今やレイブンズのラマー・ジャクソンの足元にも及ばず、このまま消えてしまうとすると非常に残念です。
試合は全く記憶に残っておらず、今回のまとめ記事を書いていても、「はて、誰がQBだったか?」と一瞬思い出せないほどでした。
第51回(2017年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 34 - 28 (OT) アトランタ・ファルコンズ
第51回スーパーボウル Super Bowl LI | ||||||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2017年2月5日 |
スーパーボウル史上初となったオーバータイムにまでもつれ込む大接戦。
マット・ライアン率いるアトランタ・ファルコンズが、ペイトリオッツの牙城に挑戦したものの、あと一歩及ばずでした。
ファルコンズは、第4クオーターが始まった時点で28-9と大きくリードしていたものの、最後はブレイディの神通力に大逆転劇を許したゲームでした。
しかしブレイディとベリチックHCのペイトリオッツ王国は強い!
第52回(2018年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 33 - 41 フィラデルフィア・イーグルス
第52回スーパーボウル Super Bowl LII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2018年2月4日 |
ブレイディとベリチックHCのペイトリオッツ王国を、ニック・フォールズのイーグルスがまさかまさかの撃破。
記憶に残るのは、トリックプレイからの、QBフォールズのTDレシーブ(パスではなくレシーブ)です。
試合はこの2プレイに象徴されていました。
ペイトリオッツ相手にまさかの勝利でイーグルスファンは大歓喜!
ふと、30年前にロシア旅行中に知り合った、イーグルスの大ファンだったクリス君(フィラデルフィア在住、当時8歳)を思い出しました。
クリス君にはあれ以来会っていませんが、彼もどこかで大喜びしたことでしょう。
イーグルスはやっぱり強かった。
双方とも派手な点取りで、トリックプレイやらスーパープレイやら、とにかく盛りだくさんの過去最高のスーパーボウルでした!
第53回(2019年) ニューイングランド・ペイトリオッツ 13 - 3 ロサンゼルス・ラムズ
第53回スーパーボウル Super Bowl LIII | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2019年2月3日 |
ブレイディとベリチックHCのペイトリオッツ王国は相変わらず強かった!以上!
第54回(2020年) カンザスシティ・チーフス 31 - 20 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
第54回スーパーボウル Super Bowl LIV | |||||||||||||||||||||||||
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開催日 | 2020年2月2日 |
NFLの新しいスター、パトリック・マホームズの登場です。
彼の変化自在のプレーを見ているだけで楽しくなってしまいますね。すべてが型破りのQBです。
チーフスのアンディ・リード監督が、ヘッドコーチキャリア21年目で長年の念願だったスーパーボウルをついに制したのは感動的でした。
2014年のプレイオフで、28点差を大逆転されてコルツに敗退したときのリード監督の泣きべそ顔が私は今でも忘れられません。
今年のチーフスも圧倒的に強く、NFC/AFCでのトップシードでスーパーボウルに出場です。
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以上、1993年シーズンからのスーパーボウル全28試合について、印象に残っているトピックを振り返ってみました。
2021年2月8日(現地時間)のスーパーボウル、私の予想は、
タンパベイ・バッカニアーズ 27 - 23 カンザスシティ・チーフス
でタンパベイ・バッカニアーズの勝利!
ブレイディは、ダークホース相手にはなぜか弱い(マニングに2敗、フォールズに敗退)ですが、相手が強ければ強いほど途轍もないパフォーマンスで勝つ選手なので。
もしバッカニアーズが勝てば、10度目のスーパー出場のブレイディ(43歳)は、7度目のタイトル獲得という、あらゆるプロスポーツ界においても二度と破られないであろう記録を打ち立てることになります。
余談ですが、今年のスーパーボウルは、スタジアム収容人数(約6万5千人)の20%(1万3千人)としていた観客数を、2万5千人に変更、うち7500人はワクチン接種した医療従事者を招待するそうです。
医療従事者を招待とは、NFLの粋なはからいですね!
果たしてどうなるでしょうか。。。?
(2021年2月8日追記)
試合結果は
タンパベイ・バッカニアーズ 31 - 9 カンザスシティ・チーフス
で、ブレイディ率いるバッカニアーズの勝利でした!
スーパーボウルの歴代優勝回数でも、NFLの全チームを上回りました(ナンノコッチャ)
GOAT(greatest of all time=史上最高)と称されるQBブレイディがこの試合で達成・更新した主な個人記録は次の通り(BBM Sportsより引用)
・スーパーボウル個人最多出場(10回)
・スーパーボウル個人最多勝利(7勝)
・最年長スーパーボウル勝利選手(43歳188日)
・最も長いスパンで、スーパーボウルに勝利(19年)
・スーパーボウルMVP最多選出(5回目)
・ポストシーズン最多試合出場(45試合)
・ポストシーズン個人最多勝(34勝)
・ポストシーズン通算最多パスTD(83)
・ポストシーズン通算最多パス獲得ヤード(12449ヤード)
マホームズのロングパスを取り損ねたWRタイリーク・ヒルや、第4クオーター終盤で奇跡の捨て身TDパスを取り損ねた(誰だっけ?)とか、チーフスの出来が割る過ぎましたね。
まあ、バッカニアーズの強力ディフェンスラインと、主力選手を書いたチーフスのオフェンスラインの差が全てだったと思いますが、ゲーム展開は史上屈指につまらないス-パーボウルでした。
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