きょう10月10日(日)の夕方は、南西の空で月と金星が接近する天体ショーがあるということで、天体望遠鏡を引っ張り出して、月を撮影することにしました。
撮影といっても、本格的な天体写真を撮るわけではなく、安価なアダプタマウントとリモコンシャッターを使って、スマホでの簡易撮影です。
必要なものは、天体望遠鏡、スマホ、スマホと天体望遠鏡を接続するアダプタマウント、そしてBluetoothリモコンシャッターの4つだけ。
スマホアプリの「星どこナビ」を利用すれば、リモコンシャッターは不要です。
簡易な天体写真撮影ですが、都心の明るい空の下でも、それなりにキレイな月の写真が撮れました。
1. 月と金星が接近 その近くに赤い色のアンタレス
10月10日(日)の夕方に、南西の空で月と金星が接近する天体ショーがあるということを、ネットのニュースで偶然知りました。
出典:tenki.jp
以下tenki.jpより引用します。
10月の夕方は、南西の空で、金星が明るく輝いています。きょう9日(土)から10日(日)にかけて、月と金星が接近します。月は、今月6日(水)に新月になって間もない細い月です。
9日(土)は、月は金星の右側に少し離れて見えます。空が暗くなると、金星の左側に、さそり座のアンタレスも見えてきます。
10日(日)になると、月は金星の左上へと位置を変えます。アンタレスは月のすぐ左下に見えます。
アンタレスは、金星に比べるとずっと暗く見えますが、空が十分に暗くなってからじっくり観察すると、赤い色のアンタレスを見ることができます。
南西の空の低い位置で起こる現象であるため、地平線近くまで見通せる場所で観察しましょう。日の入り直後のまだ空が明るいうちに、月と金星を探しておくとよいでしょう。
(引用おわり)
折角の機会なので、この機会に天体写真を撮ることを思い付きました。
2. スマホ用のアダプタマウント
天体写真を撮影するとなると、ひと昔前であれば、天体望遠鏡と一眼レフカメラを専用のアダプターで接続して。。。と、手軽には行きませんでした。
しかし、今はスマホ全盛の時代、いろいろと調べてみると、スマホ用のアダプタマウントという製品を使えば、スマホでも簡単に天体望遠鏡と接続できることがわかりました。
そこで、Amazonでベストセラー1位のアダプタマウントを1,480円で購入。
【商品説明】
ANQILAFU ユニバーサル 携帯電話のアダプタマウント は -
iPhoneのソニーサムスンモト用など -
両眼単眼スポッティングスコープ望遠鏡と顕微鏡との互換性の世界の自然を記録します
フィット (スマートフォン用アダプター) [並行輸入品]
果たして、上の写真のように簡単に月を観ることができるのか、早速試してみました。
届いたパッケージは、日本語表記でとてもシンプル。
本体と、簡単な説明書(日本語)が同梱されています。
天体望遠鏡の接眼レンズ(20mm ケルナー式)を取り外します。
ちなみにこの接眼レンズは、小学生時代に買ったケルナー式のもので、ケルナー式というのは今ではほとんど流通していないそうです。
その接眼レンズとアダプタマウントを固定させます。やり方は説明書を見なくてもわかるくらい簡単でした。
次に、アダプタマウントにスマホを固定させるのですが、ネジを調整してスマホのレンズと接眼レンズがキッチリと合わせるのにやや苦労しました。
上手く合わせることができると、下のようになります。
裏側からだとこんな感じです。
アダプタマウントは、旧型モデルからスマホのホールド部が改善されているようで、ラバークッションのおかげでスマホ固定はしっかりとしています。
スマホの電源ボタンとボリュームボタンがホールド部と干渉しないように位置決めをしてネジで固定します。
スマホを写真撮影モードにして、明るい円が中央にポジションするように微調整します。
3. Bluetoothリモコンシャッター
スマホで天体写真撮影をするときに必ず必要なのが、このBluetoothリモコンシャッターです。
リモコンシャッターが必須なのは、天体望遠鏡とスマホがつながった状態で、スマホのボタンを押してしまうと写真がブレてしまうからです。
このリモコンシャッターをスマホとBluetooth接続させて、写真の撮影時にスマホに触れることなくシャッターを切ることができます。
スマホとのペアリングは、リモコンシャッター側面の黒いボタンをスライドさせると、ペアリングモードになるので、スマホ側でBluetooth接続をOKすれば、ペアリング完了となります。
私は、以前購入した自撮り棒に付属していたものを流用したのですが、単品でもAmazonから400円程度で購入できます。
(後述するスマホアプリの「星どこナビ」を利用すれば、リモコンシャッターは不要です)
4. 天体写真撮影
10月の夕方、午後6時過ぎに撮影準備を始めました。
天体望遠鏡は、10年以上前にオークションで落札した2,000円の中華製の入門機(屈折望遠鏡、口径60mm)がカバーをかけてバルコニーにずっと放置してたので、それを引っ張り出してきました。
本体は埃をかぶっているし、そもそも光学性能はエントリーレベルの望遠鏡です。
接眼レンズ、アダプタマウント、スマホを合体させたモジュールを望遠鏡の接眼レンズ部に取り付けます。
空を確認すると、もう金星は向かいの建物のギリギリに見える状態、月もやがて隠れてしまう前でした。
急いで望遠鏡を月の方向にセットして、撮影の準備を進めました。
何も調整しないと、スマホが勝手に露出を増やしてしまい、ハレーションを起こしてしまいます。
スマホはオートフォーカスなので、ピントが合っていない状態だと画像がボヤけてしまいました。
20mmの接眼レンズだと、月全体を視界に入れるのが一苦労。。。
スマホの画面で、フォーカスを月の一番明るい場所に指定して、露出を抑えます。
その状態で、月全体が入るように、スマホと望遠鏡を微妙に動かして調整。。。
ようやくマトモな写真が撮れました!
のんびりしていると月はどんどん動くので、画面から出て行ってしまいます
笑
こうして、何とか月の撮影に成功。
都心部の、明るい空の下での撮影にしては、これくらい撮れれば十分ではないでしょうか?
久し振りに天体望遠鏡で、月面のクレーターを観察することもできました。
5. 月の撮影に関連して
そう言えば、私は月面に1エーカーの土地を所有していることを思い出しました。
2005年にLunar Embassyという会社から2,700円で購入したものです。
Area: J-5/Quadrant Bravo Trot
LOT#: 003/1693
Approximate Latitude: 20°-24°S
Longtitude: 32°-36°W
上の月面図の赤いマークの部分(南東部)なので、ちょうど「湿りの海」のあたり、今回の撮影場所とは逆のエリアですね。
出典:月面の地名
「湿りの海」ということは、湿地帯なのでしょうか。。。老後に別荘でも建てようかと 笑
次に、木星にもチャレンジしましたが、こちらは対象の木星が小さいためか、フォーカスがうまく合わず、なかなか良い写真が撮れませんでした。
それでも、ぼんやりとですが、木星と3つの衛星を捕らえることができました。
天体望遠鏡、スマホ、アダプタマウント、そしてBluetoothリモコンシャッターの4アイテムさせあれば、この程度の天体写真であれば気軽に撮影することができます。
(2021年10月26日 追記)
実家に置いてあった小学生時代に小遣いを貯めて買った直径80mmのVixenの屈折望遠鏡(赤道儀型)を引っ張り出しました。これかなり重いです。天文学者を志していた小学生時代には、スリービーチ製の経緯台式天体望遠鏡で団地のベランダから月面観測をして、クレーターのスケッチ画なんかを何枚も描いていたものです。
スリービーチ製天体望遠鏡
月面クレーターのデッサン(ジャンサン)
今日の天気はあまり良くなかったのですが、バルコニーで木星を撮影
スマホアプリの「星どこナビ」を利用しました。このアプリはとても便利です。
何と、リモコンシャッターなしで音に反応してシャッターを切ることができます!
シャッターだけでなく、露出やピントなど細かい調整もすべてこのアプリだけでできてしまう優れもの。
世の中本当に便利になったので驚きです。
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