[世田谷区の特別保護区 秋の一般開放 2022] 経堂五丁目特別保護区を散策


今日は世田谷トラストまちづくりの特別保護区一般開放イベントで、経堂五丁目特別保護区を散策してきました。


昨年(2021年)の秋の一般公開、今年(2022年)の春の一般公開に続いて3度目の訪問です。

今日は秋晴れの日和にも恵まれ、ボランティアの方の詳しい説明もお聴きすることができました。

1. 経堂五丁目無原罪特別保護区

経堂五丁目無原罪特別保護区は、東京都世田谷区経堂の、閑静な住宅街の一角にある、元世田谷区長の長島壮行氏が所有していた庭園です。


小田急線千歳船橋駅/経堂駅より徒歩10分

一般財団法人世田谷トラストまちづくりが、ボランティア団体と連携して管理・運営を行っています。

(以下は世田谷トラストまちづくりのホームページからの引用です)

一般公開の詳しい内容は、昨年秋に訪問した時のブログを参照ください。

[世田谷区の特別保護区 秋の一般開放 2021] 経堂五丁目特別保護区を散策

2. 特別保護区 秋の一般開放イベント

2022年 特別保護区 秋の一般開放イベントは、11月26日(土)27日(日)、12月3日(土)4日(日)の4日間に開催されています。


いつもは立ち入り禁止の保護区ですが、毎年春季6日、秋季4日の期間だけは一般に無料開放されます。

秋季の一般開放は、モミジなどが色づく季節と重なり、色鮮やかな紅葉と湧水によってできた池の風景を楽しむことができます。


緑が少ない世田谷地域の中ですが、湧き水でできた池の周りでは高木や山野草、種々の鳥や虫などの生き物が楽しめ、とても貴重な場所になっています。

3. 敷地内の散策

2022年11月27日(日)に訪問。今日の天気予報は、最高気温20℃、最低気温11℃、11月下旬としてはかなり暖かい陽気でした。紅葉の満開時期はもう少し先です。


敷地内で観察できる昆虫や植物、鳥などの一覧のパネル展示(世田谷トラストの公式ページでも公開中)


「園内の植物の多くは庭園用に植えられましたが、今は小鳥の糞から生えたものがたくさん育っています」なるほど。。。


ホンセイインコも紹介されていました


池にはヒキガエルが産卵しにやってくるそうです


入口で、フィールドビンゴの用紙を受け取ります(昨年と同じ用紙)


園内の様子



セミの抜け殻(2022年は268個)


一部は紅葉が見頃



ヒトリシズカ(多年草)


モクレンの木


地面は落ち葉で埋まっています


見上げると大木の隙間から青空が

 

なかなかに素晴らしい景色


シャガ


ハラン


センリョウ



センリョウとマンリョウの違い - いつも区別がつかなくなります 笑


ボランティアの方に「千より万のほうが数字が大きいから、大きいほうのマン(リョウ)は下に沈む」と覚え方を教えていただきました、なるほど!


そのボランティアの方が見つけた、ツクツクボウシのセミの抜け殻



クスノキを指して「この木の葉っぱをよーく見てください」と。。。


なんと、薄い緑色のサナギが!


アオスジアゲハのサナギだそうです。幼虫が好物のクスノキの葉が食べられているので、探したら見つけたそうです。確かに、上部の葉が食べられています。

サナギはこの状態で越冬して、成虫に羽化します。

下はエノキ、こちらはアカボシゴマダラが好むそうです。


アカボシゴマダラの成虫(Wikiより)


シラカシやウバメガシ、クスノキなどそれぞれ蝶の幼虫の種類によって好みの樹が違うそうです。なるほど。。。

ボランティアの方曰く、里山の管理はなかなか難しいそうで、環境保護と保全は全く別物で、自然の樹林は放っておくと大樹が大きくなり、地面の樹木は太陽の光が届かなくなり死滅してしまうとのこと。

そうなると、環境の変化に強い樹木や害虫が増えて、現在のような多様性は失われてしまう。。。

そもそも、自然を自然のまま手つかずで残すということと、(この敷地のように)人工的に植樹された庭園を維持する方法は、まったく異なるということでした。

確かに、田舎の見渡す限りの田園風景は、毎年人手をかけて維持管理しているから成り立っているわけですね。。。

田んぼも放置すると3年でダメになってしまうそうです。

森林の植物は、日当たりやその他諸条件により、春に発芽したものも大部分は秋までに枯れてしまいます。

タネから発芽したての状態・子葉などがある状態」を実生(みしょう)と呼ぶそうで、実生からさらに冬をこえ、生長し、森林の上部に葉が顔を出して立派に育つようになるまで成長するのはほんの一部だそうです。

この経堂5丁目の敷地も、センリョウやマンリョウといった赤い実は、鳥の餌になるそうで、その鳥の糞が大樹の枝から地面に落ちて実生して、現在のように敷地のあらゆる場所に散在するようになったわけです。




コクチナシ


庭園の管理の大変なところは、近年の異常気象による夏場の暑さもさることながら、「乾燥」が致命的なんだそうです。

この敷地には中心に大きな池があり、まだ良いほうらしいですが、乾燥で草花はやられてしまうことが多いとのこと。

ボランティアの方の日頃のたゆまぬ手入れのおかげでこうして素晴らしい景観を維持できていることに改めて感謝です。



市街地では見かけることの減ったジョロウクモ


オオネコヤナギ


これは何の実だったか?笑



ナギイカダ


小指の爪ほどの可憐な花を探します


発見!




武蔵アブミはあちこちに見えました、これも鳥の糞で拡散しているようです




ノシラン


ノシランの実、青くなるようです



ホウチャクソウ


ヤブラン


ナンテン






タマサンゴ





オオハナワラビ


以上で園内の散策はおわりです。

道を挟んで向い側には長島大榎公園





イチョウが満開でした


長島大榎公園と特別保護区の経緯については、世田谷散策記のサイトに詳しく紹介されています。


先に見える森は、元世田谷区長の長島壮行氏の邸宅






毎度のことですが、このような特別保護区をボランティア活動で整備してくださっている世田谷トラストまちづくりの関係者の方々には心から感謝です。

今回も、保護区内でたくさんのボランティアの方々に丁寧な説明をしていただき、大変勉強になりました。

次はボランティアの方に教えていただいた成城のみつ池緑地(毎月第一土曜日 午前中は財団ビジターセンターにて定例会)を訪れたいと思います。

[世田谷区の特別保護区 秋の一般開放 2021] 深沢八丁目無原罪特別保護区を散策

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