[郷土芸能大会の祭囃子(まつりばやし)] 世田谷区民文化祭(令和4年度)に行ってみた


今日は、世田谷区民文化祭のイベント「郷土芸能大会」(令和4年度)を観てきました。

世田谷区の伝統の祭囃子(まつりばやし)のお披露目会。どの団体の演奏と舞も観応え/聴き応え十分で、実に素晴らしいイベントでした。


玉川せせらぎホールでの祭囃子の演奏と舞にすっかり魅了されてしまい、世田谷区の神社の祭りごとにも興味が湧きました。

1. 郷土芸能大会

郷土芸能大会は、世田谷区郷土芸能保存会と世田谷区教育員会が共同主催する毎年恒例のイベントです。


会場は、等々力駅前の玉川地区会館1Fにある「玉川せせらぎホール」。


所在地 〒158-0082 東京都世田谷区等々力3丁目4−1
公共交通機関 東急大井町線等々力駅徒歩1分

コロナ禍で一時中止していましたが、昨年(令和3年度)に開催され、今年で2年連続で開催とのことです。

近所でこんなイベントが毎年開催されていたとは全く知りませんでした。。。灯台下暗し 笑

入場無料(出入り自由)ということで、気軽に出かけてみることに。


受付でパンフレットをいただきます


ホール内へ(席は自由)


2021年1月に新設・開所された区民会館。収容人数388席(最大定員392名)の立派なホールです。



開場時間の10:20が近くなると、観客も増えてきました。

2. 祭囃子(まつりばやし)

そもそも祭囃子(まつりばやし)とは何でしょうか?

Wikiによると、祭囃子は、祭の際に演奏される音楽で、邦楽のジャンルの一つです。



祭囃子とは、お祭りが催される際に山車や屋台などの上から笛や太鼓、鉦(かね)などを演奏し、お祭りを盛り上げたり引き立てたりする音楽を指します。

祭囃子は演奏法や楽器、服装はそれぞれ地域によって異なっているのが特徴となっており、なかでも有名な日本三大囃子には東京の神田囃子・京都の祇園囃子・千葉の佐原囃子があります。

神田囃子 神田祭にて

祭囃子とはそもそもお囃子が分岐してできたものでお囃子とは能や歌舞伎、神楽などの祭事や舞台芸術の際に演奏されている音楽を指します。

そのお囃子からいつ分岐したのかに関しては、諸説ありますが明確には分かっていません。しかし、江戸の祭囃子「葛西囃子」によって、祭囃子は確立されたという説が有力視されています。

では江戸時代よりも前の時代にはお祭りでお囃子は行われていなかったのか、というとそうではありません。平安時代中期になるとお囃子などを催して豪華絢爛にお祭りが行われていました。

しかし平安時代で行なわれていたお囃子は、山車や屋台の上ではなく歩いて囃し、またお囃子も主に田楽踊り囃子でした。ちなみにお囃子で山車や屋台が使われるようになったのは、室町時代からだといわれています。

さらにここでは祭囃子の演奏で使われている楽器やそれぞれの楽器の演奏法について紹介していきましょう。

まずは、祭囃子で使われている楽器ですが太鼓・笛・鉦(かね)の3つの楽器が使われています。また、これらの楽器のほかに地域によっては弦楽器も使われています。

例えば太鼓には締太鼓・大太鼓・大胴・大拍子・団扇太鼓・担ぎ太鼓などの種類があり、これらの種類の太鼓を音の高低によって使い分けています。

笛は篠笛・能管・龍笛などがありますが、これらの笛の違いは装飾にあります。能管や龍笛などが豪華な装飾なのに対し、篠笛は装飾が施されておらずいたってシンプルです。

なぜ能管・龍笛と篠笛ではこれほど装飾に違いが生じているのかというと、それは能管・龍笛は貴族が用いていたのに対し、篠笛は庶民が用いていた楽器だったからです。

続いて楽器の演奏についてですが、太鼓は曲の順番やテンポをつかさどる祭囃子の要となる楽器なので、全楽器のパートを正確に把握し熟知しておくなど、相当の知識や教養そして経験が必要とされています。

笛は演奏法を伝える教本などはなく、演奏を聴いて耳で演奏法を覚えます。

ちなみに祭囃子の楽譜に太鼓や笛のパートは書かれていないため鉦(かね)の音に応じてそれぞれ演奏します。鉦(かね)は4種類の音を使い分けて演奏します。

(引用おわり)

3. せたがやの祭囃子

以下は今回の郷土芸能大会(令和4年度)のプログラムです。


それぞれの団体の神社名称と所在地を調べたのが以下のリストです。
  1. 菅原天神囃子保存会:菅原神社(世田谷区松原3-20-16)
  2. 駒留お囃子若駒連:駒留八幡神社(世田谷区上馬5-35-3)
  3. 船橋囃子保存会:船橋神明神社(世田谷区船橋4-40-17)
  4. 六所神社給田囃子連:給田六所神社(世田谷区給田1-3-7)
  5. 烏山芸能保存会:烏山神社(世田谷区南烏山2-21-1)
  6. 大蔵石井戸囃子保存会:石井戸稲荷神社(世田谷区大蔵5-12-3)
  7. 廻澤囃子保存会:廻沢稲荷神社(世田谷区千歳台5-17-23)
  8. 喜多見楽友会:喜多見氷川神社(世田谷区喜多見4-26-1)
  9. 上祖師谷囃子連:上祖師谷神明社(上祖師谷4-19-24)
  10. 瀬田囃子保存会:瀬田玉川神社(世田谷区瀬田4-11-31)
  11. 安宅囃子保存会:経堂天祖神社(経堂4-33-2)/稲荷森稲荷神社(桜丘2-29-3)
  12. 等々力囃子保存会:玉川神社(等々力3-27-7)
地名だけではすぐにわからない神社もありましたが、さすが世田谷区はエリアが広いですね。

配布されたプログラムの裏面には、道具と舞についての説明が付いていて参考になりました。


以下、日本の楽器「祭囃子」のサイトから引用します。

日本の祭りはほとんどが農耕の神への豊作祈願と感謝です。

神をほめたたえ、豊作を祈願し結果を感謝する。神をほめたたえる重要な手段が囃子で、「囃子」という言葉は「はやす」から出ています。つまり周囲から褒めそやし、引き立て、栄えるようにするという意味です。

江戸の祭り囃子の基本は五人囃子で、大太鼓1、締太鼓(しめだいこ)2、7孔の篠笛1、鉦1で、さらに人数を増やして音楽効果をあげます。

このうち鉦はリズムを刻む重要な楽器で、他の四つの楽器を助けるところから、「四助(よすけ)」とも呼ばれます。

また笛はトンビの鳴き声に似ているところからトンビと呼びます。

(引用おわり)

(以下ブログ未完成)

4. プログラム

4.1 菅原天神囃子保存会

篠笛の音色と鉦(かね)の絶妙なコンビネーションが素晴らしく、遥か遠い昔の古き良き日本の情緒感に、否が応でも浸ってしまいました。

演奏を聴きながら、自分はやはり日本人なんだな、とつくづく感じるひとときでした。


途中から獅子舞が入ってきてダイナミックかつユーモラスな動いで目が離せません。

寝た体制で両脚を反らせるなど柔軟な身体も披露してくれました。

獅子は、何やら小さな桃色の巾着のようなものを見つけて、それを突っついたりして、最後は自分の歯でくわえるのですが、これは何を意味しているのでしょうか?

4.2 駒留お囃子若駒連

世田谷区郷土芸能保存会の粟野会長(笛を担当)のグループです。


舞は入らず演奏だけのオーソドックスなものでしたが、みなさん楽器の演奏レベルが非常に高かいプログラムでした。

4.3 船橋囃子保存会

こちらは獅子と狐に加えて「ひょっとこ」も登場の賑やかなプログラムでした。


獅子は、1番と同じく、地面に落ちている桃色の巾着のようなものを見つけて、それを突っついたりします。

「ひょっとこ」は、眠りこけた獅子を扇子で叩いて起こします。

時間の都合で午前中の3つのプログラムしか観れなかったのが残念でした。。。来年はぜひすべてのプログラムを観たいと思います。

しかし、このような素晴らしいイベントは、是非とも駐日外国人の方々や、観光客の方々にも是非見ていただきたいと思いました(会場では外国人らしき方はひとりも見かけませんでした)。

最後に、このような素晴らしいイベントを企画してくださった世田谷区郷土芸能保存会と世田谷区教育員会ならびに関係者の皆さまには心から御礼申し上げます。

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