今日はSea To Summit(シー トゥー サミット) 2023 鳥海山というイベントに参加しました。
Sea To Summitは、SUP/カヤック4キロ、自転車21キロ、ハイク(登山)7キロの3種目複合競技です。
今回参戦した鳥海山Sea To Summitは、山形県遊佐町の西浜海岸をスタートして、鳥海山大物忌神社(山頂御本殿)がフィニッシュ。
標高差2,160mの大会屈指のハードコースですが、果たして制限時間内に完走できるのか?
「SEA TO SUMMIT」(シー・トゥー・サミット)は、人力のみで海(SUPもしくはカヤック)から里(自転車)、そして山頂(登山)へと進む中で、自然の循環に思いを巡らせ、かけがえのない自然について考えようという環境スポーツイベントです。
トライアスロンのように、一人の選手が3種目の競技を行ってゴールを目指します。
アウトドア用品大手の「モンベル」(大阪市)が企画。年間11大会が開催されています。
SEASea To Summit 2023 鳥海山は、全11大会の中でも大会屈指のハードコース、その標高差はなんと2160mもあります。
年間11大会のSEA TO SUMMITのなかで最も過酷なコースだそうです 笑
大自然の中で、高山植物や日本海の絶景も楽しみながら、自分の体力の限界に挑戦できます。
スタート:西浜海岸
フィニッシュ:鳥海山大物忌神社(山頂御本殿)【標高2,160m】
パドルスポーツ(SUPもしくはカヤック):4km
バイク:距離21km、獲得標高1,150m
ハイク(登山):距離7km、獲得標高1,005m
ちなみに富士ヒルクライムレースが、走行距離24km、獲得標高1,288m(平均勾配5.2%、最大7.8%)なので、同じくらいの難易度ですね。
HIKE(登山)コースは、バイクを降りた鉾立駐車場から、鳥海山大物忌神社までの距離7km、獲得標高1,005m。
厳しい上りが続く難易度の高い登山ルートです。
パドルスポーツのスタートが午前5:30、HIKEフィニッシュのカットオフは午後1:00。
3種目合計の制限時間は7時間30分。
Sea To Summit(シー トゥー サミット)は、以前からずっと気になっていたイベントだったので、友人と一緒に初参加しました。
2. 大会前日
大会前日の土曜日、午前4時に都内を出発して7時間かけで500km先の山形県まで自家用車で移動、かなり遠いです。
午前11時、説明会場のホテル(鳥海温泉 湯楽里)に到着
SUP/カヤック会場の西浜海岸吹浦港
東京に負けず劣らず暑い、というか、むしろ東京より暑いのでは?
さっそくバイクを組み立ててチェックイン、すでに汗ダラダラ
大会受付を済ませて近くの食堂(とりみ亭)でランチ
午後2時から説明会に参加
レースの説明会の前に環境シンポジウムが開催、Sea To Summitらしい取り組みですね
説明会のあとは、会場から40kmくらい離れた湯の浜温泉の竹屋ホテルに到着
ちょうど日没の時間にチェックイン、夕陽がキレイ
明日の健闘を祈念して乾杯、超豪華で美味な食事でした
明日は朝早いので夜9:30に就寝しました
3. 大会当日
大会当時の朝は午前3時半起床、午前4時に宿を出発。朝早い!
会場には午前5時前に到着。外はまだ真っ暗
SUPに空気を入れて準備。ドリンクには途中のコンビニで購入した氷を入れます
朝焼け、今日も暑い一日になりそうですね(当日の最高気温は35.8℃でした!)
SUPやカヤックが次々と運び込まれます、大多数はカヤック
トランジションバックを準備したりとバタバタしていたら午前5:00、開会式が始まりました
4. SUP
午前5時30分いよいよレースが開始。チームの部あとにシングルの選手が次々と時間差でスタート
私のスタート時間は午前5時41分でした。
堤防内なので波も穏やか。頑張ってSUPを漕ぎ続けました。
SUPはスピードが遅い(人が歩く速度くらい)ので、カヤックにガンガン追い抜かされます。
やがて鳥海山から朝日が。。。!
上の写真を撮るために漕ぐのを中断していたら、波に流されてあやうく湾外に出そうになって大幅にタイムロスト
(レース中はスマホを取り出している暇がなく写真は上の1枚のみ)
周回を重ねるごとに順位を落として、あれよあれよという間にほぼ最後尾に 笑
海岸に戻った時点ではビリから3番目になってしまいました!
SUPのタイムは40分くらい。
午前6時15分、バイクをスタート。
西浜海岸から鳥海ブルーライン入口までの平坦区間はスピードアップで順位を上げます。
大会は数年前からe-bikeでの参戦もOKになったらしく、鳥海ブルーラインに入ってからの登り区間ではe-bikeに抜かれます。
気温は上昇してかなり暑い。。。が、幸いなことに曇り空なので助かった。
GPSサイコンで平均パワーが200~250くらいを目安にキコキコと時速8~10kmくらいで進みます。
心拍数は170を超えてかなりキツイ。。。
平均勾配は富士ヒルより厳しいので、あまりムリをすると最も軽いギアにしても脚が売り切れそうになるので注意が必要。
しかも、SUPで酷使した腰が重く感じて、ペースを上げられない。。。
55分経過で、12km(獲得標高550m)の駒止チェックポイントに到着。磁気カードをスリットに通してもらいます。
ここでSUPで先行していた友人とすれ違いエールを交換。
チェックポイントから先は、九十九折のコースになります。
チェックポイントまでは頑張ってゴリゴリと進んできましたが、1時間を超えて徐々にパワーが低下。
それでも一人また一人と追い抜いて、順位を上げました。
途中で友人にも追い付きました。
そして。。。九十九折区間の先の大平口に到着。
下界が一望の絶景ポイントでバイクを止めて記念撮影
終盤には勾配も緩やかになり、緩やかな下り区間ではガチ踏みしてスピードを出しました。
スピードを出すと冷たい風が汗でグッショリの身体に心地良い!
午前8時11分、バイクフィニッシュの鉾立駐車場(標高1,150m)に到着。
移動時間 1:46:30
経過時間 1:56:41
平均スピード 12.5km/h
平均パワー 190w
最大パワー 549w
平均ケイデンス 65rpm
平均心拍数 165bpm
最大心拍数 177bpm
昨年の富士ヒルよりペースは遅かったが、3種目競技なのでまずまずという感じでしょうか。
6. HIKE(登山)
ヒルクライム区間を無事に終えて、早くもレースを完走し終えた気分に!
この先に待ち構える登山の苦行を何も知らない私は、ハイクは散歩くらいにしか考えていませんでした
笑
預けておいた登山装備の袋を受け取り、トレランシューズとハイドレーションバッグを装着。
ハイドレーションに事前にドリンクを入れておくのを忘れていたことに気付いて焦りましたが、エイドステーションのドリンクを注入することができて一安心。
ハイクは友人と合流して一緒にスタートしました
時刻は午前8時26分、スタートが早朝だったので、まだ午前9時にもなっていない
ハイキングコースを進むと、周囲の荒々しい景観が圧倒的な迫力!
そして眼下には太平洋が
ニコニコ顔で記念撮影(この後に控える地獄に気付いていない 笑)
石を敷き詰めて整備された道ですが、これが結構脚に来る
一部の区間はボードウォーク
高山植物、これはアザミかな
天気は晴れたり霧がかかったりと目まぐるしく変化します
無限に続く石ころの上を歩き続けて疲労が溜まってゆく
WindowsXPの壁紙のような景色
1時間以上も登り続けてかなり疲弊
最初のチェックポイント御浜(おはま)神社に到着
時刻は午前9時46分、スタートから1時間20分が経過です
チェックポイントからみた鳥海湖
しばし脚を休めます
5分ほどの休憩後に再び出発
霧が濃くなってきた
植物はいろいろ咲いている
ハクサンフウロ
ニッコウキスゲ
ハクサンイチゲ
御浜から先は、いったん長い下りになります
友人はハイペースでどんどん下る
ま、待ってくれー 笑
で、今度は登り
霧が晴れてきた、まだまだ先は長い
雲の隙間から太平洋が
しかし周囲の景観の雄大さは写真ではうまく伝わりません
そんな雄大な景色を眺めながら、過酷度はいよいよ増してきた
こんな感じが延々と。。。
相当ツラくなってきた。。。ハイキングって全然ラクじゃなかった 笑
一歩間違えたら谷底に
あの白い湖みたいのは何だ?
なんと、雪(雪渓)でした
周囲は無数の巨大な岩が
また晴れてきた
岸壁が360度サラウンドに迫ってくる
こんな迫力のある景観見たことない
これが本当の登山修行というものか
が、登山の達人の友人いわく「これフツーっすよ」笑
斜度が本当にキツい。。。ラストの1時間30分はマジで体力の限界でした
沿道のスタッフの方々にたくさん励ましていただき本当に感謝です
そして。。。ようやくゴールの小屋が前方に見えてきた!(下の写真の赤いマルで囲ったところ)
下の映像は最後の気力を振り絞って登っているところ
ついにゴール!
時刻は午前11時40分、ハイクスタートから3時間20分が経過
距離はたったの7kmなのに、苦行の3時間20分でした!
(ちなみに鉾立登山口からの標準タイムは4時間30分らしい)
これでSea To Summit 2023 鳥海山を無事に完走、タイムは5時間55分くらい
あんな遠いところから。。。ちょうど山間から吹浦港が確認することができました(上の写真の赤い枠)
岩場に腰を下ろしてランチタイム、しかしあまりの疲労困憊でしばらく動けない 笑
ここから山の山頂までは徒歩で30分くらい(大会では山頂行きは原則NG)
7. HIKE(下山)
20分くらいの休憩ののち、意を決して下山、時刻は午後12時15分
ゴツゴツした岩場の行き来たルートを戻ります
下山はラクかと言うと全くそんなことはない 泣
ひたすら続く岩場。。。もう石はイヤだ
で、雪の場所に戻ってきました
近づくと汚い雪でしたが、暑さ凌ぎに少し食べてみました 笑
トンボが雪にハマっていたので助けてやりました
と、そのとき、後ろのほうで男性選手が足を滑らせてなんと岩場で転倒!
しばらく放心状態のようでしたが、頭は大丈夫そう。
その後、大会スタッフの方が迅速に対応されていましたが、無事だったことを祈ります。。。
下りは登りよりも脚を滑らせやすいので神経をすり減らします
一部の区間はこんな状況
「ここは外輪山」
遥か先に登り道が
歩くたびにトンボがテリトリー侵害を訴えて目の前を飛び回る
一部の区間はこんな感じで助かりました
それでもほとんどの区間は延々と続く岩場の道。。。
もうイヤだ
景観は素晴らしいが、ハイクは苦行過ぎる
後ろからハイスピードで選手が。。。いや選手じゃなくてソロの登山者
午前0時に標高0mからスタートして山頂まで往復だそうです。。。凄過ぎ 笑
で、また長い登り返し
登りですが岩場じゃないのでむしろ歩きやすい
だいぶ下ってきたぞ
御田が原
鳥海湖、行きは霧がかかっていたけど、帰りはこのようにクッキリ
チェックポイントの御浜に到着
(以下写真なし)
御浜からはスピードアップ、というか、トレランのように石から石へ飛び跳ねながら走りました
ついに鉾立駐車場に帰ってきた!
時刻は午後3時05分、下山に要した時間だけでも2時間50分
大会本部前からバスに乗って下山です(バイクはトラックで運んでもらえる)
ヒルクライムのコースをバスに乗って下り、無事にホテルに帰着。お疲れさまでした!
抽選会は残念ながら何も当たりませんでした 笑
温泉に立ち寄ってから、東京に向けて500km帰路に着きました
上の写真は、西浜海岸沿いの風力発電のプロペラ
こうして、Sea To Summit 2023 鳥海山を無事に完走しました。
しかし、バイクのヒルクライムさえクリアすれば、あとはラクだろうという予想は全くの見当違いでした。
ハイク=ハイキングでお花畑を楽しく散歩するというイメージでしたが、ハイクというのがこれほど過酷とは。。。
ハイク(イメージ)
ハイク(実際)
今回のSea To
Summitに参加して、生まれて初めて本当のハイク(登山)を経験して、自然のあまりの雄大さと迫力は忘れ難い体験になりました。
普段、登山の写真とか見てもピンと来ないのですが、実際の山を歩いてみると、そこでの臨場感や見た光景というのは、決して写真では伝わらないものだと痛感。
また、ハイクがこれほどまでに身体に過酷というのも全くの想定外でした。
今回はたったの7kmでしたが、以前参戦したトレラン50km並みの苦行でした。
イヤこれマジできついわ。。。しばらくは再び山に行きたいという気にはならない
笑
今回のSea To
Summit参戦で、マラソン、トライアスロン、自転車レースほか持久系/耐久系スポーツ全23種目中17種目に参戦したことになりました。
残るはあと6種目、10月には18種目目のスカイラインニングに挑戦の予定です。
以上、Sea To Summit 2023 鳥海山 参戦記でした。
大会参加者の皆さん大変お疲れ様でした。
そして、このような素晴らしい大会を実現してくださった運営関係の皆さま、応援してくださった地元の皆さま、本当にありがとうございました。
(2023年9月3日 追記)
リザルトが発表されました。
バイク:1:53:24(15位/48人)
ハイク1:1:39:15(33位/47人)
ハイク2:1:51:49(25位/36人)
トータル:5:56:46(25位/36人)
でした。
(2023年11月21日 追記)
以前買ったまっぷるマガジンのNature Walkという雑誌をパラパラ眺めていたら、鳥海山の記事を発見。
鉾立の駐車場から御浜小屋まで120分、そこから山頂の御浜小屋まで150分、合計270分(4時間30分)が標準ペースということで、3時間20分はちょっとハイペース過ぎたようです。
コメント