『ディスカバリー傑作選
解明・宇宙の仕組み』という科学ドキュメンタリー番組の総まとめ記事です。
『解明・宇宙の仕組み』(原題:How the Universe
Works)は、2010年からディスカバリーチャンネルで放映されているサイエンス番組です。
『モーガン・フリーマン
時空を超えて』と並んで、宇宙の仕組みや謎について、毎回さまざまなテーマを取り上げて放送されています。
0. 『ディスカバリー傑作選 解明・宇宙の仕組み』
『解明・宇宙の仕組み』(原題:How the Universe
Works)は、2010年からディスカバリーチャンネルで放映されているサイエンス番組です(以下Wikiより引用)
シーズン1・3とシーズン4-8まではマイク・ロウが[1]、シーズン2・5・6はエリック・デラムスがナレーションを担当した[2]。
2010年4月25日から5月24日まで放送された最初のシーズンは、2012年2月28日にブルーレイでリリースされた[3]。
第2シーズンからは、サイエンス・チャンネルで放送されている[4]。第3シーズンは2014年7月9日から9月3日まで放送された[5]。サイエンスチャンネルの
"スペースウィーク"の一環として、ニュー・ホライズンズが冥王星のフライバイ(接近通過)するタイミングに合わせて2015年7月14日に第4シーズンは放送開始された。
第5シーズンは2016年11月22日から2017年2月7日まで、第6シーズンは2018年1月9日から2018年3月13日まで、第7シーズンは2019年1月8日から2019年12月30日まで放送された。第8シーズンは2020年1月2日に放送が開始されることが発表された[6]。
(引用おわり)
そして、Amazon Primeでは現在は配信されていないのが大変残念です。
非常に良く出来たドキュメンタリー番組なので、是非とも再放送・再配信してほしいものです。
これまでにBS11で放送されたエピソードは、ディスカバリー傑作選 解明・宇宙の仕組みというサイトにまとめられています(米国で放送されたすべてのエピソードは【宇宙の解体新書】【解明・宇宙の仕組み】 タイトル一覧を参照)。
私は、全90話のうち以下の22のエピソードを自宅のレコーダーに録画してディスクに保存しました。
宇宙はどんな仕組みになっているのだろうか?どうやって作られ、今どんな働きをしているのか?私たち人間やすべてのものは、いったいどこからやって来たのか?そんな壮大な謎をひも解くために、専門家を迎えて驚きのコンピューター画像とともに空を調査する。
「 解明・宇宙の仕組み」はYouTubeのプレイリストで全90話のうち30話を観ることができます。
[DISC-1]
- ブラックホールの中心へ 前編
- ブラックホールの中心へ 後編
- 次の超新星
[DISC-2]
- ミクロコスモスの謎の生物
- 新たな宇宙空間の謎
- 白色矮星の呪い
[DISC-3]
- モンスターブラックホールの誕生
- 小惑星の脅威 前編
- 小惑星の脅威 後編
[DISC-4]
- 惑星の成り立ち
- 地球の行方
- エイリアンの痕跡
[DISC-5]
- 月の素顔
- 小宇宙の戦い
- 彗星探査機『ロゼッタ』
[DISC-6]
- 星が消える時
- 超大質量ブラックホール
- タイムトラベルの秘密
[DISC-7]
- 木星探査機ジュノー
- NASA有人火星探査
- 宇宙の果て
[DISC-8]
- 太陽系外惑星
以下にエピソード1~10(上記太字のエピソード)をまとめました(日付は視聴した日)。
1. ブラックホールの中心へ 前編 (2024/10/04)
超大質量ブラックホールM87 Starの中心へ
地球から5500万光年
史上初めて撮影されたブラックホールの写真
噴出するジェットは光の速度の99.999995%
明るさは太陽の10億倍
質量は太陽の65億倍、温度は数10億℃
白鳥座A(直径12万光年の楕円銀河)
数兆個の恒星
すべてが赤色矮星
宇宙の風(ガスとプラズマの流れ)
風の速さは光速の1/4
他の銀河と合体して巨大化
星の形成を妨げるのはなぜか
バブルの周りを冷たいガスが囲んでいた
鳳凰座のブラックホール
おとめ座銀河団の惑星状星雲を観測
銀河が膨張、潮汐作用で恒星間の距離は100倍に広がる
3光年近づくと2つの銀河系は合体できない(ファイナルパーセク問題)
NGC6240での発見(2019年)
3つの銀河が衝突する場合、軌道エネルギーを失って合体できる
PGCA43234での発見(2014年)
フレア(太陽の1000億倍の明るさ)をアサシン(望遠鏡ネットワーク)で発見
超新星とは違い、閃光は130秒ごと、450日続いた
恒星の潮汐破壊
ブラックホールの大きさは地球の300倍の大きさ、自転速度は光速の 50%と判明した
個人的な評点: ★★★★☆
2. ブラックホールの中心へ 後編 (2024/10/04)
イベントホライズンテレスコープ
2億500万光年先のブラックホールJ1354+1327調査(2018年)
9時間ごとに月4個分を食べる
2度のげっぷ(10万年の間隔)の痕跡
膠着円盤
隣の銀河を飲み込む
白鳥座V404星の観測(2019年)
銀河系の中心のいて座A Starはほとんど物質を飲み込まない
磁場がチリやガスを遠ざける
ブラックホールの自転
ジェットが歳差運動
超巨大ブラックホールの場合は、落ちていく探査機は引き裂かれることはない
事象の地平面で探査機は止まる
一般相対性理論では地平面を超えるが、量子力学では壁にぶつかる
量子力学では高エネルギー粒子の壁(ファイヤウォール)
量子レベルの情報は保存される
ホーキング放射でブラックホールはやがて消滅する
量子もつれによって探査機は地平面の手間と先の両方に存在する?
ブラックホールにはやわらかい毛がある?
情報の保存はされるのか(情報パラドックス)
内部地平面
特異点
M87 Starの特異点は点ではなくリング状
特異点からワームホールでホワイトホールへと繋がっているのか
ブラックホールはパラレルワールドへの入り口という可能性も
ブラックホールは物理学最大の謎のひとつ
個人的な評点: ★★★★☆
3. 次の超新星 (2024/10/06)
天の川銀河では400年以上観られていない
2019年10月 ベテルギウス(地球から550光年)が暗くなった
鉄を生成すると核融合は止まる
超新星爆発の地球への影響
260万年前の海底層に鉄60が発見された
体長20mのメガロドン(サメ)が絶滅
宇宙線が大気中の原子に当たるとミューオン(重さは電子の200倍)が生成、ミューオンはDNAを破壊する
ペガスス座IK星(地球から150光年)
太陽の1.7倍しかない星だが超新星爆発すると予測
赤色巨星と白色矮星の連星(二つの距離は3000万キロ)
白色矮星が赤色巨星を飲み込む
SN1987Aが爆発の3時間前にニュートリノを観測
アベブという連星系(2018年に観測)
ウォルフライエ星の超新星爆発(2018年6月16日)
ハワイで観測された
AT2018COW
数日で100倍に明るくなり数日で薄れた
超新星爆発直前のニュートリノを観測
回転軸の両方向にガンマ線バーストを放つ
花火銀河と呼ばれるNGC6946(地球から2000万光年)のN6946BH1が消えた
N6946BH1では炭素の滞留が起きない
超新星爆発せずにブラックホールになったと推測
どの星が超新星爆発を起こすのか予測できない
超新星爆発で生まれた元素が宇宙に飛び散って、私たち人間の体を構成している
ガンマ線バーストで稲妻が増え、森を焼き、地表に草原をもたらして人類が出現した
超新星は生命を与え、そして奪う
個人的な評点: ★★★★☆
4. ミクロコスモスの謎の生物 (2024/10/07)
人間の体内には380兆個のウィルスと39兆個の細菌が存在する
2020年の新型コロナウィルスの流行
ウィルスは細菌とは異なり、宿主がいないと自己繁殖ができない
DNA/RNA
ウィルスが先に進化したのか、細菌が先か
火星に大きな隕石が衝突(ボレアリス衝突)
隕石からリボース(有機分子)が検出
人のDNAの8%はウィルス由来
地球の酸素の供給元は熱帯雨林が30%
植物プランクトン(ミクロコスモス)が50%
ウィルスは人類の敵でもあり味方でもある
個人的な評点: ★★★☆☆
5. 新たな宇宙空間の謎 (2024/10/08)
系外惑星(既に4000個以上発見)の驚異の世界
灼熱の惑星うお座 WASP76-b
潮汐ロックで自転しておらず、境界では鉄の雨が降る
白鳥座の恒星(ケプラー51)の 3つの惑星
木星の100分の1の重量しかなく、極めて密度が低い(スーパーパフ惑星)
蛇使い座の40光年先にある惑星GJ1014B(ミニネプチューン)
地球の水の量は全質量の0.05%しかないが
GJ1014Bの水の量はなんと40%(ウォーターワールド)
生命の存在条件は、水だけでなく水と岩石(栄養分)が必要
ケプラーが発見したフォーマルハウトbが突然消えた
系外惑星の衛星(ケプラー1625b I)を発見
トランジット法で発見された
フォーマルハウトbの消失は、そもそも惑星ではなくガスの塊だった
連星を持つ惑星BD +20 307
10億年なのにガスがあるのは、連星が惑星の衝突の結果の可能性
水がめ座のHD2039 b
赤色巨星のすぐ近くだが、赤色巨星が縮小している
元の位置はもっと遠くにあり、何らかの影響で近づいた可能性も
赤色巨星に吞み込まれることはないが、いずれ白色矮星の元で光は届かなくなる運命
地球のような生命に適した惑星の存在は非常に稀である
個人的な評点: ★★★☆☆
6. 白色矮星の呪い (2024/10/09)
2億5000万光年の銀河GSN069から強いX線フレア
ブラックホールに吞み込まれる白色矮星
外部と内部の圧力がバランスしている高密度な星
電子の縮退圧
内部の炭素と酸素が冷える
いずれは地球サイズのダイヤモンドに
長い時間をかけて黒色矮星になる
500光年の銀河に白色矮星(2019年に発見)
表面に酸素や硫黄(通常は水素とヘリウムのみ)
670光年のWD115)017は、岩石惑星
白色矮星の25-50%が惑星を持つ
爆発する白色矮星(1A1型)
M82 ロンドン大学の学生が超新星爆発を発見(SN2014J)
チャンドラセカール限界(白色矮星の質量の上限値:太陽の1.4倍)
ヘナイズ2 428は連星、7億年後に衝突合体
こぐま座LB40 365(2017年に発見)
M31 N 208 12Aは回帰新星で毎年爆発している(1AX 1A1型より30%暗い)
白色矮星は標準光源として加速膨張理論の拠り所だったが
チャンドラセカール限界にも幅がある可能性
マグネター(強力な磁力源)
定期的に爆発
光速電波バースト
白色矮星はメジャーな研究対象になっている
個人的な評点: ★★★☆☆
7. モンスターブラックホールの誕生 (2024/10/10)
宇宙誕生からわずか6億9000万年後に生成
太陽の質量の8億倍
ブラックホールの分類
・太陽の100倍 恒星質量ブラックホール(ほとんど発見されていない)
・太陽の10万倍以上 超大質量ブラックホール(100個以上発見されている)
種族IIIのなかに赤色巨星が爆発せずに崩壊したケースが
エディントン限界光度(ブラックホールの早食い防止装置)
恒星質量ブラックホールGRS1915
周囲のガスが膠着円盤を形成、太陽の100万倍で輝く
きょしちょう座47(球状星団)の真ん中25個のパルサー
太陽の2000倍の中間質量ブラックホール
2020年 重力波観測で太陽の142倍のブラックホールを発見
通常のパルス信号
今回観測された信号
連星ブラックホールの可能性
中間質量ブラックホールが合体して大型化
初期宇宙でダークマターが超大質量ブラックホール形成に関与した可能性も
M77銀河の中心のブラックホール
膠着円盤が2つで逆方向に回転
2つの銀河の合体でブラックホールが巨大化
通常は銀河同士は放出するガスの勢いで3光年よりは近づけない(ファイナルパーセク問題)
3つ目の銀河があると、2つの銀河の軌道エネルギーが失われて合体に至る
非常に強い磁場がブラックホール形成を促進した可能性も
初期の宇宙になぜ多くのモンスターブラックホールが存在したのかは未だに明確なことがわかっていない
個人的な評点: ★★★★★
8. 小惑星の脅威 前編 (2024/10/11)
小惑星アポフィス(直径340m)
2029年と2068年に地球に接近する
チェラビンスク隕石
2013年2月15日に地球に衝突
4474棟の建物に損壊をおよぼし、割れたガラスを浴びるなどで1491人が重軽傷を負った
月と地球の間のキーホールの影響で軌道が変化する可能性
地球近傍小惑星(NEA)2000個以上発見
潜在的危険な小惑星(PHA )300個(1999年)から18000個(2018年)に増加
皆既月食中の月面で隕石衝突の閃光(直径50cm、45kg、時速61000km)
バリンジャークレーター(アリゾナ)50000年前、直径40mの隕石
シュクシュルーブ小惑星(直径180km)の衝突(6600万年前)
恐竜の絶滅を招いた
カタリナスカイサーベイ
赤外線探査衛星ネオワイズ
16万個の小惑星と彗星を発見
16個のPHAを確認
プエルトリコのアレシボ天文台
SOHOが観測(2018年11月25日)
太陽へ突入する彗星
彗星は小惑星の1.5倍の速さ
小惑星の形成は46億年前の太陽系形成まで遡る
プシケ
直径200km
金属(鉄とニッケル)の小惑星
個人的な評点: ★★★☆☆
9. 小惑星の脅威 後編 (2024/10/12)
金属からなる小惑星(M型)は衝突の破壊力が強い
バリンジャークレーター
小惑星メンヌは石塊が集積した小惑星(ラブルパイル天体)、アポフィスも同種
小惑星の中身はスカスカなので軽量
オウムアムア恒星間天体、太陽系外から飛来した恒星間天体(2017年に発見)
高速で飛来するので脅威である
6600万年前に地球に衝突したチクシュルーブ小惑星(直径10kkm)
内陸で海の化石が発見されたのは衝突による津波が原因なのか
津波には衝突時のエネルギーのわずか1%しかない(大部分は水蒸気と隕石の蒸発に費やされる)
小惑星ベスタの破片(ホワルダイト)と判明
小惑星ベスタが2200万年前に衝突した際の破片
ヨープ効果 太陽の光が小惑星を押す
小惑星は10年前に発見できるが彗星は3年前にならないと発見できない
地球衝突の危険のある小惑星を核爆発で回避する
レーザー照射による軌道変更
無人の衛星(インパクター)を小惑星に衝突させるプロジェクト(2021年に実施)
小惑星回避は果たして上手く行くのか
小惑星は地球の生物を滅ぼす脅威となっているが、バクテリアは宇宙に飛び出した隕石のなかで生き延びる可能性も
個人的な評点: ★★★★☆
10. 地球の成り立ち (2024/10/14)
原始惑星系円盤のガスから惑星が誕生
雄牛座のHL星系 天体アロコス(長さ30km、2つの微惑星の結合)カイパーベルト内に存在している太陽系外縁天体
ローラーダービー(番組で良く引き合いに出される)
塵→ぺブル→微惑星→微惑星同士の衝突→惑星
塵→ぺブル→微惑星→ぺブルを吸収→惑星(ぺブル集積モデル)木星など
スノーライン(水蒸気が凍る境界)太陽から4億キロ
木星の太陽に向かって移動した結果、地球に水が降り注いだ
4つの巨大惑星(WASP178B、184B。185B、192B)
恒星に非常に近い巨大惑星は、惑星形成されたあとに恒星に引き寄せられた
ケプラー107BとC、密度が2倍も違う
シネスティア(気化した岩石の蒸気)
巨大衝突とシナスティアが惑星を形成する
地球から3000光年の褐色矮星オーグル2017バルジ1522L(2017年7月発見)単独惑星
質量は太陽の5%で核融合反応に至らなかった
恒星ではなく惑星に
褐色矮星を公転する惑星を発見
惑星と恒星の形成は相互に関係が深く、今後はさらに進展すると予想される
(ディスカバリー傑作選 解明・宇宙の仕組み - その2に続く)
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