今年(2024年)は作曲家アントン・ブルックナーの生誕200年です。
ブルックナーの交響曲のなかで、あまり有名ではない初期の交響曲(第00番~第3番)を聴いてみたところ、これが意外にもなかなか聴き応えのある作品ばかりだったので、ブログにまとめてみました。
1. アントン・ブルックナー
ブルックナーは、個人的には最も好みの作曲家のひとりです。
ヨーゼフ・アントン・ブルックナー(Joseph Anton Bruckner, 1824年9月4日 -
1896年10月11日)
は、オーストリアの作曲家、オルガニスト。交響曲と宗教音楽の大家として知られる(Wikiからの引用)。
9つの交響曲を残しており、ブルックナーの代表作品にもなっています。
ブルックナーはよく「とっつきにくい」と言われることがあります。
実際、雑誌『音楽の友』の2024年9月号の特集記事「あなたが選ぶ クラシック・ベストテン2024」では、苦手な作曲家の第1位に選出されています。
演奏時間が長いというのが理由のようですが、確かにブルックナーの交響曲は、ベートーヴェンやチャイコフスキーなどと比較すると、1時間を超えるものがほとんです。
それでも、ブルックナーの交響曲はどれも高く評価されており、傑出した名曲が揃っています。
- 交響曲第1番 ハ短調 1865-66
- 交響曲第2番 ハ短調 1871-72
- 交響曲第3番 ニ短調『ワーグナー』 1872-73
- 交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』 1874
-
交響曲第5番 変ロ長調 1875-76
-
交響曲第6番 イ長調 1879-81
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交響曲第7番 ホ長調 1881-83
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交響曲第8番 ハ短調 1884-87
- 交響曲第9番 ニ短調 1891-96 未完(第3楽章まで)
上記の9つの交響曲のほかにも、初期の作品で
- 交響曲第00番 ヘ短調『習作交響曲』1863
- 交響曲第0番 ニ短調 1869または1863-64
の2つの交響曲があります。
ブルックナーの交響曲のなかで最も有名で人気の高いのは、おそらく交響曲第4番
変ホ長調『ロマンティック』 ではないかと思います。
Anton Bruckner — Symphony No.4 in E♭ major
Herbert von Karajan, Berlin Philharmonic, 1971 [SACD]
ドイツの森林の朝靄のなかに浮かび上がる壮大な景観を彷彿とさせるような、そんな作品です。
個人的には、交響曲第5番がベスト、いや古今東西の膨大な交響曲のなかでも史上最高の傑作だと思っています。
以下は交響曲第5番の第1楽章(20分21秒)、導入は低弦のピッツィカートで静かに始まり、金管楽器のファンファーレで一気に盛り上がるところはダイナミック・レンジがとてつもなく広い。。。
Bruckner: Symphony No. 5 in B Flat Major WAB 105:
1. Introduction (Adagio)
以下は交響曲第5番の第4楽章(23分48秒)、堂々たるフィナーレに向かって壮大なゴシック建築物を連想させるような、フーガの荘厳な盛り上がりに圧倒されます。。。
Bruckner: Symphony No. 5 in B Flat Major, WAB 105:
4. Finale (Adagio - Allegro moderato)
以前のブログ記事「究極のクラシックアルバム名盤ベスト10」でも、交響曲第5番は第4位(交響曲では第1位)に選びました。
後期の第7番、第8番、第9番も非常に人気の高い作品です。
個人的なベストCDは、第7番はカラヤン盤、第8番はジュリーニ盤、第9番はバーンスタイン盤です(学生時代からの愛聴盤、オーケストラはすべてウィーンフィル)。
ブルックナーの作品には、校訂版としてハース版(旧全集)とノヴァーク版(新全集)という2つのバージョンが存在します。以下は交響曲第8番の第4楽章を例にとって比較したものです。
ハース版の特徴
一部の金管の壮大なクライマックスが省略されています。また、特定のトロンボーンやチューバの強調が控えめになる箇所があります。
ノヴァーク版の特徴
ブルックナーが遺したすべての音楽的素材が復活し、金管のコラールが非常に強調される構造になっています。
下のジュリーニ盤(レコードアカデミー賞受賞)は、ノヴァーク版です。
バーンスタインが唯一録音したブルックナーの交響曲がこの9番です。
一方、初期の交響曲(第0番~第3番)は演奏される機会もほとんどなく、認知度も高くありません。
そんなわけで、ブルックナーの交響曲を学生時代から愛聴していたにも関わらず、初期の交響曲(第0番~第3番)を聴く機会はありませんでした。
ところが、Apple
Musicのサブスクリプションをきっかけに、これらの交響曲を試しに聴いてみたところ、どれもなかなか良いではないですか!
これまで聴く機会がなかったのが勿体なかった程です。
以下に初期の交響曲(第00番~第3番)を紹介します。
2. 交響曲第00番 ヘ短調『習作交響曲』
まず交響曲第00番から。
(以下Wikiからの引用)
ブルックナーが作曲した交響曲のうち、第1番から始まる番号が命名されていない曲が2曲ある。そのうちの一つは、作曲者が
∅とスコアに記したことから「第0番」と呼ばれている。残りの1曲は、ここで扱っている交響曲である。つまり作曲者は「交響曲」以上の名称を与えていない。
(引用おわり)
ティーレマン指揮ウィーンフィルの最新録音盤を聴きました。
(以下Amazonの商品の説明から引用)
1 第1楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ [14:49]
2 第2楽章 アンダンテ・モルト [11:36]
3 第3楽章 スケルツォ 速くートリオ 遅く [5:16]
4 第4楽章 フィナーレ アレグロ [7:06]
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クリスティアン・ティーレマン
[録音]2021年3月27日&28日、
ウィーン、ムジークフェラインザ-ル
ドイツ音楽の世界的巨匠と目されるクリスティアン・ティーレマンと名門ウィーン・フィルが、作曲者生誕200年を見据えて2023年に完成させたブルックナーの交響曲全集。
ヘ短調・ニ短調の2曲を含む全11曲をウィーン・フィルが録音したのも初めて。
(引用おわり)
校訂版はノヴァーク版のひとつだけのようです。
Symphony in F Minor, WAB 99 (Nowak Edition, "Nullified" First Symphony)
冒頭からの爽やかなメロディは、ブルックナー節というより、確かにシューマンの交響曲を彷彿させるところがあります。
ブルックナーに苦手意識があれば、むしろこの交響曲第00番はとっつきやすいかもしれません。
個人的には、ブルックナーらしさが楽しめないのでちょっとアレな感じでしょうか。。。
3. 交響曲第0番 ニ短調
(以下Wikiからの引用)
1869年に着手され、その年に完成されたと思われる。これは交響曲第1番よりもあとである。当初「交響曲第2番」にする予定でもあったと言われる。
ただし、1863年から1865年ごろ(つまり交響曲第1番を書く以前)にこの曲の作曲が着手されていたとの説もある。この説は現在では否定的に受け止められることが多い(詳しくは後述)。
曲の完成後、ブルックナーはこの曲の初演をウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者だったフェリックス・オットー・デッソフに打診するが、「第1主題はどこ?」と訊ねられたことで出来栄えに自信をなくし、この曲を引っ込めてしまった。
その後、特にブルックナー自身による改訂は行われなかったと思われる。ブルックナーは最晩年、若き日に作曲した譜面を整理し、残すに値しないと考えた作品を破棄したが、この交響曲は「∅」「全く通用しない(ganz
nichtig)」「たんなる試作(Nur ein
Versuch)」「無効(ungiltig)」「取り消し(annulirt)」などと記して否定的に考えつつも残し、破棄は免れた(自筆譜、筆写譜、パート譜など、それぞれに様々な書き方で記入した)。
(引用おわり)
ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏を聴きました。
(以下Amazonの商品の説明から引用)
ショルティはシカゴ交響楽団とブルックナーの交響曲を全曲録音していますが、この第0番は最後を締めくくった録音です。
ブルックナーの習作交響曲として位置づけられることの多い第0番を、彼らしいダイナミックな表現でスケール感たっぷりに演奏しています。
【収録内容】
ブルックナー:
交響曲 第0番 ニ短調
シカゴ交響楽団
指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
録音:1995年10月 シカゴ、オーケストラ・ホール(ライヴ)
(引用おわり)
ブルックナーの交響曲を得意とする指揮者は数多くいます。
インバル、チェリビダッケ、ヴァント、朝比奈隆などなど。。。
しかし、個人的にはサー・ゲオルグ・ショルティ指揮のシカゴ交響楽団がベストオブベストであります。
1970年代後半から80年代にかけてのシカゴ交響楽団は、まさに黄金期であり、ショルティの指揮下で、ミリタリー的とも思えるほどの緻密で精巧な演奏技術を武器に、世界のトップに君臨しました。
特に、首席トランペットのアドルフ・ハーセス、首席ホルンのデイル・クレヴェンジャーなど、金管セクションの強力さは古今東西類を見ないほどに世界の頂点に君臨していた、といっても過言ではありません。
ブルックナーの交響曲の編成は、第2番までは一般的なトロンボーン3本を含む2管編成ですが、作品を追うごとに規模が大きくなり、第3番では第3トランペット、第5番からチューバが含まれています。
第7番ではチューバが4本に増えて、第9番では8本ものホルンが加わり音響は重厚さを増しています。
ショルティのシカゴ交響楽団は、まさにそのようなブラスセクションの充実ぶりが見事に演奏に反映されているのです。
この作品は第3楽章のスケルツォが迫力満点。
Bruckner: Symphony No. 0 in D Minor, WAB 100:
3. Scherzo: Presto (Live)
第00番と比較してブルックナー節が至る所に現れるので、一聴してブルックナーの交響曲とわかります。
4. 交響曲第1番 ハ短調
(以下Wikiからの引用)
1865年に着手、1866年に完成、1868年に初演された(第1稿)。
その後、1877年・1884年に、細部の改訂を行ったことが判明している(ロベルト・ハース、レオポルト・ノヴァークによって「リンツ稿」とされたものは、活動の拠点を既にリンツからウィーンに移した1877年時点での改訂が含まれている)。
さらに、最初の作曲から24年を経過した1890年から1891年にかけ、約1年を費やし、この曲は全面的に改訂された。時期的には、交響曲第8番の改訂を終えた直後から、改訂作業に着手している。
同じ主題と曲の進行をもちながらも、曲の様式がかなり違ったものとなった。こちらの方は、この当時のブルックナーの活動地域から「ウィーン稿」、「ウィーン版」などと称される。この稿は、ウィーン大学に捧げられた。
(引用おわり)
アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団の演奏を聴きました。
(以下Amazonの商品の説明から引用)
2012年ルツェルン音楽祭での、アバドによるブルックナー交響曲第1番の演奏。
ブルックナーの交響曲は版の問題が複雑ですが、この第1番は大きく分けてリンツ稿とウィーン稿があります。
ウィーン稿は作曲から25年後(第8番第2稿より後)に作曲者自身によって改訂されており、ウィーン稿の響きは初期の作品というより、後期ロマン派を感じさせるものとなっています。
アバドのブルックナーは第1、4、5、9番と録音されていますが、ブルックナーの交響曲の中でも演奏される機会の少ないこの第1番を好んで取り上げています。
これまでの録音ではリンツ稿を主に使用していますが、今回はウィーン稿。
ウィーン稿でのブルックナーの第1番といえば、ヴァント&ケルン放響とシャイー&ベルリン放響などがありますが、今回のアバド&ルツェルン祝祭管の演奏は初期作品の活気ある雰囲気を残しつつも、後期の洗練されたオーケストレーションを堪能出来るウィーン稿の良さをより味わえる演奏となっています。
クラウディオ・アバド (指揮)
ルツェルン祝祭管弦楽団
録音 : 2012年8月 ルツェルン音楽祭 ライヴ。
(引用おわり)
こちらの記事でおススメだったアバド盤を聴いてみましたが、これが大当たり!
個人的にはこの作品は第3楽章と第4楽章が聴きどころだと思っています(特に第3楽章が白眉)。
Symphony No. 1 in C Minor, WAB 101 (1891 Vienna Revision) :
III. Scherzo. Schnell
Symphony No. 1 in C Minor, WAB 101 (1891 Vienna Revision) :
IV. Finale. Bewegt, feurig
5. 交響曲第2番 ハ短調
(以下Wikiからの引用)
1868年、44歳のブルックナーは、ウィーンに移り、ウィーン音楽院の通奏低音、対位法、オルガンの教授とウィーン宮廷礼拝堂のオルガン奏者の地位に就いた。同時にそれまでのリンツ大聖堂とリンツ市立聖堂のオルガン奏者の地位は、その後2年間兼任した。
翌1869年4月にはナンシーへ旅行をした。その後、パリに赴きオルガン演奏会を開いたところ、サン=サーンスやフランクに絶賛される。これに自信を得たブルックナーは、1871年にロンドンでオルガン・コンクールに出席し、8月には第1位を獲得した。その後しばらくロンドンで過ごした後、10月11日に第2交響曲を書き始めた。
ブルックナーは、交響曲第1番のあと、1869年にニ短調の交響曲を作曲し、当初この作品に「第2番」の番号を与える意図を持っていたが、出来ばえに自信をなくしこの作品を封じてしまった(このニ短調の曲は、現在「交響曲第0番」と呼ばれている曲である)。
この作品は1872年に初稿が完成し、同年、この稿による初演を第1交響曲に感動した友人である指揮者デッソフにより計画されるも中止された。
理由は、パート譜を見たオーケストラ団員の一部から演奏不可能との意見がでるなど騒ぎが大きくなり、デッソフ自身も第2交響曲に対し十分な理解や共感を得られなかったことによる。そのため翌1873年に改訂がなされ、同年10月26日に、ブルックナー自身がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、この曲は初演された。
(引用おわり)
バレンボイム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴きました。
(以下Warnerの商品の説明から引用)
交響曲第2番ハ短調 WAB.102 (キャラガン版)
本作は、バレンボイムが天下のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とともに90年代に録音し高い評価を得た、彼にとって2度目のブルックナー全曲録音ボックスの再発売です。
70年代にシカゴ響と行った1度目の全曲録音に比しても円熟の色合いは段違いで、90年代に飛躍的な成熟を遂げたといわれるバレンボイムの、現代の巨匠と呼ばれるに相応しい名録音です。
90年代を通じてのベルリン・フィルのサウンドの移り変わりも実感出来る内容も興味深いもの(カラヤン死去の直後からスタート)。バレンボイム自身も80年代のパリ管時代から90年代のシカゴSO時代へと進化していく中で、この全曲録音は非常に重要なものといえましょう。
【演奏】
ダニエル・バレンボイム(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1990~1997年、
ベルリン、フィルハーモニー(第1,3番:セッション/第2,4,5,6,8,9:ライヴ)
ベルリン、シャウシュピールハウス(第7番:セッション)
(引用おわり)
このバレンボイムの交響曲全集は、実は以前ボックスCDで所有していたのですが、いつの間にか手放してしまったようで、今となっては後悔しています。
冒頭からブルックナーワールドの広大かつ深淵な世界が展開します。
個人的にはこの作品は第3楽章のスケルツォが一番の聴きどころだと思います。
バレンボイムの演奏がYouTubeになかったので、ショルティの演奏を貼っておきます(ぜひ以下を試聴ください)。
Bruckner: Symphony No. 2 In C Minor, WAB 102 -
Ed. Leopold Nowak: 3. Scherzo: Mässig schnell
ちなみに第4楽章もなかなか聴き応えあります。
6. 交響曲第3番 ニ短調『ワーグナー』
(以下Wikiからの引用)
1872年に着手し、1873年に初稿(第1稿または1873年稿)が完成した。
初稿執筆の最中の1873年、ブルックナーはリヒャルト・ワーグナーに面会し、この第3交響曲の初稿(終楽章が未完成の状態の草稿)と、前作交響曲第2番の両方の総譜を見せ、どちらかを献呈したいと申し出た。ワーグナーは第3交響曲の方に興味を示し、献呈を受け入れた。
この初稿により1875年、ヘルベック指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演が計画されたが、リハーサルでオーケストラが「演奏不可能」と判断し、初演は見送られた。
1876年(交響曲第5番作曲の時期)、ブルックナーはこの曲の大幅改訂を試み、1877年に完成した(第2稿、または1877年稿)。
同じ1877年、ブルックナー自身がウィーン・フィルを指揮して、この曲は初演された。もっともこの初演は、オーケストラ奏者も聴衆もこの曲に理解を示さず、ブルックナーが指揮に不慣れであったことも手伝い、演奏会終了時にほとんど客が残っていなかったという逸話を残している。とはいえ、残っていた数少ない客の中には、曲の初演準備のために2台ピアノへの編曲作業を手伝った、若き日のグスタフ・マーラーもあった。この初演の失敗により、ブルックナーはその後約1年間、作曲活動から遠ざかった。
(引用おわり)
超名門のウィーン・フィルが「演奏不可能」とか、初演の演奏会終了時にほとんど客が残っていなかったとか、今では信じがたいエピソードですね。
マゼール指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴きました。晩年のマゼールの高評判盤です。
(以下Amazonの商品の説明から引用)
■巨匠ロリン・マゼールは2012年9月、82歳にして、名門ミュンヘン・フィルの首席指揮者に就任し、「忘れられない瞬間」「最高水準の演奏」と絶賛を受けました。2012年10月のN響定期に際して来日し、演奏会のみならず「らららクラシック」にゲスト出演するなど、圧倒的な存在感を見せつけたことも記憶に新しいところです。2013年4月には早くもミュンヘン・フィルを率いて来日公演を行いますが、それに合わせての来日記念盤として、ブルックナーの交響曲第3番を発売いたします。
■2012年9月、シーズン冒頭の演奏会での最新録音で、このコンビによる初の交響曲録音となります。交響曲弟3番は、マゼールが最も初期に録音したブルックナーの交響曲で(1967年ベルリン放送響とコンサートホール・レーベルに録音)、その後1999年のバイエルン放送響と交響曲全曲演奏の模様もCD化されていますが、それからさらに13年を経ての深化・進化に大きな期待が持てます。ミュンヘン・フィルも伝説の名匠チェリビダッケに薫陶を受けたブルックナー・オーケストラです。二つの個性がぶつかりあった重厚・華麗なミュンヘン・サウンドを堪能できる1枚です。
(引用おわり)
個人的にはこの作品も第3楽章のスケルツォが一番の聴きどころだと思っています。
Symphony No. 3 in D Minor, WAB 103 "Wagner" (1889 Version, Ed. L.
Nowak) :
III. Scherzo. Ziemlich schnell ·
Lorin Maazel · Bavarian Radio Symphony Orchestra
第3楽章のスケルツォは文句なしに素晴らしい出来です。
第4楽章のフィナーレは、後期の交響曲の壮大な締めくくりと比較すると若干物足りなさを感じますが。。。
以上、ブルックナーの初期の交響曲(第00番~第3番)の紹介でした。
個人的には初期の交響曲5作品のなかでは第3番が一番好みかもしれません。
こうして聴いてみると、こんな名曲の数々を今までの人生でスルーしていたことがあまりに勿体なかったと感じます。
ブルックナーの交響曲が素晴らしいのは、どの曲にも荘厳な宗教的な香りが感じられるからです(ブルックナー自身も敬虔なカトリック教徒で、ミサ曲など多くのキリスト教音楽を作曲しています)。
奇しくもブルックナー生誕200年の年にこうして今まで聴く機会のなかった名曲の数々に巡り合うことができて良かったです。
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