今日は、多摩美術大学(上野毛キャンパス)で開催中の「統合デザインの卒展
2025」(2025年1月16日~19日)に行ってきました。
美大生ならではの斬新な発想から生まれた力作ばかりで見応え十分、身近な文化イベントを楽しんできました。
多摩美術大学 上野毛キャンパスは、東京都世田谷区池尻一丁目にある私立大学です。
1974年に八王子キャンパスに移転するまで、多摩美術大学(以下多摩美)のすべての授業がこの場所で行われていました。
現在のキャンパスは、八王子と上野毛の2キャンパスに分かれており、都心部から至近の上野毛キャンパスは、2014年4月に新設した美術学部統合デザイン学科と美術学部演劇舞踊デザイン学科の学生が学びます。
所在地 〒158-8558
東京都世田谷区上野毛3-15-34
公共交通機関 東急大井町線「上野毛駅」下車、環状8号線沿い(瀬田方面)に徒歩3分
2025年1月16日(木)~19日(日)の4日間、統合デザイン学科の卒業作品の展覧会である「統合デザインの卒展」(正式名称
多摩美術大学統合デザイン学科卒業・修了制作展2025)が開催されました。
入場無料、事前予約不要です。
統合デザイン学科とは、平面・立体を横断した課題の制作を通じて、多様なアプローチを学べる新しいデザイン学科です。
2014年4月に新設され、2019年に第一期生が卒業、「統合デザインの卒展」はその2019年から毎年開催されています。
この卒展には、2年前(2023年1月19日)にも訪れました。
昨年の卒展(2024年1月18日~21日)はちょうど海外出張が重なってしまい訪れることができませんでした。
ちなみに多摩美術大学 上野毛キャンパスは現在大規模な校舎の建て替え工事中です。
新棟の竣工は、多摩美術大学が90周年を迎える2025年秋の予定、学生の利用開始は2026年4月を予定しています。
1. 1号館
さっそく1号館の展示から
Room 102
BAITO(陪都)とは、中国語のようですが、都市機能を分散させるという意味のようです
居住者の動線と街の再生
流れ
霧の流れを再現
霧のフワフワ感がスゴイ
光絵
手前のすりガラスの絵柄を投影して絵を作っています
Room 103
思い出しロード
いろいろな障害物を歩くことで、昔の思い出が蘇る仕組み
ムダに歩くことで子供の頃の風景を思い起こす
体験型の展示
障害物が何を思い出したかメモに書いて貼ります
ゆびパーク:手で遊ぶ
目と手が連絡できない状態で図形を描く、感覚が面白い
ゴムに引っ張られながら「あ」を描いてみる
目と手のさまざまな役割を意識できる
参加するわたし
映像に関与する
この部屋はセッティングの最中でした
DWKMファッションコレクション
東アジアのテイスト
(motion/stillness)
巨大な網の束が存在感ありますね
これは踏むようにって書いてたけど何だったか。。。
発想が素晴らしい
Room 202
展示準備中
照明の調整中でした
FALLEN ANGEL
あれ展示物が置いてない
手袋が準備されていましたが
まだ準備中だったでしょうか
インダストリアルな鞄
ファッションと工業デザインの融合
布の踊り子
布がクルクルまわって脈動感がありますね
線の空間
筒の内部を除くと
ナイロン糸が張り詰めてある
廊下には四角い障害物が
はざまの結界
Room 204
泡でMediumという概念を表現する
とオト(優しく触ってください)
触れるといろいろな音が鳴る仕掛け
これはなかなか楽しくて飽きません!
白い部分だけ触ってください
うーーんこれはやり方がわかりませんでした。。。
これは見るだけ
糸電話のような作品、これも音が鳴ります
在る陰影
Outline
Room 206
羊が何匹?
ここも調整中でした
雑貨に込められた思い
動画ディスプレイ
重なった図形が離れていくと隙間を埋める現象が起こる
5つの動く図形を
枠から見ると
確かに輪郭がボケて見えるのがわかります
映像で確認すると隙間を埋める現象が起きない(目視と違う)のが不思議!
りんね
六体のキャラクターが輪廻を繰り返すアニメーション
Room 302
Collages in a Three Dimensional Plane
2次元と3次元を組み合わせた作品
張りの形態
けん玉、時計、ゲームコントローラーなどが膜で包まれている
たぶん、人魚
作者が思うがままに創作された作品
布の彫刻
布にも潜在的な表現力が潜んでいる
Room 303
わたしをつくるもの
他人との交流によってわたしが形成される
間
重力と磁力によって浮遊しているような緊張感
めのたに
漫画やアニメの目の大集合
Room 306
視覚のフレーム
実物と写真が融合した不思議な作品
光を縫う
写真のなかに光を縫う
Outline of the Wind
和紙に施されたレーザーカット
役割が変わる回転ソファ
360度回転する重厚なソファ
Room 306の入り口付近にスタンプラリースポットが
スタンプラリー(4か所)を完成させると景品がもらえます
Room 304
Patterns for charm of your family
ペット服のオートクチュールかな
くらげリズム
苔らしさ
敢えて硬い素材で苔を再現
Rhythm of Hedges
生垣
泡でMediumという概念を表現する
Mediumというのは水や空気のこと(美術用語か?)
B1
手で操作する物質メディアの可能性
久しぶりにパラパラやりました 笑
テンションの集合
ワイヤーで吊ってある立方体の集合、なかなか迫力あります
81億個の視点
誰か他人の視点に立ってみる
鏡の前に書いてある文章を読んで客観的な視点に立つ練習(ちょっと人前ではやりづらい)
アニメーションディスク
ディスクを回転させると棒がアニメーションを描く
1号館の見学が終了
食堂でランチタイム
お昼時で結構な賑わいでした
あんかけラーメン450円に決定、今日みたいな寒い日にはあんかけラーメンで温まるに限る!
いただきます!
おいしゅうございました!
2. 2号館
ランチで腹ごしらえした後は2号館へ
Room B04
intuition
女の子とウサギのアニメーションMV
Room B05
始動!ダットエース
男子学生が学校で空襲に遭遇し、気になる少女は他人に救われて、その代わりガンダムのようなマシンに乗る物語でした
(以下スマホのオートフォーカスが故障してピンボケ写真多数です。。。)
Room 306
モノのためのぬいぐるみ
ぬいぐるみが日用品に紛れ込む世界
時計にも
スリッパにも
ハンガーにも
Room 307
Ideal
アクリル立方体のコレクション
シンシ株式会社の協賛作品でした
私たちが生まれる前のはなし
生命の脈動を感じさせるイラスト
時の運行
石が削られるのと同じように木を削る
生の調べ
Room 308
小さな教員
ホワイトボードの黒板消しや張り紙が
勝手に動いてビックリ!
視線画
デフォルメ
循環する秘密(写真撮影禁止)
レイヤーグラフィック
入り口付近にスタンプラリースポットが
広い展示スペース
フルーツキャップと人
漢文字示生物
王余魚とは?
なんて読む??
アリクイかな?
裏に解答が
世田谷区の住宅街にも出没するハクビシンでした
Origin of Image
ドットプリンターで制作された作品
大きなものまで
刺青、タトゥー
脈拍
これは面白い!
Through the body
次々と入れ替わるイメージ
反対側に住む人
不思議なイメージ
3号館を終了
4. Cube
ぼやけたものの識別
塊
フィルムに円を描いたものが積み重なった層
日常のレリーフ
みえないもの
羊毛から作られた布の塊を表現
Room 205
日々の痕跡
a dogs (犬たちです!)
ディスプレイ上に犬が登場でした
ウールクロス
秩序のためのフレーム
食卓の上のものがすべて立方体のアクリルに覆われると印象がガラッと変わる
last moment
廃棄物の再生
百姓
差別用語だけど、お百姓さんは百のスキルを持っているのはスゴイ
Room 202
次元を組む
平面から飛び出している
Room 206
Pull-tab dress
3000個のプルタブで制作されたドレス
心の流転
Interwoven Products
化身
Hug Chair
様々な動きが可能な子供用チェアー
妖精記録 家の中
緊張の境界
然び(さび)
錆で染めた布で表現
離人感ダストボックス
マヨネーズと海苔の作品(解説なし)
以上でCube館見学を終了
スタンプラリー4個すべて揃いました
Mensa(食堂)前のGoods Shopで景品と交換
Completedのスタンプを押印、透明な花の小物をいただきました
5. 卒業制作展
3号館3-103で演劇舞踊デザイン学科の卒業制作展が開催されていました(10:00-17:00)
下のような20ページくらいの冊子が配布されていました
卒業制作展は、映像美術ゼミ8期生による展示品で、どの作品も完成度が高く、見応え十分でした。
6. カミノゲ!ファイブ ステージ
すべての展示を観終わって、校内をブラブラしていたら、カミノゲ!ファイブ ステージという演劇のイベントをやっている場所に遭遇
イベントは午後1:30からということで、ちょうど開始の5分前
ダメ元で尋ねたところ、事前予約制ですが、席に空きがあれば当日参加もOKということで、運良く入ることができました
時間は3つの題目で合計1時間ほど、入り口で靴を脱いでスリッパに履き替えます
最後尾席で観劇です
なお、劇は撮影禁止なので、写真や映像はありません
1つ目の演目はHERO and GANGSTAという歌とダンスとラップが盛りだくさんの決勝コンテスト。チャンバラシーンは迫力満点!
1つ目の演目はセリフのない楽しいダンスエンターテインメント、生徒さんたち実に楽しそうに踊ります!
3つ目の演目は男性5人によるギャグドラマ、これもメチャクチャ面白かった!
いやー本当に面白かったので、楽屋を出てからしばらくは頭がボーっとしてしまいました。
15日(水)13:30~(スタジオB、約80分) 16:30~(演劇スタジオ、約130分)
16日(木)13:30~(スタジオB、約80分) 16:30~(演劇スタジオ、約130分)と開催されます(料金:無料、要予約) 受付・開演時間の30分前
以下はカミノゲ!ファイブ ステージからの引用です
■ ご 予 約
演劇スタジオの2作品に関しては、一部性的な表現や暴力的な描写、動物虐待にあたる表現が含まれていますが、それらを肯定する意図はございません。また、光の演出でまぶしい場面がございます。
観劇にご不安のある方は【kaminoge.i.five.stage.2024@gmail.com】(制作部)へお問い合わせください。
こちらのフォームからお申し込みください。
2024年12月15日(日)10:00開始
※ご予約は各スタジオごと
スタジオB公演は3演目、演劇スタジオ公演は2演目をご覧いただけます
5演目全てご覧いただくには、会場ごとのご予約が必要です
※自由席(当日は受付順のご入場です)
※未就学児入場不可
※開演時間を過ぎますとお席にご案内できない場合がございます
※車椅子でご来場の方はスペース確保のため、事前にご連絡ください
(引用おわり)
予約がなくても観れるチャンスがあるので、是非とも足を運んでみてはいかがでしょうか?
また、1月26日(日)/27日(月)には、演劇舞踏デザイン学科の卒業制作舞踏公演(観覧無料、事前予約制)も予定されています。
舞踏公演の事前予約はこちらのフォームから。
7. さいごに
前回訪問したときも感じたのですが、展示品のクオリティの高さが本当に高く、またどの作品も発想が豊かです。
このレベルの展示会が近所で開催、しかも無料とは、世田谷区民で良かった 笑
多摩美大の卒展、来年以降もまた訪れてみたいと思います。
関係者の皆さまにはこのような素晴らしいイベントを無料で開催していただき、心から感謝申し上げます。
そして、学生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
コメント